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2018年2月 3日 (土)

“クレムリン・リスト”はプーチンの心臓を狙った銃弾

2018年2月1日
Paul Craig Roberts

ロシアの政府、マスコミ、そして国民は、アメリカ財務省の“クレムリン・リスト”を一体どう考えたら良いのかわからずにいる。財務省リストには、ロシア政府と実業界の最高幹部の氏名が載っている。ロシア人は、リストが敵対的で、二つの主要核大国間の関係を悪化させるワシントン政策を更に推進することを理解しているが、それ以上のリストの意味は彼らにとって謎だ。

プーチン大統領はリストから外れたのにがっかりしたと冗談を言った。プーチンは理由があればこそ外されたのだ。リストは彼を標的にしているのだ。

1月30日、リストの主な理由四つを私はご説明した。英語原文https://www.paulcraigroberts.org/2018/01/30/washington-reaches-new-heights-insanity-kremlin-report/ 翻訳記事

更に二つの重要なリストの理由はこれだ。

1)リストはロシア・オリガルヒの事業権益に対する暗黙の脅威であり、オリガルヒたちはそれを理解している。彼らの多くが、リストから外すよう、ワシントンでロビー活動したと報じられている。ワシントンは、オリガルヒの欧米出張を妨害し、欧米にある彼らの資産を没収し、アメリカ人やヨーロッパ人が彼らの企業と事業を行うのを阻止できることを示唆して、彼らにプーチン大統領支持を止めるように言っているのだ。ワシントンは、欧米が資金提供するロシア国内のNGOやマスコミを、来るロシア選挙の干渉に活用する気なのだ。ワシントンは、プーチンに予想されている大勝利をさせたくないのだ。アメリカ史上のどのアメリカ大統領より高い国民の支持を得ている人物を怪物に仕立て上げるのは困難だ。

2)リストはロシアとプーチン大統領を侮辱することを狙っている。過去の挑発に対するプーチンの控えめな対応の結果、ロシアの政治、経済指導部全体に対するワシントンの侮辱にもプーチンの反撃はないと、ワシントンは正しくも見込んでいたのだ。反撃されない侮辱は、かくしてプーチンとロシアに対するその覇権を誇示するワシントンの方法と化した。

ロシアから意味ある反応がないことが、プーチン支持者に対する更なる侮辱と実際の経済制裁を促し、彼らの一部を、自らの経済上、出世上の権益を守るためプーチンから離反させることになろう。過去ワシントンは、指導者たちから国民の支持を剥ぎ取るための取り組みで経済制裁を活用してきた。クレムリン・リストにより、ワシントンは戦術を変更し、指導者階級の評判と経済権益を標的にしているのだ。リストは、プーチンから、政府や財界最高幹部の支持を奪うためのワシントンの企みだ。リストはプーチンの心臓を狙った銃弾なのだ。

多くのアメリカ人に多大な損害を与えた金融界のえげつない悪党だと多数の人々から見なされている人物マヌーチン財務長官のあつかましさを考えれば、リストの発表は、アメリカ政府が、ロシア首相、ロシア外務大臣、ロシア国防大臣に対し、何らかの処罰処置を取るつもりであることを示唆していよう。このリストは、ロシアに対し、ワシントンはロシアを、トランプの言う“肥溜めのような国々”の一つと見なしていると語る一手段だ。リストは、ロシアに、ワシントンは、ロシアの権益を考慮するつもりは皆無で、ロシアは、イギリスやドイツ、フランス、スカンジナビア諸国、日本、カナダ、オーストラリア、イタリア、スペインや、その他の卑屈な欧米傀儡諸国のように、ワシントンの覇権に服従するまで、罰せられ続けるぞと言っているのだ。ジョージ・W・ブッシュが宣言したように“敵か味方のいずれかだ”。味方というのは、言われた通りにすることを意味する。ロシアは言われた通りにするか、戦うかが可能だ。ロシアに他の選択肢はない。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/02/01/kremlin-list-bullet-aimed-putins-heart/
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孫崎享氏の今朝のメルマガも、アメリカの強硬な対北朝鮮姿勢に関する記事。題名は下記の通り。

ビクター・チャが次期駐韓大使任命から外れた意味合い、チャはブッシュ政権時、NSCアジア部長。北朝鮮への先制攻撃に反対。韓国内に、その彼の排除は、米国が先制攻撃する可能性が高まっているのでないかとの懸念が高まる。

大本営広報部にとって重要なのは、ヤマ・モリ・カケ問題よりも、対北朝鮮問題よりも、地位協定よりも、相撲理事選挙。不思議な業界の、不思議な価値観。

大本営広報部は、スラップ訴訟を報じることは決してない。外国特派員によって記事になるのだろうか?

明日は名護市長選。

日刊IWJガイド・ウィークエンド版「すでに削除済、コメントもしていない、一つのリツイートに対して1万ドル(100万円)の訴状がある日突然届く!?『この裁判は日本国内だけの問題ではない!』~岩上安身が日本外国特派員協会で会見/山口敬之氏が伊藤詩織さんをホテルに引きずり込む動画が裁判で証拠採用されることに!?さらに、安倍総理は山口氏の仲人を務めるほど親密な間柄!?/『#枝野行け』がトレンド入り!名護市長選投開票日が明日に迫る!「争点隠し」に走る自公推薦候補と現職・稲嶺氏が接戦!?~ジャーナリスト・横田一氏による特別寄稿を掲載!」2018.2.3日号~No.1969号~

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