ジュリアン・アサンジ迫害
2018年1月12日
Paul Craig Roberts
“この状況を終わらせるため我々は政治介入する必要がある。彼(アサンジ)は 西欧唯一の政治囚だ”Juan Braco
ウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジの迫害は今や七年目だ。エクアドルが、過去5年間、ロンドンのエクアドル大使館内でアサンジの政治亡命を認めることで、腐敗したスウェーデンとイギリスによって、拷問とスパイとして起訴するため、アサンジがワシントンに引き渡されることから守ってきた。現在、エクアドルは、アサンジに国籍を与え、外交上の地位も与えて、イギリスから無事出国させようとしたが、看守という与えられた役を演じ続けているイギリス政府は、アサンジの外交上の地位に対するエクアドルの要求を拒否し、最も卑屈なワシントン傀儡国家として、恣意的拘禁からアサンジを即時解放しろという、恣意的拘禁に関する国連作業部会の命令を拒否した。
彼の報道機関、ウイキリークスが、ブラッドリー・マニングが暴露したファイルを公開して、アサンジはワシントンと面倒なことになった。ファイルは、各国政府に対して、ワシントンがいかに陰謀を企み、同盟諸国を裏切っているのかをさらけ出しているので、ワシントンにとっては実に困りもので、ファイルには、アメリカ軍兵士が道路を歩いている無辜の人々を殺害し、更にアメリカ兵士が銃撃した一般市民を助けようとして立ち止まった二人の子供をつれた父親も殺害する音声/画像映像もあった。映像は本当の人々を犠牲者にして、本物の生ビデオ・ゲームを楽しむアメリカ軍兵士の冷酷さと、犯罪的残虐さをさらけ出していた。
苦しめられたのは、殺人を犯した兵士たちではなく、マニングだった。マニングは、専門家たちが拷問にあたると言う状態に二年間おかれ、 彼に対する訴訟がでっちあげられた。厳しい条件が彼の精神に影響を与えたと考えている人々もいる。マニングは、いかさま裁判で、35年間の禁固刑が言い渡されたが、オバマは、ワシントンには稀な思いやりで、マニングを恩赦で釈放した。
ワシントンはアサンジも捕らえたかったが、二人のスウェーデン人女性が、有名人のアサンジに惹かれて、彼を誘惑して好機が巡ってきた。二人の女性は、アサンジからコンドームを使用するという彼女たちの希望への協力が得られなかったが、HIV恐怖に洗脳されていて、アサンジにも一緒に検査を受けて欲しがった。
アサンジが二人の恐怖の強さを理解せず、なかなか協力しようとしなかったので、女性たちは警察に行き、彼に検査を受けるよう要求できないか相談した。女性たちによれば、警察が強姦容疑をでっちあげた。女性たち自身は、この容疑を否定していた。
容疑は捜査され、スウェーデン主任検察官Eva Finneが“いかなる犯罪の疑いもない”と言って告訴を棄却した。
不思議なことに、多くの人がワシントンの指示で動いていると見なしている別の検察官、Marianne Nyによって審理が再開された。11月30日、ブラッドリー・マニングが漏洩したケーブルゲート資料をアサンジが公開し始めた二日後、Nyは、アサンジに対する国際刑事警察機構“レッドノーティス”逮捕令状を出した。アサンジに対する何の未解決の告訴もなく、これまで、逮捕令状による、ある国から別の国への引き渡しには、実際の告訴が必要なので、これは異様な要求だが、尋問のためアサンジを逮捕したいのだとNyは述べていた。内情に通じているほとんどの人々は、ワシントンが、スウェーデンに、アサンジを捕らえて、ワシントンに引き渡せと命じたことを知っていた。
アサンジはイギリス裁判所の逮捕令状の合法性に異議を申し立てたが、多くの人々がワシントンの命令に従っていると考えているイギリス裁判所は、法に違反し、ワシントンの有利になる裁定をした。アサンジは、逮捕に同意し、イギリスの警察署に出頭した。彼はワンズワース刑務所の独房に監禁された。記憶が正しければ、ジェームズ・ゴールドスミスの娘が彼の保釈金を支払い、彼は自宅軟禁となった。スウェーデン検事が、スウェーデンにおける彼のいかなる容疑ではなく、ワシントンのためにアサンジを確保したかったことが明らかになると、エクアドルが彼を亡命者として受け入れ、彼はロンドンのエクアドル大使館に逃げ込んだ。
以来、彼はそこにいる。
スウェーデンは、二度にわたって事件を解決済みにし、スウェーデンでは、アサンジは、もはや事情聴取のため指名手配されていない。だからイギリスには、スウェーデンのために彼を捕らえる理由は皆無なのだ。ところが、イギリス政府は、決して、アサンジを、スウェーデンのために拘束していたわけではないのだ。イギリスは彼をワシントンのために拘束していたのだ。そして今もそうしている。スウェーデンが警官の偽報告書に基づいた事件を打ち切っており、アサンジに対するいかなる容疑も何の根拠もないにもかかわらず、イギリス政府は、大使館から一歩でも外に出た瞬間に、彼を逮捕すると言っている。
ワシントンのご主人にお仕えしたさで必死の余りに、イギリスは、外交特権に違反し、エクアドル大使館、に侵入して、アサンジを逮捕するつもりだとまで言ったことがある。
かつては誇り高かった政府が、アサンジの看守としてワシントンに服従し続けていることに対するイギリスの弁明は、大使館に亡命することで、アサンジ保釈中に失踪したことになり、それゆえイギリスは、既に終わっている捜査のために、警察に二度目に出頭しないかどで、彼を逮捕しなければならないというものだ。
この事件全体を覆う不正行為の悪臭を感じて、この件を色づけているワシントンが画策するプロパガンダの覆いをはがすため、ラ・レプブリカ紙のイタリア人調査ジャーナリスト、ステファニア・マウリッチが、この件に関するイギリス、アメリカとスウェーデンの連絡文書を入手しようと二年間奮闘してきた。イギリス裁判所は、イギリス検察庁の外国当局との関係を守らなければならないことを理由にいかなる文書の公開も拒否した。
これで我々が知るべきことはすべてわかる。アメリカ憲法が守っている報道の自由の権利を行使したことに対し、実に汚らわしいワシントンがアサンジに復習したがっており、スウェーデンとイギリスの、ひどく汚らわしい政府が、ワシントンの汚れ仕事を行っているがゆえに、ジュリアン・アサンジは人生の七年間を失ったのだ。我々にはっきりわかるのは、アサンジが全く無罪で、アメリカやスウェーデンやイギリス政府には何の高潔さも品位もないことだ。これらの国々で悪政を行っている人間のくず連中にとって、法律など何の意味もない。
Katrin AxelssonとLisa Longstaffを除いて、アメリカで、そして、おそらくヨーロッパ中で、政治家とフェミニストは、アサンジを強姦犯のスパイとして描くのに売女マスコミを利用してきた。フェミニストはいかなる事実も気にしない。連中は悪魔化する男性が欲しいだけなのだ。政治家は、真実など思いも寄らないのだ。連中は、アサンジを、アメリカに対する脅威、裏切り者として描くことで、ワシントンの犯罪と同盟諸国に対する裏切りから目を逸らせたいだけなのだ。アサンジが、アメリカ国民ではないので、アメリカに対する裏切り者になどなり得ないことなど連中は気にかけない。実際、アサンジに対するアメリカのあらゆる主張には法的根拠が存在していない。それなのに、ワシントンと、その卑屈なイギリス傀儡国家のおかげで、アサンジはロンドンにあるエクアドル大使館で、埋葬状態になっている。法への敬意と尊重は、エクアドルにあり、アメリカやイギリスやスウェーデンにないのは明らかだ。
しかし欧米世界では、事実と法律と市民的自由は、いかなる意味を持つことを止めてしまった。腐敗したアメリカ司法長官ジェフ・セッションズは、アサンジ逮捕は“優先事項”だと述べている。ワシントンの召し使いに過ぎないイギリス警察は、不起訴になっているにもかかわらず、今でもアサンジが大使館から出れば逮捕すると言っている。
イギリスにとっては、ワシントンに仕えることが自国の名誉より重要な使命だ。
参考記事:
https://www.rt.com/uk/415615-assange-passport-ecuador-ministry/
https://www.rt.com/news/388996-julian-assange-rape-allegations/
https://www.rt.com/uk/414442-assange-files-tribunal-maurizi/
https://www.rt.com/news/388904-assange-rape-investigation-drop/
https://newmatilda.com/2015/07/31/julian-assange-untold-story-epic-struggle-justice/
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/01/12/persecution-julian-assange/
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相撲の後の洗脳呆導、番組名は知らないが、提灯持ち記者連中が、二人のタレントに上から目線で勝手な御託をならべるのは変わらない。今回は、バルト地域での宗主国ミサイル・セールス活動擁護。
「ロシアの武力によるクリミア併合をみて、バルト三国は警戒を強め軍隊を強化している」と。そもそもクリミア併合の原因となった、アメリカが後押ししたウクライナ・クーデターには全く触れない。中立性を著しく欠くあの番組だけでも、料金を払いたくなくなる。すきでみているのではなく、たまたま消しそびれたのだ。
拝聴しそこねていたインタビュー、これから見る予定。
中東情勢に地政学的大激変!? 米国はもはや「覇権国家」ではない! 極東と中東で同時に高まる戦争の脅威~岩上安身による東京大学名誉教授・板垣雄三氏インタビュー(前編) 2018.1.9
「核」が結ぶシリア・イラン・北朝鮮――中東と極東で同時に高まる戦争の危機! 中核に位置するパレスチナ問題を紐解く~岩上安身による東京大学名誉教授・板垣雄三氏インタビュー(後編) 2018.1.10
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コメント
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ウィキリークスには、これまでTPPなどのリークで救われてきましたから、アサンジさんを逃がしてあげたいという思いはあるのですが、何しろ我々自身が囚われの身になりつつある現状では、無事を祈る事しかできない訳で、情けなく思います。
思えばウィキリークスが放つ数々のリークのお陰で、TPPなどの売国政策が、この日まで後送りされてきた様なものですからね。
しかし、その恩恵もここまで。
遂にこの国は、最後のトドメを指される場面にまで追い込まれてしまいました。
・・・前回のつづき
種子法廃止とそれに伴う化学バイオ企業へのノウハウ供与というのは、全く受け入れ難い事です。
公的種子というのは、全国民の血税で開発され管理されてきたもので、言わば全国民の共有財産です。
それをノシまで付けて明け渡すとは何事ぞ。
化学バイオ企業が開発した種子というのは、それ自体がその企業の知的財産であるという点が最も恐ろしいところです。
知的財産、つまり特許によって種子を独占するのみならず、特許を侵害する行為に対して損害賠償という訴訟ビジネスが成り立ってしまうからです。
これで契約農家を脅し、罠に嵌めて吸い尽くすという手口です。
そして何と言っても、これまでの公的種子とは違って、栽培する過程で消費する農薬の量が格段に増大する為、農家のみならず、一般住民にも健康被害を齎す危険性があるという点でも脅威です。
これは水道民営化とも関連するのですが、例えば東京都の水源地は主に奥利根瑚と奥多摩瑚ですが、取水については、そこから直接行っている訳ではなく、利根川、多摩川のずっと下流の方で取水している訳です。
すると、そこへ至る過程には多くの農地があり、田んぼがあり、その農地に噴霧された農薬の一部は川へと流れ込む訳です。
現在は、その絶対量が少ない為、水道水に残る程ではありませんが、今後、ハイブリッドF1種や遺伝子組み換え種子が主流となった場合、川へ流れ込む農薬の量は半端ではなくなるのです。
農薬と一言にいっても、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、生物利用、など様々で、稲の病気を抑える為に有用なものもあり、毒性の比較的弱いものもあり、そうした農薬はよいのですが、最近の主流であるネオニコチノイド系殺虫剤とグリホサート系除草剤だけは、これまでの農薬とは次元の違う浸透性の毒性を持つものである為、浄水場でも除去は不可能なのです。
無論、家庭用浄水器も無駄。無駄どころか、家庭用浄水器を使用した場合、むしろミネラル分が除去されてしまう為、却って健康を損ねる危険性が高いのです。
(農薬の害について詳しく知りたい方は、印鑰智哉さんのブログをご覧ください)
なので今後は水道水にも、これら毒素の残留する濃度が増大するものと思われます。
これが又、水メジャー企業の思うツボで、水道水が汚染、または水質悪化したとなれば、今度は清涼なボトル水が売れるようになるという算段な訳です。
現在でも、大きめのスーパーなどでは詰め替え方式で10リットル程度のボトルに汲む装置が設置されており、結構利用者は多いのですが、あれも今は安い金額で利用できていますが、民営化が全国展開された場合、寡占化によって金額は幾らでも吊り上げられる事になるでしょう。
正に、何から何まで銭、銭、銭、その利益は投資家の懐へ。という仕組みが出来上がりつつある訳です。
健康を維持する為には、膨大なお金を要する時代へと突入しつつある、というのが現状です。
この仕組みに付いて行けない人は振り落とされ、健康を損ない、ある人は体の自由を奪われ、ある人は鬱に、ある人はアルツハイマーに、ある人は肝臓、すい臓、腎臓がヤラれ、子供は先天性の奇形、異常、ダウン症、発達障害、アトピー、自閉症などに苦しみ、労働可能な生産人口の極端な減少は社会全体の機能を失わせます。
例えば、現時点でも、介護を必要とする人は増大の一途を辿っている訳ですが、今後は若年層でも毒性の強い農薬の害によって介護される側に回る人が増えてくる為、それを支える側の人までが健康を失い、そうした社会福祉のシステム自体が機能しなくなる訳です。
こうした事が積み重なって、国力を失い、社会全体が混沌とし、全体的に機能不全に陥る事で、医療から食料の調達まで、生活に欠かせない物やサービスが不足し、多くの餓死者、病死者、凍死者、孤独死の増大によって人口が激減、だけならよいのですが、これらを含めゴミ処理なども追いつかなくなる事で衛生状態も悪化し、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開される事でしょう。
もはや国家は崩壊し、生き残れる人は僅かでしょう。
追伸、
安倍が地方自治体の首長と直接対話する為にホットラインを開設するという情報が飛び込んできました。
よって、暫くの間、私はこちらの対策(全国の市町村ホームページへコメントにて注意喚起)に専念しますので、こちらへのアクセスは滞りがちになります。
では、何れまた。
投稿: びいとるさいとう | 2018年1月16日 (火) 07時46分