主要テロ支援国家はどこか?
Philip Giraldi
Strategic Culture Foundation
2017年12月28日
2017年が終わろうとする中、新年に一体何が起きるだろうかについて楽観的になるのは困難だ。勝利の得票差が、確実に不要な戦争を避けるという公約に基づいていたはずのアメリカ大統領が、アフガニスタンで倍賭けし、ISISが打ち破られたにもかかわらず、シリアからの撤退を拒み、精神病質的で予測不可能な平壌政権と、深刻な瀬戸際政策を演じている。ホワイト・ハウスは、ロシアに関するほとんどでっち上げの支配的言辞を受け入れ、ウクライナに攻撃用兵器を提供することを決定し、既に、モスクワから激しい反応が起きる結果になっており、来年は二大国間のいかなる緊張緩和も全く不可能だろう。
しかし私が先に書いた通り、最も明るく点滅し続けている赤い警告灯は、昨年、不必要に劇的に悪化し、ロシアとトルコとの付加的な問題を招き、遥かに広範な紛争を引き起こしかねないワシントンとイランとの関係についてのものだ。私が「不必要な」と言うのは、こうして取られた関係を悪化させる措置の全てが、テヘラン発ではなく、ワシントン発のものだからだ。トランプ政権は、イランが、2015年に交渉した核合意を順守しているかどうかを確認することを拒否し、特に国連で、テヘラン政権は、世界におけるテロの主要源で、国境から地中海まで、西に向かって広がる様々な国々の弧に対する覇権を目指していると主張しているという罵詈雑言をエスカレートしている。
なされている主張唯一の問題は、そのどれもが真実ではなく、しかも、限られた軍事資源しかないイランは、近隣諸国に対する支配力を得たり、アメリカ合州国やヨーロッパを攻撃したりする深刻な脅威ではないことだ。イラン罵倒は、ほとんど、彼ら自身、地域における覇権の野望を抱いている、イスラエルとサウジアラビアに由来する。アメリカ議会内のイスラエルの友人たち、メディアとホワイト・ハウスが、繰り返し取り上げ、軍事行動を強く要求しているのも驚くべきことではない。イスラエルは、隣国シリア内のイランのあらゆる恒久的施設を爆撃するとまで威嚇している。
元アメリカ諜報機関職員たちによる最新の詳細報告は、イランが世界で主要なテロ支援国だという主張はほとんど完全にでっち上げであることを実証している。分析はこれら偽りの言辞が、いかにでっちあげで、いかにワシントンの背景雑音の一部になっているかを説明している。ホワイト・ハウスの2018年最新国家安全保障戦略報告は “世界の主要テロ支援国家イランは不安定さにつけこんで、パートナーや代理を通して影響力を拡張し、兵器拡散と資金提供をしている”と述べている。ところが、他のアメリカ政府報告書、2016年・年次テロ国家報告には、その年、イランが起こした実際のテロ事件は載っていない。実際、テヘランが行ったとされる最新のテロ事件は2012年のもので、当時イランの科学者や技術者を暗殺し、イランのコンピューター・システムを攻撃していたイスラエルに対する報復だった。
アメリカ国連大使ニッキー・ヘイリーが最近“中東でイランの関与が明白でないテロ集団”を見出すのは困難だと主張した。しかし現実には、ISISやアルカイダやヌスラ戦線を含め、地域テロ集団の圧倒的多数はイランのシーア派は異端だと考えるスンナ派イスラム教徒で、カタール、サウジアラビアとアメリカ合州国につながっており、資金提供されている。ムジャヒディーン-エ-ハルク(MEK)は確かに民族的にはイラン人テロ集団だが、イラン国内で攻撃を実行すべく、ワシントンとテルアビブに支援され、資金提供されている。
国連によって“一般大衆の間に恐怖状態を引き起こすよう意図され、あるいは計算された犯罪的行動”と定義されているテロは、イランではなく、アメリカ合州国と、その同盟国イスラエルとサウジアラビアの国家レベルで最も使われているのが現実だ。これらの国々全てが、アフガニスタンやイラクやシリアやイエメンやレバノンのような場所で、一般市民に対して向けられる暴力を利用し、この三国とも、テロリストの定義に当てはまる組織を支持している。イランは、世界の大半が認めない行動をして、実際罪を犯しているのかもしれないが、言われているような世界の中で主要なテロ支援国家ではない。
記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/12/28/who-are-leading-state-sponsors-terrorism.html
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宗主国のテロ支援、「俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの」の裏返し。
「お前のものはお前のもの、俺のものもお前のもの」。
イラン反政府暴動も、背後に宗主国の姿がありそうに見える。
孫崎享氏の今日のメルマガ題名。
歓迎!野党第一党やっと国民の意志を尊重へ、国民原発再稼働に反対、かつて民主党は連合に配慮し再稼働反対出せず、今、立憲民主党通常国会で提出する方針の「原発ゼロ基本法案」で「速やかに全ての商用原発を廃止する」提示予定
原発推進の第二人事部組織「連合」と、どう折り合ったのだろう。
「連合、民進再結集を模索=展望見えず分断懸念も」というニュース題名に、大本営広報部体質を思う。「懸念」どころか「期待」だ。
IWJが代表年頭ぶらさがり中継予定。用事があるが、せめて冒頭は拝聴したい。
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