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2017年12月23日 (土)

今やアメリカ人には事実上の旅行規制がある

2017年12月21日
Paul Craig Roberts

読者の皆様、平和と喜びのクリスマスに、こういう忌まわしい記事を書くことをお詫びする。しかし、これは事実なのだ。こういうものを無視しても、我々の危険は消えない。

緑の党の大統領候補ジル・スタインか、上院情報委員会により、“ロシアとの関係”のかどで調査されている。

一体どうして、ロシアゲートがジル・スタインに及んだのだろう? 悪名高い“ロシア協力者”アメリカ中将マイケル・フリンがしたように、彼女がモスクワで、10周年記念RT晩さん会に出席したからだというのが答えだ。RTは欧米に存在するものより遥かに優れた報道機関だが、もしあなたが、この記念日の晩さん会に出席した多数の立派な人々の一員であれば、あなたはノースカロライナ州選出のリチャード・バー共和党上院議員から、クレムリン工作員の可能性があると見なされるのだ。http://russia-insider.com/en/anti-russian-witch-hunt-comes-jill-stein-because-she-once-sat-next-putin-and-flynn/ri21998

一体何が起きているのだろう? スタインはこう要約している。“こうした捜査が、既成支配政治勢力に対する、信念を持った反対派を脅し、沈黙させるのに利用される可能性を我々は防がねばなりません。”

私は二つの興味深い招待を思案している。一つは、4月、モスクワ経済フォーラム本会議での講演だ。もう一つは、5月、旧ソ連共和国のカザフスタンでのグローバル・チャレンジ・サミットでの講演だ。私が引き受けた瞬間に、国家安全保障局は、その代弁機関、ニューヨーク・タイムズや、PropOrNotの推進者ワシントン・ポストや、バー上院議員や、ロシアゲート特別検察官ロバート・マラーに通知するだろう。私はイスラエルかエジプトかサウジアラビアに引き渡され、トランプ-フリン-ジル・スタイン・クレムリン・スパイ・ネットワークの一員であったと自白するまで拷問されることになるのだろうか?

アメリカ合州国は、もはや市民的自由を守る憲法によって統治されている自由な国ではないので、この可能性は無視できない。確実なのは、もし私がこうした招待を受ければ、私がアメリカ/ロシア関係について書いた際、私の意見の信用をアメリカ支配体制が傷つけるのだ。200の真実を語る人や組織を“ロシア工作員/傀儡”と攻撃したPropOrNotのワシントン・ポスト記事の意図は、これだったのだ。このような攻撃を受けた人々や組織の多くは購読者数の伸びが停滞している。結局、アメリカ人もヨーロッパ人も無頓着なのだ。本当に彼らは、政府や印刷・TVメディアが報じることを信じるほどおろかなのだ。

私もモスクワでのRT10周年記念式典に招待されていた。祝典は宮殿での大舞踏会で、私は礼服で着飾り、フランスのレジオンドヌール勲章を着け、美しいRTの女性たちと踊るのを想像し、すんでのところで招待を受けるところだった。しかし、やがて催しは会議と講演だとわかり、モスクワの冬は諦めることにした。

そうしなければ、トランプやフリンやジル・スタインや、誰であれ、ワシントン・ゲシュタポが次に狙いを定めた人物と一緒に、私も被告席に着いていたはずだ。

ロシアゲートは、しっかり練り上げられたでっちあげだ。これは今や余りに明白となり、無頓着なアメリカ人さえ、TVニュースの前に座っているIQの低い人々ですら理解している。私は議会をそしることが多いが、オハイオ州選出ジム・ジョーダン共和党下院議員のようなあっぱれな議員もいる。http://www.thegatewaypundit.com/2017/12/boom-rep-jim-jordan-goes-nuclear-rod-rosenstein-trump-hating-fbi-agent-peter-strzok-video/

短いビデオをご覧の上、ジョーダン下院議員が、ツイッター大統領がその職につけたポンコツ司法長官代理を追求する気迫を賞味願いたい。アメリカ大統領が、司法省とFBIを、その犯罪行為と、アメリカ合州国の民主主義と、選挙で選ばれた政権の両方を打倒しようとする反逆罪のかどで非難するのに、下院議員一人にを頼らざるを得ないというのは、自らを守ることさえできないほど怯えている人物が選挙で選ばれた大統領だということを意味する。もしトランプが男の中の男なら、マラーやコミーやヒラリーやオバマやその他諸々の犯罪人のくず連中は、その壮大な犯罪、現在監獄にいるあらゆる人々のものを遥かに超える犯罪のかどで逮捕され、起訴され、有罪判決を受けているはずだと言ったロジャー・ストーンは正しい。

だがトランプは何もせず、口ばかりだ。何の行動もしない。

ワシントン・ゲシュタポが深夜、私の家の戸を叩くまで、あと一体どれだけロシアやイランのメディアのインタビューに私は対応していられるだろう。

アメリカは何であれ、自由な国家ではない。

もしトランプがアメリカを再び偉大にしたいのであれば、彼はCIA、FBI、NSAとマスコミを粉々に粉砕しなければならない。1961年にアイゼンハワー大統領がアメリカ国民に警告した権力の集中は余りに巨大で、自由は生き延びられないのだ。

そうする代わりに、実際アメリカ史上最弱の大統領は、アメリカを支配するネオコン軍安保複合体に手渡された演説を読み上げ、ロシアと中国はワシントンの権益に反すると宣言した。

アメリカ国民はそれを理解するには余りに無頓着だが、これは両国を合わせれば、ワシントンの手に負えない二国に対する宣戦布告だったのだ。

ロシアも中国も、まして二国連合はワシントンの覇権を認めるまい。

思い上がりに狂ったワシントンの阿呆連中が固執し続ければ我々全員死ぬことになる。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2017/12/21/de-facto-travel-restrictions-now-exist-americans/
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Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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