戦火で荒廃したシリア再建に2000億ドル。アメリカとパートナー諸国が負担すべき
Finian Cunningham
2017年12月19日
FILE PHOTO シリア,アレッポ © Karam Almasri / Global Look Press
シリアでの七年近い戦争は今事実上終わり、荒廃させられたシリアの再建プロセスが表面化しているが、この取り組みの財政費用は2000億ドルだという。誰が経費を払うのだろう?
シリアで二番目の大都市アレッポの廃墟や、国中の村、町、橋、道路、電気・水道設備、病院、学校その他の惨状を見れば、再建のための本当の数値は2000億ドルを遥かに上回る可能性がある。
更に人的被害や殺された家族という計り知れない犠牲もある。結局、賠償は何兆ドルにもなりかねない。
シリアでの戦争は、欧米の主流マスコミが偽って描き出そうとしてきた普通の内戦では決してなかった。
そもそも最初から、紛争はバッシャール・アサド大統領の政府に対する政権転覆のための外部が駆動する秘密の戦争だった。2011年のアラブの春動乱は、シリアを打倒する欧米の策謀にとって、格好の隠れ蓑になった。
アメリカ合州国と、そのNATO同盟諸国、イギリス、フランスとトルコは、400,000人の死者や、何百万人もの強制退去させられた人々を生み出したシリア戦争を推進した主要な黒幕だ。この対シリア政府作戦を支援した他の主要な地域当事国は、サウジアラビアとカタールとイスラエルだった。
シリアで国家当局を打ち倒すべく戦った過激派の大多数はシリア国民ではなかった。世界中の何十もの国々から、自称聖戦士連中がシリアへと向かい、そこで欧米やアラブ諸国の秘密部隊によって資金を提供され、武器を与えられ、指揮された。
野蛮人のような連中がシリアに惹きつけられる様子が、シリア政府を打倒するため外国列強が画策する取り組みの度合いを示している。
これは政権転覆のために計画され、協力して行われたプロジェクトだったのだ。シリアに対して行われた組織的暴力は、まず間違いなく、アメリカと上記全ての“パートナー”によって行われた国際的犯罪謀議によるもので、犯罪責任を立証することが可能だろう。
これはつまり、代理の過激派集団を通して、間接的とは言え、戦争をしかけたこれらの外国列強を、賠償や、損害で、シリアが訴えることが可能なことを意味する。
アメリカと西欧の同盟諸国が、戦火で荒廃したシリアの窮状を、アサドを失脚させるという政治的目標の推進に利用していると報じられているのは痛烈な皮肉だ。これら列強が、テロリスト傭兵を使って、戦場で達成できなかったことを 国際金融機関に対する連中の支配力を通して実現を狙っているように見えるのだ。
ワシントンDCに本拠を置く際通貨基金は、シリアの荒廃したインフラ再建には、2000億ドルかかると推計している。(上記の通り、これはおそらく大幅な過小評価だ。)
ブルームバーグ・ニュースは先週こう報じた。“アメリカと、そのヨーロッパとアメリカのパートナー諸国は、長年アサドは退陣すべきだと主張しており、今、シリア大統領に圧力をかける最後の企てとして、破壊された国家の再建のため資金拠出をアメとして利用している。国際通貨基金は、再建の経費を、2000億ドルと見積もっているが、シリアの主要同盟国、ロシアもイランも、費用を負担する余裕がない。”
ロシアとイランは、シリア再建を支援する余裕がないのかどうかは争点だ。この二大国と中国や他のユーラシア諸国が資金を出し合って、欧米諸国と連中のアラブ傀儡政権とは独自にシリア復興基金を設立できないと決まっているわげではない。
とはいえ、シリアに対する資金源とは無関係に、ロシアと中国とイランや他の主要な国際的関係者は、国連や非同盟運動のような他の世界的な場で、財政支援を、シリアの将来の政治的変化と結びつける欧米の取り組みを拒絶するよう強く要求すべきだ。
シリア和平プロセス舵取り役のロシア特使アレクサンドル・ラヴレンチェフは、シリアにとっての政治的結果は外部からの影響無しに、シリア国民だけが決定すべきだというモスクワの立場を繰り返した。これは幾つかの国連決議の立場でもある。
もし、彼がそうすることを選んだ場合、バッシャール・アサドは、来年の大統領選挙に自由に出馬可能であるべきであり、アメリカと同盟諸国財政支援を、交渉の道具に使おうとしているのは受け入れられないと、ラヴレンチェフは述べた。
“欧米諸国の一部が、反政府派が権力の座につけば、あるいは彼らの権益が完全に認められた場合にのみ資金を出すと言うのは方法的に単純すぎる”とロシア特使は述べた。
欧米のそうした条件は、受け入れられないだけではない。とんでもないことだ。Far from quibbling about 財政支援toシリア、各国政府に、シリアにおける破壊と人命の喪失の責任を取らせるため、議論は拡張すべきだ。
責任を明らかにするのは不可能ではない。サウジアラビア、カタールと、トルコがIslamic Front or Army of Conquest傘下のハラール・アル・シャームや、ジャイシュ・アル・イスラムを含む何十もの聖戦戦士風集団に資金と兵器を注ぎ込んだことが知られている。こうした集団と、ヌスラ戦線(Hayat Tahrir al-Sham)やダーイシュ (「イスラム国」)などの国際的に非合法化されているテロ組織との正確な差異は、あるとしても、わかりにくく、おそらく取るに足らないものだ。
アメリカ、イギリスとフランスの特殊部隊が“穏健反政府派”や“自由シリア軍”という旗印の下の過激派を訓練していたことが知られている まさにこれらの集団がアルカイダ過激派ネットワークと協力している証拠があるにもかかわらず。バラク・オバマ大統領のもとで、シリアでの“反政府派”訓練にアメリカ政府は、5兆ドル注ぎ込んだ。トランプは今年始め、CIA訓練作戦を停止した。これは事実上、戦争を煽ったワシントンの責任を認めたことだ。
アメリカとイギリスの軍隊は最近まで、シリア-イラク国境のアル・タンフ基地で、過激派集団Maghawir al Thawraの訓練を行っていた。アメリカ政府は、連中のメンバーがパレスチナ人の少年を斬首しているビデオで悪名を馳せた別の聖戦戦士集団ヌール・アル-ディン・アル・ゼンキにも資金提供していた。
デリゾールのISIS拠点解放後、シリア軍が回収した兵器貯蔵庫にも、対戦車ミサイルを含むアメリカ製兵器や他のNATO弾薬備蓄があった。
欧米各国政府は、似非緊急支援団体、アルカイダとつながるヌスラ戦線のプロパガンダ・フロント組織と協力しているいわゆるホワイト・ヘルメットに、あからさまに資金提供している。
欧米各国政府、地域の連中の傀儡政権や、シリアで過去七年間、彼らのために汚い戦争を行ってきた代理テロ集団との間には組織的なつながりがある。
欧米各国政府がシリアへの財政支援に制限を課すのは踏んだり蹴ったりだ。更に、再建の財政上の経費はシリア国民に課されるべきではない。こうした経費はシリアに対する犯罪的戦争に関与したワシントンと、そのパートナーによって全額支払われるべきなのだ。
シリア、ロシア、イランや他の同盟諸国政府は、国際的な戦争犯罪起訴を行うべきだ。
ワシントン、ロンドン、パリや他の連中は、損害を補償するだけでは済まない。これらの国々の政治、軍事指導者たちは、被告席に着かされ、シリア国民に対する犯罪に対して、個人的に答えるべきなのだ。罰を受けずに許してしまえば、ワシントンと、ならず者仲間が、あらゆる場所で、同じ犯罪を、何度でも繰り返すのを許すことになるのだ。
Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で、作詞作曲家でもある。20年以上、ミラーや、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデント等の大手マスコミ企業で、彼は編集者、著者として働いた。
本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。
記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/413550-syria-imf-damage-west/
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大本営広報部、終日相撲暴行事件呆導。「かちあげ連発は品格欠如という投書が沢山きた」という部分だけ納得。
同じ時間と労力を、モリカケに使えば、大本営広報部と呼べなくなるが、そういう嬉しい可能性皆無。貴乃花と同じぐらい、加計氏や元TBS記者を追いかけることは決してしない。モリカケ隠蔽、侵略戦争推進体制構築が大本営広報部の役。
明治維新以後、終始戦争推進で旗振りした大本営広報部、今また宗主国侵略戦争加担のため全力を挙げている。昔も今も、戦争反対を主張するジャーナリズムは少数派。
市場移転、大山鳴動タヌキ一匹。
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