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2017年12月 6日 (水)

アメリカ-ロシア戦争中間報告

The Saker
2017年12月1日

(本記事はUnz Review向けに書いたもの)

アメリカとロシアは戦争をするだろうかという質問をよく受ける。両国は既に戦争していますと、私はいつも答えている。第二次世界大戦のような戦争ではないが、それでも、戦争であることに変わりはない。この戦争は、少なくとも当面、約80%が情報上で、15%が経済的で、5%が動力学的だ。しかし政治的な意味で、この戦争の敗戦国にとっての結果は、ドイツにとっての第二次世界大戦の結果に劣らないほど劇的なものとなろう。敗戦国は、少なくとも現在の形のままで生き延びることはできない。ロシアが再度アメリカの植民地になるか、それともアングロ・シオニスト帝国が崩壊するかのいずれかだ。

二つの世界秩序物語”と題するUnz reviewの最初のコラムで、私はロシアと中国と、世界中の(公然であれ、隠然であれ)その同盟諸国や友好諸国が構築しようとしている、法の支配によって調整される多極的国際体制の姿と、それが単極世界覇権や、アングロ・シオニストが全世界に打ち立てようと企てている(そして、ほほ成功裏に、この苦悩する地球に押しつけられている)ものとどれほど異なっているかを説明した。ある意味、アメリカ帝国主義指導者連中は正しく、ロシアは、国家としてのアメリカ合州国、あるいはアメリカ国民にとってではなく、アングロ・シオニスト帝国にとって実存的脅威なのだ。丁度、アングロ・シオニスト帝国が、ロシアにとって、実存的脅威であるように。更に、帝国のキリスト教後の(そして付け加えたいが、露骨に反イスラムでもある)価値観をロシアは公然と否定しており、ロシアは、通常“欧米”と呼ばれているものに対して根本的に文明上の挑戦をしてもいるのだ。それが、双方ともに、この戦いで優位に立とうと大変な努力を払っている理由だ。

先週、反帝国陣営が、ソチでプーチン大統領とロウハニ大統領とエルドアン大統領とで会談し、大きな勝利を収めた。彼らは、自分たちは、シリア国民に対する戦争(決して、そうではなかったが、いわゆる“内戦”) を終わらせる和平計画の保証人だと宣言したが、アメリカを交渉に参加するよう招くことさえせずに、そうしたのだ。更に悪いことに、彼らの最終声明は一度たりともアメリカに触れることはなかった。“必要欠くべからざる国”は、言及されないほど、全く重要でないと見なされているのだ。

こうしたこと全てがどれほど攻撃的であるかを、しっかり認識するには、いくつかの点を強調する必要がある。

第一に、オバマに率いられ、欧米のあらゆる指導者連中は、アサドに未来はない、彼は辞任せねばならない、彼は政治的に既に死に体で、シリアの未来で、彼が演じるべき役割は皆無だと、帝都と属領に、多大な確信を持って、宣言した。

第二に、帝国は全く何も達成できなかった59 (!)カ国の“連合”を作り出した。CENTCOMとNATOに率いられた、巨大な数十億ドルもの金をかけた“銃の撃ち方も知らないギャング”は最も悲惨な無能さを証明しただけだった。対照的に、どの時点においても、シリアに35機以上の戦闘機を決して配備していなかったロシアが(イランとヒズボラによる多大な地上軍の支援を得て)戦争の流れを変えた。

次に帝国は、ロシアは“孤立し”その経済は“ぼろぼろだ”と決定し、その全てを、ユダヤ志向マスコミは、極めて忠実におうむ返しした。イランは、もちろん有名な“悪の枢軸”の一環で、ヒズボラは“最強テロ・チーム”だ。アングロ・シオニストは、エルドアンを打倒し、殺害しようとした。そして現在、テロリストを打ち破り、シリアで采配を振るうのは、ロシア、イラン、ヒズボラとトルコだ。

最後に、アメリカは、ダーイシュをダマスカスで権力の座につけることは不可能だと悟ると、連中はまずシリアを分割しようとし(代案B)、更に、イラクとシリアにクルド小国を樹立しようとした(代案C)。これらの計画が全て失敗し、アサドはロシアで、プーチンと抱擁し、イラン革命防衛隊特殊作戦部隊の司令官ソレイマーニー少将は、ダーイシュから解放しようとして、シリア最後の都市を散歩している

現在、アメリカ指導者連中が、どれほど徹底的に屈辱を受け、あざ笑われ、殴打されたと感じているか、読者は想像できるだろうか? 憎悪され反抗されるのは大変なことだが、完全に無視されるのは実に辛いものだ!

戦略という点では、連中は“ロシアに対する姑息な嫌がらせ”と私が呼ぶ代物を考えだした。RTに外国の代理人として登録させ、ロシアから古美術を盗み多数のロシア選手たちからメダルを剥奪しソウル・オリンピックでロシア国旗と国歌を禁じようとしたり、次回のファーンボロー国際航空ショーへのロシア軍航空機参加を禁じたりしようとしている。こうしたあらゆる取り組みが実現したことと言えば、プーチンの人気を益々高め、欧米が益々憎悪され、オリンピックを一層退屈にするだけのことだ(ファーンボローも同じだ - 国際航空宇宙サロンとドバイ航空ショーは‘更に魅力的’になろう)。言い忘れるところだったが、“新ヨーロッパ人”は、解放者たちに捧げた、いにしえのソ連像に対するミニ戦争を継続するだろう。アメリカ国内でのロシア代表に対するアメリカ・ミニ戦争と同様、これは弱さの明らかな兆しだ

弱さと言えば

もう喜劇だ。アメリカ・マスコミ、特にCNNは悪のロシアに触れずには日もあけず、アメリカ議会は、共和党や民主党の一体誰がロシアとより多く接触したか解明しようとして、集団ヒステリーに専念しており、NATO司令官連中は絶望的な恐怖の余り、ズボンの中に漏らしている(と連中は言う!) ロシア軍が、いかなる演習をしようと、アメリカ海軍と空軍代表は毎回決まって、ロシア人パイロットが“プロらしからぬ迎撃”をするとメソメソこぼし、イギリス海軍は、一隻の(しかも、むしろ質素な)ロシア航空母艦がイギリス海峡を通過すると、完全な戦闘モードに入る - だがロシアは“弱い”国のはずなのだ。

皆様は合点されるだろうか?

ロシア人が笑っているのが実態だ。クレムリンから、マスコミ、ソーシャル・メディアに至るまで、彼らがどれほど全能で、いかに、あらゆるものを支配しているかに関する実に面白い寸劇まで演じている。概して(少なくとも公式には) ありもしない脅威ですっかり動転するとは、欧米の連中は一体どんな覚醒剤を使っているのかと、いぶかしがりながら、ロシア人は笑い転げている。

連中が何を考えているかご存じだろうか?

欧米の政治指導者たちは、数の多さで安全を得ようとしている。そこで、滑稽なほど肥大化した“連合”が作られたり、様々なヨーロッパや大西洋両側の機関からあらゆる決議がだされたりしている。欧米の政治家たちは、乱暴な子を恐れ、群がって大きく見せようとする小学校校庭の子供連中のようなものだ。ロシアの子供なら誰でも、数で安心感を得ようとするのは、怯えている弱虫のまぎれもない証拠なのを知っている。対照的に、ロシア人は、人口200万人以下のちっぽけな国に、ロシアに宣戦布告する勇気があり、ロシア人と、いかに実に激しく戦ったかも覚えている。私がお話しているのは、もちろんチェチェンのことだ。そう、愛しようが憎もうが、チェチェン人が勇敢であることは否定しようがない。アフガニスタンの北部同盟についても同様だ。ロシア人は感銘を受けた。ナチスは、ロシア国民に対して、言語に絶する苦難をもたらしたとは言え、ロシア人はドイツ兵士と将校が腕利きで勇敢だったことを決して否定しない。“私は、タタール人/モンゴル人の勇敢な男を愛する/尊敬する” (люблю молодца и в татарине)というロシアの諺さえある。だから、ロシア人は、敵の中に、勇気を認めるのに何の問題もない。

だがアメリカ/NATO軍は? 全員、コンチータ・ヴルストが全軍最高司令官であるかのように行動している!

これを覚えておいでだろうか。

この人々の誰一人親切だったり、どのような意味でも“優しかったり”しない。しかし、彼らは重要だった。彼らは実際的な意味があった。そして彼らは極めて現実的なパワーを行使していた。

現在、本物の権力は、こういう感じだ。

アングロ・シオニスト指導者に対し、一体何が本当に攻撃的態勢なのかご存じだろうか?

この写真には、一人の正教徒と二人のイスラム教徒が写っている。

これが攻撃的態勢だ。しかも、もちろん極めて恐ろしいものだ。

コンディ・ライスが約束した“新たな中東の生誕”とは実に程遠い(間違いなく新たな中東ではあるのだが、ライスやネオコンが考えていたものではない!)

“中東における唯一の民主主義”は、今や完全なパニック・モードになっており、そこで、彼らの、イランに対してサウジアラビアと協力する公然の計画と、イスラエル国境から40km内のイランのあらゆる資産への爆撃についての明らかにやらせの漏洩というわけだ。だがこの列車は、既に駅を発車してしまったのだ。シリアは勝利しており、いくら空爆しても、それは変えられない。それで、本当に獰猛であるように見せるかけるためだけに、イスラエルは現在、イスラエルとヒズボラとの戦争となった場合、ハサン・ナスラッラー議長は標的になるとも言っている。ウワーッ! 一体誰が想像しただろう?!

ベイルートからの、クスクス笑いの声が聞こえておられるだろうか?

ワシントンDCとリヤドとエルサレムの連中が、はっきり聞き取っているのは、遅かれ早かれ、連中は、それについて何かせざるを得なくなるということだが、その“何か”が、この“親切の枢軸”が、それで有名になった、いつもの無意味な大虐殺だというのが何より恐ろしい。もし軍隊を打ち破れないなら、民間人を犠牲にする(1999年のコソボ、2006年のレバノン、2015年のイエメン)。あるいは、ちっぽけで、無防備な犠牲者をこてんぱんにやっつけるかだ(1983年のグレナダ、2008年のガザ、2011年のバーレーン)。無防備の民間人虐殺ほど、自分たちを、男らしく、尊敬されていて、力強い(そして、アメリカ人にとっては - もちろん“必要欠くべからざる”)と感じさせてくれるものはない。

中東の例は別として、アメリカとロシアが今後数年するであろうことの概要を考えることができそうに思う。

ロシア: 帝国に対するロシアの戦略は単純だ。

    1.   (主に量的な点で)ロシアの方が弱体なので、できる限り、長期間アメリカとの、あらゆる直接の軍事的対立を避ける。そしてローマ時代のいにしえの「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ」戦略の下戦争に積極的に備える。
    2. あらゆる“姑息な嫌がらせ”に対処すべく最善を尽くす。アメリカは依然、ロシアより際限なく“ソフト・パワー”を持っており、ロシアには、同じ手段で反撃する手段がない。そこで、この種の“姑息な嫌がらせ”の影響を阻止したり、弱めたりするのに最小限のことを、ロシアはするのだが、実際には、避けられない人生の現実として受け入れる以外、ロシアができることはそれほどない。
    3. アングロ・シオニストが支配する帝国(経済的、財政的、政治的に)離れようとするというより、ロシアは極めて意図的に、代替世界の漸進的出現に貢献しているのだ。この好例は帝国なしで、帝国にとってのいかなる意味ある役割もなしに構築されつつある中国が推進している新シルク・ロードだ。

アメリカ: アメリカの戦略も同様に単純だ。

    1. 帝国、特にNATOに対し、意味と目的を与えるためロシアの“脅威”を活用する。
    2. あらゆるレベルでロシアに対する“姑息な嫌がらせ”を継続し、拡大する。
    3. 独立や不服従の兆しを示すあらゆる国と政治家(新シルク・ロード諸国を含め)を出来る限り、打倒し、弱体化させる。

双方とも引き延ばし戦術を使っているが、理由は正反対だ。ロシアにとっては、時間が味方だからで、アメリカは、選択肢が種切れなためだ。

この闘争では、ロシアは非常に不利なのを強調することが非常に重要だ。ロシアは何かを構築しようとしているのに対し、アメリカは破壊だけを狙っているのだ(もちろん、例にはシリアが含まれるが、ウクライナも、更に、統一されたヨーロッパも)。ロシアにとって、大いに不利な点は、世界中のほとんどの政府が、未だ、どんな形であれ、帝国に敵対するのを恐れていて、国際法と国連憲章に全く違反して、アメリカ政府が、いつもの大暴れを始めると、“諸国の協調”という気まずい沈黙と無気力な従順さとなることだ。これはたぶん変わりつつあるのだが、実にゆっくりとだ。世界中の政治家の大半はアメリカ議員と同じだ。売春婦だ(しかも安物の)。

ロシアにとって最大の利点は、アメリカが、経済的にも、社会的にも、政治的にも、何もかも内部崩壊しつつあることだ。年毎に、かつて最も繁栄していたアメリカ合州国が、益々どこかの最も遅れた第三世界の国に見え始めてくる。確かにアメリカ経済は今でも巨大だ(ただし急速に収縮しつつある!)が、それも財政的な富と社会的富が、全く誤解を招く似非繁栄の指標の一つと合体していては無意味だ。この悲惨な、実際は繁栄して、幸せになれたはずの国が、言わば、それにとりついて生きている“帝国の寄生虫”により血を吸い取られて死につつあるのだ。

結局、政権は支配している人々の同意があってのみ存続できる。アメリカ合州国では、この同意が明らかに撤回される過程にある。ロシアでは国民の支持はこれまでになく強い。これはアメリカの、それゆえ帝国(アメリカはアングロ・シオニストという帝国主義寄生虫の最大宿主だ)の主要な脆弱さとなり、ロシアにとっては権力の座に留まる主要な源となる。

もちろん上記は全て政権にのみにあてはまる。ロシアとアメリカの国民は全く同じ利益を共有している。可能な限り最小限の暴力と苦難による帝国の打倒だ。あらゆる帝国同様、成長期や絶頂期時代には、アメリカ帝国は主に他の国々を虐待していたが、あらゆる崩壊しつつある帝国同様、今や主として自国民を虐待している。“帝国でないアメリカ”には、ロシアを敵と見る、あるいはその逆の理由は皆無だということを常時繰り返すことが極めて重要だ。実際ロシアとアメリカは、理想的なパートナーになり得るのだが“帝国の寄生虫”が、そういうことが起きるのを許すまい。そこで我々全員、地球の大半を完全に破壊する戦争という結果になりかねない不条理で危険な状況にはまり込んで動けない。

一体どれほど費用がかかろうと、アメリカのシオニスト・メディアによる不断のヒステリックなロシア嫌悪にもかかわらず、このキャンペーンが、アメリカ国民に対して、成功している兆しを私は全く見てとれない。最善でも、国民の一部が素朴にも“ロシアがアメリカの選挙に干渉しようとした”というおとぎ話を受け入れる程度で、たとえその場合でも、この考え方は“大したことではない。我々も他の国々でやっているではないか”ということで緩和される。本気でロシアが何らかの形で脅威だと信じているアメリカ人に、私は会ったことがない。例えば、公的な場所で家族と話すのに、私がロシア語で話していて、表面的敵意の反応にすら出会ったことがない。通常、何語で話をしているのかと聞かれ、ロシア語”と答えると、反応は大抵“かっこいい!”というものだ。“プーチンをどう思いますか? 私は本当に彼が好きです”というのを聞くことさえある。圧倒的多数のアメリカ人が大いに嫌っているのように見える連邦政府とは好対照だ。

要約すれば、アメリカ-ロシア戦争は、現時点では、ロシアが勝利しつつあり、帝国は敗北しつつあり、アメリカは苦悩していると言えるだろう。EUは、砂に頭を突っ込んでも、尻は隠せないということわざが真実であることを、またしても証明し、社会を破壊する次から次の難民の波を吸収するのにおおわらわで、実にお似合いの見当違いを“享受”している。

この戦争は終結からは程遠く、まだ頂点にすら達していないと思うし、物事は、再度良くなる前に、まず、より酷くなるものだ。だが結局のところ、親切の枢軸が比較的そう遠からぬ将来に完敗するだろうことについて、私はとても楽観的だ。

The Saker

記事原文のurl:https://thesaker.is/progress-report-on-the-us-russian-war/
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タブロイド新聞記事見出しで驚いたものがある。大統領の疑惑調査を進める宗主国の司法の素晴らしさと比べ、属国の司法は、首相にまつわる疑惑に腰が引けているというような趣旨。宗主国の「司法」当局なるもの、大統領の疑惑調査を進めているのではなく、勝手にでっち上げているに過ぎない。地検特捜部本家のようなものだろうに。、

オリンピックから、ロシアの国旗、国歌をするというのは、国家としてロシア人を参加させず、個人として参加させるということらしい。

数日前、東京新聞望月記者「平和・協同ジャーナリスト基金賞」受賞というニュースを読んだ。良い仕事を評価する団体があるのに驚いた。
他の受賞者に広島基町高校があった。被爆者の証言をもとに、絵で再現する活動を続けている高校。その話を基にした芝居を見たばかり。泣かされた。『あの夏の絵』青年劇場。
望月記者の著書『武器輸出と日本企業』にも、青年劇場の芝居『雲ヲ掴ム』の名があった。軍需用部品の受注に悩む中小企業というか町工場の話しゆえ違和感は無いが。
いずれの芝居も、大本営広報部で放送される可能性はない話題。

これから下記を拝読。拝聴予定。

日刊IWJガイド「本日午前10時から! 伊藤詩織さん出席『準強姦事件逮捕状執行停止問題を検証する会』をCh4で中継! 元TBS記者・山口敬之氏に損害賠償を求める民事訴訟スタート!/前川喜平前・文科事務時間に3時間超えのインタビュー!『メディアは権力を忖度し、司法権力は政治のために動いている』独裁国家に近づいていると危機感をあらわに!」2017.12.6号~No.1909号~

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ロシアがソ連崩壊以来長らく失っていた国際社会でのプレゼンスを高めつつあり、アメリカがその反対の状況にある中で、ロシアを無視するという試みは全くの現実逃避としかいいようがありません。そして、現実逃避は古代ローマからナチスドイツに至るまでのあらゆる帝国における末期的症状です。昨今のアメリカ外交の無軌道・無節操ぶりは本当に帝国崩壊の前兆なのかもしれません。
(ところで現在アメリカの保守派の間で「太平洋戦争スターリン謀略説」がブームなのだそうです。ロシア陰謀論がここまで…。仮にそれが事実だとして戦死者や戦争犯罪が消えてなくなる訳ではないと思いますが、ペリーの開国以来日米はずっと友好関係にあったというかつてのブッシュ史観を彷彿とさせるこの修正主義的な歴史に対する再評価は、アメリカに対する戦争は聖戦だったという日本国内の保守派の歴史観と戦後70年を経てもなお仇敵の軍隊による占領を甘んじて受け入れ続けているという現実に対する矛盾の解消に貢献し、より一層日米同盟の深化(アメリカによる日本の属国化)に寄与することになるでしょう。その行き着く先はアメリカとの心中に他なりませんが…。)

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