アメリカは、ワシントンを切り抜けられるのだろうか?
2017年11月13日
Paul Craig Roberts
最近このウェブサイトに掲載したコラムで、二大核大国間での、二つの劇的かつ危険な進展に私は注目した。
一つは、最近のモスクワ安全保障会議におけるロシア軍総司令部副局長による公式声明だ。モスクワ国際安全保障会議で、ロシア軍総司令部即応部第一副局長ヴィクトル・ポズニヒル少将が、ワシントンが対ロシア核先制攻撃を準備していると、ロシア軍参謀本部機動総局が結論を出したと述べたのだ。https://www.paulcraigroberts.org/2017/05/11/are-you-ready-to-die/ 日本語訳
もう一つは、アメリカが、アメリカ空軍兵器研究所のために、ロシア人のDNAを収集しているだという報道で、アメリカが、ロシア人だけを標的にする生物兵器が作れるかどうか研究するつもりだというのがその含意だ。https://www.paulcraigroberts.org/2017/11/01/washingtons-barbarity-reaches-new-heights/
私が確認する限り、この驚くべき展開のいずれも、アメリカ・マスコミで報じられていない。ホワイト・ハウスが、プーチンに電話をして、アメリカは対ロシア奇襲核攻撃を計画していないと言って安心させて良さそうに思える。アメリカのロシアDNA収集契約の公表と、それに関するプーチンの公式声明からして、トランプ大統領が、ロシアDNAプロジェクトの即時中止を命じて良さそうに思える。
ところが、全くうんもすんもない。
それどころか、我々を支配している阿呆連中は、我々はロシアを消し去るつもりだというメッセージをロシアに立て続けに送って満足しているのだ。
核大国に、自分が破壊の対象になっていると確信させること以上に無謀で無責任なものを想像できようか?
アメリカとヨーロッパのマスコミはどこにいるのだろう? 売女マスコミは“ロシアゲート”についての軍安保複合体と民主党全国委員会のウソを果てし無く繰り返すのに忙しい。その代わりに、売女マスコミは、NFLの国歌方針はどうあるべきかに注力している。
国家指導部の完全な怠慢を我々は味わっている。
ロシアを威嚇する一方、同時に、軍安保複合体と売女マスコミは、アメリカとヨーロッパ諸国民の間で、険悪なロシア嫌いを作り出している。https://www.globalresearch.ca/nato-tells-europe-prepare-for-a-russian-invasion-who-are-the-most-dangerous-russians-in-the-world-today/5617972
プーチン大統領との最近の非公式会談後、、プーチンアメリカ選挙へのロシア政府による干渉はしていないとプーチン大統領が言ったのを信じると発言した。これで売女マスコミや愚かや政治家や腐敗した軍/治安機関幹部による耳障りな非難が一斉に始まった。
スティーブン・レンドマン記事を参照。http://stephenlendman.org/2017/11/uproar-trumps-remarks-putin/
アメリカ合州国軍の劣勢を考えれば、ロシアに対するこうした非常に目立つ威嚇は愚かなことだと、最近私は指摘した。Sakerが、私の評価は正しいと結論をだした。https://www.paulcraigroberts.org/2017/11/06/saker-examines-pcrs-one-day-tomorrow-wont-arrive/
Sakerが、今度は、ロシア軍の優位性を立証する注目に値する詳細記事を書いた。もしワシントンの愚か者連中が、狂気の対ロシア攻撃を言い張れば、アメリカ、更には愚かなヨーロッパ傀儡諸国も、地表から完全に消え去る可能性が高い。Sakerの説はここで読める。http://www.informationclearinghouse.info/48185.htm
一方、アメリカ人とヨーロッパ人に、現実に起きているあらゆることを全く気づかないようにし続け、本当の現実を、ワシントンが統制する言説で置き換える取り組みは継続している。真実を語っているがゆえに、報道機関RTは、外国代理人登録法のもとで、“外国代理人”として登録するよう強いられている。https://www.globalresearch.ca/us-brands-rt-a-foreign-agent-a-chilling-move-against-free-speech/5617908
言い換えれば、アメリカ憲法の他の条項同様、米国憲法修正第1項の「言論の自由」条項は、法律や道徳規範に縛られない、ワシントンが主張するむき出しの権力で置き換えられているのだ。
Global Research報道によれば(上記)“今月チェコ共和国を本拠とし、アメリカ大使館や億万長者ジョージ・ソロスと関係する財団から資金提供を受ける「ヨーロッパの価値観シンクタンク」を自称する団体が、アメリカとイギリスの政治家、ジャーナリスト、学者と有名人にグループ分けした2,300人のRTゲストの氏名を含むリストを公開した。これらの人々は、このシンクタンクによれば‘敵対的な外国’にとって‘役に立つ馬鹿’なのだ”。
私が“この先長く生きられると期待してはいけない”と書いているのは冗談のつもりではない。アメリカは難攻不落だと思い込んでいる愚かな狂気の精神病質者によって我々は支配されている。これらの愚か者どもが、我々全員を地表から吹き飛ばされる羽目に陥らせる可能性が高い。アメリカ政府が、ロシア(そして中国、北朝鮮とイランにも)けんかを売っていることに不安をお感じにならないのなら、読者はどうかしておられる。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。
記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2017/11/13/will-america-survive-washington-paul-craig-roberts/
----------
横綱が一人になりそう。しかし不思議な不祥事。
親が親なら子も子。国名と都市名を置き換えるだけで、属国状況描写?
大本営広報部、アメリカ抜きTPPについても大絶賛。見ていて腹立たしい限り。
TPPについては、多くの記事を訳しているので、お読み頂ければ幸い。
大本営広報部出演者の皆様は、‘宗主国’にとって‘役に立つ馬鹿’?
このままゆけば、圧倒的に不利な米日FTAを強制され、大本営広報部はそれを言祝ぐことになるはずだ。
獣医学部受験予定の若者インタビュー風景を見て驚いた。若者に自民党支持者が多いと良く言われるが。森嶋通夫の『なぜこの国は没落するか』にある通り、この国に未来はなさそう。
今日は、TPPの理不尽さをずっと主張しておられる、下記の元農水大臣・山田正彦氏インタビューを拝聴予定。
« サウジアラビアでのムハンマド・ビン・サルマーンの粛正はより大きなものの前兆 | トップページ | 彼の評価は正確と思うか? »
「アメリカ」カテゴリの記事
- 経済を圧迫し続けている将来関税の不確実性(2025.05.16)
- アメリカの危機:トランプ大統領の政策が中東に及ぼす影響(2025.05.15)
- 複数欧米メディアが突然イスラエルを強く非難(2025.05.14)
- シリアでは、まずアラウィー派とキリスト教徒を殺し、今ドルーズ派を殺している。次は誰の番?(2025.05.08)
「マスコミ」カテゴリの記事
- あなたの心をプロパガンダで操られにくくする方法(2025.05.17)
- 「世界に轟く死を願う」―真実を伝えたためイスラエルに暗殺されたジャーナリスト(2025.04.30)
- アメリカ援助に依存する「独立系」メディアを主流メディアが後押し(2025.02.12)
- イスラエルのために欧米諸国全体で公民権が破壊されている(2025.02.11)
「アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事
- アメリカの危機:トランプ大統領の政策が中東に及ぼす影響(2025.05.15)
- 習近平、ルラ、マドゥロが5月9日モスクワ祝賀に出席すれば安全に責任を持てないと恫喝するウクライナ(2025.05.07)
- シリアでは、まずアラウィー派とキリスト教徒を殺し、今ドルーズ派を殺している。次は誰の番?(2025.05.08)
- 和平も敬意もなし:ゼレンスキー大統領、5月9日のパレードを攻撃すると恫喝(2025.05.05)
「ロシア」カテゴリの記事
- 新たな偽法廷が設置されつつある(2025.05.18)
- ママエフ・クルガン(ママイの丘) ソビエト国民の英雄的行為への頌歌(2025.05.12)
- 習近平、ルラ、マドゥロが5月9日モスクワ祝賀に出席すれば安全に責任を持てないと恫喝するウクライナ(2025.05.07)
「ポール・クレイグ・ロバーツ」カテゴリの記事
- 腐敗したアメリカ支配層に宣戦布告したかどでトランプは暗殺されるのだろうか?(2023.06.26)
- ポール・クレイグ・ロバーツは大量虐殺が好きなのか?(2022.05.01)
- ロシアの安全保障提案をワシントンが拒絶したのはまずい判断(2022.01.31)
- 欧米で、ジャーナリズムは宣伝省にとって替わられた(2021.11.23)
「トランプ大統領」カテゴリの記事
- 経済を圧迫し続けている将来関税の不確実性(2025.05.16)
- アメリカの危機:トランプ大統領の政策が中東に及ぼす影響(2025.05.15)
« サウジアラビアでのムハンマド・ビン・サルマーンの粛正はより大きなものの前兆 | トップページ | 彼の評価は正確と思うか? »
コメント