« サウジアラビアの長いナイフの夜事件裏話 | トップページ | サウジアラビアでの粛正が一体なぜ戦時体制の兆しなのか »

2017年11月11日 (土)

超大国から無能へ

2017年11月8日
Paul Craig Roberts

二十世紀後半に育ったので、今の状態が私の国とは思えない。私は有能な国で人生を経験したのだが、今は無能な国で、人生を経験している。

 

あらゆるものが無能だ。警察は無能だ。警官は子供、祖母を銃撃し、手足を不自由にしておいて、自分たちの命が危なかったと言う。

ワシントンの外交政策は無能だ。ワシントンは、諸外国に対する狂気の違法攻撃で、世界から孤立している。現在、アメリカ合州国とイスラエルは、地球上で最も信頼されていない二国で、両国は平和に対する最大の脅威と見なされている。

軍安保複合体は無能だ。安全保障国家は余りに無能で、全く無力なカッターで武装した、飛行機操縦もできないことが後でわかった数人の連中が、ワールド・トレード・センターや、ペンタゴンそのものの一部を破壊するという、超大国に対する史上最も屈辱的な攻撃を阻止できなかった。軍需産業は、膨大な経費のF-35を作り出したが、これはロシア戦闘機にはかなわず、置き換えるはずのF-15やF-16にさえ太刀打ちできない。

マスコミは無能だ。21世紀に報道された正確な記事を思いつくことができない。あるはずだが、私には思い浮かばない。

大学は無能だ。学生を教えるための教授を雇う代わりに、大学は、教授たちを管理する管理者を雇っている。教授の代わりに、学長、副学長、総長、副総長、学部長、副学部長等々がい並んでいる。教科の代わりに、言論統制と感受性訓練がある。大学は予算の75%も、管理者に使い、彼らの多くが途方もない収入を得ている。

公立学校は標準全国テストによって無能化されている。現在の教育の目標は試験に受からせることだ。学校の評価と教師の給与は、能力ある生徒たちの創造性や自立思考を発達させることではなく、標準化されたテストのため丸暗記においやることにかかっている。

こういう話はきりなく続けられる。

切り口を変えて、今週、そして今後数日間、私に文章を書けなくしている日常の無能さについてお話しよう。

最近、家を空けていた間に、近くの建設現場で働いていた重機の運転手が、フォーク・リフトを上げたまま、電力線の下を通り抜けた。電線を切る代わりに、拙宅に電気を送っている電柱を真ん中でへし折った。電力会社というか、想像だが、下請け業者がやってきて、我が家への送電を復活させたが、中性点がつながっていることを確認しなかったのだ。結果的に、一週間ほど、拙宅は終日高電圧サージを受け、サージ保護回路、電源遮断器や我が家のあらゆる家電製品が破壊された。私の帰宅を待って、家を検査し、それでわかったのは、電気がきていないということだった。電力会社が再度やって来て、高電圧が我が家に送電されたため、接続されているもの全てが破壊されたことを発見した。

そうなのだ。アメリカでは、リフトを上げたままで、電力線の下を通過してはいけないことを理解できない間抜けが重機を運転しているのだ。電力会社、あるいは下請け会社は、中性点が依然つながっていることを確認せずに、再び電力を供給してはならないことが理解できないのだ。

それで全家電製品が焼けてしまった。至る所、破裂した電球のガラスが飛び散っている。弁償金額は数千ドルにのぼるだろう。

 

これが現在のアメリカだ。そして、無能な支配者連中が、イラン、北朝鮮、ロシア、中国との戦争を望んでいる。アメリカ合州国のすべてにおける無能さのとんでもない水準を考えると、我々は、こうした戦争に勝てないと私は保証する。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2017/11/08/from-superpower-to-incompetence/
----------
アメリカの電線がどうなっているのか知らないので、いい加減な訳。配線間違いからの事故だろうということは分かる。ひどい話だ。

最大属国のすべてにおける無能さのとんでもない水準を考えると、彼らも、こうした戦争に勝てないと私は保証する。

と、彼ならおっしゃるかも知れない。

属国傀儡与党は宗主国侵略戦争参戦のために粉骨砕身努力を続けている。野党と自称して、その与党の補完勢力を演じる連中と、そうでない人々、早く袂をわかつべきだと昔から思っている。こうもり、ぬえでは戦えない。戦わないためにこうもりでいるのだろう。

植草一秀の『知られざる真実』「平成の壊国」防ぐには鵺=民進党解体が不可欠

新刊あなたの資産が倍になる 金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」を拝読してから、下記で紹介されているIWJインタビューを拝見する予定。

岩上安身氏ツイッター
植草一秀さんのインタビューは、11月13日月曜日午後5時から。株をやる人もやらない人も、アベノミクスに賛成の人も反対の人も見てください。頭がくらくらすること間違いなし。

« サウジアラビアの長いナイフの夜事件裏話 | トップページ | サウジアラビアでの粛正が一体なぜ戦時体制の兆しなのか »

911事件関連」カテゴリの記事

アメリカ」カテゴリの記事

アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事

二大政党という虚構・選挙制度」カテゴリの記事

ポール・クレイグ・ロバーツ」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。
中性点も意味が通じます。
米の配電線は110v、クレイグさん宅は単相三線式。
なので中性線の接続を忘れるとトンデモないことになります。
110v機器に220vが掛かり、壊れたり燃える事もあり得ます。
一部のACアダプターのように、100v~240v対応の機器と220v専用機は大丈夫ですが
全部やられたということだと、そのような機器は接続されてなかったと推察されますね。

この属国では、少し違う形で無能な国に成り下がってる事が絶望的に悲しいです。
特に安倍政権になってからの、この僅か5年弱で極端に劣化し国全体が無能化したと思います。

そして民主党時代には、あれ程反対意見の多かったTPPが、今や安倍政権の手柄であるかの様な扱いで、ネット上でも関心が薄くなってしまった事を嘆かずにはいられません。

結局、カナダも少しスネて見せただけで、合意してしまった訳です。
相変わらずマスコミは合意内容というか凍結項目について一切報道する気無し。

先日のTPP違憲訴訟も撃沈。
最早この国には三権分立も、民主主義も機能していないのです。
これほどの無知無能無関心国民が無法政府を野放しにしている国は、途上国でさえ見つけるのは難しいでしょう。

日欧EPAに続き、TPP11も合意、残るはRCEP、TiSA。
この勢いでは、それも簡単に達成されてしまうであろう事は目に見えています。
TPPに米国が加わらなくても、日米FTAで大打撃は必至。

殆ど一方的な譲歩に次ぐ譲歩しか能の無い無能政府交渉官閣僚どもが国富をハゲタカに吸い取らせる為にだけ推進する自由貿易という名の新自由主義協定。
どれほど国民の生活が破壊されることか。
おそらく10年後には、日本という国は消えている事でしょう。

もう何も言うまい。
我々は遂に負けたのです。

これも全て、無能な政府を支持する無能な国民の自業自得というもの。
反対し続けてきた此方まで巻き添えにされてしまうのは悔しいけれども、それより無念なのは、これまでこの国を護ってきた先人たちに対して申し訳が立たない事です。
そして後世に生きる子供たちに地獄の未来を用意してしまった事です。

一縷の望みがあるとすれば、ISDSの扱いが緩いものであればと祈る事だけです。


コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 超大国から無能へ:

« サウジアラビアの長いナイフの夜事件裏話 | トップページ | サウジアラビアでの粛正が一体なぜ戦時体制の兆しなのか »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ