テリーザ・メイ、何であれ黒幕はモスクワだとロシア攻撃
Alex GORKA
2017年11月16日
Strategic Culture Foundation
11月13日ロンドン市庁舎でのロンドン市長晩餐会における外交政策演説で、テリーザ・メイ首相は、“国際的安全保障に対する脅威”と呼んで未曾有のロシア攻撃をした。長たらしい犯罪事件簿をあげて、彼女はモスクワが“危険で、予測不能な”紛争を挑発し、“選挙干渉し”、デンマーク国防省と、ドイツ連邦議会をハッキングし、自由な社会を蝕み、“サイバー・スパイや混乱”を実行し、いくつかのヨーロッパの国々の領空を再三侵犯したり、他の悪事を働いたりしていると非難し、"我々はあなた方が行っていることを知っているが、あなた方は成功できない。あなた方が、わが民主主義の復元力、自由な開かれた社会の不朽の魅力、そして我々を結びつけている同盟に取り組む欧米諸国の意思を過小評価しているためだ" と首相は痛ましげに主張した。
演説のタイミングは偶然ではない可能性がある。ボリス・ジョンソン外務大臣は、彼の "警戒するが、対話する" 政策を実施すべく、昨年12月の就任以来初のロシア訪問をする予定だ。これは五年間で初めての外務大臣訪問だ。4月、外務大臣は、アサド大統領のシリア政権支持に抗議して、ロシア訪問をキャンセルした。モスクワは、シリア政府を支持し続けているが、訪問は行われる予定だ。イギリスは、欧米の反ロシア・キャンペーンを先導する企てと、対話復活の政策を組み合わせているように見える。
イギリス・マスコミが、欧米ではよく行われているが、主張を裏付けるいかなる証拠も無しに、多くの悪事をしたと非難する反ロシア・キャンペーンを開始した時期でもある。首相の激しい演説の直後、政府通信本部の一部局で、イギリスのセイバー・セキュリティーを監督する役目のイギリス国家サイバーセキュリティセンターが、昨年、ロシア人ハッカーが、イギリス・マスコミ、通信企業や、エネルギー企業を攻撃したと述べた。だから、あらゆることでロシアを非難するのは、単独の攻撃ではなく、全国規模のキャンペーンなのだ。
あらゆることには目的がある。テリーザ・メイの発言は、ブレグジットの文脈で見るべきだ。イギリスは、EU離脱後、主要大国のまま、影響力を維持する方法を模索している。ロンドンは、依然国際的に重要な当事者で、EU圏外に消え去ることはないと実証するのが重要なのだ。要するに、それが、もし“ロシアが現在の路線を継続する”ならイギリス、ヨーロッパや世界の他の国々の利益を守るため、イギリスは行動しなければならないという首相の言葉の解釈であるべきだ。彼女は"ロシアによる侵略"に対し"統一したヨーロッパの姿勢"をとることが重要だとはっきり強調した。そこで、イギリスは、欧米の反ロシア・キャンペーンのリーダーになろうと奮闘しているのだ。
彼女はロシアは擁護すべきルールに基づいた秩序を蝕んでいると述べた。しかし彼女が一体どういうルールのことを言っているのかはっきりさせるのが重要だ。結局彼女は、他国、特に元イギリス植民地の内政にあからさまに干渉し、国連の承認無しで、2003年のイラクや、2011年のリビア侵略など外国への干渉に加わり、例えばBBCのロシア語放送のような活動で、外国政府に対するプロパガンダ・キャンペーンをしかける国を率いているのだ。
わずか12カ月で大きく変化することがある。昨年11月、テリーザ・メイは、保守系雑誌Spectatorで、「今年の政治家」に選ばれた。現在、現在のイギリス内閣の立場は実に弱い。次から次の危機に苦しめられ、政権が存続し続ける能力は疑問視されている。状況は苦しく、有権者の注意を逸らすため、首相には外部の脅威がどうしても必要なのだ。プリティ・パテル国際開発大臣は、無断でイスラエル幹部と会談した閣僚行動規範違反のスキャンダルの中、11月8日に辞任した。彼女は今月政権から辞任する二人目の閣僚だ。11月1日、マイケル・ファロンはセクハラ疑惑で国防長官を辞任した。
しかも更に問題はある。イギリス議会を飲み込んだセクハラ・スキャンダルは、更なる閣僚犠牲者を生みそうだ。メイの事実上のナンバー・ツー役、ダミアン・グリーン国務相も、不適切な行動とされるものを巡るイギリス議会のセクハラ・スキャンダルで、調査されている一人で、本当だとなれば、彼は辞任する三人目の閣僚ということになる。イギリス政府閣僚が、今月、週に一人の割合で辞任しており、与党保守党内が分裂しているので、テリーザ・メイ政権は長続きしないかも知れない。
11月12日、40人の保守党議員が、メイを全く信頼していないことで同意し、その趣旨の書簡に署名する予定だ。保守党与党下で、更に8人の署名があれば、党首選挙ができる。
タイムズ・オブ・ロンドンによれば“ヨーロッパの指導者たちは、新年前のテリーザ・メイ失脚に備えている。益々脆弱化しつつあるイギリス指導部は大変に困難な状況にある。イギリスは極めて脆弱で、テリーザ・メイの弱さが[ブレグジット]交渉を非常に困難にしている。”
国家財政委員会は、財政状況が予想より悪いことを確認した。11月13日に、ポンドが主要通貨に対して下落したのは、イギリス政府が、イギリス経済にとって恩恵がある形で、ブレグジット交渉進める能力への信頼欠如が高まっていることの反映だ。ブレグジット交渉は行き詰まるかも知れない。
首相は、次回選挙は公式に2019年3月29日に実施されることになるは発表した。最新の世論調査が示している通り、もし今日、もう一度総選挙が行われれば、労働党が勝利する結果になるだろう。状況は絶望的だ。そういう時には、外部の脅威は内部の問題から注目を逸らす手だてとして便利だ。それはしばらくは機能するかも知れないが、長期的には役に立つまい。
記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/11/16/theresa-may-attacks-russia-whatever-moscow-behind-it.html
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状況は絶望的だ。そういう時には、猟奇殺人、相撲暴力、男女問題はモリカケ問題から注目を逸らす手だてとして便利だ。それはしばらくは機能するかも知れないが、長期的には役に立つまい。と思いたい。
猟奇殺人、相撲暴力、男女問題は追いかけモリカケは追わない大本営広報部
大本営広報部の虚報ばかり読んでいれば、ゆでガエルになるしかあるまい。
中吊り広告で、文在寅は鳩山由紀夫だというのを見た。あの週刊誌。
うらやましいことだ。記事は、けなしているのだろうが。
下記インタビュー、拝聴しながら怒り心頭。もちろんお二人の発言ではなく、属国支配層の売国行為に。文在寅大統領の行動にも触れておられた。
種子法」廃止の裏に米政府と多国籍企業の影!「TPP違憲訴訟の会」が行政訴訟へ!岩上安身による元農水大臣・山田正彦氏インタビュー! 2017.11.16
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「マトリックスの幻影に浸っている者達を目覚めさせかねない愚行」
「米国大統領選挙にロシアが干渉した」とか「デンマーク国防省やドイツ議会をロシアがハッキングした」というお話。冷静に考えれば、相当恥知らずな事を垂れ流していると思うのですが、西側先進国や超大国の国家指導者たちはそれが分かっているのかな、と暫し思考停止。
面白いですよね。
国家の運営というものは正常に機能しているのが当然で、外部からの干渉や妨害がなされないように高度なセキュリティを常に掛けてそれを維持し、さらに高度なセキュリティを開発し続けていくもの、と不勉強にも私は思い込んでいました。それが、破られたことを国家の恥とも感じず堂々と被害者づらし、仮想敵国のロシアを名指しで攻撃するなんて・・・
たとえ破られても破られていないように振る舞うのが大人の対応だと思っていました。「狂っている」と思しきその振る舞いでメディアをオーバーフローさせてしまう今日この頃。やはり、狂っているのは私の方だったか・・・
エグモント・コッホ、ヨッヘン・ショペルバー共著「データ・マフィア」によれば、世界中の政府機関に売りつけられた「プロミス」というソフトウェアに取り付けた裏口(バックドア)から吸い出された機密情報は、米国・イスラエルに巣食うデータ・マフィアに莫大な利益を齎したと言います。それが80年代から続く本当の世界の姿だとしたら、もともとそんな程度のものだったのでしょう。「裏口」を取り付けられた側に秘密はなく、有るのは脅迫と強制のネタとなるスキャンダルのタネだけ。
「国家とは強固な組織と機密性を有した巨大な組織体であって、その構成員たる国民の最大幸福を追求する組織」、という幻想があった方が道徳的にも良かったかも知れませんね。でもそれは、これから続く者達に対する最大の嘘・偽り・詐欺なのですから、決して目覚めないように睡眠薬を注入し続けなければならないはずです。このマトリックス化した社会で目覚めることはなく生涯を終えた方が幸せかも知れませんから。盲従は幸せです。
その幻影すらすっ飛ばす最近のスキャンダラスな話題は、マトリックス自体を破壊し兼ねない自爆スイッチなのに、なりふり構わない西側先進国や超大国の国家指導者たち。最高のパペットたちですね。こんなパペットたちに騙され続ける私たちは「知らなかった」を免罪符にこれからも生きていくのでしょう。
投稿: 海坊主 | 2017年11月19日 (日) 17時25分