アメリカの基本的価値観を踏みにじるRTへの弾圧
Andrei AKULOV
2017年10月2日
Strategic Culture Foundation
国営ロシア・トゥディのアメリカ支社、RTアメリカは、アメリカ合州国で、プロパガンダを流布する外国エージェントとして、外国エージェント登録法(FARA)のもとで、登録しなければならないと、司法省(DOJ)から通告された。さもないと、RTがアメリカで事業を続けられなくなるような制限に直面しかねない。1938年に成立したFARAは外国の権益を代表する人々に、関連活動と財政に関する情報と共に、彼らの関係を、開示するよう要求している。DOJは、クレムリンが管理するもう一つの報道機関で、FARAのもとで登録を強いられる可能性があるスプートニクも調査中だ。
この法律は通常、政治コンサルタントや、ロビーイングや広報の仕事をしている人々に適用される。歴史的に、FARAの実施は、さほど強力ではない。観光局やロビイストを含め401の組織が活動しているFARA登録者だ。通常、報道機関は、法律から除外されている。結局、RTとスプートニクは、いずれもFARAの対象となっていないBBCやドイツのドイチェ・ヴェレと何ら変わらない正当な報道機関だ。両者に対する法的圧力は、言論の自由にとって、深刻な意味がある。
RTアメリカは、アメリカ合州国内で、活動を継続できるが、外国政府につながる収入源と、アメリカで付き合っている相手に関して、定期的に情報を提出しなければならなくなる。あらゆるニュースに、ロシア政府の影響を受けている、あるいは、資金提供を得ていると明記しなければならない。放送局は、全従業員の給与、住所と電話番号リストの提出を要求される可能性がある。
今年始め、民主党の上院議員と、二人の両党下院議員が、FARAの対象を拡大する、エージェント登録近代化、施行法と呼ばれる法案を提出した。彼らは、この法案の対象として、RTを具体的に名指ししていた。
1月のアメリカ諜報機関報告書で、RTとスプートニクは、“ロシアと世界中の人々にメッセージを発信するためのクレムリンにとっての基盤”として機能するロシア“国営プロパガンダ機構”部門とされていた。報告書は、このメディアが、2016年大統領選挙運動中、ドナルド・トランプを支援し、ヒラリー・クリントンを攻撃したロシアの“影響キャンペーン”で重要な役割を演じたと述べている。報告書によれば、RTは"ウィキリークスに積極的に協力した" 。スプートニクとRTは“次期大統領トランプを、腐敗した既存政治支配体制に言いなりだと彼らが主張する、在来のアメリカ・マスコミによる不公平な報道の標的として一貫して描いていた”と報告書は主張している。
RTのマルガリータ・シモニャン編集長によれば、登録は、アメリカ合州国で "活動できなくなる制限をもたらす可能性がある" 。RTの“評判を損なう”キャンペーンに続き、“人々に決定的な圧力がかけられ、人々が番組に出演したがらなくなり、我々のインタビューに応じるのを止めている”と彼女は指摘した。9月29日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、国連安全保障理事会の会議で、海外のロシア・マスコミが、増大する "受け入れがたい"圧力に直面していると述べた。この発言は、 ロシアのRTテレビ局に、外国エージェントとして登録するよう強いて、アメリカ合州国が"不当な圧力"をかけているというロシア外務省による前日の非難を受けたものだ。外務省は、ロシア・メディアに関するあらゆる動きには、相応の対応をすると述べた。
RTとスプートニクに対する最近の攻撃は、より広範な構図の一環だ。アメリカの対策は、マラー特別検察官の捜査に由来するものだけに限られない。モスクワに本社を置くサイバー・セキュリティ企業は、クレムリンの影響力の影響を受けやすい可能性があるのを恐れて、国土安全保障省は、全ての政府機関は、90日以内に、カスペルスキー社製品の使用を止めなければならないと述べた。
そもそもが彼の仕事の一環として、彼が色々な人々に会っていたというだけで、大統領選挙に影響を与えようとしたことや、他の悪事のかどで非難されたセルゲイ・キスリャク元駐米ロシア大使の活動を巡るヒステリーが頭に浮かぶ。NATOとつながっている北大西洋理事会は、ポーランドにまで、RTをサイバー攻撃の標的に含めるよう要求している!
2016年末、35人のロシア外交官が、アメリカから追放された。9月始め、三つのロシア外交施設 - サンフランシスコ領事館と、ワシントンとニューヨークの通商代表部が - ロシア人職員が、二日以内に退去するというアメリカ政権の命令に従ったことが確認された後に差し押さえられた。これは、第27条に“接受国は、武力紛争が生じたときであつても、領事機関の公館並びに領事機関の財産及び公文書を尊重し、かつ、保護する”とある、領事関係に関するウィーン条約のあからさまな違反として行われた。同様に、マスコミに対する攻撃は、言論の自由という広く受け入れられている規範を侵害している。
実際、アメリカ自身が、ロシアに罪をなすりつけようとしている活動に関与している。政府は、他の国々の内政への関与や、プロパガンダの取り組みに予算をあてている。2008年、国務省は、ブログ、ニュース・サイトやディスカッション・フォーラムを含むインターネット・サイトに取り組むべく、デジタル・アウトリーチ・チームを立ち上げた、。公式には、任務は“アメリカ外交政策を説明し、虚報に反撃する”ことだ。
ロシアの新聞ではなく、イギリスのガーディアン紙が、ペンタゴンのアーネスト・ボイス(真面目な声)作戦(OEV)計画に関する記事を掲載した。この構想の狙いは、偽のオンライン人格を使い、秘かにソーシャル・メディア・サイトを操り、インターネット上での会話に影響を与え、アメリカ支持プロパガンダを広めるのを可能にするソフトウエア開発だ。ソーシャル・メディア・ユーザーに "靴下で作った指人形"として知られている偽のオンライン人格を、アメリカ軍が開発していたと記事にある。それぞれの偽オンライン人格には、"精緻な敵対者に発見される恐れ無しに"、偽人格をワークステーションからの操作を可能にする、説得力のある経歴、実績や補強する詳細情報がなければならない。
2014年のロシア侵略予防法案は、“ロシア連邦内の民主的機関や政治団体や市民社会団体を強化するための”資金提供を構想していた。対ロシア経済制裁の一環として、アメリカ国務省は、2016年から2018年まで、ロシア国内で マスコミや、無料インターネットの支援のため、ロシア民主党や市民団体に6000万ドルを割り当てていた。国務省は、直接、あるいはソロスの全米民主主義基金経由、両方で活動して、こうした目的のため、毎年2000万ドル割り当てている。
リストは続けられる。猫背の人は自分のこぶは見えない。議会から圧力を受けているアメリカ政権は、両国間の緊張を緩和するあらゆる試みを阻止するため最善を尽くしているように見える。目標を実現するためなら、言論の自由のような、アメリカの中核的価値観を踏みにじることも含め、あらゆる手段を用いることもためらわない。
記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/10/02/us-cracks-down-rt-trampling-core-american-values.html
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連日のしつこい呆導で古い記事を思い出した。
2010年12月7日「WikiLeaksを巡る疑念はてんこもり」で、大本営広報部大政翼賛会が、どうでもよい話題を「一斉報道」する際には、必ず、それで隠蔽したい凶悪な施策を推進していることを書いた。
今回の絶望の党誕生も、その典型例。モリ・カケ国難男と緑のキツネを使った日本完全属国化推進計画。モリ・カケ問題のみならず、肝心な緊急事態条項、憲法改悪の話題を話題から消し去るのが狙いだろう。まともな政党も抹殺して、一石二鳥。
国難男女排除という要点を、完全に誤魔化して、人気だけの選挙戦に突入させるのが支配層、そして茶坊主マスコミの狙い。都知事、都議選挙同様今回も成功するだろう。
矢部宏治氏の記事をお読み頂きたい。
誰が首相になっても、総選挙後に必ず起こる「2つの重大な出来事」
2010年12月7日「WikiLeaksを巡る疑念はてんこもり」の一部を再掲載する。「キツネ」とある部分、「キツネやタヌキ」としておけば良かったと反省。
「一斉報道」、何によらず眉唾ものだと思っている。
『眉唾』、眉に唾をつけると、キツネなどに化かされないという俗信からだという。たまに現れるキツネなら、眉に唾をつければ化かされずに済んだのかも知れない。朝から晩まで色々報じるマスコミに化かされずに済むよう眉に唾を塗っていては、唾が間に合うまい。
この国の民度に比例したジャーナリズムなるものが、どうでもよい話題を一斉に報じる時期は、なぜか庶民生活の根本に関連する重要な法律の成立前やら、つつかれたくない政府の活動と一致することが多いような気がする。まあ、貧乏人の被害妄想だろう。
「庶民生活にとって、どうでも良い話題は熱心に報じるが、庶民生活にとって、どうでも良くない話題は報じない」のが彼等(政界・マスコミ・霞が関)の仕事なのだ、という素朴な確信、頭から離れない。
- 野球関係のおば様と剣劇のおば様の口論?が大いに報道されたのは、1999年3月末
- そこで、 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律 1999年5月28日
- 国際連合平和維持活動などに対する協力に関する法律の一部改正 1999年7月16日
- 白装束の渦巻きカルト集団の動きが大いに報道されたのは、2003年4月から5月
- それから、 武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律 2003年6月13日
- モンゴル人横綱の暴力騒動がかまびすしかったのは、2010年1月
- そして、 「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」(日米安全保障条約)署名50周年に当たっての日米安全保障協議委員会の共同発表 2010年1月19日
今朝(10月10日)の日刊IWJガイドも必読。
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コメント
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安倍は街宣で「安全保障を担えるのは我が党しか無いじゃありませんか」とのたまうけれども、それは軍事的な防衛に関してのみを語っているに過ぎない、という事に、多くの有権者は気づかず、その言葉に誘導されてしまう訳です。
軍事的な防衛を支えるにしても、肝心の食料安全保障が疎かでは、隊員だって腹が減っては何とやらだという事に気づかないのです。
他にも、スパイは野放しどころか、政府自ら喜んで迎えている始末ではありませんか。
何の事かって?ジャバハンなどはスパイそのものでしょう。
それと、民間議員なる輩たちは、国民の財産や健康、命まで毟り取って自分たちの利益に変換する為の提言ばかりに熱心で、中には、ロバート・フェルドマンみたいな外資のロビィストまで、ワザワザ高い報酬を払って居座らせている始末です。
ことに食料と水を外資に委ねるなどという事は、そのまま国民の命を外資に委ねる事に他なりません。
少し前までは、食料自給率は39%だったのが、ここへきて急激に低下している事に危機感を抱く人の少なさには恐怖さえ覚えます。
現在、穀物相場がそれ程には値上がっていないのは、ある程度の自給率がまだ残存している為、競争原理が働いている事によるものです。
これが自給率30%以下にまで下がった時、穀物メジャーはここぞとばかり急激に価格を引き上げてくる事でしょう。
現在の食料自給率は37%台にまで落ち込んでいるそうですが、これはTPPなどの貿易協定に関係しています。
政府は農家に対して所得補償という手立てを講じている為、離農者が急増している為です。
安倍政府の試算では、これを農業の株式会社化で補う算段らしく、現在、特区にて実験中なれど、状況は捗々しくないようです。
様々な呆道の影に隠れて実に恐ろしい事が進行中です。
モンサント社などが稲の新種を開発し、既に一部の農家が栽培を始めたのです。
詳しくは山田正彦さんのブログにて、ご覧いただきたいのですが、これは種子法廃止と深い関係があります。と言うよりは、この為にこそ種子法は廃止されたのです。
日本の国土で生産される食料ですら、外資に委ねるという事が如何に恐ろしい事か、能天気な日本人は気づこうともせず、安楽を耽るばかりという恐怖。
中には「遺伝子組み換え作物は安全だ」と語る人すら居る始末。
そういう人は、遺伝子組み換え作物をマウスに与え続けた実験の結果を知らないとしか思えません。
或いは、「遺伝子の組成変化は自然界でも起こる現象だから、それを人為的に起こしても問題ない」と考えているのでしょう。
百歩譲って、そうだとしましょう。
しかし、それでもまだ肝心な事を忘れています。
それは何故、遺伝子組み換えをするのか?という事です。
何故、遺伝子組み換え作物などを開発したかと言いますと、農作業の手間を省き生産性を向上させる為です。
農作業の中で一番手間のかかる作業は雑草を除去する作業です。
そこで畑全体を除草剤漬けにして雑草が生えてこない土壌にしておき、除草剤に耐性を持つ様に遺伝子組み換えされた作物を植えれば、雑草に悩まされる事なく収穫も楽という訳です。
しかしよく考えてみてください。
遺伝子組み換え作物が除草剤で枯れないのは、その作物が除草剤の成分を吸収していないのではありません。
間違いなく、雑草と同じ量の除草剤成分を吸収しているのです。
耐性を持っている為に枯れずに育つだけです。
つまり、生産された作物には除草剤の成分が残留しているのです。
それを人間が食べても安全だと言い切れるのでしょうか?
先頃、グリホサート系除草剤(ラウンドアップ)の残留基準値が以前の400倍に引き上げられた様です。
これは正に、遺伝子組み換え作物に対応する措置そのものです。
40ppmという数値は、確実に健康を害する数値です。
更に恐ろしい事は、グリホサートよりも強力な除草剤ジカンバが登場した事です。
これの危険なところは、僅かな霧状成分でも樹木さえ枯らしてしまう程の猛毒である点です。
その為、これを散布した農地の周辺農地まで汚染してしまい、在来種の作物は全て枯れてしまうのです。
こうして嫌でも遺伝子組み換え種子に転換せざるを得ない状況にするのがM社の狙いなのでしょう。
勘違いしている人が多いので言いますが、除草剤というのは毒性化学物質です。
それを散布するという事は、毒性化学物質で土壌を汚染させるという事です。
雨が降れば、その汚染は川へ流れ込み、やがて海へと辿り着いているのです。
化学物質は容易に自然分解しない為、長期に亘って汚染は蓄積されていきます。
近年、海苔やイカが不漁なのも、何か関係がある様に思えてなりません。
この上、更に猛毒の除草剤が日本に上陸したら、と思うとゾッとします。
現時点でも農薬の種類は数百種、食品添加物も数十種が認可されている現状によって、多くの人々は自覚がないまま、実は様々に健康を蝕んでいる事に気づきましょう。
鬱、自閉症、なども、私は化学物質に依るところが大きいと見ています。
こうして日本国民はジワジワと健康を害している事に気づかないまま体の自由が利かなくなって、或いは癌などに冒されて死滅していくのです。
そうした健康被害が明らかになったとしても、因果関係は証明されない仕組みがこの国では出来上がっているのです。
それを強固なものにするのがISD条項です。
TPPなどの自由貿易協定を推進する本当の狙いは、このISD条項を有効にする為と言っても過言ではないでしょう。
投稿: びいとるさいとう | 2017年10月10日 (火) 04時37分