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2017年10月14日 (土)

エリートには“何の威信も残されていない”ジャーナリスト、クリス・ヘッジズ・インタビュー

ディヴィッド・ノース
2017年10月6日

月曜、WSWSの国際編集委員会委員長ディヴィッド・ノースが、ピューリッツァー賞受賞ジャーナリスト、作家、講演者で元ニューヨーク・タイムズ特派員クリス・ヘッジズにインタビューした。ヘッジズの著書で良く知られているものには、War is a Force That Gives Us Meaning(『戦争の甘い誘惑』)、The Death of the Liberal Class、Empire of Illusion: the End of Literacy and the Triumph of Spectacle、漫画家のJoe Saccoと共著のDays of Destruction, Days of Revoltと、Wages of Rebellion: the Moral Imperative of Revolなどがある。


クリス・ヘッジズ

Truthdigで、9月17日に掲載された“The Silencing of Dissent(反体制派封じ)”と題する記事で、ヘッジズは、グーグルによる左翼サイト検閲に関するWSWS報道に言及し、“ブラックリストや、検閲や、異議唱える人々をロシアの外国代理人や“偽ニュース”流布者として中傷することがある”傾向の増大を警告した。

ヘッジズはこう書いていた。“司法省が、RTアメリカと、その“仕事仲間”-私のような人々も意味するのかも知れない-に、外国代理人登録法下で、登録するよう要求したのだ。大企業国家は、我々の大半は外国代理人として登録するまいことを知っているのは確実で、つまり我々は放送界から追放されることになる。これが真意だろうと私は思う。”

ノースによるヘッジズ・インタビューは、マスコミにおける反ロシア・キャンペーンの重要性に関する議論で始まった。

ディヴィッド・ノース: ロシアに対する執着や、プーチンによる操縦という枠組みでの選挙解釈をどうお考えですか?

クリス・ヘッジズ: サダム・フセインの大量破壊兵器と同様、ばかげています。大企業資本主義と帝国主義を批判する人々は、ロシアのための外国代理人だという、全くぞっとする非難を長続きさせるために使われている全く証明されていない主張です。

アメリカが、ロシアや、世界中の他のあらゆる国々で過去行い、今実行しているのと同様同に、ロシアも、彼らの利益に役立つだろう形で、アメリカ合州国における出来事に影響しようとして、時間やエネルギーや金をかけていることに疑いは持っていません。ではすから、私は何の影響もなかったとか、物事に影響する試みがなかったと言っているわけではありません。

しかし、ロシアがトランプの為に選挙で不正を行ったという考え丸ごとばかげています。ロシアが、ポデスタ電子メールを、ウィキリークスに渡し、これらの電子メールの公表が、何万、何十万人ものクリントン支持者を、トランプ支持に変えたという立証されていない主張を、実際前提にしています。これは全く意味をなしていません。国家情報長官による、私も番組を持っているRTアメリカが、全員、緑の党に投票させようとしたやらも。

このロシアに対する固執は、支配層エリート、特に民主党が、非常に不愉快な現実に直面するのを避けるため使う戦術です。連中が不人気なのは、産業空洞化と、働く男女や貧しい有色人種に対する攻撃という連中の政策の結果です。労働組合に加盟してする高賃金仕事を廃絶し、何の追加給付も受けられない労働者の時給が3ドルというメキシコのような国に、雇用を移転したNAFTAのような悲惨な貿易協定の結果です。ビル・クリントンによる1994年の包括的犯罪防止法で、実刑判決が三倍、四倍になって始まった大量投獄制度が爆発した結果です。クリントンが骨抜きにした、もちろん福祉を含む基本的政府サービスを削減し、規制緩和、公立学校を含むインフラの荒廃、事実上の大企業による脱税の結果です。国を少数独裁者支配体制に変えた結果です。先住民保護主義者の反乱や、民主党内で潰された反乱も、アメリカという国に対し、連中がしでかしたことを見れば、つじつまがあいます。

警察部隊は、人々が他のあらゆる権利も剥奪され、罪を問われることがない警官に銃撃される少数派のコミュニティーを、テロ的手口で脅す準軍事組織に変えられてしまいました。実際、毎日、三人以上殺害されています。国は社会支配の手段として、貧しい有色人種を銃撃し、投獄しています。連中は、制御しがたくなった他のどの集団に対しても、社会支配の手段として、同じ手口を駆使する用意ができています。

特に、民主党が、このロシア魔女狩りを推進しています。連中は、我々の市民的自由の破壊に荷担した事実に直面できないのです。バラク・オバマによる市民的自由に対する攻撃は、ジョージ・W・ブッシュが行ったものや、アメリカ経済や、アメリカの民主的組織の破壊よりも酷いことを想起ください。

クリントン夫妻、ペロシやシュマーなどの政治家はウオール街が作り出したものです。民主党のサンダース派に対する反撃で、連中が、あれほど猛烈だった理由はこれです。ウオール街の金無しでは、連中は政治権力を維持できません。民主党は、実際は政党としては機能していません。全て大企業寄付者の費用による絶え間ない大衆動員と、過度に騒ぎ立てる広報部門にすぎません。党基盤の人々は、バーニー・サンダースや、彼の支持者たちが気づいたように、指導部や党の政策に対して、何の発言権もありません。彼らは不毛な政治劇場の小道具に過ぎません。

強欲と近視眼と皮肉に夢中なこれら党エリートが、政治プロセスをがっちり掌握しています。連中は決してそれを手放そうとはしません。たとえそれが内破しようとも。

DN: ヘッジズさんは、ニューヨーク・タイムズで働いておられました。正確にはいつのことでしょう?

CH: 1990年から、2005年までです。

DN: あなたは、この組織で多少経験をお持ちですが、どのような変化をご覧になっていますか? 我々は、同紙は裕福な中流の上の購読者を開拓していると強調しています。

CH: ニューヨーク・タイムズは、3000万人の中流の上の階級、裕福なアメリカ人を意識的に対象にしています。全国紙なのですが、ニューヨークの読者は、わずか約11パーセントです。家庭欄や、スタイル、ビジネス、旅行欄を見れば、タイムズが一体誰を対象にしようとしているか容易にわかります。例えば、ハンプトンズで別宅を持つことの難しさという記事。頻繁とは言えませんが、良い調査活動もできます。外交問題も報じています。けれども、それはエリートの思考を反映しています。あなた方のウェブサイトと釣り合わせるため、毎日、タイムズを読んでいます。

DN: 釣り合わせる以上のものであって欲しいものですが。

CH: ええ、釣り合わせる以上です。タイムズは常にエリート向け刊行物ですが、エイブ・ローゼンタールが編集長だった財政難時代、ネオコンと新自由主義イデオロギーを全面的に奉じていました。エリートに応える特別欄を設けたのは彼です。彼は、ノーム・チョムスキーやハワード・ジンのように、拘束されない資本主義と帝国主義を批判する人々を締め出す事実上の検閲を課し、彼は、ニューヨークの不動産開発業者に挑戦したシドニー・シャンバーグや、エルサルバドル、エル・モゾテの虐殺を報じたレイモンド・ボナーのような記者を追い出しました。

彼は毎週、発行人と一緒に、ウイリアム・バックリーと昼食をとっていました。大企業資本主義という最も退行する勢力の手先、アメリカ帝国主義の擁護者へのこの旋回は、一時、同紙を非常に儲かるものにしました。最終的に、もちろん、インターネットが勃興し、新聞の全収入約40パーセントを占めていた広告が消滅し、全ての新聞が打撃を受けたと同様、タイムズも打撃を受けました。新聞は、かつて売り手と買い手を結びつけていた独占力を失ったのです。新聞は、権力を持った裕福な連中に応えるように作られた古い情報制度、連中が“客観性”と“バランス”と呼ぶ常套句、真実の曖昧化に捕らわれているのです。しかし全てのビザンチン宮廷同様、タイムズは聖杯にしがみついたまま沈没するでしょう。

同紙の知的厳粛さ、とりわけ書評と週間レビューのそれは、彼自身ネオコンで、コラムニストとして、イラク戦争応援団長だったビル・ケラーによって破壊されました。彼はサム・タネンハウスのような連中を引き入れました。あの時点で、同紙は、人類の進歩、の必然的な形としての新自由主義と大企業権力優先というユートピア・イデオロギーを、満場一致で奉じたのです。タイムズは、大企業国家が助長するビジネス・スクール、大学の経済学部や評論家と並んで、社会のあらゆる部門を、市場の命令の前にひれ伏せさせれば、我々全員一層楽になるという荒唐無稽な考えを宣伝したのです。こんなことを信じるには特別愚劣でいる必要があります。ハーバード・ビジネス・スクールの学生に、エンロン社と、その素晴らしいビジネス・モデルのケース・スタディーをさせていたのです、つまり、エンロンが破綻し、壮大なペテンであることが暴露されるまでは。これは実際、決してアイデアの問題などではありません。純然たる強欲です。それを最高に教養があると思われているラリー・サマーズのような人物が推進していたのですから、アメリカの衰退は、教育が不十分なせいだというウソもばれました。衰退し破綻した、道徳規準をもたないエリートと、連中を裕福にした犯罪的な金融機関のせいなのです。

論説ページ、週間レビューや書評の、そもそも強くはなかった批判的に考える力は、ケラーのもとで蒸発しました。グローバリゼーションは自明のことでした。タイムズ社は、あらゆるエリート機関同様、気密反響室で、連中は、自分たちが、どれほど的外れになっているか、あるいは自分たちが、どれほど滑稽に見えているのか、自覚できないのです。トーマス・フリードマンやデイヴィッド・ブルックスも、ジ・オニオンに書いた方がいいでしょう。

私は海外で働きました。ニュース編集室で長く働いたわけではありませんが、同紙は、非常に不安に満ちた場所です。ルールは明記されているわけではありませんが、口にはせずとも、全員が同紙の非公式の金言を知っているのです。我々がお金と情報取得で依存しているお偉方との関係を大幅に悪化させてはならない! 時には、連中に立ち向かってもかまわない。しかし、もしあなたが、発言権を与えられていない人々に発言させようとしたり、人種、階級、資本家の搾取や帝国の犯罪などの問題を扱おうとしたりするチャーリー・ルダフやシドニー・シャンバーグのような真面目な記者であれば、あっという間に、経営幹部に問題にされ、追い出されます。組織の中で出世し、権力を維持している連中は、完璧な出世主義者です。連中の忠誠心は、自分の出世と、組織の名声と収益性に対してで、それが、この新聞社の幹部階層が凡庸な連中に満ちている理由です。出世主義は、同紙最大の弁慶の泣きどころです。有能な人々が不足しているわけではありません。そうではなく、知的自立と道徳的勇気に欠けているのです。ハーバード大学を連想させられます。

DN: ロシアがハッキングしたという報道の話に戻りましょう。事実上の基盤が全く皆無で、様々な諜報機関による主張に過ぎない、評価として提示されたものが、疑問の余地がないことになる話を作り出す能力に触れておられますね。こうしたものに対するあなたの評価はいかがでしょう?

CH: CNNやMSNBCも含む商業放送局は、ジャーナリズムを仕事にしているわけではありません。ほとんどしていません。こうした企業の著名記者はエリートのご機嫌取りです。連中は、宮廷のうわさ話、つまりロシアに関するあらゆる非難を憶測し広め、繰り返すように言われたことを繰り返すのです。連中は、視聴率と収益のために、ジャーナリズムと真実を犠牲にしています。こうしたケーブル放送のニュース番組は、企業構造上、主要収入源の一つです。それが他の収入源と競合しているのです。CNN社長、ジェフ・ザッカーは、ドナルド・トランプの架空人格を、番組“セレブリティ・アプレンティスで作り出すのを支援し、CNNで、政治を24時間リアリティ番組に変えたのです。あらゆるニュアンス、曖昧さ、意味や深みや検証可能な事実が、猥雑な娯楽のために犠牲にされるのです。ウソ、人種差別、偏見や陰謀論には、発言の機会が与えられ、報道価値があると見なされ、錯乱しているだけがとり得の人々に支持されることが多いわけです。茶番としてのニュースです。

イラク戦争に至る間、ニューヨーク・タイムズの調査チームにいました。パリに駐在して、ヨーロッパと中東のアルカイダを対象にしていました。ルイス・スクーター・リビー、ディック・チェイニー、リチャード・パールや、諜報機関の誰かが、何であれ、政権が売り込もうとしているものを支持するのでした。タイムズ社のジャーナリズムのルールは、情報源が一つの話を扱ってはいけないというものです。しかし、同じ言説を裏付ける三つか、四つの独自と思われる情報源がある場合には、その記事を進めて良く、それで進めていたのです。同紙はコロンビア大学ジャーナリズム大学院で教えられるルールを一つたりとも破りませんでしたが、彼らが書いたあらゆるものはウソでした。

事態丸ごと茶番でした。ホワイト・ハウスは何か作り話をジュデイ・ミラーやマイケル・ゴードンに漏洩し、それからショー番組で、‘タイムズはこう報じた’とやるのです。それで、こうしたウソに、自立した立派なジャーナリズムといううわべが得られます。これは壮大な組織的欠陥でしたが、一紙たりとも、立ち向かいませんでした。

DN: CIAが話題を売り込み、タイムズが、話を売り込んで来た連中から確認を得ると。

CH: いつも売り込まれるわけではありません。大半がCIAによるものというわけではありません。CIAが、“大量破壊兵器”ヒステリーを作り出したわけではありません。

DN: 他にもあると?

CH: そうです。幹部連中と会おうとする場合には、常時、要請をしておく必要があり、幹部連中が会いたい時を決めるのです。連中が会いたがる時には、何か売り込みたいものがあるのが普通です。

DN: マスコミの反ロシア言説は、自称“左翼”のかなりの部分に支持されています。

CH: アメリカ左翼の話を始めさせないでくださいな。そもそも、アメリカ左翼、政治理論や革命理論を理解する、経済研究に没頭している、権力体制が、特に大企業と帝国主義権力どのように機能するのかを理解している何らか真面目さがある左翼は皆無です。左翼は、社会の他の人々がかかっているのと同じ人格カルトに夢中なのです。このカルトは、トランプが問題の中心であるかのように、トランプに集中します。トランプは、破綻した体制、機能不全な民主主義の産物、症状であって、病気そのものではありません。

大半の左翼とされる連中と議論しようとすると、連中は、議論を、政治をこのマンガ的構図におとしめてしまうのです。

この国の本格的な左翼は滅ぼされてしまいました。ウッドロー・ウィルソン下における急進派運動の弾圧で始まり、更に1920年代“赤の恐怖”で、連中は、事実上、アメリカ労働運動や、アメリカの急進的メディアを破壊し、更に、1950年代、あらゆる粛清がありました。おまけに、連中はリベラル層も粛正しました-連中が、ヘンリー・ウォレスに対してしたことを見てください。冷戦“リベラル連中”が、資本主義を民主主義と同一視し、帝国主義を自由と同一視するように。私はスイスとフランスで暮らしたことがあります。ヨーロッパには、ヨーロッパ人がそれを基盤に戦いを構築できる戦闘的左翼の残滓がまだありいます。しかし、アメリカでは、我々はほとんどゼロから始めなければなりません。

私は「アンティファ(Antifa)」やブラック・ブロックとずっと戦っています。連中は、私が並外れた政治的未熟さと考えているものの一種のイメージキャラクターだろうと考えています。抵抗は、個人的カタルシスの一形態ではないのです。我々は、1930年代に勃興しつつあるファシズムと戦っているわけではないのです。我々が打倒しなければならない大企業エリートは既に権力を掌握しています。我々が、労働者男性や女性たちを組織するには大変な忍耐が必要な広範な大衆の抵抗運動を構築しない限り、我々は着実に潰されるでしょう。

ですから、トランプが問題なのではありません。しかし、あの文章だけでも、自分は左翼の一部だと考えている人々との大半の議論を駄目にします。

大企業国家で、この根源的批判に固執すれば、生活は極めて困難になります。終身在職権は決して得られません。役職にはつけません。賞は取れません。補助金は得られません。ニューヨーク・タイムズは、著書を書評する場合でも、ジョージ・パッカーのような従順な保守人間に任せ、私の最新著作でそうしたように、中傷させるのです。プリンストンやコロンビアのような幾つかの大学で客員教授して教えたことがありますが、エリート大学は、大企業の構造と目標の複製です。博士学位審査委員会や、まして終身在職審査委員会を切り抜けたいと思ったなら、徹底的に安全第一で行かねばなりません。組織中に染み込み、大企業からの寄付や、裕福な卒業生連中の指示によって押しつけられている大企業寄りの姿勢に異議申し立てをしてはなりません。大半のこうした評議員会メンバーの半数は監獄に入るべきです!

17世紀、イギリスでは、投機は犯罪でした。投機家は絞首刑にされました。そして、現在、連中が経済と国家を運営しているのです。連中は、捕獲した富を、アメリカの知的、文化的、芸術的生活を破壊し、アメリカ民主主義を根絶するのに使っているのです。連中のための言葉があります。国賊です。

DN: アメリカにおけるアイデンティティ政治の影響をどうご覧になっていますか?

CH: アイデンティティ政治は左翼の未熟さを示しています。大企業国家はアイデンティティ政治を奉じています。アイデンティティ政治がどこに向かうのかを、バラク・オバマで目にしていますが、悲惨なものです。彼はコーネル・ウエストが言った通り、ウオール街の黒人マスコットで、今は我々を売り渡した彼への謝礼を徴収すべく歩き回っています。

アイデンティティ政治に関する私のお気に入りの逸話をご紹介しましょう。コーネル・ウエストと私は他の人々と一緒に、フィラデルフィアでの民主党全国大会集会に向けたホームレスの人々の行進を先導しました。あの晩イベントがありました。集会は何百人もの人々が一杯で、大半が怒れるバーニー・サンダース支持者でした。私は講演を依頼されていました。控え室に、若い活動家のグループがいて、一人がこう言ったのです。“白人男性第一にはさせない。”そこで彼は立ち上がり、いかに全員がヒラリー・クリントンに投票しなければならないかについて演説をしたのです。アイデンティティ政治は、そうなりがちです。コリー・ブッカーやヴァン・ジョーンズのような大企業資本主義と帝国主義サクラと、グレン・フォードやアジャム・バラカのような本当の急進派との間には大きな違いがあります。大企業国家は、体制の残忍さと搾取を隠蔽するため、女性や有色人種の人々を入念に選んで宣伝します。

権力エリートに寝返った連中の声ではなく、こうした意見が発言の場を与えられるのは非常に重要です。フェミニスト運動はこの好例です。私が尊敬するかつてのフェミニズム、アンドレア・ドウォーキンたちのファミニズムは、抑圧された女性たちに権限を与えるものでした。こうしたフェミニズムは、売春を風俗業として正当化しようとはしませんでした。女性を搾取工場で虐待するのも、風俗業で虐待するのも間違っているのを知っていたのです。新手のファミニズムは、新自由主義の害毒の好例です。ヒラリー・クリントンのように、抑圧体制に仕える女性CEOや女性大統領を実現するのが狙いです。連中は売春は選択の問題だと主張しています。安定した収入と安心を得ている女性が、一体どうして生活のために、強姦されることを選ぶでしょうか? アイデンティティ政治は反政治です。

DN: 社会主義者収束会議で講演され、オバマとサンダースを批判して、やじり倒されたそうですね。

CH: ええ、覚えてはいませんが。バークレー校を含め、多くの場所で、オバマを批判してやじり倒されています。ラルフ・ネーダーの支持者、演説原稿作成者として、私はこれに耐えることを長年強いられてきました。人々は、でっちあげられた人格、自分の政治的救済者たちの幻想、広報会社が作り出す人格を粉砕されたくないのです。彼らは権力がどのように機能するかを本当に理解して、それを倒すべく組織化するというきつい仕事をしたがりません。

DN: World Socialist Web Siteを、かなり長い間読んでいると言っておられますね。我々が枠組みから全く外れていることはご存じですね。

CH: 私はマルクス主義者ではありません。私はトロツキストではありません。それでも私はこのサイトが好きです。他の多くのサイトではしないような形での重要な問題に対する皆さんの真剣な報道が。あなた方は、私にとって重要な物事-大量投獄や労働者階級の権利と戦いや帝国の犯罪を気にかけておられます。私はこのサイトを長年読んでいます。

DN: 左翼と自称する連中の大半、つまり似非左翼は裕福な中流階級の権益を反映しています。

CH: その通りです。主要機関では、誰もが他文化主義を主張していますが、実際には、大学の学部やニュース編集室に、ごく少数の有色人種の人や女性を送り込むことを意味していて、一方で、アメリカ合州国の産業を失った地域の低収入労働者、特に有色人種の貧しい人々に対する残忍な経済攻撃を行っているのです。これら多文化主義者の極めて少数しかこれに気づいていません。私は多様性には大賛成ですが、経済的公正が欠如しているものには賛成できません。コーネル・ウエストは偉大な闘士の一人で、アメリカ史上、最も重要な知的伝統である黒人予言の伝統であるのみならず、あらゆる形の公正に対する明快な呼びかけです。経済的公正無しには、人種的公正はあり得ません。これらのエリート機関は、印ばかりの少数の連中を、階層中にちりばめはしますが、連中は、労働者階級や貧しい人々、特に有色人種の貧しい人々を痛めつけているのです。

左翼の大半はアイデンティティ政治のトリックに騙されています。おかざりの運動なのです。我々が破壊すべき大企業体制には手をつけません。親しみやすい仮面を体制に着せているのです。

DN: World Socialist Web Siteは、不平等問題を報道の焦点に置いています。

CH: それこそが、私が拝読し、好きな理由です。

DN: ロシア問題に戻って、事態はどのような方向に向かっているとお考えですか? 民主的権利に対するこの攻撃をどれほど深刻なものとお考えでしょう? 我々はこれを新マッカーシズムと呼んでいます。これは、あなたのお考えでは正当な類推でしょうか?

CH: ええ、もちろん新たなマッカーシズムです。しかし、我々の意見はほとんど意味がないことを認めましょう。

DN: その点は同意しかねます。

CH: 主流マスコミで我々は発言させてもらえないという点で、意味がないと申しあげているのです。カナダでは、私はCBCのゴールデン・アワーに出演します。フランスでも同じです。アメリカでは決しそういうことは起きません。PBSはNPR決してそういうことはしません。連中は、資本主義や帝国主義を本気で批判する他の誰も出演させません。

例えばもし、シリア攻撃について議論する場合、シリアを爆撃するか、シリアを爆撃して、軍隊を送り込むか、という二つだけが選択肢であるかのように、言われることになります。医療もそうです。ヘリテージ財団と医薬品業界と保険業界の産物であるオバマケアにするのか、何もしないのか? 国民皆保険は論議されません。我々は隅に追いやられています。しかし、だからといって、我々が危険でないことにはなりません。新自由主義とグローバリゼーションは、ゾンビー・イデオロギーです。彼らには何の威信も残ってはいません。詐欺は露顕してしまいました。グローバル・オリガーキーは憎悪され、ののしられています。エリートは、我々の批判に全く反論できません。そこで、連中は我々を跋扈させておけないのです。権力エリート連中が一層怯えると、連中は支配のためより過酷なものを使うことになります、検閲と暴力というむき出しの手段を含めて。

DN: 孤立感や社会的疎外にばかり注目するのは大変な間違いのように思えます。予言させて頂きましょう。おそらく、あなたがお考えになっているより早く、インタビューやテレビ出演依頼が増えるでしょう。私たちは途方もない政治的崩壊の時代にいるのです。益々、労働者階級が強力な政治勢力として登場するのを目にするようになるでしょう。

CH: それが我々が標的にされている理由です。支配イデオロギーが破綻し、アメリカ・リベラル層やアメリカ左翼が破綻しているなか、深い知性や、経済や文化や政治を含む権力体制の検証を堅持する人々は、沈黙させねばならないのです。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2017/10/06/hedg-o06.html
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彼の著書翻訳には『本当の戦争』(What Every People Should Know About War)もある。
残念ながら、古書しか見当たらない。

彼は毎週、発行人と一緒に、ウイリアム・バックリーと昼食をとっていました。

「スシ友」のご先祖!下記も、そのまま通じる。いや、全員ゾンビーの社もある?

組織の中で出世し、権力を維持している連中は、完璧な出世主義者です。連中の忠誠心は、自分の出世と、組織の名声と収益性に対してで、それが、この新聞社の幹部階層が凡庸な連中に満ちている理由です。出世主義は、同紙最大の弁慶の泣きどころです。有能な人々が不足しているわけではありません。そうではなく、知的自立と道徳的勇気に欠けているのです。

World Socialist Web Site
グーグルの新アルゴリズム、左翼、進歩派ウェブ・サイトへのアクセスを制限

インタビューに出てくる彼の記事は“The Silencing of Dissent(反体制派封じ)”

Paul Craig Roberts氏も、「言論の自由を抑圧すると決めたグーグル」で、World Socialist Web Siteに触れておられる。

ということで、IWJガイドをコピーさせていただこう。

日刊IWJガイド・ウィークエンド版「『時の人』立憲民主・枝野幸男代表にまさかの『落選』の危機が!? 地元のテレビ埼玉が対抗馬・自民党の牧原秀樹候補が優勢と伝える!/『驕れる者は久しからず、という言葉を思い知らせなければならない』~野田佳彦元首相が地元千葉での朝街宣の後、大阪16区に飛び立憲民主党・森山浩行候補の応援演説!~IWJは与野党1対1・接戦の注目の選挙区など、街宣の模様を各地から中継!/今日は鹿児島で岩上さんがトークカフェ!まだ若干お席に余裕あり!」2017.10.14日号~No.1856号~

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元来、「エリート」とは社会の中で優秀とされ指導的な役割を果たすことを期待される人間あるいはその集団を指します。しかしながら、その彼らが本来仕えるべき社会や国家がその構成員たる市民達、国民達の繁栄を、保護を切り捨てた時点で愚劣になりました。「エリート」が仕える先がさらなる上位の「エリート」となった時点で彼らの威光は永遠に失われました。

この、出世主義者に堕ちた「エリート」はアイヒマンと同じです。彼らはアイヒマンの子孫なのです。自らの保身と繁栄と引き換えに隣人と他者と自身を明確に線引きしてみせ、その線の内側の安全で豊かな社会を自ら享受する一方で、その線の外側に置いておかれた人々が屠殺者が突きつける鋭利の刃先の、ぐつぐつ煮だった地獄の釜の餌食になるのを見て見ぬ振りをしているのです。

そのような「エリート」は果たして正気な人間と言えるのでしょうか。そのような「エリート」に導かれる社会、国家は正常であると言えるのでしょうか。
確かに、「生きとし生けるもの」の存在理由は「生きている」であり、生を追求することは悪である、とは言えないでしょう。ですが、人が一人で生きていくにはあまりに自然が過酷であったからこそ人間は社会を作ったのであり、その社会の恩恵を享受している時点で他者に支えられて生きていることは自明と言えましょう。

だからこそ、他者と自己を明確に線引きする「エリート」達が主導する社会や国家は自らの繁栄や平和を指向していると思えず、破滅に向かって行進を続けるレミングス達に見えるのです。

「ポリティカルコレクトネス」という用語が私たち庶民の耳にも普通に届くようになって久しいものです。この用語の孕む危険性はクリス・ヘッジス氏が一例として示したようにひどく醜いものです。この用語によって左翼は自らの弱さを晒してしまっています。打倒すべき相手の術に嵌り、是正すべき大きな問題を歪曲化・矮小化させられ、方向転換したあげく相手の思う壺になっています。

かの福沢諭吉は貧智者を最も厄介な者と言いました。「エリート」養成機関である慶應大学の創立者にして言論界の大立者、大教育者であった彼ですらそうなのですから、明治以降の日本の「エリート」達は既に威光を持っていなかったといえるかもしれません。

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