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2017年10月26日 (木)

アメリカはなぜアフガニスタンを麻薬帝国に変えるのだろう?

2017年10月22日
Valery Kulikov

アメリカは、9/11攻撃直後にアフガニスタンを侵略し、総計16年間、占領している。この侵略行為は、1964年から1975年まで続いたベトナム戦争の“記録”を超え、既にアメリカ史上最長の戦争となっている。この期間中、ワシントンは、いわゆるアフガニスタン国家再建のために、8000億ドル費やしたことになっている。この“再建”の結果、タリバンが国の支配を取り戻し、この集団がアフガニスタン領土の40%以上を支配する結果になっている。更に、ペンタゴンが麻薬取り引きと戦うために何もしない中、アヘン生産率も、2001年の数値を超えている。

アル・ジャジーラによれば、アフガニスタンで生産されるアヘンと、その副産物の推計価格が、2015年の15.6億ドルから、2016年には、30.2億ドルに伸びたのは奇妙なことだ。国連推計によれば、麻薬取り引きは、アフガニスタン経済の15%を占め、国民の十人に一人が麻薬中毒だ! 比較すると、世界平均では、二十人に一人だ。

アフガニスタン麻薬取り引きとの戦いに携わっている専門家によれば、アフガニスタン農民は、アヘン5キロで、600ドル得るという。ところが、これだけの量から作られるヘロインは、闇市場で、0.45キロ、150,000ドル以上で売られる! 同時に、差額の149,000ドルが、一体誰の懐に入るのかを誰も知らない。

こうした条件下で、“アフガニスタンを国際的テロ勢力から守る?”ためにいるとされるアメリカ合州国軍隊について一体何が言えるだろう? NATOによって派遣されている恐るべき部隊がいるのに現地の麻薬密売組織のボス連中が、2014年だけでも、6400トンものアヘンを生産できるのだろう?

2001年に、アメリカが、アフガニスタンを侵略すると、アフガニスタンは闇市場のあらゆるヘロインの95%も生産し始めた。同時に、ワシントンは様々な口実で、麻薬生産と戦うのを拒否している。

1996年にタリバンが権力の座についた際、彼らはアヘン・ケシ・プランテーションを非情に破壊し、麻薬密売業者をその場で銃殺した。しかし、2001年、NATOが連中を、アフガニスタン南部諸州においやると、連中は、麻薬取り引きのような儲かる事業から、聖戦のための資金を得るという考えにもはや抵抗できなくなった。麻薬で得られた資源のどれほどが、タリバンの武器購入や他の軍事的な需要のために使われているのか、あるいは、そうした現金が、狂信的過激派から普通の麻薬密売人へと変身した地方軍閥指導者に悪用されているだけなのかを判断するのは困難だ。

現在、アフガニスタンでのワシントンの麻薬撲滅作戦は、85億ドルも、この戦いに費やされたにもかかわらず、惨めに失敗したことは、まとんど誰の目にも明らかだ。専門家によれば、今年の麻薬生産水準は、未曾有の高さに急増するはずだ。アフガニスタンで麻薬を生産する村の数は、既に昨年の数値を超え、国民の約三分の一が、アヘン・ケシ栽培に関与している。Predictably、例えばアフリカ経由などの新たな密輸ルートが出現し、麻薬取り引きの数は増え続けている。専門家は、ヨーロッパを麻薬で溺れさせるため、“バルカン”ルート(パキスタン-イラン-トルコ-ヨーロッパ)と、アゼルバイジャン、アルメニア、ジョージアやウクライナを通る新経路とが重用されているという。

同時に、麻薬物質製造のための何トンもの先駆物質が、アフガニスタンに毎年違法に輸入されている。総計66トンのそうした化学薬品が、2016年に没収され、今年の六カ月間だけでも、50トン以上が押収されている! しかも、アフガニスタンの情報源からの報道によれば、イタリア、フランスやオランダなどの国々がこうした品物の供給国だ。

アメリカとNATO部隊が、アフガニスタンに長年駐留していながら、公式声明によれば、アフガニスタンにおける、ワシントンの主要目的でもあるテロの主要資金源の一つであり続けている麻薬生産との戦いのために、アフガニスタン政府に十分な支援を提供できずにいる無力さには、ただ驚くしかない。国連推計によれば、アフガニスタンにおける違法武装集団の収入の約半分は、4億ドルの水準と推計されるが、麻薬取り引きに由来する。このような状況の下、アメリカ政府アフガニスタン復興担当特別監察官が草稿を書いた、アフガニスタンにおける包括的な麻薬取り締まり戦略を策定する必要性に関する勧告が、次第に重要なものとなっている。ジョン・ソプコは、アフガニスタンにおける麻薬生産水準が記録破りで、アフガニスタンは世界最大のアヘン生産国、輸出国のままなのだから、約85億ドル浪費されたアフガニスタンでの麻薬撲滅運動は、全くの失敗だったと指摘している。

アフガニスタン再建に割り当てられた資金を管理すべく創設された組織SIGARの報告書によれば、アフガニスタン政府を支援するため、アメリカは何億ドルも費やした。同時に、アメリカ史上最長の戦争は、麻薬取り引きと戦う包括的な計画無しには勝利することができないことはほとんど誰にとっても明らかだ。16年の流血の後、アフガニスタンは、依然、世界のヘロイン供給の75%を占め、今日に至るまで、地域におけるテロ集団の集中度が最も高い国のままだ。

ナンガルハール州は、事実上、あらゆる種類のテロリストと麻薬密売業者闇市場のハブとなっている。麻薬密売業者は、麻薬販売収益の一部を、タリバンに 、イスラム教五行の一つ、義務的な喜捨“ザカート”として献上するので、ヘロイン密売人とテロ集団との間には非常に密接な関係がある。

アメリカがこの問題に本気で対処する気がないままでいる限り、トランプは、当選のためにした公約を実行することはできない。するとなぜ、ワシントンは、アフガニスタンを、麻薬帝国に変えたがるのだろう?

そもそも、アメリカとNATOによる、この国の国民や地方指導者たちの支配を可能にしているのが麻薬取り引きであることはほとんど誰にも疑う余地はない。いくら違法であろうと、安定した収入源を得る機会を与えてくれるのであれば、北大西洋同盟軍部隊と戦う理由などあるだろうか? 農民が、ケシを栽培するために、金を借りているという事実が、アフガニスタン農民の麻薬生産関与の度合いを、雄弁に実証している。

麻薬取り引きは、各国民の中で麻薬依存の問題を生み出し、ワシントン寄りの反政府集団に好都合な犯罪集団への財政的資源のための基盤にもなり、ヨーロッパや、中央アジア諸国に影響与えるための強力な手段であることも想起すべきだ。国内の課題への取り組みに注力することで、これらの国々は、経済的、社会的に弱体化し、国際舞台での活動が減り、ワシントンが無競争で、世界を支配できることになる。

最後に、アフガニスタンの麻薬密売組織のボスとNATO同盟軍との間には明白な財政的なつながりが存在する。輸送、保護と、麻薬生産の安全確保は、往々にして、アメリカ兵器の力とアメリカの輸送手段によって行われている。

2006年、アメリカ合州国は、テロ活動に関与しているテロ組織や個人に物的支援を与えるために麻薬取り引きに関与することを違法とする麻薬取り引きと戦う連邦法を採択した。麻薬取り締まり局によれば、あらゆるテロ集団の約37%が、何らかの形で麻薬取り引きに関与している。

2016年の国連薬物犯罪事務局の報告によれば、アヘン・ケシ栽培用に使用されている世界の土地三分の二がアフガニスタンにある。2015年、アフガニスタンは、世界の全ヘロインの77%を生産した。ナンガルハール州で製造されている、密輸業者が“spin mal”と呼ぶ注射可能な最も純粋なヘロインは、アメリカ合州国を含む、世界中で見られる。ここから、この麻薬取り引きで一体誰が利益を得ているのかを理解するのは困難ではない。

一部の人々にとって、アフガニスタンはテロと死の源だが、別の人々にとっては利益の多い麻薬取り引きに関わって更に一儲けする好都合な機会だ。

地域で、NATO諸国、特にアメリカ合州国が財政的、政治的権益を持つ一方、アフガニスタンの麻薬生産問題は、国際場面で、最も重要な問題の一つであり続けよう。

Valeriy Kulikovはpolitologist、オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2017/10/22/why-would-us-transform-afghanistan-into-a-drug-empire/
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黄金の三角地帯を思い出す。

軍こそ直接参戦していないとはいえ、日本は宗主国の侵略を支援している。

三沢のパイロット「最も功績ある飛行」の栄誉を受ける

昼の洗脳番組、緊急事態条項にふれず、タヌキ動静呆導専門らしいので、ほとんど見ない。夜の報道番組とされるものも、選挙直前あるいは開票中招いたゲスト、政治学者らしき人々、立派なお側用人。呆導機関の本質が現れている。

孫崎享氏や植草一秀氏や岩上安身氏などは決して登場しない『マトリックス』世界。

孫崎享氏の今朝のメルマガ題名

野党共闘が出来れば、自民党は284議席の代わりに200-221議席。立憲民主党候補者の選挙区で共産党立候補降ろさなければ惨憺たる状況。共産は大義(安倍政権の議会完全制覇阻止)のため自己の利益(議席数拡大)を犠牲にしたと言える。共産と公明の差。

末尾で、八木啓代氏の簡潔で的確なコメントを引用されている。

そして日刊IWJガイド

日刊IWJガイド「本日15時から、岩上安身による自由党・森ゆうこ参議院議員インタビュー!/自民『圧勝』に世論は警戒感!/ 民進党の小西洋之参議院議員が外国特派員を相手に、民進党の政党交付金の行方…とともに安保法制の違憲性を解説/『天の時は与えられた』――日本会議系団体が改憲勢力8割に勢いづき国民投票のための運動展開を画策!」2017.10.26日号~No.1868号~

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コメント

さてと、落ち込んでばかりも居られませんので、ここで私の見解を述べさせていただきましょうか。

今回の選挙での一番大きな敗因は、何と言っても前原が民進党の代表として絶対にやってはいけない事、つまり党内での議論もせずに勝手に物事を決めてしまった事で、完全に野党共闘が破壊されてしまった事にある。というのが誰も異論のないところでしょう。

それを補う様に立憲民主に風が吹いたとはいえ、私的には今一つ不満です。
私的には立憲民主党が70、日本共産党が21議席維持、これが最低ラインでした。
思うように伸びなかったのは、準備不足の面が大きいでしょうけれど、もう一つ、細かな政策が有権者に伝わりきれなかった事もあると思います。

そしてもっと肝心な事は、まーこれは次の参院選への教訓でもある訳ですが、ノンポリB層の掘り起こしという点を殆ど無視してきた事だと思う訳です。
棄権する人の多くが政治に、選挙に無関心なのは、一重にマスコミの洗脳によるところが大である、と私は分析しているからです。
(他にも、教育や読書離れ、文明の利器に溺れている事などもありますが、、、)

テレビ洗脳の中で、最近最も大きな影響を与えているものは、「ニポンスゴーイデスネ」というやつです。
これは日本人の特徴である、ふるさと自慢という心理を巧みに突くものだからです。
実際には、それ程でもない様な事をテレビでは、如何にも日本人にしか出来ない技であるかの様に、或いは日本にしか無い特別なものであるかの様に囃し立て、日本人の虚栄心を擽る訳です。
そうしておいて一方では北朝鮮の脅威を煽る事で、「頼れる政府、希望を与えてくれる政府」を求めるように国民を誘導している訳です。

こうしたテレビ洗脳によって、日本国民の多くは実際に起きている深刻な現状に対して無反応になるという寸法です。
だから47%近くの国民は政治に対して無関心、選挙にも無関心なのだという事を、野党は認識する必要があるのです。

では、これを打開するにはどうすればよいか?
深い洗脳状態にある人々を一足飛びに目覚めさせるのは至難の業です。
余程インパクトのある言葉を発しなければ、多くの人々は眠ったままです。

今回の選挙では、枝野氏の言葉はかなり人々の心を掴む事に成功はしました。
しかしそれでもまだ何かが足らない。
自民公明やその補完勢力の悪巧みを語っても、それはある程度政治に関心のある人にしか伝わりません。
ノンポリの人々が関心があるのは、ひたすらに愉快な事だけだからです。

愉快な事、希望を見出す事を語らなければ、ノンポリの人々の心を掴む事はできないでしょう。
政治というカテゴリーである以上、限界があるのは仕方のない事ではありますが、そこをもう一段だけインパクトのある言葉で引き寄せる工夫がほしいと思う訳です。

今回の選挙では、立憲民主党は消費税の増税に関して消極的な姿勢しか打ち出せなかった。
それに歩調を合わせる為に、日本共産党も「消費税の増税には反対」とするのが精いっぱいだった事。
前回までの日本共産党の主張では「消費税は5%に戻す」だったのが、今回は立民に配慮してか大幅なトーンダウンになってしまった事は決して小さな影響ではなかったと思う訳です。

立民は誰に遠慮して消費税の扱いについて「今は増税すべきではない」という立場なのか?
野党共闘ではなく、野党連携だというならば、日共だけ単独で消費税撤廃を掲げる事はできなかったのか?
何度も言いますが、ノンポリの国民に理解できる政策は「得する話」だけです。
ですから、ここを極端に強調しなければノンポリの人々を振り向かせる事はできないのです。

それともう一つの争点である改憲についても、北の脅威に煽られた人々の心理を解きほどくだけの材料をテレビの前で語りきれなかった事も大きいでしょう。(これはマスコミの誘導によるところ大なので仕方ないけれど)
しかしせめて自民党改憲案に緊急事態条項(これにより国民主権ではなくなる)が加えられる事くらいは語ってもよかったのではないかと思います。
そして決定的なのは、「海外で法人が拉致された場合の対処」について、明確な反論ができなかった事も大きな敗因ではないか、と私的には感じています。

これに対する私的な答えは、先ず第一に、最大の組織的テロ集団であるISは最早消滅しつつある事。
そのISを育てたのは、私設軍隊ブラックウォーター(現在は名称が変わっている)であり、それを創設したのはM社であり、そのM社と提携している日本企業も無関係ではないだろう、と、これくらいは語ってほしいところです。

第二に、先の大戦に於ける原因の元を辿れば、日本が満州の権益にしがみついた事であり、それは当時の経済界、ひいては特定の財閥の利益の為であった事。
満州に進出した財閥配下の企業で働いた人々や開拓団の人々は、結局のところ敗戦による引き上げ時に約10万人も犠牲になった事。
同じく、駐留していた軍隊も多くは戦死、或いはシベリア抑留という憂き目に遭った事。
これらを勘案するに、そもそも他国に侵略する切っ掛けを創ったのは、他でもない日本の財閥であり、゜経済界なのだという事。
そしてそれは現在の状況とも重なるところがあるという事。

即ち、これを現代に照らし合わせてみれば、全ての元凶は経団連にある。という事を、野党はテレビの前で語ればよいのです。

立民党もこの際、企業献金に頼りたい気持ちを捨てるべきです。
その上で、消費税は撤廃を掲げればよろしい。
財源?財源なんぞを追求されたなら、「特別会計から引き出す」くらいの話を持ち出せばよろしい。

要するに、折角テレビに出る機会が与えられた訳ですから、これを最大限に利用して、国民が知らない現実を大きく語る事で、与党の悪辣さを世間に知らしめよ、という事です。
これをやらないから、野党は頼りないと思われてしまっている面もあるのです。

今後の課題として、野党には是非とも取り組んでほしいと思う次第です。


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