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2017年10月27日 (金)

アメリカ左翼: 安らかに眠れ

2017年10月23日
Paul Craig Roberts

かつて左翼は、労働者階級の前進と、生産手段の所有者による政治的、経済的虐待からの保護に献身していた。結果的に、左翼は政治的に有力で、ヘンリー・ウォレスが、フランクリン・D・ルーズベルトによって、彼の三期目の副大統領として選ばれた際、権力の頂点に至った。彼が設立した会社による富にもかかわらず、ウォレスは農民と労働者階級を擁護した。

民主党の陰の実力者たちは、FDRが彼らに、そうでなければ、大統領指名を辞退するつもりだと言うまでは、ウォレスを副大統領候補として認めるのを拒否していた。

ウォレスは、ルーズベルトと民主党有権者にとって、ルーズベルト四期目の副大統領候補だった。しかし、ウォレスは進歩的な意見ゆえに、党幹部や、ウオール街銀行家、反組合の各企業や、アメリカの同盟国、イギリスやフランスと疎遠になり、彼は労働組合、女性、少数派や植民地主義の犠牲者を支持した。植民地人の解放と、平和と労働者階級の公正という大義でのソ連協力を主張し、彼は自分の運命を確定したのだ。1944年7月、民主党全国大会中に公表されたギャラップ世論調査がウォレスが65%の票で支持されていることを示しており、もし自分が下院議員だったら、ウォレスを選ぶだろうというルーズベルトの声明にもかかわらず、党幹部連中は、民主党有権者のわずか2%しか支持していないハリー・トルーマンを選んだ。

これはアメリカ政治と世界史の分水嶺だった。もし民衆が、腐敗した民主党幹部連中を圧倒していれば、トルーマンの代わりに、ウォレスが戦後初のアメリカ大統領になっていたはずだ。冷戦はなく、朝鮮戦争はなく、ベトナム戦争はなく、NATOはなく、何十年間もの、そして現在地球上の生命を脅かしている、アメリカとロシアの間の不信はなかった可能性が高い。

しかも、極めて裕福な、わずか1パーセント寄りの、現在の極めて歪んだ所得と富の分布の代わりに、経済成長、事業収益、雇用や、高い資産価値を脅かす実質所得の減少と債務の増大ではなく、強力な消費者市場を支える公平な配分になっていたはずなのだ。

オリバー・ストーンとピーター・カズニックのベストセラー、『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』が、ウォレスが副大統領候補になるのを阻止するのに利用されたクリントン風の民主党の堕落を描いている。

“大会は民主党幹部によって牛耳られた。しかし、下っ端の民主党員は彼らに唯々諾々と従うわけではなく、会場で反乱をおこした。下院議員やその他の参加者の間でウォレス支持の声が高まり、幹部連中が議事を掌握して、腕力にものをいわせようとしても、ウォレス支持者は会場で大々的なデモを繰り広げて勝利まであと一歩に迫っていた。デモ騒ぎの中で、フロリダ州選出のクロード・ペッパー上院議員は、もし自分が今夜、党候補公認にウォレスをあげれば、ウォレスか大会で圧勝をさらってゆくだろうと確信した。ペッパーが、代議員人をかきわけて、マイクから150センチメートルの所まで行った時、取り乱した様子のケリー市長が、火災のおそれがあると主張し、議長のサミュエル・ジャクソン上院議員に休会を宣言させた。仮に代議員の意思に反して、幹部が休会宣言する前に、ペッパー上院議員が、残りの150センチメートル進んで、ウォレスを推薦したなら、ウォレスは1945年に大統領になり、歴史の流れは劇的に変わっていただろう。”

翌日、ジャクソン上院議員は、ペッパー上院議員に謝罪した。“昨晩の大会で副大統領を指名させるなと、ハニガンから釘をさされていた。それで、私は君の前で大会を休会せざるを得なかった。”

73年前、まだ、時には民衆を擁護するマスコミあった時代でさえ、既得権益集団の権力が、民主主義を圧倒していたのだ。デイブ・クランツラーとブレット・アレンズが既得権益の権力と現代マスコミの退廃について書いている。

“私の考えでは、2003年頃から[権力をもった極少数の集団]が紙幣と信用の創造によって、体制を強奪し、テーブル上から、中流階級の富の最後のかけらまで掃きとり、掃除する側の立場にある連中の懐に入れるようになった。

“オバマは彼の本来の選挙公約を一つも果たさなかった。彼はウオール街を“改革”するはずだった。ところが、大き過ぎて、潰せないという概念がオバマの下で法制化され、ウオール街に対する起訴/訴追は、前政権よりも急激に減った。

“オバマは退任し、ウオール街が主催する、報酬が六桁上位の講演仕事の世界に入り、シカゴのエリート連中(プリツカー一族など)が支払ってくれたハワイ州の1000万ドル邸宅で暮らしている。今や、オバマは、中流階級から、エリートへの富の移転を支援幇助した役割に対し、何千億ドルも報酬をもらうのだ。ビルとヒラリーをご覧あれ - これ以上言う必要はあるまい。トランプは、オバマの二倍の速さで公約を反転した。トランプは、就任後ほぼ一夜にして、陰の政府‘沼地’生物のために戦争を挑発する指人形と化した。

“マスコミはこの壮大な田舎芝居に進んで加担した。全く驚いたことに、ブレット・アレンズが、Marketwatchで、消息通としての論評記事を書いて、マスコミについて警告している。

‘一体どんな人々が最高の記者になるか知りたいだろうか? お教えしよう。社会病質者スレスレの人物だ。頭の回転が速く、好奇心が強く、頑固で、だらしなく、支離滅裂で、世界の様々な欠陥に絶え間なく怒り狂っている人物だ。かつては、こうした人々がアメリカ中のあらゆるニュース編集室にいた。彼らの私生活は往々にして波瀾万丈で、肝硬変や心臓まひで早死にした。しかし彼らは頑強な怒れる嫌なやつで、素晴らしい記事を書いた。

‘一体どんな人々が現代の報道機関で出世し、成功するか知りたいだろうか? 上にとりいる出世主義者だ。コネ作りがうまい連中だ。社交的で、支配的意見に“賛同する”連中、仲良く付き合うのに賛成で、余りに多くの本当に厄介な質問をしない連中だ。彼らは融通が利き、几帳面で、人生に満足している。それは見え見えだ。’

“実に多数の記者が、債務も急増しているのに、アメリカ大企業は財政状態が申し分ないやら、そんなわけはないのに、株と債券の‘分散化したポートフォリオ’によって、いかなる場合でも保護されるやら、国防予算が削減されてなどいないのに、削減されているやら、主要指標上ではそうではないのに、アメリカ経済は日本などのライバルを遥かに凌いでいるやら、そんなことをする必要などなく、そのような給与は単なる略奪なのに、最高の‘才能’を確保するため、大企業はCEOに何兆ドルも支払わなければならないやら、喜んで報じる理由はこれだ。” http://investmentresearchdynamics.com/the-sqeeze-is-on/

アメリカ左翼は、変形させられた。かつては“平和と生活”を擁護していた左翼は、今や、アイデンティティー政治と戦争を擁護している。労働者階級は“トランプを支持する哀れな連中”として再定義され、個々の“犠牲者集団”に細分化された。女性、人種的少数派、同性愛者、性転換者t。圧制者は、生産手段を所有する極少数の権力者たちではない。圧制者は、性差別主義者、女性嫌い、同性愛嫌い、異性愛、ファシスト、白人優越主義の男性労働者階級なのだ。

アイデンティティー政治の勃興で、政治的に管理された言論が持ち込まれた。主に白人、特に異性愛白人男性が、この管理の対象になる。言論の自由の制限は益々厳しくなるが、不快な、あるいは脅迫的言動で、白人異性愛男性が立腹させられても、誰も気にかけない。白人男性は、何と呼ばれようとおかまいなく、呼ばれた通りのものなのだ。

労働者階級を、犠牲者集団に分裂させることで、アイデンティティー政治は、戦争や所得不平等に反対するのを不可能にした。団結の代わりに、アイデンティティー政治は、労働者階級は分断され、エネルギーを内紛に向けている。ロンドンのハイド・パークでは、過激なフェミニストと、性転換者活動家の間で殴りあうようになっている。http://www.dailymail.co.uk/news/article-4891484/Fists-fly-politically-correct-rally.html

ダイアナ・ジョンストンが、アイデンティティー政治の暴力部門、Antifaが、どのように左翼を言論の自由の抑圧者、戦争支持者に変えたかを描いている。https://www.counterpunch.org/2017/10/09/antifa-in-theory-and-in-practice/ と、https://www.paulcraigroberts.org/2017/10/23/harmful-effects-antifa-diana-johnstone/ を参照のこと。 .

分断化された社会は、エリート支配層による圧政に気づかず、抵抗することもできない。フェミニズムは、妻と夫を、互いに補完する存在から、ライバルに変えた。実際、ロンドン・テレグラフの科学担当編集者、サラ・ナップトンが“bromance(男同士の固い友情)”の増加について報じている。異性愛の男性同士の強い感情的な関係だ。フェミニストによる男性攻撃と政治的公正が、千年にわたる異性愛男性の女性との関係を、性的なものだけに貶めた。男たちが感情的に献身する相手は、男性の友人たちだ。http://www.telegraph.co.uk/science/2017/10/12/rise-bromance-threatens-heterosexual-relationships-warn-social/ これは女性の勝利には見えない。

cultivatedアイデンティティー政治に由来する、政治的公正についての極端な過敏、言葉や歴史や言論の自由を破壊しつつある。性転換者を排除し、不快にさせるものなので、イギリス政府は“妊婦”という用語に反対している。https://www.ndtv.com/world-news/uk-government-opposes-phrase-pregnant-woman-to-include-transgenders-1765718

英国医学会は、医師は、この用語は性転換者を不快にしかねないので、妊婦に言及するのに、“母親”という単語を使うべきではない。代わりに、“妊娠者”という用語を使うべきだという指針を出した。https://www.redflagnews.com/headlines-2017/uk-doctors-now-banned-from-calling-pregnant-women-mothers-in-case-its-offensive これはフェミニストと性転換者との間で、更なる対立を招いた。フェミニストは、これを“女性”という言葉を言えなくするための策謀と見なしたのだ。https://newsline.com/moms-to-be-are-not-pregnant-women-but-people-uk-to-un/イギリス国民健康保険の医師たちは、もはや“包括的ではない”ので“妊婦expectant mother”という用語を使わない。https://www.redstate.com/kiradavis/2017/01/30/british-health-service-bans-term-expectant-mother-non-inclusive/

アイデンティティー政治は、勃興するアメリカ警察国家とともに、言論の自由などに干渉することを禁じる憲法第一修正を破壊しようとしている。あるアメリカの大学の教授が、授業中に“ガールズ”と言う言葉をつかい、一人の女性が不快に感じたため、学部長に叱りつけられたと私に語った。グーグル社は、男性と女性は、特性が異なり、それゆえ、異なる職種がふさわしくなるというメモを書いたかどで、上級ソフトウエア技術者の一人を首にした。このごく普通の常識発言で、技術者は“男女の役割に関わる固定観念”のかどで、首にされた https://www.rt.com/usa/398766-google-memo-viral-women/

記念像撤去反対と、白人アメリカ人の方が、黒人のジンバブエよりも、経済構築に成功していという意見を述べたかどで、経済評論家のマーク・フェーバーは、投資信託会社Sprottの役員を除名され、CNBCと、Fox Business Networkへの出演を禁じられた。http://www.zerohedge.com/news/2017-10-17/sprott-demand-marc-fabers-resignation-after-racist-diatribe

言論の自由は誰も、不快にさせるはずもない言葉だけに限定されない。この「言論の自由」の定義の効果は、間違った、あるいは、犯罪的な行動や、あらゆる反戦、警官の残虐行為、政治的、社会的、経済的プログラムへのあらゆる批判を排除することだ。言い換えれば、政治的公正は、国民を沈黙させるのだ。“侮辱的”発言が、真実なのか、誤りなのかとは全く無関係に、沈黙させることが許されてしまう。グーグルの技術者がしたように、真実を発言しただけで、人の経歴が台無しになる。そのような体制に自由は無い。ジョージ・オーウェルが言った通り“自由が何か意味するとすれば、それは、人々に対して、彼らが聞きたくないことを語る権利だ。”

本来、言論の自由に依拠するはずの大学自身が、今やそれ自身、言論の自由を禁止している。何らかの“被害者集団”を不快にさせる可能性がある物議を醸す講演者は大学での講演を出来なくされる。例えば講演が、アメリカは白人キリスト教徒の社会だと考えている人々の気分を害する可能性があるにもかかわらず、多文化主義に賛成する講演者は大歓迎だが、フロリダ大学で、白人至上主義者の講演を阻止し損ねたおかげで、フロリダ州知事は非常事態を宣言する羽目になった。https://www.theguardian.com/us-news/2017/oct/17/florida-governor-state-of-emergency-richard-spencer-white-nationalist-speech

もし講演者に気分を害されたくなければ、講演に行かなければ良い。逆に、もし敵側が一体何を企んでいるのかを知りたければ、見逃す手はないだろうという簡単な話だ。結局、政治的公正というものは、敏感な人々を傷つける言葉から守るというより、何を言って良いかの規制や、表現の規制が狙いなのだ。

アイデンティティー政治と政治的公正が行っているのは、白人で異性愛の男性を悪者扱いすることだ。白人だけが人種差別主義者なのだ。異性愛の男性だけが-本質的に、白人キリスト教徒男性は、ビル・コスビーとハーヴェイ・ワインスタインを除いて-commit性的暴力を行ってんる。デイビッド・ローゼンはCounterPunchに書いている。“男性の性的暴力: チェリー・パイのようにアメリカ的なもの”。
https://www.counterpunch.org/2017/10/20/male-sexual-violence-as-american-as-cherry-pie/

ローゼンは、性的虐待を“全てのアメリカ男性が楽しむ性的テロ”つまり“アメリカと同じ位、古くからのもの”と定義している。言い換えれば、全員あるいは大半のアメリカ人男性が、女性に対して性的テロを行っていることになる。夫に怒った妻は、彼を強姦のかどで告訴し、投獄させることが可能なまでに至っており、夫と妻が法的に一体とみなされ、どちらも相手に不利な証言をすることはできなかった昔とは、大違いだ。最も親密な人間関係が外部からの介入を受けるのであれば、一体どうして結婚が盛んになり得よう?

盛んではない。米国心理学会によれば、“アメリカ合州国では、約40から50パーセントの夫婦が離婚する。次の結婚の離婚率は更に高い。”

もし夫と妻、母親と父親が、一緒にいられないのなら、社会が一体どうしてまとまっていられるだろう?

アイデンティティー政治が憎悪を教え、社会的不和を煽る中、社会が一体どうしてまとまっていられるだろう?

不快にさせられたと主張する悪党連中が、記憶や人となりに結びついている歴史的記念物を破壊して、他の人々を不快にする社会が、一体どうしてまとまっていられるだろう?

歴史が消し去られ、学校や街路や公共建築が改名される社会が一体どうしてまとまっていられるだろう?ジョージ・オーウェルが言っている通り、“人々を破壊する最も効果的な方法は、人々自身の歴史解釈を否定し、消し去ることだ。”次に撤去されるべき記念碑は、受け継いだ制度で、彼らには改める力などなかった奴隷制を許容する憲法を全員で採択した人種差別主義者たる建国の始祖たちのものだ。

白人“圧政者”、特に白人異性愛男性への憎悪を醸成するため、アメリカ合州国では、歴史が書き換えられつつあり、言葉も改悪されている。

ワシントンの侵略に対して、ロシアが外交的に応対するのも、何ら不思議ではない。敵が自らを破壊している場合、同じことをして応対する必要はないのだ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2017/10/23/american-left-rip/
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何でも宗主国に見習うカエルの王国、アイデンティティ政治の蔓延で、離婚が激増し、安らかに眠れ の部分はRIP ラテン語のrequiescat in pace.が元とある。墓銘の定番?

「一体どんな人々が現代の報道機関で出世し、成功するか知りたいだろうか?」の部分で、悪名高い官房長官の木で鼻をくくった怪見怪答を思い出す。彼にまともな質問をして有名になった記者による本『新聞記者』 (角川新書)を読み終えたばかり。

たまたま聞こえた夕方の呆導番組。上から目線の発言の声に驚いて、画面を見たら売り出し中の政治学者で、納得。

昼のワイド・ショーというか、ワイロ・ショーと呼びたい位の番組、喧嘩過ぎての棒千切りというか、お得意の論点逸らしばかりのよう。(見ていないのでわからない)憲法改悪の危険性には全く触れない。

拝読するメディア、IWJだけになってしまう。

日刊IWJガイド「戦後処理に負われる野党~民進党・前原代表が本日辞任へ! 本来なら除名・除籍処分が妥当!?/あれれ?「踏み絵」の党こと希望の党では安倍政権の改憲に反対求める意見が続出!? IWJが当選者に直撃取材!/読売新聞の調査で当選者の84%が改憲に賛成! このうち『緊急事態条項の創設』を求める声が69%にも! 国民は油断しているヒマはなし!!」2017.10.27日号~No.1869号~

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「アイヒマンの子孫達と狂人達」

出世主義者達はアイヒマンの子孫達、と少し前の記事のコメントに私は書きました。
その意図をPCR氏はこの記事で敷衍してくれました。彼らは常にその時の自分たちの成功と繁栄を最優先させるが故に、自分たちが何をしているのか、その結果どうなるのかに疑問を抱かないよう大きな殻を被り、その殻に生じた小さな亀裂から見える世界だけを現実として受け入れようと自己暗示をかけてやり過ごそうとする人たちです。自分たちに都合の良いようにルールを解釈し、強者に迎合し、強者を忖度し、その保護とおこぼれに与かろうとする人たちです。

そんなアイヒマンの子孫達が繁栄する社会に異議申し立てする者、それは怒れる狂人。その狂人達を突き動かすのはその社会に対する怒り以外にありません。その怒りの源泉は他者を慮る心(忖度では無い)、不公平・不公正に違和感を感じる精神(不満、恨み、妬み、羨望、偏見から出発しない)であり、眼前に繰り広げられる遊戯をそのまま受け入れる覚悟(無かったことに出来ない)です。
アイヒマンになれなかった敗北者・機会損失者(自らの出世や成功を願うが力が及ばす又は機会が与えられなかった者)と狂人は違います。そんな敗北者・機会損失者は一度幸運を掴めばたちまちアイヒマンへ脱皮するサナギマンだからです。
狂人はそんなサナギマンとは遠く離れています。荒野で一人叫びを発するペテロのような者です。「王様は裸だ」と人々の前で堂々と言える者は狂人かピエロでしょう。その社会では地位や名誉はなく力もない、そんな人が命の危険を冒して真実を語り、その社会のあり方に文句をつけるのだからそれが狂って無くてなんだというのです。そんな狂人を福沢諭吉は貧智者と言いました。私は、そんな狂人達が居て、今日もどこかで怒って居る事に強く心を打たれます。

アイデンティティー政治、あるいはポリティカルコレクトネス。これらの危険性は既に論じられて居るように「ある意図を持ってなんらかの基準を持って線引きを行い、それが相対的に良い方法であると思いこませること」です。それは社会に定着する不公平・不公正を解消することを目的とするものではなく、その不公平・不公正の中に一線を画してその中に留まって居る人々に対立構造を生むことを目的としています。それによって本来なら連帯しえる人々を分断し、アイヒマンが繁栄するこの社会を変革する力を摘み取っています。

だから、狂人は今日も怒り狂っているのです。

いつもありがとうございます。大変貴重な情報源となっております。
以前、数日間更新されない時には心配で、ツイッターにつぶやかせ頂きました。
お体をご自愛くださいませ。

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