アメリカ/ロシア関係の破綻
Paul Craig Roberts
2017年10月14日
読者の皆様。ラスヴェガスの公式説明が破綻しつつあるように見えるのに私は同意する。銃乱射事件は、透明であるべきで、不透明であってはならない。事実を知ること無しには、確信を持てる説明にはたどり着けないのを理解するのに十分な時間、この話題を検討したと私は思う。
別の破綻しつつあるもの、アメリカ/ロシア関係に移るべき頃合いだ。この破綻は地球上の生命に対する脅威なので、ずっと深刻だ。ワシントンが、ロシアの安全保障を脅かす条約を次々破り、ロシア国境にミサイル基地を配備し、旧ソ連の国々で反ロシア・クーデターを画策し、ロシアに対する濡れ衣を連発し続ける結果を私は警告してきた。核大国に、他の核大国からの核攻撃を恐れさせること以上に無謀で、無責任な行為はない。
用心深い観察者たちは高まる危険に気づいている。カナダ人のミシェル・チョスドフスキー教授は、ワシントンは、核戦争を、仮定上のシナリオから、本当の危険人類の将来を脅かすものに変えたと書いている。https://www.globalresearch.ca/towards-a-world-war-iii-scenario-breaking-the-big-lie/5348384
ロナルド・レーガン大統領と協力して、冷戦と核のハルマゲドンの脅威を終わらせたソ連指導者ミハイル・ゴルバチョフが、トランプ大統領とプーチン大統領に、サミット会談を行って、高まる緊張を終わらせるよう呼びかけた。ゴルバチョフは、ワシントン・ポストで“主要核大国の大統領が、国際集会のついでにしか会わないのは正常とは程遠い”と書いた。これは特に、“二つの国の関係が深刻な危機にある場合”には特にあてはまる。http://www.informationclearinghouse.info/48004.htm
ゴルバチョフの警告は控えめかも知れない。3月に、ロシア軍作戦司令部の副司令官、ヴィクトル・ポズニヒル少将が、ワシントンが対ロシア奇襲核攻撃を準備している可能性があるという懸念を表明した。https://dninews.com/article/moscow-us-missile-systems-europe-may-lead-sudden-nuclear-attack-russia および http://www.newsweek.com/russia-us-global-missile-defense-lead-nuclear-war-europe-591244 および https://www.yahoo.com/news/russian-officials-u-global-missile-192829855.html を参照。
二、十世紀の冷戦時代にロシア最高司令部から、そのような声明が出されていれば、アメリカ大統領は、即座に、ソ連指導者に連絡し、ロシアに対するそのような計画や意図は存在しないと全力で保証していたはずだ。私の知る限り、トランプ ホワイト・ハウスは、この不気味な声明に、特に配慮せずにすませた。これは、ロシア人の結論を裏付けることになっているはずだ。
かなりの間、欧米まるごと、アメリカも属国諸国も、極めて明らかなロシアの警告を無視し続けていることを私は指摘している。ギルバート・ドクトローも同じ指摘をしている。https://www.strategic-culture.org/news/2017/10/10/deaf-ear-dire-russian-warnings.html
おそらく、あらゆるものの中で一番明らかなのは“ロシアは決して再び自国領で戦争をしない”というプーチンの公式発言だ。もしワシントンのEU属国諸国が、この明らかな警告に耳を傾けず、核による破壊を熱心に求めるならば、特に、無思慮にも、アメリカ・ミサイル基地を受け入れたポーランドとルーマニアの連中は聴覚障害で、愚かでもある。
愚かなイギリス政府役人に面と向かって、もし核兵器の先制使用を、ロシアに向けるというイギリスの脅しに対し、そのような企てが行われたら、イギリスは地表から消滅するとあるロシア高官が言った。
そうなるだろうことに疑いの余地はない。
すると、ワシントンの重要な傀儡連中は、一体なぜ、ロシアに対して強気な発言、政府 平和だけを願っていて、決してイギリスを脅してはいない。ロシア政府は、フランス、ドイツ、イタリア、ベルギー、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドや、ソ連への捕らわれの身から、ワシントンへの捕らわれの身に変わった旧東欧のソ連属国のどの国も脅してなどいない。ロシアは、ロシアがものの数分で全滅できるウクライナさえ脅していない。愚かで、腑抜けの取るに足りない政治家連中に率いられているこうした国々全てが、一体なぜ、ワシントンの対ロシア似非プロパガンダに同調するのだろう?
答えは金だ。傀儡はウソに付き合うことで、金を得ているのだ。リールのアランが、12世紀の昔に言った通り、“神でも、皇帝でもなく、金こそ全てだ。”
ワシントンのロシア挑発を突き動かしている力は一体何なのだろう? それは三つあり、それが、地球上の生命に対する、巨大な陰謀を構成しているのだ。
一つはネオコンだ。ソ連崩壊で、歴史が、プロレタリアではなく、アメリカ “民主的資本主義”を、世界のための社会-政治-経済体制として選択し、歴史によるこの選択で、アメリカに、“必要欠くべからざる、例外的な”国という立場が与えられ、この立場で、アメリカは、他のあらゆる国々や、国際法や、実際、アメリカ自身の法律さえ超越するようになったのだとネオコンは確信したのだ。
アメリカは実に例外的な国なので、アメリカ法と国際法の両方に全く違反して、人々を拷問することができる。ワシントンの政府は、裁判所に証拠を提示せず、有罪判決無しで、嫌疑だけで、アメリカ国民を無期限に拘留し、終始拷問し、正当な法の手続き無しに、自由自在に暗殺することができる。これは完全な警察国家暴政の定義だ。ところが、ワシントンは、人類に対する、その終わりなき戦争が、“世界に民主主義をもたらす”“偉大な民主主義”のアメリカを代表しているのだ。
アメリカは実に例外的な国なので、公式に、相手国と戦争中だと宣言することなく、他の国々を無差別に爆撃できるのだ。
アメリカは実に例外的な国なので、これはもちろん、もう一つにウソに過ぎないが、ネオコンが主張する通り、大統領には“独自の権限”憲法に制限されないので、行政府がアメリカ憲法に規定された三権分立を完全に無視してかまわないのだ。
これらの国々が独自の外交政策を持っている/持っていたし、ワシントンの属国ではない/なかったがゆえに、イラク、アフガニスタン、リビア、ソマリア、シリア、イエメンと、パキスタンの諸州が標的にされたと同様、ロシアと中国とイランはネオコンの標的だ。
ネオコン・ドクトリンは、ワシントンの単独覇権主義の制限となり得る“ロシアや他のいかなる国の勃興を阻止する”ことがアメリカ外交政策の“主要目標”だと述べている。
1992年3月8日のこの見出しの記事で、ニューヨーク・タイムズが、ウォルフォウィッツ・ドクトリンを説明している。
いかなるライバルも現れないようにすることを主張するアメリカ戦略計画
超大国一国の世界 http://work.colum.edu/~amiller/wolfowitz1992.htm
ニューヨーク・タイムズ独占
3月7日、ワシントン発。最終草案段階にある新政策声明の概略で、冷戦後の時代におけるアメリカの政治的、軍事的任務は、西ヨーロッパ、アジアや、旧ソ連領で、ライバルとなる超大国が決して出現するのを許さないことだと、国防省は主張している。
ペンタゴンの最高レベルで何週間も回覧されており、ディック・チェイニー国防長官が今月末に公表する予定の46ページの文書は、アメリカの任務の一部は、競争相手になる可能性がある国々を、より大きな役割を熱望したり、彼らの正当な権益を守るため、より攻撃的な姿勢を追求したりする必要はないと納得させることだと主張している。
機密文書は、建設的な振る舞いと、いかなる国や国々の集団もアメリカの卓越に挑戦するのを阻止する十分な軍事力により、その地位を永続させることができる一つの超大国によって支配される世界を主張している。
独自の外交政策を持ったあらゆる国、特にロシアや中国のような核兵器能力がある国々はワシントンに対する制約だ。
ロシア挑発の動機を持った、二番目の既得権益集団は、アメリカ軍安保複合体だ。1961年、陸軍元帥のアイゼンハワー大統領が、アメリカ人に、“軍産複合体” は、アメリカ民主主義に対する脅威だと警告した。現在、軍安保複合体は、アメリカ民主主義に対する単なる脅威を遥かに超えている。連中は将軍たちが運営するアメリカ政府とトランプ政権を既に乗っ取り、地球上のあらゆる生命を脅かしている。
軍安保複合体の年間予算は、1兆億ドルだ。この金額は、世界のごく少数の国々を除く国内総生産より大きい。これほど膨大な予算は、そのような権力は、正当化のために、危険な敵が是が非でも必要なことを意味する。ロシアは、この役を割り付けられているのだ。軍安保複合体の力を考えれば、ロシアに割り付けられた役は、ロシア外交によって和らげることはできない。しかも、軍安保複合体とネオコンの権益は一致しているのだ。
ロシアとの対立で、三番目に強力な既得権益集団はイスラエル・ロビーだ。ワシントンでは、イスラエル・ロビーが極端に強力だ。イスラエル・ロビーが法律や決議を議会に提出すると、反対する議員は誰であれ、次回選挙で落選させられる可能性が極めて高いので、ほとんど必ずほぼ満場一致で成立する。
イスラエル・ロビーは、ネオコン、その主要人物連中が、イスラエルと密接に連携しているシオニスト・ユダヤ人と強くつながっている。アメリカ/イスラエルの二重国籍を持っている連中もいる。ワシントンにおけるイスラエルの影響力は実に強力で、アメリカ連邦準備金制度理事会の副議長は、イスラエル中央銀行元総裁だ。イスラエルは、ワシントンで非常に強力で、アメリカ経済政策さえ運営しているのだ。
イスラエルのシオニストは拡大したがっている。連中のドクトリンは“ナイル川からユーフラテス川まで”だ。それが選ばれた民に神が与えたというシオニストの領土主張だ。
この目的追求で、イスラエルは、欲しい水資源であるリタニ川を確保するため、レバノンのこの部分を占領すべく、南レバノンにイスラエル軍を二度派兵した。
ところが、ヒズボラ民兵が自慢のイスラエル軍を二度も撃退したのだ。イスラエルは、現在再度派兵するのを恐れている。その代わりに、イスラエルは、ワシントン政府に対する影響力を活用て、シリアとイランを、リビアとイラクの現状のような混乱に陥れるため、アメリカ軍を利用しているのだ。理由は、シリアとイランが、ヒズボラ民兵の支援者だからだ。この支援を奪われれば、イスラエルは、ヒズボラを打ち破れるのだ。
アメリカをイランとの戦争に追いやろうとしているのは、アメリカ政府自体ではなく、イスラエルだ。ほとんど常に、ワシントンで障害を乗り切っているイスラエルが困難に直面している。ワシントンのEU属国諸国はイランとの対立再開に反対している。ヨーロッパは問題山積だが、その多くはワシントンによる戦争に由来しており、イラン戦争などもう沢山なのだ。シリアで敗れ、アフガニスタンでは、16年たっても、数千人の軽武装タリバンに勝利できないアメリカ軍とて同じだ。ベトナムでの敗北に続く、アフガニスタンでのワシントン敗北で、ワシントンの通常戦力に対する恐れは消滅したが、これが、ロシアと中国が、次の戦争は核戦争になると予想している理由だ。
しかも、ワシントンによるシリア打倒を黙認しようとしないロシアが、ワシントンがイランを打倒するのを決して黙認するはずがない。報道によれば、中国石油の20%をイランから得ている中国も、黙認する可能性はほとんどない。実際、イランに対するロシアと中国の利害関係は非常に強いので、イスラエル・ロビーが自分たちは非常に強力だから、ワシントンをイランとの戦争に押しやれるというのは実に不可解だ。ネオコンとイスラエル・ロビーの自惚れと傲慢さは、ヒトラーがロシアに向かって行進して以来、世界最大だ。
もしワシントンの愚か者連中がこの愚行を繰り返せば、地球上の明かりは消えるだろう。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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会社の品格を信じていない、あるいはその政治傾向に反対なので、PayPalを使いたくないという方々は、Stripeを使われるか、私ではなく、Institute for Political Economyを受取人とする小切手を下記宛てにお送り頂ける。
Wells Fargo, 23046 Panama City Beach Parkway, Panama City Beach, FL 32413.
外国の方々で、国際的にStripeがお使いになれない場合には、Institute for Political Economyを受取人とする郵便局の為替証書を、上記銀行住所宛てにお送り頂ける。PayPalを信じないということが、このウェブサイトをご支援されない口実にはなるまい。
記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/10/03/whose-bright-idea-russiagate/
m.neko様から下記コメントを頂いたので、転載させて頂こう。
支援方法について
PayPal・・・日本からの寄付金は無理なようです。
Stripe・・・エラーメッセージはでないが、送金された感は無い。
ビットコイン・・・クリックしても無反応。
国際郵便為替・・・この言葉は郵便局員にはわからなかったが、、Institutefor Political Economyを受取人とし、ドルに変えた小切手の様なもの(カタカナの呼名でしたが忘れた)を、初めて書いた英文の送付案内を同封してエヤーメールの書留(国内のみアメリカは試験的書留だそうです)で、Institutefor Political Economy に送ったところです。住所登録があるのはWells Fargo(投資銀行)までではと思います。また、面倒でした。
振込み先口座が分かればと思いました。
記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2017/10/14/unraveling-americanrussian-relations-paul-craig-roberts/
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こういう宗主国に黙ってついてゆくのが、今の傀儡与党。
掲示板で「安倍政権を倒すのが大事なのに、野党間で戦ってどうする」という書き込みを見かける。絶望は野党ではなく、自民党分派なのだから、「指摘はあたらない。」
孫崎享氏の一昨日のメルマガの結論だけコピーさせていただこう。
自民大勝になれば、自民党大大勝→安倍政権続投、安倍氏自信拡大→官庁、マスコミ安倍氏にひれ伏す(忖度という美名)→官庁、マスコミ安倍氏の利益になる事だけ述べ政策にする→日本崩壊へ進む(福田元首相発言)の道をたどる。
立憲民進党と共産党の議席を如何に増やすか、それが選挙後の日本を大きく左右する。
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日本選挙七不思議
孫崎享氏は「立憲民進党と共産党の議席を如何に増やすか、それが選挙後の日本を大きく左右する」と仰られている。確かにそうだろう。しかし「如何に」の定義が不明確であると小生は考える。完全に定義することは困難であるとしても,孫崎氏には立憲民主党と共産党に投票することを遠回しに提案しているに過ぎないのではないのか。議席を増やす方法はほかにもあるのではないだろうか。以下に世界七不思議に見習って思いついたことを書き連ねてみた。諸賢のご批判を願いたい。
1. なぜタレントを起用しないのか。
沖縄比例参議員Iが元歌手であった。その評判は悪い。しかし当選は当選である。今回の総選挙で,なぜTVタレントを起用しないのか。どの党もタレントを起用していない。Iの失敗を繰り返してはいけないが,改憲のための1票であることを考えれば無視できない。改めて問いたい。真の野党はなぜTVタレントを起用しないのか。
2. 消費税を5%に下げることを提案しないのか。
年収1億円以上の富裕層からとれば2%分は賄えるから,消費税10%にすることに反対という演説を聞くが,そもそも不破哲三氏が指摘しているように,財界が時の中曽根内閣に要請して1年がかりで内閣がOKを出したものだという。つまりその共産党でさえ,消費税8%を容認している。なぜ5%にすることを提案しないのか。
小生は3年前であったか。5%を公約にする党を応援すると申し上げた記憶がある。最近では森永卓郎獨協大学教授が唱えだした。百人力とは言わないが,強力な援軍が現れたと言えよう。しか強力な援軍が現れても,真の野党に票が増えるわけではない。消費税3%を言えばアッと驚いて投票してくれるかもしれない。
3. なぜ日本のマスゴミを信じるのか。
トランプ大統領が11月上旬に日本や韓国を訪れるようだが,去年の欧米マスコミはヒラリー当選確実を報じていた。トランプ氏は泡沫候補扱いだった。結果は周知の事実だが,当選した後もマスコミは彼を批判してやまない。故に,特にアメリカ合州国のマスコミは“Presstitute”と呼ばれている。同様に日本のマスゴミはこぞってヒラリー当選を報道していた。
あの安倍首相でさえ,ヒラリー必勝を唱える外務省はもちろん,売女マスコミの記事をそのまま載せる日本のマスゴミを信じていた。ゆえに,我が国の首相はヒラリーに面会し,トランプに会わなかった。会わなかったばかりでなく,当選後のトランプ氏を慌ただしくフロリダに飛んで恥をさらした。
その事を脇に置くとしても,トランプ大統領が日韓を訪問するためにその事務準備は何時ごろから行われていたのだろうか。少なくても3,4ヶ月前であろう。ならば北のミサイルを危機を報じて事務準備のことには触れなかったマスゴミ。何をしていたのか。
さらには,4月であったろうか,朝鮮半島沖に米空母3隻が集結して今にも北朝鮮を攻撃するかのような報道をしたのは日本マスゴミではなかったのか。そのときC.ヴィンソンはインドネシア沖を航行中であった。もう一隻はペルシアで任務を果たしていたが休養と修理を兼ねてフィリピン沖を通って母港に向かう途中であった。3隻目は確かに朝鮮半島沖へ向かっていた。しかし3隻が集結して北を攻撃する態勢にはなかった。
しかしそもそも戦略上,戦艦であれ戦闘機であれ,任務遂行中の艦船の現在位置を日本のマスゴミに漏らすことはない。そのような初歩的ミスを国民は気が付かないだろうと馬鹿にした日本マスゴミ。なぜそんなマスゴミの調査結果を信じるのか。解せない。無視することはできないのだろうか。
4. なぜ党首討論会で相手党首に負けまいとするのか。
選挙の争点はたくさんある。原発廃止,共謀罪等の憲法違反。非常事態法の違憲性。森友学園・加計学園問題の解明。消費税率を何%にしたらいいのだろうか。教育の無償化。労働法の改悪。主要種子法の改悪。水道事業の民営化などなどたくさんある。
しかし例えばNHKの司会者が取り上げる話題の中に森友・加計学園問題の解明はなかった。偏向している証拠だが,野党党首は残りの問題にしっかりと自説を展開する。だれの議論に欠点があり,ないか。
それはそれでいいが,例えば,野党党首はすべての質問項目に答える必要はあるのだろうか。さらにある問題については共闘する党首に譲って,自分の得意な分野について自説を展開することをなぜしないのか。
例えば消費税を5%に戻すことを威風堂々と説く。どの党もこれを強調していない。その代わり,原発再稼働反対を他の党首にその時間を譲る。そういうことをせず,万屋よろしく司会者の立てた項目に応じる。何の戦略もない。ある分野では時間を譲ってでもある分野では独特な存在感を示すことができないのは,なぜなのだろうか。
5. なぜ共闘する相手陣営を分断しないのか。
例えば,都議選で創価学会婦人票は自民党を応援せず,都民ファーストを支援した。故に自民党都議は57から23に激減した。都民ファーストが自民党の補完勢力だとしても,落選した自民党都議の不満は大きいだろう。今また希望の党が自公の補完勢力だと説く。しかし落選した自民党衆議員は次期総選挙があるまで数年間やりきれないだろう。
それはさておき,創価学会婦人部が自民党から離れさせた原因は何か。それを分析しない野党には多くを期待できない。衆院選でも自公を分断させる戦術があるのか,ないのか。選挙演説を聞くに自公を分断させる演説はほとんどない。まじめな演説ばかり。東京や大阪でTPP反対を唱えてどうするのか。選挙は勝ってナンぼのものである。
6. なぜ歌を歌わないのか。
選挙演説の最初なり終わりになぜみんなで歌を歌わないのか。安倍政権を終わらして新しい日本を作り上げるために,例えば『青い山脈』を歌わないのか。“We shall overcome some day”でもいいが,『リンゴの唄』でもいい。歌声喫茶で一番人気の歌をなぜ歌わないのか。高齢者票をなぜ取りにいかないのか。演説を盛り上げ,その場にいる人々の心を和やかにするのは歌である。
やまとうたは、ひとのこころをたねとして、よろづのことのはとぞなれりける。世中にある人、こと、わざ、しげきものなれば、心におもふことを、見るもの、きくものにつけて、いひいだせるなり。花になくうぐひす、水にすむかはづのこゑをきけば、いきとしいけるもの、いづれかうたをよまざりける。ちからをもいれずして、あめつちをうごかし、めに見えぬ鬼神をもあはれとおもはせ、をとこをむなのなかをもやはらげ、たけきもののふの心をもなぐさむるは、うたなり。-古今集仮名序より-
7. なぜ野党は独自の世論調査機関をもたないのか。
地方の党友,九条の会,無党派層,そしてボランティアの力を借りてなぜ独自の世論・輿論調査をしないのか。マスゴミの報道を元に演説を組み立てる野党有力幹部がいる。すでに述べたように日本のマスゴミは嘘を垂れ流す。マスゴミの輿論調査も眉唾物である。ところが選挙調査となると,マスゴミをコロッと信じてしまう野党。マスゴミはうそつき集団である。また大事なことを報じない御用木鐸である。
一方現代は,SNS・インターネットの発達の時代である。なぜネット投票を工夫しないのか。例えば,首相を前川喜平氏,経済産業大臣に佐高信氏,外務大臣に孫崎享氏,地方創生大臣に大仁田厚氏,環境大臣に小出裕章氏,文科省大臣に朝堂院大覚氏,国土交通省大臣に金子勝慶大教授などと影の内閣を作ってみたら,議論百出で若い人もネットで議論したり,投票したりするだろう。
思いつくままに7つの不思議を書き連ねたが,小生はどこの党に肩入れをするつもりはない(それは消費税を0%を公約をする党がないからである。消費税を8%にした自公維には賛成しない)。ただただ,政治を楽しく見たいだけである。
追記: 7.で山本太郎氏の処遇が記入されていない。少子化担当大臣に小林よしのり氏なども考えられるが,民間大臣は過半数を超えないようにするため,残りはネット投票に任せたい。
追記2: 共産党と立憲民主党を分断することも選挙対策としては重要である。与党がこれをやらないはずはない。
投稿: 箒川 兵庫助 | 2017年10月21日 (土) 20時13分
ロバーツさんの記事は、世界の本当の情勢を知る上で日本人にも理解し易いですから、もっと多くの日本国民に読んでほしいと思いますね。
世界情勢に疎い日本人には、丁度よい内容の構成になっているのもグッドです。
これを読んで、一人でも多くの日本国民が目を覚ましてほしいところです。
さて、いよいよ選挙戦も終盤ですけど、
立憲民主党の目覚ましい躍進で結構な盛り上がりになった事は、絶望の淵に追いやられた状況の中にあっては唯一の救いと言えましょう。
しかし、手放しでは喜べない一面もあります。
奈須りえさんが、立憲民主党の政策の中に新自由主義的な内容が含まれている事を懸念しておられ、またIWJの岩上さんも指摘しておられましたが、私もいささか同感ではあります。
ただ、この流れを今から変えるのは無理ですし、また却って状況を悪化させるだけなので、私は静観してます。
これまで淀んだ空気の中で悶々としていた人々の意識を一足飛びに目覚めさせるのは無理なので、先ずはその最初のステップとして、ここは兎に角、先ずは政治に関心を寄せる人を増やす事が重要だと思う訳で、そういう意味に於いて、立憲民主党フィーバーの意義は大きいと思うからです。
そして、立民候補者の多くが平和主義であり、格差是正や社会保障を公約に掲げている点を踏まえれば、民意は反映され易いですから、後で修正は可能であると思ってます。
まー、少なくとも自民公明の様な暴力的な政治よりは遥かにマシなのは確かですから、今はこの路線で行く他はないでしょう。
更に、誤って希望から立候補してしまった良識派の候補者も後に合流という事もあり得、護憲派というよりは良識派が三分の一に達する可能性は十分ありますから、応援する価値はあると言えるでしょう。
ただし、立憲民主党の比例区は既に満杯との事ですので、比例区だけは日本共産党か社民党へと促したいですね。
しかし、この選挙の本当のハイライトは、或いは最も重要なのは、何と言っても山口4区でしょう。
安倍の首を取れば、これはもう、自民党の雑魚議員100人以上の首を取るに匹敵しますから大きいですよ。
黒川さんの勇気ある行動には全力で応援したい、と言っても、私には僅かなカンパくらいしかできませんが、、、。
山口4区の方々には、これまでの付き合いなど何かと未練もございましょうけれど、ここは一つ、国の存続の為と割り切っていただきたいところです。
投稿: びいとるさいとう | 2017年10月20日 (金) 07時23分