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2017年9月30日 (土)

トランプ大統領の‘軍ファースト’政策

論説
2017年9月26日
Strategic Culture Foundation

ニューヨーク・タイムズによれば、トランプ政権は、通常の戦場以外での無人機攻撃と奇襲攻撃に対するオバマ時代の主要な制限の解除を準備している。変更は、イスラム教過激派が活発だが、アメリカ合州国がまだ連中を殺害、あるいは捕獲しようとしたことがない国々における、あり得る対テロミッションの土台を作ることとなろう。規制緩和は通常の戦場以外での奇襲攻撃と無人機攻撃に適用されることになっている。とは言え、新計画は、12カ月ごとに見直しされるはずの“対象国リスト”の新たな国で、攻撃や急襲行動を開始するには、依然、上層部の承認を必要とすることになっている。

大統領の最高国家安全保障顧問が二つのルールの緩和を提案した。一つ目は、現在、アメリカに対し“継続する、差し迫った脅威”とされる上層部戦士に限定されている軍とCIAによる標的殺害ミッションを、特別な能力も指導的役割も持たない歩兵聖戦士も含めるよう拡張することだ。二つ目は、提案された無人機攻撃や奇襲攻撃が、もはや上層部の審査を必要としないことだ。唯一残る制限は、居合わせた一般市民が殺害されないことが“ほぼ確実”な要求だけだ。提案された攻撃を承認審査する過程は、大幅に緩和され、いくつかの場合は不要になる予定だ。閣僚レベルの委員会は既に提案されたルールを承認し、ホワイト・ハウスに、大統領署名のために送付済みだ。

CIAも、イラクやシリアなどの激しい交戦地帯、いわゆる戦争法の基準が適用される場所、標的が軍で、巻き添え被害が軍事的利益に "釣り合ったもの"である限り、一般市民の犠牲者が許容される場所で、秘密の無人機攻撃を実行することへの承認を得ようとしている。軍とは違い、CIAは、いかなる承認も得ること無しに攻撃を行う権限が認められている。CIAの作戦は、ほとんど完全な秘密の中で行われており、議会による監視はごくわずかで、公的議論はほぼ皆無だ。

政策変更で無人機や奇襲隊員使用が劇的にエスカレーションする可能性が高い。今年早々、ドナルド・トランプは、そこが“激しい敵対行動地域”だと宣言することで、イエメンソマリアの広大な地域を、2013年のルールから除外し、規制のより緩い交戦地域のルールのもとに一時的におくというペンタゴンの要求に合意した。8月、大統領は、新アフガニスタン戦略の概要を示し、アメリカ合州国によって、既に頻繁に使用されている無人機の制約解除を称賛した。彼の演説の核心は、軍事作戦に対する規制を解除し、 "アメリカ軍の権限を拡大する"約束だ。彼によれば“殺し屋連中は隠れる場所などないと知れ、アメリカの威力、アメリカの腕が届かない場所はない” トランプはこのミッションを、9月19日国連総会演説で再確認し、"敗者" テロリスト"を壊滅すると誓った。アメリカ合州国と同盟諸国は、中東至る所で協力して、敗者テロリストを壊滅し、我々の兵士に対する攻撃をしかけるために連中が利用する安全な避難場所の再登場を阻止する"と彼は述べた。

計画は、実質的に、フィリピンやナイジェリアなどの交戦地域ではないと見なされる国々へのアメリカ軍の関与を強め、交戦地帯の外、あるいは“激しい敵対行動の地域外で”、いかなる適正手続きも無しに、ペンタゴンとCIAが、個人を標的にするのを可能にする。新たなルールは、意味ある地理的、時間的制限を課するようには見えない。実際、政権は世界の至る所で人々を殺害する途方もない権限を主張しているのだ。4月に、2014年8月から、2017年3月のイラクとシリアでの「イスラム国」に対するアメリカ無人機空爆の結果、350人以上の一般市民が殺害されたとペンタゴンは報告している

問題点のいくつかは、公的に論議されないままだ。アメリカは、アフガニスタン、イラク、パキスタン、イエメン、ソマリア、リビアや他の場所で、十五年間当たり前のように武装無人機を使用してきた。無人機の使用を管理する国際的枠組みがないまま、アメリカ合州国は、他の国々に対して、危険な前例を作りつつある。無人航空機を、アメリカが独占しているわけではない。間もなく、この技術がアメリカに対して使用される大きな可能性がある。ノウハウは広範に入手可能になり、いずれかの非国家主体が、これを入手するのは、時間の問題に過ぎない。だから大量破壊兵器の場合と同様、拡散問題があり、パンドラの箱が開けられる前に、国際的に緊急に対応する必要がある。

無人機攻撃は、戦争における、意図しない民間人犠牲者に関する比例の原則と対立する。無人機攻撃は戦時における文民の保護に関するジュネーブ協定(第4条約) の第二条、攻撃で殺害される無辜の民間人。更に、アメリカの無人機戦術は、武力衝突の際においてさえ“恣意的な”殺害を禁じている市民的および政治的権利に関する国際規約(ICCPR)とも矛盾する。無辜の人間の裁判無し処刑は戦争犯罪にあたる。ジュネーブ協定は、誰かの立場が明確でない場合には、彼らを民間人として扱うべきだと規定している。1977年付けの、174カ国が批准した追加議定書Iの50条には、“ある人物が民間人かどうか疑わしい場合には、その人物は、民間人と見なされるべきこと”とある。

ある国の中で、その意思に反して無人機攻撃を実行することは、戦争行為と見なされ得る。国際法のもとでは、他国において、武力の行使を開始するのは、狭い条件の中でのみ正当で、その一つは、差し迫った脅威に対して、素早く守る必要性だ。シリアの政府寄り勢力を、アメリカ合州国本土に対する差し迫った脅威と考えることは困難だが、彼らは6月、シリア東部のアル・タンフ付近で、アメリカ無人航空機によって攻撃された。

2016年、アメリカ特殊作戦部隊(SOF)は、138カ国で任務を遂行した - 世界の国々の約70パーセントでだ。こうした作戦の合法性も問われている。7月、特殊作戦部隊のレイモンド・トーマス司令官は、アメリカ特殊作戦部隊のシリア配備は国際法違反だと述べた。司令官は、アメリカ軍が、主権国シリアで戦闘しており、駐留が“国際法の見地で”問われた場合、駐留部隊は“駐留する権限がない”可能性があることを認めた。

国内でも、法律的問題がある。このアメリカ法は、どこであれ、アルカイダと同盟者を追求する広範な余地を政府に与えているという主張が提出された。2001年9月11日のすぐ後に採択された武力行使権限授与決議には、大統領攻撃を計画する連中や、彼らを匿う人々に対して武力を行使する権限を与えられているとある。9/11攻撃を実行した連中と、彼らを匿った連中を攻撃する権限を認める上記の決議は、そうした集団や関連する勢力の、単なる支持者たちは対象としていない。

無人機攻撃による民間人の死亡は、反米感情を煽り、アメリカと外国政府との安全保障協力に対する障害になる。無人機攻撃は、パキスタンなどの国で、現地住民の間での怒りも醸成して、アフガニスタン向けの補給路を開通させておく上で、問題を引き起こしており、疎外された現地住民たちに、テロ集団への徴募用紙を手渡すような結果となりかねない。

現場の軍司令官に対し、より大きな自由を与えるプロセスは、トランプ大統領のもとで勢いを増している。政権は、世界中の様々な宣言されていない戦場を“激しい敵対的行動の暫定的地域”として指定し、司令官たちに、イラク、アフガニスタンやシリアでと同様に、行動を開始する自由度を与える軍事的提案を検討中だ。より下位の指揮官たちに、人口稠密な地域における空爆決定をすることを認めることで、より多数の民間人の死をもたらしかねない。目撃者たちが、少なくとも100人殺害されたと言っている、3月中旬、モスルにおけるいくつかの爆撃を、アメリカ軍はまだ調査中だ。

政策は、アメリカは、もはや世界の警察官をつとめる余裕はないというトランプの選挙運動声明からの全く180度の方針転換だ。大統領は、支持者に非介入主義軍事政策を固守すると約束していた。外交政策では、慎重な非介入主義を主張して、選挙遊説で、トランプはヒラリー・クリントンに‘むやみに銃を撃ちたがる’戦争屋だとレッテルを貼った。

就任最初の八カ月で、海外駐留するアメリカ軍兵士の人数は、トランプ就任以来、増加し、特に面倒な地域における強襲の頻度も増している。ドナルド・トランプは、シリア、イラク、イエメンやソマリアでの作戦を強化している。アメリカは、リビアで、更に関与を深める構えだ。ドナルド・トランプは、アフガニスタンでの作戦を拡大することを決めた。大統領は最近、アメリカ軍行動で、ベネズエラと北朝鮮を威嚇した。

見回せば至る所、終わりの見えない展開だらけだ。より多くの戦闘権限がペンタゴンに委譲された。全軍最高司令官は、民主党から離れ、トランプの選挙勝利をもたらしたラスト・ベルトの支持者たちの信頼を、実に根本的に裏切って、アメリカ軍の関与を増すため、最善を尽くしている。“我々がそのために戦い、勝利したトランプ大統領は終わった”と、元ホワイト・ハウス首席戦略官のスティーブン・バノンは、先月職を辞任するに当たって述べた。アメリカの国家安全保障とは全く無関係な大規模軍事紛争に、アメリカが関与する可能性は増大している。世界は一層安全でなくなった。

歴史を見れば、世界の警察官でいても決してもうからない。それは逆に、いつか国にとって、とんでもない負担となりかねない。しかしベトナムの教訓は、今や忘れ去られているようだ。2017年財政年度末、アメリカ合州国、連邦、州、地方政府を含めた政府負債総額は、23.4兆ドルにのぼると予想されている。この事実にもかかわらず、アメリカは、軍隊を世界に過剰に展開し続け、軍事支出の負担を増し、攻撃的な軍事姿勢をとり、金のかかる長く続く次の軍事冒険という泥沼に突入しようとする瀬戸際にある。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/09/26/president-trump-military-first-policy.html
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大政翼賛会大本営広報部呆導にあきあきして「天空の城ラピュタ」を見た。

今日の孫崎享氏のメルマガを一部引用させて頂こう。

「希望の党」は基本的に米国に従うことを基本とする。
 したがって、何ら日本にとっての「希望」ではない。

漫画家までおかしなことを言い出した。トロイの木馬を期待する人がいるようだ。

自民党や公明党で決定的瞬間に「トロイの木馬」として活躍した議員がいただろうか。これまでなかったことを、同類のものに期待するのは妄想でしかない。

『ファウスト』の悪魔との契約を思い出す。といっても、本は読んでいない。ソクーロフの映画をみただけ。Wikipediaにはこうある。

死後の魂の服従を交換条件に、現世で人生のあらゆる快楽や悲哀を体験させるという契約を交わす。

安保法制に賛成、憲法破壊に賛成ということは、宗主国の侵略戦争参戦を意味する。

この劣等は、軍隊を世界に過剰に展開し続け、軍事支出の負担を増し、攻撃的な軍事姿勢をとり、金のかかる長く続く次の軍事冒険という泥沼に突入しようとする宗主国の永久属国と化する瀬戸際にある。

支配層のPlan Bに過ぎないものを、どうして喜んで奉じる必要があるだろう。

イソップの、蛙の王様。

池に住む蛙が、「王様が欲しい」、と神様に要求した。

神様、最初に、丸太ん棒を投げ込んでくれた。

デクの坊に、蛙はあきたらない。

「もっと強い王様が欲しい。」と蛙は要求する。

神様は、次に、コウノトリを送り込んでくれた。

蛙は全員食べられてしまったとさ。

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コメント

御免、今ツイッター見たら、よしりん氏が訂正コメント出してました。

「絶望党は支持しない」「わしの見込み違いだった」と、
流石は、よしりん氏。
それでこそ本物だよ。

私の早とちりコメントは、そのまま残しておいてください。

よしりん(小林よしのり)氏の先日の論説は残念なものでしたね。
彼は産経新聞の正論という雑誌や花田という人が出している右翼雑誌will(本当はネトウヨ安倍マンセー雑誌)などへ寄稿している関係で、過去に小池ユリコを称える様な記事を書いた事があるのではないかと思います。
(実際には読んでいないので知らないけれど)

それで今、正面からユリコを批判できず、あの様な歯切れの悪い論調になってしまったのではないかと推測してます。
言論人というのは、どうしても過去の自らの言動や著作で語った主張を変更し難いものです。
なので、取り繕った内容の論説でお茶を濁さなければならない場合もある訳です。
そこが言論人の辛いところなのでしょう。
(櫻井よし子の様に、矛盾した事でも平気で書ける恥知らずは別)
それともまだ右翼思想に拘る余り、分別が付かなかったのでしょうか。

ヨシリン氏が考え違いをしている理由は、先ず第一に、百合子が右翼から既にネトウヨと化している事に気づいていない様子である事。(真正右翼とネトウヨは別物)(ネトウヨというのは右翼ではなく、ファンタジー主義者で一部は工作員)
次に、まだ右翼左翼の思想に固執する傾向から脱却しきれていない事。
その為に、本当にその人物の見るべき点を見逃している事。
つまり彼は、新自由主義という視点が欠けている訳です。

ユリコは安倍と同じくグローバリストであり、新自由主義者であるという視点で捉えるならば、あの論説にある様な考えは出てこない筈です。
しかも疑似右翼集団である日本会議に属している人物であり、真正右翼とは全く掛け離れた思想である事を踏まえるならば尚更です。
(日本会議とは、右翼団体の集合体でありながら、その実、宗教団体化した集団であり、事実、その中核には世界統一家庭連合(統一教会)が鎮座し、表面的には右翼思想を装いながら統一教会の教義を植え付ける洗脳集団であると私は認識している)

よしりん氏は実に聡明な方なので、過去に拘る事なく、今からでも新自由主義について勉強し直し、「私の眼鏡違いであった」の一言にて、見立てを改めていただきたいと願う所存です。

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