シリア: トルコは9月に大規模軍事作戦を予定
Peter KORZUN
2017年9月1日
Strategic Culture Foundation
トルコは、9月13-15日に行われる予定の次回アスタナ和平交渉後に、ユーフラテス川の盾作戦の第二段階を開始する準備をしている。トルコ軍は線表を用意した。今月、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が、来るべきシリア領での作戦について警告した。
主要ライバル、クウェートが支援するアハラール・アル・シャームが、この州の主要な町や村から追い出されて以来、アルカイダの旧シリア支部が率いる同盟、ハヤート・タハリール・シャーム(HTS)が、イドリブの大部分の支配を強化した。HTSは「イスラム国」(IS)より更に凶暴だ。指導部は誰との対話も拒否している。この集団は、アスタナ和平プロセスに基づくシリア危機管理にとって、大きな妨害であり、邪魔となっている。このアルカイダ系集団が、この州と、そのトルコ国境を支配している限りいかなる停戦も和平も不可能だ。
空爆後、トルコ軍がイドリブ州北部に入り、緊張緩和地帯を確立予定だ。トルコは、活動をロシアとイランと連繋する。ロシアは諜報情報を共有し、無人航空機の飛行が可能なようシリア領空を維持する。
ロシアとイランはイドリブ南部で活動し トルコ軍北から進撃する。6月、ロシアとトルコは、イドリブ州に、共同で管理する緊張緩和地帯を設置すると発表した。シリアの他地域で、ロシア憲兵部隊は、平和維持軍としての効果を実証済みだ。ロシア部隊は聖戦戦士編隊が撃破された後、イドリブ北部に緊張緩和地帯を設置し、守るべくトルコ軍に加わる準備が整っている。
アンカラは、活動をテヘランとも連繋させている。先月、トルコ国家情報機構(M.I.T.)、トルコ国軍(T.S.K.)と外務省高官のトルコ代表団が、テヘランで、イランとロシアの高官と会談し、イドリブとアレッポ、特にアフリーン地区での最近の進展について話し合った。今月、イラン軍高官の代表団が、アンカラを訪問し、シリアにおける今後の措置を話し合った。政府寄りのトルコ・マスコミDaily Sabahによれば、あるトルコ外交官が、トルコとイラン軍の幹部が「イドリブ内の共同の緊張緩和地帯メカニズムで合意したが、これにはロシア軍も参加している」とのべた。
アスタナで合意された緊張緩和地帯計画は、シリア南部で、既に有効な戦略であることが証明されている。
ロシアとトルコの軍人が活動で協力するのは、これが初めてというわけではない。1月、アレッポ北西の町アル=バーブを占領している「イスラム国」戦士と戦闘するトルコ軍を、ロシア航空機が掩護した。四機のSu-24M、四機のSu-25と、Su-34爆撃機一機で構成されるロシア戦闘機集団と、F-16四機と、F-4四機のトルコ戦闘機八機が、初めての共同空爆に参加した。これはシリア政府の同意を得て行った共同作戦へのロシアとトルコの空軍初めて参加だった。
両国間の軍事協力は増大している。2016年、ロシアとトルコは、国防産業における未曾有の提携宣言を調印した。アンカラは、電子システム、弾薬やミサイル技術購入契約も考えている。両国は、中東における両国の活動を連繋させるための統合的な軍・諜報の仕組みを作ることに合意している。
ロシアの最先端の長距離防空システムS-400購入は、決定的な取り引きだ。 rこの兵器システムを、ロシアがトルコに輸出する準備できていることは、ウラジーミル・プーチン大統領が承認した。ロシア国営の兵器輸出企業ロスオボロンエクスポルトのアレクサンドル・ミヘエフ総裁によれば、契約交渉は最終段階に入っている。
システムは400 kmまでの範囲の航空機と、60 kmの範囲の弾道ミサイルを撃墜できる。異なる標的に対し、様々な種類のミサイルを用いて、同時に36個までの標的を攻撃できる。これはトルコの武器品目中、NATOのシステムとは互換性がない最初の兵器ということになる。S-400は世界最高の防空システムだと広く見なされている。最初の二基はロシアで製造される予定だが、残りの二基は、ロシアが必要なノウハウを移転した後、トルコで製造される予定だ。ロシアの支援を得て、トルコは産業基盤を大きく強化することになろう。
この先進的な防空システムをロシアから購入するという、NATO加盟国トルコの計画を巡って、アメリカ合州国が懸念を示したのは注目に値する。7月31日、ワシントンでの記者会見で、ペンタゴン広報担当官ジェフ・ディヴィス大尉は、トルコが購入を計画しているS-400システムは、NATOが使用している他の機器と不整合な可能性があると述べた。「基本的に、同盟諸国は、相互に調和して機能することが可能な機器を購入するのが適当だと我々は考えている」とディヴィス広報担当官は述べた。実際は、商談は、アンカラが欧米から一層距離を置き、権力のもう一つの極の方に移行しつつあるというより大きな構図の一環だ。
モスクワに対してだけではない。アンカラは北京にも近づきつつある。両国は中国の一帯一路プロジェクト実現のため、密接に協力している。トルコは再び、東と西との架け橋として支援する、主要な投資・協力パートナーの位置についている。
政治的に トルコは上海協力機構 (SCO)に次第に近づきつつある。アンカラは、SCOに正会員として参加する可能性を検討している。トルコは、ユーラシア経済連合 (EAEU)に対する関心の高まりも示している。2014年に、トルコは組織加入するよう招待されていた。これは貿易を拡大する新たな機会をもたらすだろう。しかも、EAEU現行加盟国、および将来加盟する可能性がある諸国の多くは、様々な分野でトルコが既に密接な関係を持っている国々だ。この多面的な外交政策は、世界におけるトルコの立場を強化するだろう。
ロシアに支援されるNATO加盟国トルコによるイドリブでの軍事作戦の成功が、緊張緩和地域戦略を最終的に勝利させるためのシリアにおける大規模な戦闘作戦を基本的に終わらせることになろう。「イスラム国」集団の残滓がデリゾールで依然持ちこたえようとしているのも、間もなく終わらせられる運命にあるのは疑いようがない。アサド大統領が依然権力の座にあり、ロシア、トルコとイランのトリオが平和解決を目指す、あらゆる国際的取り組みで重要な役割を演じることで、シリアの将来という問題が表面化するだろう。
記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/09/01/syria-turkey-launch-major-military-operation-september.html
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この列島の支配者集団、北朝鮮との戦争に向かってまっしぐら?
植草一秀の『知られざる真実』の記事は興味深い。
今日は下記IWJ番組を拝聴予定。
【関東大震災関連シリーズ再配信 4・YouTube Live】20:00~「南千住警察署の裏庭で後ろ手に縛られた朝鮮人が次々撃ち殺された――数多の証言から辿る関東大震災・朝鮮人虐殺の『真実』~岩上安身による『ほうせんか』理事・西崎雅夫氏インタビュー」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
2016年11月に収録した、岩上安身による「一般社団法人ほうせんか」理事・西崎雅夫氏インタビューを再配信します。
[記事URL] http://iwj.co.jp/wj/open/archives/346096
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