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2017年8月 3日 (木)

ロシアに更に圧力をかけるワシントン

Paul Craig Roberts
2017年7月31日

ドイツが第一次世界大戦を終わらせる停戦に同意すれば、賠償はとらず、領土を失うこともないという、ドイツに対するアメリカのウッドロー・ウィルソン大統領の約束に違反して、ヴェルサイユ条約で他の国々に与えられたドイツ領土を取り戻したヒトラーに対する、イギリスのチェンバレン首相による宥和政策が、第二次世界大戦の原因だと信じている学者たちがいる。

私は同意できない。事実は明らかだと思える。第二次世界大戦の原因は、チェンバレンがポーランド軍事政権に与えた、もしポーランドがドイツに領土と住民をドイツに返還するのを拒否すれば、イギリスはポーランド支援にくるという、根拠がなく、法的強制力のない保証だ。ドイツとソ連が、ポーランドを両国で分割する協定を結んで攻撃すると、愚かな“保証”のために、イギリスは、ソ連ではなく、ドイツに宣戦布告した。フランスは、条約で、イギリスと同盟していたために、フランスも宣戦布告せざるを得なかった。欧米における、プロパガンダ支配のおかげで、ほとんど誰もこれを知らないが、第二次世界大戦はイギリスとフランスのドイツに対する宣戦布告で始まったのだ。ところが、アメリカ、イギリス、フランスとソ連によって、ニュルンベルクで、侵略戦争を始めたかどで裁判にかけられたのは、ドイツ政権の生き残りメンバーだった。

チェンバレンが、イギリスに反撃させ損ね、ヒトラーを、より一層侵略行為をするよう仕向けたというのが一般的見解であるにもかかわらず、ワシントンのロシアへの侵略行為に対して、ロシア政府が反撃しないことが、ワシントンを、より一層攻撃的になるよう仕向けているのを、なぜ誰も指摘しないのだろう。これも戦争を招くのだ。

チェンバレン同様、ロシア政府も戦争より平和を好んでいるため、チェンバレン政権同様、チェンバレンが直面したものより遥かに危険な挑発にロシア政府は反撃していない。

疑問は、違法な経済制裁や、プロパガンダ的非難や、悪者扱いに反撃しないことで、ロシア政府は、戦争を避けているのか、それとも仕向けているのかなのだ。ロシアは、ワシントンが、ポーランドやルーマニアとの国境にABM基地を作るのさえ許している。これはロシアがキューバにミサイル基地を設置するのを、アメリカが認めているのと同じようなものだ。

ロシアは、アメリカ合州国とは違い、開かれた社会で、アメリカのような、反体制派が管理され、抑圧される警察国家ではないので、不利な条件におかれている。ロシア政府は、一部のマスコミの外国による所有を許すと決定しているため、不利な立場にある。抗議行動を組織し、ロシア政府に絶えず濡れ衣を着せる何百ものアメリカやヨーロッパが資金提供するNGOを受け入れるという決定によって、ロシアは不利な条件におかれている。ワシントンと、その傀儡諸国がロシアを寛容な民主主義と見なし、ロシアを欧米諸国一家に歓迎してくれるとロシア政府が誤って思いこんでいるがゆえに、これを許しているのだ。

ロシアは、欧米志向の教養ある上流階級、大学教授や実業家たちによっても不利な条件におかれている。大学教授はハーバード大学での学会に呼ばれたがっている。実業家は欧米実業界に組み入れてもらいたがっている。こうした連中は“大西洋統合主義者”として知られている。彼らは、ロシアの未来は欧米に受け入れられることにあると信じていて、この受け入れを実現するためには、ロシアを売り渡すことも辞さない。ロシアの若者の一部は、アメリカでは誰でも簡単に金持ちになれ、あらゆることが素晴らしいと考えており、ロシア・マスコミの中には、欧米の売女マスコミを見習っているものがある。

ロシア政府にとっては困難な状況だ。ロシア人は、ソ連崩壊で、我々は皆友人になったと間違って思い込んでいる。ソ連崩壊で、ワシントンの覇権主義的行動に対するあらゆる制約が無くなったことを理解していたのは、ゴルバチョフだけのようだ。アイゼンハワー大統領が、1961年に警告したアメリカ軍安保複合体の膨大な予算と権限が、それを正当化するには敵が必要なのに、ソ連崩壊が、その必要な敵を無くしてしまったということを理解しているロシア人はごくわずかに見える。まさにロシアが国益を守っているがゆえに、ワシントンは、プーチンのロシアを、喉から手が出るほど必要な範疇の“敵”にあてはめているのだ。

ロシア政府や上流階級は、これを自覚するのが、とんでもなく遅い。実際、事態を飲み込み始めている人々はごくわずかだ。

悪い兆しにもかかわらず、ロシアの新国連大使ワシーリー・ネベンジャは、7月29日、ロシアには“いかなる状況下においても、架け橋を築くしか選択肢はない。我々は協力するつもりだ。アメリカ人は我々無しではいられないし、我々も彼ら無しではいられない。これは客観的現実だ。”と発言した。

これはロシア降伏声明だ。

ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務副大臣も悪い兆しを認めるのを拒否している。彼はワシントンとモスクワは“報復の悪循環を脱し、新規まきなおし”すべきだと考えている。

7月30日、昨年のクリスマス時に、オバマ政権が仕組んだ、ワシントンから、ロシア人外交官追放と、ワシントン地域にあるロシア政府資産の違法な没収に、とうとうロシアのプーチン大統領が、“アメリカ外交官”、実際にはロシア政府を傷つけるべく活動している工作員を750人、強制退去させて対応した。プーチンは連中を逮捕することもできていたはずだ。ロシア人外交官に対するワシントンの敵対的行為にロシアが対応するのに、わずか7カ月しかかからなかった。

ロシア政府は時折、自分たちが、永久にワシントンの不倶戴天の敵に指定されているという多少の認識を示すことがある。プーチンは、遅まきながらのアメリカ“外交官”追放を以下のように説明した。“実に長い間、何かが良い方向に変わるかも知れないと待ち続けた。状況は変わるだろうと願っていた。しかし近い将来には、状況は変わりそうにないようだ… 我々は何事もうやむやにするつもりはないのを示す時期だと私は判断した。”

こう言った後、プーチンは全てを取り消した。“重要なのは、多くの分野で多面的に協力していることだ。もちろん、モスクワは色々言いたいことがあり、我々が断ち切ることが可能で、アメリカ側にとってはデリケートな多数の協力分野もある。しかし、我々はそうすべきではないと思う。国際関係の発展を損なうことになろう。そういう事態にならないよう願っている。今日の時点では、私はそれに反対だ。” https://www.rt.com/news/398019-putin-us-diplomats-sanctions/

プーチン大統領より現実的な反応をしているのは、ロシア対外・国防政策会議副議長で、プーチンのヴァルダイ国際討論クラブのプログラム・ディレクター、ドミトリー・スースロフだ。スースロフは、ロシアに対する新たな違法な経済制裁は、アメリカ・エネルギー輸出にとって有利なだけでなく、ロシアに対する侵略行為であり、狙いが、アメリカとロシアの二国間関係改善を不可能にすることにあるのを理解している。スースロフは言った。“現在、アメリカが我々の敵であることは既に明らかで、長期間、我々の敵であり続けるだろう。ロシアは、アメリカとの必然的な軍事的-政治的対立を反映して、わが国の兵器開発計画を調整する必要がある。相互確証破壊体制を維持する抑止力への投資が必要だ。”

スースロフは更にこう言っている。“おそらく、そもそもアメリカ自身にとって必要な事柄でのアメリカ合州国との協力を止めるのは価値がある。例えば、アメリカは、宇宙協力の分野でロシアに依存している。おそらく、計画を修正し、協力プログラムの一部をあきらめる必要がある。アメリカ大陸で、ロシアの軍事協力を増すことも考える価値がある - 主に、ベネズエラとの協力強化だ”と、スースロフは述べた。

ワシントンでは、ロシアの意思決定を妨害する妄想からスースロフほど逸脱した連中は、皆首にされる。ロシアがワシントンから受けている脅威に関するロシアの認識に、スースロフが許容範囲以上の現実を持ち込んだのかどうかを見るのは興味深い。

ロシアは欧米の仲間になろうと必死なあまり、妄想と思い違いに支配されているのだろうか? もし、そうであれば、戦争は必然だ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/31/washington-pushes-harder-russia-paul-craig-roberts/
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大本営広報部、予定通り、終日人事談義だろう。興味皆無。

孫崎享氏のメルマガ題名で十分。スイッチを入れない方が電気代と頭脳の節約。

内閣改造で、安倍政権は支持率上昇が期待できるか。数%上昇あっても期待薄い。目玉が河野氏、野田氏では弱い。内閣不支持の最大理由は「安倍首相を信頼できない」だから変化難しい。それに今後も菅官房長官、二階幹事長テレビに。-要因。

日本は米の永久子分になろうと必死なあまり、妄想と思い違いに支配されているのだろうか? もし、そうであれば侵略戦争への派兵あるいは代理戦争への巻き込まれは必然だ。

アフガニスタン人の記憶にのこるロシアの記事、いつになく、正体不明の書き込みが多い。よほど、宗主国には、いまいましい記事なのだろうと思われる。全て自動的にスパムになるので、手間はかからない。こうした書き込み、ボットで実行しているのだろうか。

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