アメリカ政府の更なる公式ウソ
2017年7月10日
Paul Craig Roberts
アメリカ人のために作り上げられている偽現実は、暗黒の未来を書いたジョージ・オーウェルの小説『1984年』中のビッグ・ブラザーが作り上げた偽現実に完璧に匹敵する。
アルカイダからタリバン、ヌスラ戦線、ISISからISIL、ダーイシュという“イスラムの脅威”の絶えざる変身から、ロシアへの飛躍をお考え願いたい。“テロリスト”と“独裁者”に対する16年間の中東戦争が、突如として、最もイスラム・テロに脅かされていて、アメリカ合州国とその傀儡帝国を地上から消し去ることが可能な国ロシアに立ち向かうことに変わったのだ。
国内では、連邦準備金制度理事会の量的緩和政策、つまり金融市場を新たに印刷された紙幣で溢れさせ、株と債券価格を押し上げるもののおかげで、世帯の実質平均所得の上昇がないにもかかわらず、実質小売売り上げの増加にもかかわらず、就業率の低下にもかかわらず、高付加価値、高生産性、高給の雇用の欠如にもかかわらず、史上最長の回復の一つに違いない、2009年6月以来の景気回復をアメリカは享受していることをアメリカ人は保証されている。
“回復”はミステリーどころではない。これは奇跡だ。それは偽ニュース新聞の上にしか存在しない。
CNNによれば、確かに信頼性に欠ける情報源だが、Center for Financial Services Innovationの社長兼CEO、ジェニファー・テシャーが、約半数のアメリカ人が、生活費は収入に等しいか、越えていると言っていると報じている。学資ローンを抱えている18歳から25歳の間では、54%が、借金が収入に等しいか、上回ると言う。つまりアメリカ国民の半分には、可処分所得が皆無なのだ。すると一体何が回復を推進しているのだろう?
何もない。アメリカ国民の半数以上にとって、経済を駆動する可処分所得がないのだ。
国民のうち、高齢者も可処分所得がない。十年間、高齢者の貯蓄金利は本質的にゼロで、私は彼を信じているが、shadowstats.comのジョン・ウィリアムズを、読者が信じれば、本当の金利はゼロで、社会保障生活費調整をせずに済むような形でインフレが計測されているので、マイナス金利でさえある。
言い換えれば、アメリカ経済は、貯蓄と国民の生活水準の縮小で生きている。
先週金曜日の雇用報告は、もう一つの政府のウソにすぎない。報告は、失業率は4.4%で、6月の雇用は222,000件増えたと言う。バラ色の絵だ。だが、私がご説明した通り、これを裏付ける事実は皆無だ。これは、サダム・フセインの大量破壊兵器、アサドによる自国民に対する化学兵器使用、ロシアによるウクライナ侵略などなどのアメリカ政府のもう一つのウソにすぎない。
バラ色の失業という画は全く人為的なものだ。失業率が4.4%なのは、過去四週間、職さがしをしなかった求職意欲喪失労働者が失業者として計算されないためだ。
BLSには、金融マスコミ売女が滅多に報じない、U6として知られているもう一つの失業指標がある。この公式指数によれば、アメリカ失業率は報告されている率のおよそ倍だ。
一体なぜだろう? U6率は、職探しを一年未満の期間あきらめた求職意欲喪失労働者を数に入れているのだ。
ジョン・ウィリアムズは、かつては(“改革”前)公式に数にいれられていた長期求職意欲喪失労働者 (一年以上、職探しをあきらめている人々)も計算に入れている。長期の求職意欲喪失労働者が含められれば、アメリカ失業率は22-23パーセントの範囲だ。これはborn out by“回復”とされるもの間、就業率がずっと落ちている明らかな事実。通常、景気回復時には就業率は上がる。
政府が故意に失業者を数に入れるのを避けているのだから、政府が低い失業率を報じるのはたやすいことだ。
アメリカ政府自身が求職意欲喪失労働者の一部が失業者として含められた場合、失業率は8.6%だと報じても、政府が認めているにもかかわらず、ウソをつくのが商売の連中の集団、売女経済マスコミが、失業率は4.4%だと報じるのは途方もないことだ。
私が毎月、毎年行ってきていることを、行ってみよう。BLSが産み出されていると主張している雇用を見てみよう。こうした雇用とされるものの大半は、仮定だけで、月に100,000件の雇用を追加するbirth/deathモデルの産物であることに留意願いたい。言い換えれば、これらの雇用は、モデルに由来するものであって、現実に由来していないのだ。
こうした雇用とされるものは一体どの分野なのだろう? それは例によって例のごとくの低賃金の国内サービス業だ。医療や社会的支援の約半数は、“救急医療サービス”で、59,000件だ。レジャーと接客業が、36,000件で、うち29,300件はウエイトレスとバーテンダーだ。地方自治体は、35,000件増えた。かつてアメリカ経済の屋台骨だった製造業は、わずか1,000件にすぎない。
私がここ十年か二十年主張してきたように、アメリカは、存在する雇用は、海外移転ができない、自立した生活に不十分な低賃金の国内サービス業のみという、第三世界の労働人口へと退化しつつある。これが25歳の人々の50%が両親と実家で暮らしており、24-34歳のアメリカ人では、一人暮らししている人より、実家で暮らしている人々が多い理由だ。
これは、愚かなネオコンが“超大国”だと主張するアメリカの経済データとは言えない。企業の海外移転と金融化がもたらしたアメリカ経済は、膨大なアメリカの債務負担には耐えられない。時間の状況だけの問題だ。
アメリカ合州国は、世界一流経済の地位に留まれないだろうと私は思う。“指導部連中”が彼らを破壊する中、アメリカ人は指しゃぶりをしながら座視している。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/10/ever-official-lies-us-government/
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首相が自慢する雇用増加も、同じものだろう。
主役を隠した閉会中審査。政府側脇役連中の醜悪なウソ。
“指導部連中”が彼らを破壊する中、日本人は指しゃぶりをしながら座視しているのだろうか。
「官邸サイドからの働きかけが直接あった」閉会中審査に前川喜平・前文科事務次官が出席し、現役時代の実体験を暴露!総理の代弁者・萩生田官房副長官は「特区については記憶がない」と遁走! 2017.7.11
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