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2017年7月 5日 (水)

中国の一帯一路沿いに、ISIS“偶然に”出現

2017年7月1日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook

パキスタン南西部のバロチスタン州を本拠とする二人の中国人教師が、自称“「イスラム国」”(ISIS)の過激派に誘拐され、殺害されたと報じられた。

パキスタンで中国人教師がISISによって殺害されたという報道を巡る‘深刻な懸念’”と題するCNN記事は、テロ行為を、外国で拡大する中国の経済活動を狙った無差別攻撃として描こうとしている。

現実には、テロ攻撃は、場所と狙いの点で、極めて正確に狙ったもので、中国が長年大望を抱いているパキスタンのバロチスタン州を悩ませている暴力と政治的不安定のより大きなパターンにぴったりはまる。

中国-パキスタン経済回廊を妨害するために代理勢力を駆使するアメリカ

バロチスタン、より具体的には、中国-パキスタン経済回廊(CPEC)の中核として機能する港湾都市グワーダルだ。地域の経済成長を促進すべく、パキスタン政府と共同で建設されている鉄道、道路、港湾や他の複雑で、拡張しつつあるインフラ・プロジェクト、遥かに広範な一帯一路構想の不可欠な要素なのだ。

他の国々に対する中国の経済ライフラインを妨げることは、アメリカ政策決定者のあからさまな目標だ。2006年に、戦略研究所が発行した“真珠の首飾り: アジア沿岸において勃興する中国の挑戦に対抗する”と題する論文は、中国の“真珠の首飾り”のいくつかの要素の一つとして、グワーダル港を明記している。

報告は、北京に対し、あり得る“強硬なやり方”に関して、はっきりと述べている。

中国がアメリカのあらゆる戦略に好意的に対応する保障はなく、慎重さが“最悪に備える”よう示唆しており、それはつまり“あとで悔やむより、安全な方がよい”ということだ。おそらくは、中国に対して、対して強硬政策をとる方が良く、依然、相対的に弱い間に中国を封じ込めるべきなのだろうか? 地域覇権にむけて頑張れるようになる前に、今こそ中国を押さえつけるべき時期なのだろうか? 外交政策の現実主義者たちは、歴史と政治理論を引用して、中国はアメリカの卓越に必然的に挑戦するだろうし、アメリカ-中国関係が、敵対的、あるいは悪化するのは、“そうなるかどうか”ではなく“いつ”という問題だと主張している。

中国の地域的野望を封じ込めるには、バロチスタンのような場所で、武装過激派を使って、経済発展を窮地に陥らせるのか、アメリカが支援するバロチスタン州の独立運動で、徹底的に妨害するのか、どれが良いのだろう?

アメリカの政策決定者連中は、まさにそれに言及している。2012年に、カーネギー国際平和基金が刊行した“パキスタン: バルチ民族主義復活”(PDF)と題する論文は、はっきりこう述べている(強調は筆者)。

もしバロチスタンが独立したら、バングラデシュ分離から34年後、再度の分離に、パキスタンは耐えることができるのだろうか、そして地域の安定には一体どのような影響があるだろう? パキスタンは、天然資源の大部分を失うこととなり、エネルギー供給で、一層中東に依存することになる。バロチスタンの資源は、現在十分活用されておらず、バルチ以外の州、特にパンジャブ州にしか役立っていないが、こうした資源が、独立バロチスタンの発展に貢献するだろうことは確実だ。

バロチスタン独立は、グワーダル港や他の関連プロジェクトに対するイスラマバードの希望も粉砕しよう。パキスタンが世界の国々対してより魅力的になれる可能性は完全に無くなる。

パキスタンがグワーダル港を失うのみならず、これは中国の損失にもなる。

論文は、アメリカは、バロチスタン独立で何も得るものはないと主張しようとしているが、アメリカ国務省は、まさにこうした独立運動支援で、長年、膨大な金や資源を投じてきた。更に、カーネギー国際平和基金自身“独立”実現に向けた州へのアメリカ介入を唱導する“北米バルチ協会”によるイベントを主催している

アメリカ国務省の全米民主主義基金(NED)と、有罪判決を受けた金融犯罪人ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティーは“グローバル・ボイス”経由で、自治から公然の独立にいたるまであらゆることを唱導するパキスタン、バロチスタン州の多くの組織に資金提供している。この中には、バロチスタン総合的開発協会(AID バロチスタン)、バロチスタン・ポイントや、バロチスタン開発研究所がある。

アメリカのNEDが資金を提供しているInstitute for Development Studies & Practices’s (IDSP) の理事長は、年中、ツイッターなどのソーシャル・メディアを使って、バロチスタンの独立を求める声明をしたり、そういうものを支持したりしており、バロチスタンをパキスタンの“植民地”と表現している。アメリカ政府から資金供給されている上記組織のメンバー全員がこれを実行している。

アメリカが資金提供するバロチスタンを本拠とする多数の組織は、バロチスタン州における暴力行為を、2011年以来、シリアにおけるアメリカが支援する暴力を支持している連中の意図的に歪曲した広報活動が行っているの同じ類の、一方的な、パキスタン軍だけが 行っているものとして描く論説やプロパガンダに年中リンクを貼っているり。

シリア国内でと同様、紡がれ、実行され、言い繕われる暴力は、アメリカ権益と直接ぴったり重なる。この場合は、バロチスタンやそれ以遠での中国-パキスタン協力の妨害だ。

バロチスタン内の紛争はイランとのアメリカ代理戦争にも役立つ

「イスラム国」が、イラン、テヘランでのより大規模な攻撃の直後に起きたこの最新攻撃を実行したと主張しているのは、特に重要だ。“ペルシャへの路はいずれか? 新たな対イラン・アメリカ戦略のための選択肢”と題する2009年のブルッキングス研究所の政策論文で、パイプ役候補、安全な避難場所、対イラン武力紛争を行うための代理として、バロチスタンとバルチ分離独立主義者の名前を、アメリカ政策決定者があげている。

パキスタン、バロチスタンで暴力事件を起こせば、アジア全体に対する中国の野望を窮地に陥らせるのに役立つのみならず、最終的な対テヘラン政権転覆作戦に先立ち、イランを、敵対的な国や非国家主体で包囲するというワシントンの長年の狙いも支援する。

これまでアメリカ合州国は政治的不安定や暴動を醸成するため様々な現地集団を利用してきた。今やあらゆる地政学的な悪事は、十羽ひとからげに、汎用“「イスラム国」”で実行されているように見える。現実には、パキスタンのバロチスタンで、二人の中国人教師を誘拐し殺害した過激派は、アメリカが長年支援してきた現地過激派で、パキスタンを不安定化させる連中の役割が次第に現地や世界の人々に理解されつつある可能性が高い。

「イスラム国」に責任をなすりつけるのは、アメリカが地域中で意図的に煽っている暴力から、アメリカを切り離す手段のように見える。

事実上、アメリカ権益が、地元や地域の権益によって、妨害されたり、異議を出されたりしている地球上のあらゆる地政学的戦域に、「イスラム国」が“偶然”登場すること自体、そもそも一体なぜ「イスラム国」が存在するのかということのみならず、一体どうして、存続し続けられ、ロシア、シリアやイランなど多数の国々による、打ち破ろうとする取り組みにもかかわらず繁栄し続けられるのかの説明に役立つだろう。

国家的支援による「イスラム国」の兵站補給、政治的、軍事的な力の源は、究極的にはロシア-シリア-イランの軍事的・政治的威力が届かない、ワシントン、ロンドン、ブリュッセル、アンカラ、リヤドと、ドーハにある。

「イスラム国」が次は一体どこを攻撃するのだろうかといぶかっている向きは、世界地図を見て、ウオール街とワシントンの大企業-金融業独占に屈服するのをいやがる益々多極化する世界によって、一体どこで、アメリカ権益が妨げられているかを見るだけで良い。パキスタン、バロチスタンでのこの最近の忌まわしい攻撃がまざまざと示している通り、中国の一帯一路プロジェクトの重要な諸地点は、警戒すべき重要な場所のはずだ。

こうしたテロは、教師を標的にすることで、この野心的な地域経済計画実施の一環である労働者全員に恐怖を引き起こすことを狙っているのだ。それこそが、いつも「イスラム国」に振り付けられる粗雑なイデオロギー的動機を遥かにしのぐ動機であり、陰険とは言わずとも、しっかり考え抜かれた地政学計画に良く似ているのだ。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/07/01/isis-coincidentally-appears-along-chinas-one-belt-one-road/
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見事にだました後、次は「国民ファシスト」党を作るのだろうか?

「街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋」の下記記事を拝読しながら、これを報じない大本営広報部にあきれている。こういう連中と組むオカルト宗教政党も、救いがたい連中ということだろう。仏罰はいつ下るのだろう。

都民ファースト代表野田数のヘタレな日本国憲法無効論はこれ

モリ、カケには、更に続きがある?日刊IWJガイドの一部をコピーさせていただこう。「国家戦略特区」なるしろもの、全くとんでもない。郭洋春教授の『国家戦略特区の正体』を再度拝読中。

 都議選での歴史的な敗退によって、安倍政権に対する国民の信任の崩壊が、誰の目にも明らかになる中、「森友学園・加計学園問題」に続く、第3の学園問題が浮上してきました。千葉県成田市の国家戦略特区に設立された国際医療福祉大学医学部の疑惑です。

 昨日、民進党の「加計学園疑惑調査チーム会合」は岩手医科大学の小川彰理事長との会合を実施。会合は記者には非公開でしたが、終了後、座長を務める桜井充議員から、ブリーフィングが行われました。そこで桜井議員は、成田の国家戦略特区に新設された国際医療福祉大学の医学部をめぐり、裏で政治的なやりとりが行われていたことを裏づける証拠が出てきたことを明らかにしました。

 出てきた証拠とは、2014年10月1日に行われた「東京圏国家戦略特区会議第1回」の議事次第で、そこには、国家戦略特区担当の石破茂内閣府特命担当大臣(当時)と、舛添要一都知事(当時)、小泉一成成田市長ら、阿曽沼元博・瀬田クリニックグループ代表とともに、国際医療福祉大学の高木邦格理事長(代理:矢崎義雄総長)が出席者として明記されています。設置事業者の公募が始まる2015年11月12日よりも、前の話です。

 さらに、公募以前に行われた内閣府、文科省、厚労省の会合では、国家戦略特区での新設医学部は「一般の臨床への養成を主たる目的とする医学部とは異なる医学部にする」ことが決定されたはずなのに、今年3月27日付けで、千葉県と国際医療福祉大学が、「地域医療に貢献する人材を育成(=一般的な医学部と同じ)」することを協定で取り交わしていたことも明らかに。

 「国家戦略特区」を隠れ蓑にした安倍政権による一部の学校法人への「優遇」は、どうやら安倍政権の「腹心の友」加計孝太郎氏率いる加計学園だけではないようです。IWJは昨日の民進党のブリーフィングを中継配信、ことの重大性に鑑みて、夜10時30分から緊急再配信もしました。お見逃しになった方はぜひ、以下よりアーカイブをご視聴ください!また、記事内の会員限定ページには、民進党が配布した資料を全文公開しています。ぜひ、この機会に会員登録もお願いいたします。

※スクープ! 国際医療福祉大学医学部に新疑惑! 認可前から国家戦略特区会議に同大学経営者が参加! 石破氏、舛添氏らも同席~民進国対委員会と岩手医科大学・小川彰理事長会合後のブリーフィング 2017.7.4
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/387698

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コメント

お疲れ様です!
毎日解り易い翻訳記事をどうもありがとうございます!!

しかしアメ公はバカですなー相変わらず、、、
バローチ過激派が動かないからCIAがやったんでしょうが、中国政府も派遣側もその程度屁では無い。むしろ「警告ありがとう!」くらいにしか思っていない。
計画が進んでからやられた方が実害は出るわ、警備範囲が酷くでかくなるので現地は慎重になるわ、で、やったアメ公側のほうがダメージがでかい。

アメリカはサウジにせかされ、という言い訳を自分たちにも信じ込ませようとしているだろうが、
アメ公NWO自体が狂っているので「我慢ができない」体質。

アフガン(NATO軍)、バルチスタン(パキ、米軍)、紅海側(サウジ・湾岸諸国・米軍)からイランに攻め込みたいのだろうけど、
その3正面にするリスクは、アメ公側のほうが余程でかい。馬鹿でもわかるんだが、アメ公にはわからんだどうけど、、

見てみたい気もする
どれだけアメ公がせん滅されるのか?を。

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