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2017年7月23日 (日)

ISIS司令部、財政支援と徴募でフィリピン過激派のマラウィ占拠を支援

公開日時: 2017年7月21日 13:16
RT


2017年6月29日政府軍が フィリピン、マラウィ市で、マウテ集団武装反抗勢力に対する攻撃を継続する中、フィリピン軍空爆の後に立ち昇る煙。Jorge Silva / ロイター

シリアの「イスラム国」中央軍が、資金調達を手配し、徴募を行って、フィリピンの過激派によるマラウィ市占領をたえず支援していることを新たな報告書が明らかにした。

報告書は、ジャカルタを本拠とするInstitute for Policy Analysis of Conflictが発行したもので「イスラム国」(IS、旧ISIS/ISIL)が東南アジアのテロ集団にどのように支援提供しているかの例をあげている。

一例として、マレーシア出身のIS幹部、マフムード・アフマド博士が、シリアのテロ集団司令部といかに協力して、マウテ過激派が資金を受け取り、フィリピンで領土支配を確保できるようにすべく、世界中で徴募活動をしているか詳細を書いている。

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マラウィのマウテ陣地に向かって前進するフィリピン軍

6月に、AFPは、ISが、この医師経由で、600,000ドル注ぎ込んだという、あるフィリピン軍司令官発言を引用している。報告書は、この博士は“激しいライバル意識にもかかわらず、一時的に団結する”のを支援した、二つの主要インドネシア・テロ集団の仲裁者でもあったとしている。

フマウテ集団の戦士がィリピン南部のマラウィを5月に占領し、マラウィが数週間、連中の手に落ちた後、この最新文書が発表された。

過激派はISの旗を掲げ、彼らの "カリフ領"に新たな地域を樹立したと宣言した。

しかしながら報告書は、ISからの“直接資金提供”は、フィリピン人過激派集団の主要資金源ではなかったと示唆している。ISはウエスタン・ユニオン経由で何万ドルも送金したが、それは主として、現地徴募担当者とフィリピン国内での資金集め支援のためだった。

作戦初期、軍の兵士が、約150万ドルの現金と小切手をマラウィの家で発見したが、家は有名な指導者のもので、資金が過激派の作戦用のものかどうかは不明だ。

ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、マウテ過激派が資金調達のために麻薬売買をしていると非難したが、この主張を裏付ける証拠は示さなかった。

現地での徴募は、2016年に、フィリピン、ミンダナオ島の大学キャンパスで、イスラム教学生団体やカトリック大学や国立大学や工科大学の同窓会を利用して行われていたと報じられている。

“新人は [テロ集団]に忠誠を誓った後、銀行口座を開設するように言われ、そのATMカードは、そうしたカードを何枚も保持している現地細胞の会計担当者に渡される”と報告は詳細を書いている。

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インドネシア‘テロリストプロパガンダ’の懸念で「テレグラム」へのアクセスを阻止

新兵は裕福な家族出身者が多く、“大義のためのかなりの額を寄付”できた。

ISの名による徴募は、イスラム教慈善団体や‘改宗’宗教センターで行われているとされているが、報告によれば、そうした機関自身は必ずしもそれに気がついていない。

30ページの報告書は、占拠されたマラウィがあるミンダナオ島現地調査、フィリピン国内のインドネシア人テロリストに近い人々と行われたインタビュー、「テレグラム」上で盗聴した過激派のメッセージに基づいている。

フィリピン人聖戦士たちが「テレグラム」を通じて、国際ネットワークを作り出し、“戦場からの報告は即座に、英語、タガログ語、アラビア語、トルコ語、ドイツ語とインドネシア語に翻訳される。”と報告書は書いている。

この支援は、近年無数のISに触発された攻撃が起きている、と調査は警告している隣国インドネシアに対するテロの脅威を高める可能性がある。インドネシア政府の懸念は、ミンダナオ島のIS部隊に加わったとされている約20人の過激派インドネシア人が、インドネシア国内で攻撃を行う装備と技能を習得することだ。

報告書は、主要東南アジア諸国に、“フィリピンとマレーシア間の根深い政治不信”で妨げられている警備と諜報情報共有を、強化するよう強く促している。

“2017年7月時点で、例えばマウテの一員、マフムード博士も[インドネシア過激派幹部] バフルムシャも 国際刑事警察機構インターポールのお尋ね者テロリスト‘非常警報’リストに載っていない”ので“地域全体の過激派に関する最新総合監視リスト”が必要だ。

更に読む: HomeNews フィリピン当局は、過激派対応として、イスラム教徒専用IDカードを提案。

とはいえ文書は、現地の領土制圧が、ISに触発された地域中のテロリストの志気を高めたので、第一歩は、依然、マラウィ解放であるべきだと述べている。

“ISIS攻撃が始まった際の、ソーシャルメディアを使ったマラウィの最初の写真公開- トラックの上で、微笑む戦士が銃を高く掲げたものは - 2014年のモスルでの、ISIS勝利の象徴的な写真と同じ衝撃があるように見える。

“彼らは勝利の感覚を共有し、地域のISIS支持者たちの戦闘に参加しようという願望を強化した”と報告書にある。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/397093-isis-philippines-marawi-terrorists/
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選挙のたび憂鬱になる。自分の住んでいない場所の選挙なのに気になっているものがいくつかある。今日の仙台市市長、30日の横浜市市長。

大本営広報部、東京都議会選挙については、自民と新党の対立茶番にうんざりするほど時間をさいたが、仙台、横浜についてはどうなのだろう?投票率があがらないよう、報道を抑えているのだろうか?

植草一秀の『知られざる真実』記事 仙台・横浜市長選で野党共闘候補を勝たせようを拝読。

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  ジャカルタを本拠とするInstitute for Policy Analysis of Conflictが発行した報告書に疑問

  昨日7月22日は日本では夏休み初日となったのであろうか。たまたま入った食堂で現地新聞をいくらか眺めた。それによれば,ベトナム漁民約40人がマレ-シア領近海で密漁をし取り締まりの対象となったという。また同日付けの東京新聞朝刊でバンコク特派員大橋洋一郎氏がミンダナオ島情勢について解説されている(「IS拡散で拠点化 許さぬ 比ミンダナオ島 戦闘長期化」)。
 
  大橋氏記事によれば,「周辺各国が警戒を強めている。中東で劣勢のISが東南アジアに新たな拠点を構築するような事態になれば,地域全体が不安定化する恐れがあるからだ。各国は過激思想の拡大を防ごうと,ソ-シャルメディア規制など多角的な対策を急いでいる」という。
  特に気になったのは,文末の『オーストラリアとニュージーランドを加えた五カ国による対策会議も七月末に開き,地域を挙げた対ISの取り組みを確認する予定だ』という内容。地域の対策会議は必要であるとしても,NZは不必要であろう。NZに「カリフ領誕生」など考えられないからだ。おそらく,英連邦の結束,特に豪州,NZ(CIAの代打),カナダ,英国の諜報機関の連携を対策会議に持ち込みたいのが見え見えである。

 ところで一説に拠れば,脳癌宣告を受ける前に米上院議員J.マケイン氏が5月末に豪州を訪れているが,シリア紛争(アメリカ軍による侵略)直前,マケイン氏がISIS首領たちと会っていた。つまり,紛争の起こるところ「戦争大好き」のマケイン氏が現れる。かくしてインドネシアからのISIS要員が豪州・パブアニュ-ギニア経由でミンダナオ島入りしたことも憶測できる。なぜなら,観光目的でオーストラリアを訪れた客達の失踪も後を絶たないそうであるからである。

  さて本翻訳記事や大橋氏記事を読むと,ISIS要員は,先日のコメントの500名乃至700名の半分以下であることが推測される。国籍がわかっただけで「少なくても90名」であるから,小生が思いついた「死傷者の法則」によれば,その3倍の270名が次の数字である。この数字を超えた人数が報告されれば,次は800名程度が次の数字となるだろうと,予測している。
  いずれにしても,最初にでた数字500名は,2つの記事が指摘するように,フィリピンISISに参加を募る誇大数字である。しかし,カリフ国の首都ラッカ市(シリア)のISISの勢いは,今や風前の灯火である。トラック(ハイラックス)に乗ったIS兵士とその旗を靡かせた写真を「テレグラム」で世界に払撒いたとしても,フィリピンISISの末期はラッカ市やイラクのモスル市のISISと同じことになる,ことを連想させる。現にデュルテル大統領はロシアと一種の軍事同盟を結んだ。

 150万米ドルが見つかったようだが,サルマン国王ご一行が運んだのは,中東のISIS要員ばかりでなく「現金」でもあったのかも知れない。しかしこの報告書は,サルマン国王もC.カ-ルヴィンソン号もISIS要員を運んだとは指摘していない。ただインドネシアの過激派がフィリピンにISISを送ったことが強調されているだけ。20人送ったとしても,90人(高橋氏記事)を説明しない。

  ところで,びいとるさいとう氏は,次のようなコメントを本欄に投稿されている(2017年6月19日 (月)翻訳『ISISとアメリカ特殊部隊によるフィリピン粉砕で絶体絶命の 'ダ-ティ・ドゥテルテ'』)。3つほど挙げると,
  1.・・・フィリピンも大変な状況に晒されているとは,これは非常に難しい局面ですね。
  2.やはり属国が宗主国を裏切る行動を示すと怖いですね。
  3.艦船も航空機も持たないISISがミンダナオ島に出没するには米軍の輸送力が不可欠,となると,北の脅威はこれを隠す為だった?

  [1.]はその通りだと思う。[2.]はそうでもないと思う。米国は宗主国英国から独立した。今や米国は英国の覇権を奪った。おそらく沖縄は日本国から独立する事もありうるがそのときは,『怖いですね』が当てはまるだろう。[3.]さいとう氏は米軍がISISを輸送したことを認めている。小生もそう思ったが,サルマン国王ご一行に言及していない。
 他方,先週やり取りした米海軍将校はサルマン国王ご一行がISISを運ぶ可能性を認めている。いずれにしても何が真実かは,小生にはさっぱり分からない。素人床屋談義の域を出ないが,ISIS渡比は,豪州・パプアニュ-ギニアに加えてベトナム経由も可能であることが分かった。

  フィリピンがISになぜ狙われたか。ヴォルチェク氏も指摘するように,現大統領デュルテル氏が軍産複合体の手先であるオバマ元大統領を罵り,酷く嫌い,今日なおトランプ大統領の白亜館への招待を断っているからである。彼にとってアメリカ合衆国とは‘ヒドイlousy‘国で,フィリピンが独立国である事を無視し,属国扱いしている。
 報告書が指摘するように「インドネシア政府の懸念は,ミンダナオ島のIS部隊に加わったとされている約20人の過激派インドネシア人が,インドネシア国内で攻撃を行う装備と技能を習得することだ」というのは,過激派インドネシア人が本国に舞い戻ることになるから,カリフ領建国とは矛盾する。しかも装備と技能を習得するのはフィリピンである必要はない。マラウィ市の近くはもちろん,米軍は至る所に居るからでもある。
  この報告書公表の狙いは,ISISに関する情報交換システムを五ヶ国で構築し,米軍がその情報を利用してフィリピンのIS共鳴者を肥大化するのを助けることにあるのではなかろうか。すなわち,この報告書には疑問を呈さざるを得ない。

追記:「メディアを信じてはいけない」というのが植草一秀氏の教えである。びいとるさいとう氏は4.都議選も期待できないでしょうね,と主張されていたが,これはほとんど外れ。メディアに欺されず,少なからぬ人が自民党議員54人を23人に減らした。
  しかし,横浜市長選や仙台市長で勝たねばならないというのは,メディア論ではなく,政治的希望である。しかしまた自民党や公明党は,修正が早い。故評論家加藤周一が言うように,自民党政治は,座頭市型政治である。どんな危機が来るかは「予測できない」が,森友8億円値引き問題や加計・獣医学部問題発生では太刀の捌きは素早く,「記録文書・メモは廃棄しました。記憶にありません,怪文書だ・・・」と答弁を統一し,特捜の手が伸びないようにはぐらかしている。明日の24,25日の集中審議も乗り切るだろう。
 したがって問題は,都議選ではメディアに負けず,自民党議員を落とした勢力が横浜や仙台にたくさんいると考えることである。国政選挙と都議選が異なるが如く,都議選と地方選とは異なる。負けることもあることを覚悟せねばならない。自民・公明党陣営は態勢を直ちに立て直すであろう。故に野党にとっては,負けたときの衝撃も大きいから,勝ったら望外の喜びと感じる方が次の総選挙に向けた心構えとしては望ましいのではないだろうか。

追記2:藤永茂先生は,過激派ISがなぜもかくも残虐になるのかを解明する論考(ディラー・ディリク著)を紹介していらっしゃる(『謎の答えを一口で言えば、現代社会に生きる若者たちに覆いかぶさっている閉塞感、疎外感、無力感がその原因でしょう』,ISの最後の謎が解けた(2)-「私の闇の奥」)。この報告書には「(IS)新兵は裕福な家族出身者が多く、“大義のためのかなりの額を寄付”できた」とある。つまり,貧困であれ,裕福であれ,閉塞感,疎外感,無力感といった感情が若いISをして残虐にさせたことになる。
  昔先輩から,ゲバ棒を振るった某防衛産業の御曹司もいたという話を聞いたことがある。ムスリム500万人のフィリピン南部の僅かな裕福な若者も,1960年代末の裕福な家庭の若者もそうなのであろうか。

(なお,この拙文は22日20時過ぎに書き終えた。仙台市長選における郡氏の勝利を知らない。IT操作未熟につき送信が遅れてしまった。)

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