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2017年7月

2017年7月31日 (月)

欧米に支援された‘聖戦’の冷酷な力が反抗的なフィリピンに届く

2017年7月22日
Andre Vltchek

一カ月前、欧米が支援するアジアでのテロの複雑なネットワークを暴露する記事を書いた(“ワシントン聖戦エクスプレス: インドネシア、アフガニスタン、シリアとフィリピン”)。1980年代、東南アジア版の過激反共産主義を吹き込まれたインドネシア人とマレーシア人の聖戦士が、ソ連破壊という究極的目的を持って、カルマルの、次にムハンマド・ナジーブッラーの社会主義政権と戦うべく、アフガニスタンに行ったと私は書いた。鍛えられ、更に洗脳されて、彼らは東南アジアの自国に戻り、いくつかの部族間紛争や虐殺(アンボンやポソでのものを含め)に参加し、更に‘世代間のギャップを埋める’べく、結局、シリアで、最近ではフィリピンでの戦闘に参加しておわる若い世代のテロリスト育成に乗り出した。

私の記事は事実満載で、東南アジアの学者、思想家や現在ジャカルタで暮らす現役の著名‘聖戦戦士’に至るまで様々な証言を盛り込んだ。

インドネシアのバンドン市で(パジャジャラン大学- UNPAD)社会・政治学部のイマン・ソレ教授が、欧米が現在、一体なぜ、フィリピンと、現在の反抗的な政権を不安定化させ、中傷するのにとりつかれているのかに関する彼の解釈を語ってくれた。

“第二次世界大戦以来、アメリカは、いわゆる‘ドミノ効果’を恐れていました。ドゥテルテ大統領の下で、フィリピンで起きていることの中には、政府による多国籍採掘コングロマリットの活動制限があり、欧米はそれが許せないのです。フィリピンは、環境への配慮を、短期的利益より優先しているのです! インドネシア国内と東南アジア中の何百万人もの左翼活動家にとって、ドゥテルテ大統領はお手本です。”

欧米が、そのような‘まずい模範’を残虐かつ断固懲罰するのは誰でも知っている。

ソレ教授はこう続ける。

“こうしたことが起きているのは、フィリピンを‘不安定化’するためだけでなく、フィリピンには‘助長’が可能な紛争地域があるせいでもあると思います。好例は、イスラム教徒が圧倒的多数のミンダナオ島、対 それ以外のカトリック教徒が圧倒的多数の国、フィリピンです。”

聖戦戦士連中は、カリフ領の設立を夢想しており、‘カラー革命’風政治家、いくつかの‘果てしない紛争’、‘活気ある市民社会’や欧米の支払い台帳に載っているNGO。(何十年間も欧米の従順な植民地)フィリピンにはそれが全部揃っている。連中の唯一の目的は、フィリピンを不安定化し、マニラ・マラカニヤン宮殿の現政権を打倒することだ。

*

長たらしく細々と説明した後で、最終的に、いまだに戦争で破壊されたマラウィ市を訪れる許可を得た。

軍の護衛隊を提供されて、前線に急送される前、私はサギランの軍基地に、ほぼ12時間、拘留され、軍内部の親米/反ドゥテルテ派に訊問された。テキスト・メッセージで、マニラの連絡相手から、すぐに知らされた。軍幹部の誰かが、包囲された都市で実際に起きていることを私に目撃されたくなかったのは明白だった。

私がようやくマラウィに到着して、反ドゥテルテ派の人々が私を止めたがった理由がはっきりわかった。現地のほとんどあらゆることが、欧米や、現地の従順なマスコミが大衆に見せたがっていることはまさに正反対だった。

事態は私が予想していたよりも、遥かに、遥かに良かった。

地域に課された戒厳令は‘穏健で’合理的だ。軍幹部からの行政に対する干渉はほとんどなかった。何万人もの国内難民を助ける救援作戦は、良く組織されており、困難な状況を考えれば、きわめて効率的だ。

軍は市の中心部約一平方キロに立てこもったテロリストと戦うのに集中していた。それ以外のマラウィは解放され、ほとんど無傷だ。家の約20-30パーセントが破壊されたか損傷されたというのが私の推測だが、無数の膨大なマスコミ報道は“市全体”あるいは“市の大半”が廃墟と化したと語っている。

私は現地に行き、戦闘の中心部まで見たので、私はこの全てを証言できるし、私がここで主張していることを実証する写真証拠を私は持っている。

何人かの国内難民(IDP)と話し、依然マラウィや周辺地域で暮らしている一般市民とも話した。ラミロ・レイ准将(ラナオ統合任務部隊のトップ)や、ジョー-アル・ヘレラ中佐を含む軍高官と会い、戦場の状況に関する質問責めにした。私は一般の兵士と移動し、病院や救援センターを訪問した。

レイ准将は(現在、戦場の司令部にもなっている)マラウィ市役所での会談で、こう説明してくれた。

“ISISは、ミンダナオ島に彼らの国家を樹立したがっています - イスラム・カリフ領 - まさに、ここ南ラナオ州に。”

”5月23日に、テロリストの隠れ家があるという報告がありました。我が軍が攻撃し、銃撃戦となった際、テロリストが既に地域全体を占領しているのを知って驚きました。後に、証拠を検証し、ビデオを見て、テロリストが、実際、マラウィ全体を、5月26日、ラマダン開始までに占領する計画だったことが分かりました。戦闘は、23日終日続きました。あの日、我々が失敗していれば、状況は遥かに悪くなっていたでしょう。しかし、わが軍はマラウィの大半を解放し、テロリスト部隊はアグス川の東に撤退せざるを得ませんでした。”

戦争は残虐だ。テロリストによる殺人が行われている。国内で退去させられた人々が、ISISが、検問所を設置し、住民をイスラム教徒と異教徒に分けたと言った。非イスラム教徒は即座に殺害されたか、人質にとられ、今も人間の盾として、使われている。

“マラウィの至る所に犠牲者の遺骸があり、焼ける太陽にさらされて腐敗していました”とイマ・ミンバラワグが語ってくれた。“犬に食べられているものもありました。”

5月23日以後、事態は急激に悪化し、何万人もの現地住民が、ミンダナオ島や国内で、安全な避難場所を求めて、家からの脱出を強いられた。

“テロリストは、捕らえた女性たちを性奴隷として使い始めました”と、サギアランの仮設軍事基地の前に立って、マルヴィン・リグタン少佐が説明し、丘を超えて、マラウィ市内のテロリスト陣地に向けて、耳をつんざくような榴弾砲の一斉射撃が行われていた。

マラウィ戦争のあらゆる悲惨さにもかかわらず、様々な現地市民が、明らかに誤算して、紛争が始まる前、ISISとつながるテロリストに対し、本格的な支援をしていたことが分かった後でも、軍は残虐な戦術を使うのを拒否している。

ジョン・マーク・シルヴァ・オニピグ大尉はこう説明してくれた。

“ISISに所属している連中は、テロリストというだけでなく、犯罪人なのです。連中は麻薬を売買しています… しかも、一部の現地人は知っていたのです… 実際、現地人は非常に多く知っていたのです。彼らは、これが始まるずっと前から、地域でのテロリストの存在を知っていたのですが、当局には決して報告しなかったのです。”

“一体どうやって、それだけ多くの兵器を入手したのですか?”私は知りたかった。

“フィリピンでは、金を持っている連中は闇市場で好きなだけ兵器が買えます.”

*

マラウィの戦いに、外国人戦士が関与していることを、何人かの軍幹部が、公表前提、あるいはオフレコで、確認した。

“隠れ家の一つで、インドネシア、マレーシアと、いくつかのアラブ諸国が発行したパスポートを発見しました。”

ミンダナオ島出身の、教育者で、著名なソーシャル・メディア・ジャーナリストで、親ドゥテルテ活動家の、ドレイ・トレド氏は、マレーシアとアメリカ合州国を非難している。

“マレーシアは、ミンダナオ島中に、カリフ領を広げ/復興することで、自らの利益に役立たせることを狙っているのです。マレーシアは、ミンダナオ島を果てしない混乱に陥れるために、1968年以来、不安定化に直接資金を提供しています。それは我々が、石油が豊富なサバ州を取り戻すことが決してできないことを意味しますから、マレーシアは、ミンダナオ島が恒久的な混乱・紛争状態にあることで恩恵を得られるのです。”

“アメリカ合州国にとっての主な関心は、中国の‘一帯一路’(OBOR)体制が間もなく最終的に完成するので、フィリピンと領海の支配を維持することです。フィリピンは最終かつ最も重要な積み替え地点なのです。”

アメリカにとっては、あらゆる手段で、いかなる代償を払っても支配力を維持するのが狙いだ。マレーシアの一部の連中にとっては、ミンダナオ島でのカリフ領樹立だ。無数のインドネシア反共産主義聖戦士にとっては、この地域のあらゆる左翼に対する果てしない戦いだ。

その結果が、マラウィ、実際には、ミンダナオ島至る所での大変な苦難なのだ。何十万人もの男性、女性や子供が家を追われ、何百人もの人々が殺害され、残虐で耐えない貧困に苦しんでいる。

わずか一年少し前に政権を握ったに過ぎないドゥテルテ大統領は、貧者側に立って、大きな変化を実現することに成功した。だが、彼は現在、大変な圧力を受けている。

彼は、初めから、マルクス主義ゲリラや、ミンダナオ島での更なる自治を要求しているイスラム教徒や、そして、もちろん中国との和平合意に達しようとしていた。

この戦争は、彼の善意に対する大きな試練になっている。だが欧米や現地の反政府宣伝屋が何を言おうと、彼が成功裏に切り抜けるのは疑いようもない。

軍トラックの後部に乗っていたので、大人や子供が、何の恐れもなく、手を振り、敬礼しているのを見た。現地の人たちと打ち明けて話したが、 彼ら全員、軍が聖戦士に勝利することを願っていた。

事実上、軍事作戦を担当しているレイ准将は、私にこう説明した。

“この戒厳令と、フェルディナンド・マルコス統治時代に課された戒厳令の違いは、現在、軍隊が主に、実戦に携わり、一般市民を支援している。地方当局幹部の仕事には全く干渉しません。彼らには、これまで通り仕事をするよう奨めており、私の支援が必要な時にだけ、私に連絡するように言っています。私はこの地域を支配してはいませんし、支配するつもりもありません。”

現地当局者たちに確認したが、准将の言葉を裏付けるものだった。

何人かの救援ボランティアにも確認し、マニラは支援のためにできる限りのことをしていると聞いた、支援し損ねている場合は、善意の欠如ではなく、単に資源が足りないためだ。

発射されるものと、飛来するもの、両方の榴弾砲と、空軍による聖戦戦士の陣地への爆撃を目撃したが、いずれも明らかに、標的を狙ったものだった。

これは本物の戦争で、戦争というものは、決して100%パーセント“きれい”ではない。だが、この戦争は、可能な限りきれいだと、世界中のあらゆる場所で何十もの戦争を目撃し、報道した経験から、私は自信をもって言える。

これと逆の主張は、あからさまな反政府プロパガンダを広めるか、無知の印か、その両方だ。だが、プロパガンダこそ、まさに欧米や、親欧米の現地マスコミやNGOがフィリピンと世界中に振りまいているものなのだ。

*

私は、マラウィに入りこめ、戦闘の影響を自分の目で見た極めて稀な外国人の一人だ。ところが、市の近くにさえ行ったことがない何百人もの欧米の記者連中が、状況について、絶えず自分の目で見た報道であるかのように話し、書いている。連中の敵対的な意図は明々白々だ。

現地と外国人の聖戦戦士は、フィリピンという国にも、この都市にも既に大変な損害を与えてしまった。一部の専門家は、マラウィとフィリピンの状況を、外国が火をつけたシリア紛争の初期段階になぞらえている。

だが、マラウィはアレッポではない。ここでは、軍は断固として行動し、過激派は素早く、一つの狭い地区に封じ込められた。

前線近くで、ある軍幹部から、こう聞いた。

“わずか一日で都市奪還は可能ですが、一般市民が、テロリストによって、人間の盾として利用されているので大変な数の一般市民の死傷者がでるでしょう。この地域の家は非常に頑丈です。家々は2-3階建てで、ここでは、’リド’と呼ばれる、何世紀にもわたって続いている残虐な家族間の確執が絶えないので、要塞化されています。”

軍が正面から攻撃すれば、何千人もの一般市民が命を失うことになろう。マニラ内にも、マラウィ現地にも、そのような大虐殺を望んでなどいない。だから、戦争が長引いている。テロリストの陣地は爆撃されている。脱出し、川を渡ることだできた人質たちは素早く避難所に連れて行かれる。テロリストが支配している地域は、完全に封鎖されている。ISISとつながる過激派が、弾薬や食糧や両方が早々に尽きることが希望だ。

マラウィは、その大半、欧米帝国主義が直接あるいは間接に引き起こした残虐な宗教テロ行為という恐怖の既に長大な本の新たな一章に過ぎない。非宗教的な社会主義イスラム政権との戦いの第一波で、欧米は、イラン、エジプトとインドネシアを不安定化した。次がアフガニスタンの‘策略’、更に、イラクとリビアの超残虐的破壊が続いた。次はシリアの番だった。

‘聖戦’は、ロシアや中国や旧中央アジアのソ連共和国に対し、一貫して利用されている。

私の840ページの著書“帝国のウソを暴く”でこうしたことを全て書いたが、欧米が行う犯罪に完全に追いついていられるほど十分素早く書くのは不可能だ。

特にアフガニスタンやシリアのような場所の宗教紛争への欧米の関与を指摘する方が容易なことが多い。フィリピンの場合は、つながりは依然間接的で、うまく隠されているが、確実に存在しているのだ。

欧米の帝国に逆らうのは、常に代償の高い、殺伐たる行為だ。ワシントン、ロンドンやパリが後援するクーデターや、直接の軍事紛争、介入や、全面戦争にさえ至ることが多い。

だが今や、フィリピン国民は‘我慢の限界’なのだ。彼らは従順でいるのには、もううんざりなのだ。沈黙したまま、略奪されるのはもう沢山なのだ。彼らは大統領を支持して集まっている。ドゥテルテの支持率は、いまだに75%付近だ。軍が、鍛えられた現地や外国の聖戦士に対して勝利しつつあるのが明らかだ。救援活動は効果的で、良く組織されている。事態はうまく行っている。

わずか一年で、フィリピンは正反対に変わった。何十年もの中で初めて、大きな希望があらわれている。解放された大衆の意思を挫き、フィリピン国民にんを強制して再び跪かせるのは困難で、たとえ聖戦テロが残虐にしかけられたとて、おそらく、ほぼ不可能だ。

アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、革命小説『Aurora』や他の本を書いている。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2017/07/22/cold-arm-of-jihad-sponsored-by-the-west-is-reaching-rebellios-philippines/
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植草一秀の『知られざる真実』横浜市長選与党勝利に最大大貢献したゆ党民進党

日刊IWJガイドの一部を引用させて頂こう。

 民進党は自主投票にまわりましたが、7月27日、林候補の選挙カーの上に立つ弁士、山尾志桜里衆議院議員の写真がSNSにアップされると、これを見た人たちは騒然、「山尾ショック!」とも言うべき衝撃が広がりました。

 山尾議員と言えば、国会で「保育園落ちた日本死ね!!!」のブログを取り上げ、待機児童の問題を広く世の中に知らしめた功労者。山尾議員が事務局長を務めた「民進党待機児童対策プロジェクトチーム」では、「隠れ」待機児童数を含めた実態把握に務めるため、全国統一の基準で集計するべきだと政府に訴えてきました。

 横浜市では2010年に待機児童が全国最多の1552人となりましたが、林市長は従来の「待機児童」の定義を変更することで待機児童数「ゼロ」を達成したと発表。この数字の裏には、「育休中」や「求職活動休止中」などの「隠れ」待機児童数を含めると、その数は3259人にまで膨れ上がるという「カラクリ」があることがわかっています。

 山尾議員が、こうした「カラクリ」で市民の目をごまかす林市長の応援に入ったことは、山尾議員に期待を寄せていた若いママさんたち、特に保育園に子供を預けることができない子育て中の親御さんたちに大きなショックを与えたに違いありません。

 「山尾ショック!」の大きさは、待機児童問題だけではありません。林市長は、選挙前までカジノ誘致に積極姿勢を見せ、「育鵬社」の教科書採択を推進、全国的に中学校給食が当たり前になりつつある中、「家庭弁当」を基本とする決定をして、中学校給食の導入には消極的な姿勢を見せてきました。

 横浜市は、安倍政権きってのカジノ推進派である菅義偉官房長官の地元でもあります。その安倍政権が「加計学園」問題で信頼を失墜して、菅官房長官自身がマイクを握れずにいる中、なぜ、民進党の山尾議員が応援に駆けつけたのか、甚だ疑問です。

 IWJは7月29日、横浜駅で演説を行った伊藤候補の選対部長を務める民進党・真山勇一議員を直撃。真山議員は、自身も山尾議員の行動にとてもショックと怒りでいっぱいであるという胸の内を明かし、愛知県出身の山尾議員は、トヨタなど労働組合の関係で連合との関係が強いのが一つの要因ではないかと分析。さらに、「伊藤候補の応援演説を依頼したのに、山尾議員から断られていた」という事実も明かしました。

 真山議員への直撃インタビューは、以下の記事にまとめていますのでぜひ、ご一読ください。

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※横浜市長選で林文子氏の応援に駆けつけた民進・山尾志桜里議員の「山尾ショック!」について伊藤大貴候補選対本部長・真山勇一参議院議員を直撃!~「こんな党じゃ政権なんて取れない」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/393958

2017年7月30日 (日)

新たなロシア経済制裁法案はワシントン犯罪行為の金字塔

2017年7月28日
Paul Craig Roberts

アメリカ合州国議会は下院も上院もほぼ満場一致で、関係を正常化し、ロシアとの紛争を避けるより、アメリカ大統領を粉砕し、核戦争の危機を増すことを議会が選ぶこと明らかにした。新経済制裁可決は、上院、下院両院で 大統領の拒否権を覆すのに必要な三分の二を遥かに超える賛成で通過したのだから、トランプ大統領が法案に拒否権を行使するのを無意味にした。トランプが、唯一拒否権行使で実現できるのは、彼がウラジーミル・プーチンと結託しているという濡れ衣を証明することしかない。

新経済制裁法案は、二つの主要核大国間で高まりつつある緊張を緩和する可能性を排除するものだ。これは、戦争の脅威を減らしたり、経済制裁を巡って、ヨーロッパとの関係解消を避けたりすることに、議会が何か関心があるとしても、強力で豊かな軍安保複合体から選挙献金を集め続け、アメリカ・マスコミがあおっているロシア憎悪の強化に努めることに、議会はより大きな関心があるということも示している。

アメリカ議会によるこの無謀で無責任な行動で、アメリカ外交政策の主な要素として、ワシントンが意図的に、ロシアとの対立を選んだことをはっきりと示したのだ。おそらく、今ロシア政府は、ワシントンとの和解が実現可能だという大切な幻想を放棄するだろう。私が何度も書いてきた通り、ロシアが、ワシントンとの和解を実現できる唯一の方法は、降伏して、アメリカ覇権を受け入れることなのだ。この明白な事実に、ロシア政府がこれ以上抵抗すれば、ロシア指導部の危険な妄想を示すことになろう。

外交儀礼と国際法の違反を隠すために、議会が選んだイチジクの葉は、アメリカ大統領選挙で、トランプのためにロシアが干渉したというに間違っていることが証明されている主張だ。ある元アメリカの諜報機関職員の組織が最近、ロシアによるコンピューター・ハッキングとされるものに対して科学的捜査を行い、結論は、ハッキングなどなかったというものだ。内部漏洩があり、漏洩されたものが装置にコピーされ、ロシアの“指紋”が付け加えられたと発表した。ロシアによるハッキングを示す科学捜査上の証拠は皆無だ。

英語原文 http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/24/conspiracy-remove-trump-presidency-paul-craig-roberts/ 日本語訳 

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全てがでっちあげで、ロシア・ハッキングを主張している連中全員それを知っている。ロシアによるハッキングという主張と、1939年の“昨夜、ポーランド軍がわが国境を越えた”という彼のポーランド侵略を覆い隠すためのイチジクの葉であるヒトラーの主張の間に違いは皆無だ。

国際法違反と、意図的にロシアと、EUとアメリカとの関係を悪化させるのを正当化するため、議会が露骨な見え透いたウソをついていることが、ワシントンが、ロシアとの紛争を激化させると固く決意している証明だ。更なる虚偽の主張、更なる悪者扱い、更なる脅威を予期しておこう。

戦争は起こり得る。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/28/new-russian-sanctions-bill-washingtons-monument-criminality/
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「外国人記者は見た」の村上誠一郎氏、かつての良き自民党代議士の鏡。毎回ながら感服。

横浜市長選挙、恐れていた通りの結果。東京が、とんでもない結果になったことを考えれば驚くべきことではない。市民ファシスト。次は国民ファシスト。

よこはま たそがれ
カジノの小部屋
賭け金 残りが タバコの煙
育鵬 待機児 市民の涙
あの人は受かってしまった
あの人は受かってしまった
もう先はない

ロシアとの紛争を推進するべく、脇に追いやられるトランプ

2017年7月26日
Paul Craig Roberts

更なる経済制裁を課し、オバマ大統領が課した経済制裁を取り消すトランプ大統領の権限を剥奪しようという愚かな法案で、議会は一体何をするつもりなのだろう?

議会は二つのことを行っている。一つは議会は、でっち上げの脅威を維持するため、ロシアに対してきつくあたることで、軍安保複合体連中という選挙運動資金献金者のために働いているのだ。そこで、アメリカ国民は、医療用の資金を見出す場所として、膨大な軍/安保予算に目をつけないようにさせられ、医療を拒否される。

もう一つは、トランプ大統領を閉じ込めることだ。もしトランプが、この大統領権限侵害に拒否権を発動すれば、議会と売女マスコミは、拒否権を、トランプが、ロシアの手先で、彼の拒否権で、ロシアを擁護している確証だと言うだろう。もしトランプが、法案に拒否権を発動しなければ、トランプは敗北を認め、ロシアとの危険な緊張を緩和できないことを受け入れることになる。

言い換えれば、法案はトランプにとって利益皆無だ。ところが、共和党は、この法案を支持して、自分たちの大統領を傷つけている。

昨日、でっち上げのヤラセNPR番組“All Things Considered(=「総合的にみると」)” (NPRは、決して総合的にみることはない)での二人の女性のインタビューを見た。トランプが、間違って、司法長官に任命したジェフ・セッションズへの失望を表明したことに焦点を当てるプロパガンダ番組だった。

トランプがセッションズを任命した際、民主党も売女マスコミも怒り狂った。セッションズは“不適格だ”“人種差別主義者だ”云々。ところが今やセッションズは、売女マスコミと民主党のヒーローだ。トランプの“ロシア工作員”容疑を、たまたま、反トランプの既存支配体制のメンバーである特別検察官によって捜査することの正当化についての疑問で、彼はトランプを裏切ったので、連中は彼をひいきにしているのだ。

言い換えれば、かつて既成支配体制によってうちのめされたセッションズは、恐ろしくて仕事ができないのだ。

言い換えれば、トランプは、私が想像した通り、閣僚を選ぶ際、自分が何をしているのか分かっていなかったのだ。

そこで、彼は自らの無知ゆえに、今苦しんでいる。

NPRの二人の女性によるヤラセ・インタビューの要点は一体何だったのだろう? 要点は、セッションズは、トランプと違い、法の支配を尊重するが、トランプは自らの罪を隠蔽するために法を曲げることも辞さないことだ。インタビューは、二人の女性が、そうとは直接言わずに、トランプがセッションに怒っているのは、トランプが何らかの違法な“ロシアとのつながり”のかどで有罪である証明だと言わんとするよう仕組まれていた。

言い換えれば、入念に仕組まれたあてこすりだったのだ。誰があてこすりを組み立てたのだろう? NPRの女性たちは、台本を読んでいたに過ぎない。

私の知るかぎり、トランプ政権内には トランプに忠実な人間や、ロシアを挑発するのを止め、中東でイスラエルの軍事力役であるのを止めるというトランプの取り組みを進んで支持する人物は皆無だ。私の知るかぎり、民主党のみならず、共和党も、正当ではない人々-ヒラリーの表現を使えば“みじめな連中”の投票で選ばれたのだから、トランプの当選は正当ではないという左翼の見解を支持している。

“惨めな連中”とは一体誰だろう?彼らはアメリカ労働者階級の残存者だ。彼らは、より安い労賃による、より多くの利益によって、株主と幹部を富ませるため、その雇用がアメリカ・グローバル企業によって、アジアに海外移転されてしまった人々なのだ。彼らは、何とかやりとりするため、不足する収入の代わりに、借金に頼らざるをえず、借金が余りに多いため、可処分所得がない。非常に多くのアメリカ国民は、個人財産を売らなければ、わずか400ドルさえ手にできない。

言い換えれば、彼らはアメリカの破壊された中産階級からの難民なのだ。

トランプは、彼らを破壊した金持ちに対し、彼らのために立ち上がったのであり、金持ち連中は今や、トランプを破滅させようとしている。

これは良い教訓になる。以後アメリカ合州国では、誰もアメリカ人をあえて応援しようとはしなくなるだろう。もはや、アメリカは、アメリカ人のものではなく、世界は世界の人々のものでない。アメリカと世界は1パーセントのものなのだ。他の誰のものでもない。ロシアと中国とイランは邪魔をしているので、これらの国々はワシントン攻撃対象リスト上にある。

毎回、逆の結果になっているにもかかわらず、ワシントンと合意に至れると、ロシア人が信じ続けているのを見るのは心が痛む。この非現実的な希望はロシアを破壊しよう。ロシア政府は藁を掴もうとし続けて、油断してしまうのだ。

ワシントンとの様々な協定が宙ぶらりん状態になったままという長年の実績の後に、ワシントンとの協定に、何らかの価値があるとロシア政府が信じられるというのは実に驚くべきことだ。

おそらくロシアは、ワシントンで彼らが直面している悪に気がついている。おそらくロシアが外交を強調しているのは、ワシントンが彼らにしかけようとしている戦争の準備が済むまで、時間稼ぎの手段に過ぎまい。

偉大な素晴らしい松明、つまりワシントンの民主主義、“例外的な”国民と“必要欠くべからざる”国の政府としても知られているものは、尊大さと傲慢さの中に消え、地球上の生命を破壊することに疑問の余地はない。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/26/trump-moved-aside-conflict-russia-can-proceed/
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横浜市長選挙の日。横浜市教育委員会は、育鵬社の歴史・公民教科書を採択している。同じ流れで、市民は、カジノ導入市長を選ぶのだろうか?

都心湾岸地域の地価がバブル期以上の上昇を見せる裏で、日本全体はアベノミクスの「異次元緩和」で空き家が急増!? 岩上安身による『不動産格差』著者・長嶋修氏インタビュー 2017.7.27

を拝聴した。衝撃的な内容。

たまたまほぼ同じ問題を扱っている『東京劣化』や『老いる家、崩れる街 住宅過剰社会の末路』や『滅亡へのカウントダウン』を読んだばかり。しかし、アベノミクスのいんちきさ、深刻な影響、類書は触れていなかったように思う。『不動産格差』、あわてて読み始めた。

大本営広報部呆導番組は決して報じない重要な話題。

2017年7月29日 (土)

グーグルの新アルゴリズム、左翼、進歩派ウェブ・サイトへのアクセスを制限

Andre Damon and Niles Niemuth
2017年7月27日

インターネット独占企業グーグルが、ユーザーが“偽ニュース”にアクセスできないようにする計画を発表して、三カ月で、様々な左翼、進歩派、反戦・民主的権利擁護団体の世界的なトラフィック順位は大幅に下落した。

2017年4月25日、グーグルは“陰謀論”や“偽ニュース”などのグーグルが“質の低い”情報と呼ぶものに、ユーザーがアクセスしにくくするために、検索サービスに変更を行ったと発表した。

同社はブログ投稿で、同社の検索アルゴリズム変更の主目的は、ガイドラインにより好ましくないとされる記事を識別する上で、巨大検索企業が支配力を強化することだ。同社は“より信頼できる記事を表示させる”ため“評価方法を改良し、アルゴリズムを更新した”と主張している。

グーグルはこう続けている。“先月、評価者が適切にフラグをつけられるよう、質の低いウェブ・ページのより詳細な例を提供するよう、検索品質評価者ガイドラインを更新した。”これら管理担当者は、“ユーザーが、一般とは違った視点のものを探していることを、検索要求が明らかに示して”いない限り、“陰謀論”ページを含め“ユーザーを不快にさせる”ものとフラグをつけるよう指示される。

グーグルは“陰謀論”という言葉が一体何を意味しているか詳細には説明していない。偽ニュースという幅の広い曖昧模糊な範疇を利用したグーグル検索システム変更の狙いは、出来事の内容や解釈が、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどの既成支配体制マスコミのものと相容れない代替ウェブ・サイトへのアクセスを制限することだ。

検索結果の最初のページや、二ページ目に出なくなるような形で、特定の内容にフラグをつけることにより、グーグルは効果的に、ユーザーのアクセスを阻止できる。膨大な量のウェブ・トラフィックが検索結果に影響される事実を考えれば、グーグルは、検索ランキングを操作することで、グーグルが反対する記事を、事実上、隠したり、埋めたりすることが可能になる。

先月、欧州委員会は、検索結果を操作し、ユーザーを自社の比較購入サービス、グーグル・ショッピングに不適切に向かわせたかどで、同社に27億ドルの罰金を科した。今、グーグルは、同社が好ましくないと見なす政治的見解に、ユーザーがアクセスするのを阻止するのにこうした犯罪的手法を利用しているように見える。

World Socialist Web Siteは、グーグルの新“評価手法”の標的にされている。2017年4月には、WSWSへの422,460ビジットは、グーグル検索からのものだったのに、今月の推計で、120,000に落ちた。70パーセント以上の下落だ。

“社会主義者”や“社会主義”のような検索用語を使った場合でさえ、グーグル検索で、World Socialist Web Siteを見つけるのが益々困難になりつつあると読者は報告している。
グーグル検索でのWSWSへの参照は、約70パーセント減った。

グーグルのウェブマスター・トゥールズ・サービスによれば、検索で、ユーザーが、World Socialist Webサイトの記事を読む件数は(つまり、グーグル検索で現れるWSWS記事)過去三カ月で、一日467,890から、138,275に減った。一方、検索での記事の平均順位は、同時期に、15.9から37.2に落ちた。

WSWS国際版編集委員会委員長デイヴィド・ノースは、グーグルは政治検閲を行っていると述べている。

彼は言う“World Socialist Web Siteはほぼ20年続いています”“多くの外国読者を獲得しています。今年春、毎月WSWSを訪れる人々は900,000人を超えていました。

“かなりの数の読者は、直接WSWSにアクセスしますが、多くのウェブ・ユーザーは検索エンジン経由でアクセスすることが多く、中でもグーグルが最も良く使われています。文字通り一夜にしての、グーグル検索でやってくる読者数の途方もなく急激な減少に対する正直な説明はありません。

“読者を‘偽ニュース’から守っているというグーグルの主張は政治的な動機のウソです。巨大独占企業のグーグルは、国家機関や、諜報機関と極めて密接なつながりを持っており、検索を誤魔化すシステムによって、WSWSや他の左翼や進歩派のウェブサイトを阻止しているのです。”

グーグルが検索エンジン変更を実施して以来三カ月で、左翼や反戦ニュース・サイトにアクセスする人々は減っている。Alexa analyticsにある情報によれば、ランキングで急激な低下をしている他のサイトには、WikiLeaks、Alternet、Counterpunch、Global Research、Consortium NewsやTruthoutなどがある。アメリカ自由人権協会やアムネスティー・インターナショナルのように著名な民主的権利擁護団体までもが影響を受けている。
様々な左翼、進歩派や反戦サイトが、ここ数カ月、トラフィック・ランキングは落ちている。

グーグル・トレンズによれば 、アメリカ選挙の頃、民主党、既成支配体制マスコミや諜報機関が、ドナルド・トランプがヒラリー・クリントンに対して選挙勝利させた“偽情報”を非難して、“偽ニュース”という言葉の普及度は、11月初めに四倍になった。

11月14日、グーグルとフェースブックが“彼らのサイト上の偽ニュースが大統領選挙結果”に影響した可能性があるという増大する批判に直面し、“偽ニュース”と戦うため対策を講じるつもりだとニューヨーク・タイムズが報じた。

十日後、ワシントン・ポストは“ロシア・ロパガンダの取り組みが選挙中‘偽ニュース’蔓延を支援と専門家は主張”という記事を載せ“ロシア・プロパガンダ”をまき散らす“偽ニュース”サイト・リストを作成したPropOrNotとして知られる匿名集団を引用した。

リストには“左翼”に分類されるいくつかのサイトがあった。重大な事に、World Socialist Web Siteの記事を転載することが良くあるglobalresearch.caも標的にしていた。

反戦、反体制サイトのブラック・リストに過ぎないという広範な批判を受けて、ワシントン・ポストは、こう宣言して撤回を余儀なくされた。“ボストはどのサイトの名もあげておらず、PropOrNotの所見の正当性を保証するものではない。”

4月7日、ブルームバーグ・ニュースが、グーグルは、記事を“事実確認”し、“偽ニュース”を削除するために、直接ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズと作業していると報じた。この後に、グーグルの新検索手法が続いたのだ。

三カ月後、ワシントン・ポストの信用を失ったブラックリストで、“偽ニュース”とされた17サイト中、14が世界的ランキングが下落した。これらサイトの世界的読者数の減少は、平均25パーセント、サイトの中には世界的読者数が60パーセントも減少した。

“グーグルの行為は政治的検閲であり、言論の自由に対するあからさまな攻撃です”とノースは語っている。“既成体制派マスコミに対する大衆の不信が広まっている時に、この巨大企業は 広範なニュースや批判的分析に、大衆がアクセスするのを制限するのに、独占的地位を利用しているのです。”

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2017/07/27/goog-j27.html
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人ごとではない。Paul Craig Roberts氏のものを含め、PropOrNotがリストにあげたサイトのいくつかの記事をいい加減な翻訳で掲載させて頂いているこのブログも、やはり対象になるだろう。リスト発表以前と比較して、相当アクセスが減っている。

Paul Craig Roberts氏の、この話題に関する最初の記事は 真実に対する欧米の戦争

体制派でない、まともな検索エンジン、できないものだろうか。

これから下記インタビューを拝見予定。

都心湾岸地域の地価がバブル期以上の上昇を見せる裏で、日本全体はアベノミクスの「異次元緩和」で空き家が急増!? 岩上安身による『不動産格差』著者・長嶋修氏インタビュー 2017.7.27

2017年7月28日 (金)

バナ・アラベドの利用: アレッポのテロリストを糊塗するため両親が子供を利用

公開日時: 2017年7月24日  14:26
編集日時: 2017年7月24日  22:47
RT

Thaer Mohammed / AFP

シリアに対するプロパガンダ戦争では、子供の利用が当たり前になっている。ところが、両親そのものによる利用は、堕落の最低新記録だ。アレッポの子供バナ・アラベドの両親による利用がそれだ。

2016年12月のアレッポ解放前と後、最も人気のあるアレッポ・ツイッター・アカウントの一つは、欧米のシリア介入を嘆願していた東アレッポのシャール、ジュレト・アッワドのア-ムサラト・アル-カディマ地区で暮らしていた当時7歳のバナ・アラベドのものだ。

オムラン・ダクニシュの利用と同様、バナの言説も、可愛らしい子供を使って、普通なら理性的に考える人々に、見え透いた戦争プロパガンダ言辞を無批判に受け入れさせる。

バナのツイッター・アカウントは2016年9月末に始まり、当初、シリア大統領とロシアに対する反対行動を呼びかけたが、アレッポ東部分を占領しているテロリスト各派に関する情報や言及が徹底的に欠如していた。初期の注目すべきツイートの一つで、ツイートのキャッシュしか残っていないが、バナのアカウントはこうツイートしていた。

“世界の皆様、ロシアとアサドに#アレッポ虐殺を行わせるより第三次世界大戦を始めるほうがましです”

12月13日、停戦合意に達し、政府が確保している部分に残るという選択肢もある、アレッポの東区画から、様々なテロリスト各派や、家族を追放・移送するという撤退合意もまとまった。その日、バナは、アレッポの投稿者たちの振り付けられたように見える多くの“最後のメッセージ”の中で、こうツイートしていた。

“私は世界に東#アレッポからライブでお話しています。これが私の生きるか死ぬかの最後の瞬間です。”

私の名前はバナで、私は7歳です。私は世界に東#アレッポからライブでお話しています。これが私の生きるか死ぬかの最後の瞬間です。- バナ
    - バナ・アラベド (@AlabedBana) 13. joulukuuta 2016年

バナのアカウントは、恐怖を声高にとなえながらも、シリア政府が約束し、守ったおかげで、少女と家族は無事イドリブに脱出した。バナと家族はイドリブからトルコに行き、五月中旬に、トルコ国民になった

私は今トルコ国民です。pic.twitter.com/ov0BMDptSw
    - バナ・アラベド (@AlabedBana) 12. toukokuuta 2017年

現在、フォロワーが369,000人いる、この子のアカウントは、シリアとロシア政府中傷を続けており、世界中の指導者や著名人と親しくつきあっている。タイム誌は、バナを、インターネットで最も影響力がある25人の一人として賞賛した。6月30日、バナ・アカウントのツイートは、彼女の体験記がサイモン&シャスター社から刊行されると発表した。

私の本がサイモン&シャスターから刊行されることを喜んで発表します。世界はあらゆる場所で戦争を終わらさねばなりません. pic.twitter.com/OPJ1tpl5MI
    - バナ・アラベド (@AlabedBana) 12. huhtikuuta 2017年

これは、実に信じられない経験を持った8歳児だ。そして実際、この子は両親によって、戦争プロパガンダのために利用されてきた8歳児なのだ。

どんな食べ物が好きかという質問に“シリアの子供を救おう”と答えた子供が、微妙な、いかにもそれらしい英語文言で、句読点も完全なツイートができるのが到底本当とは思えないことに関する多くのオンライン批判の後、一部のツイートを書いていることバナの母親ファテマが認めた

12月末、ファテマが、以降バナだけがツイートすると約束したものの、信憑性には欠けており、文をつなげるのがやっとの子供が、後でこうツイートしている:

"@realdonaldtrumpへの手紙: お願い、シリアの子供たちのために何かしてくれませんか? もししてくれたら、私は最高のお友達になります。有り難う"

@realdonaldtrumpへの手紙: お願い、シリアの子供たちのために何かしてくれませんか? もししてくれたら私は最高のお友達になります。有り難う pic.twitter.com/rWmgDuBf6P
    - バナ・アラベド (@AlabedBana) 25. tammikuuta 2017年

英語がわからない7歳の子供が書いたと言われる、慣用表現をほぼ完璧に使いこなし、欧米の介入の巧妙な呼びかけまである手紙の信憑性を全く疑わずに、BBCは無批判に手紙全文を掲載した

バナのツイッター・アカウントを批判する人々は戦争プロパガンダの匂いを指摘し、バナの父親ガッサンは、当時の東アレッポのテロ集団とつながっている、あるいは実際、一員かも知れないとも推測している。そうしたツイートの一つにはこうある

“おい @AlabedBana あんたの父さんに、一体なぜ彼がヌスラ戦線やアフラル・シャムの聖戦士とお友達なのか聞いてみな?”

おい @AlabedBana あんたの父さんに、一体なぜ彼がヌスラ戦線やアフラル・シャムの聖戦士とお友達なのか聞いてみな? pic.twitter.com/gAkllzLx45
    - Ali (@Ali_Kourani) 28. marraskuuta 2016年

実際、バナの話には裏があり、観察者たちが推測している以上に、彼女の家族とテロリストとの犯罪行動があることがわかったのだ。

アルカイダ司令部から数メートルの場所でバナを撮影

2017年6月、オムラン・ダクニシュを巡るプロパガンダに対する彼の調査について話し合うためシリア人ジャーナリストのハレド・イスケフとアレッポで会った。バナ・アラベドの利用を調べ、家族そのものと、彼らが一家がその隣で暮らしていて、実際明らかに協力していたシリア国内のアルカイダや傘下のテロリストを糊塗していたことに対する調査の、第一部と、第二部のビデオを彼が公表した後、最近再びイスケフと話した。

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アイランとオムラン: 子供の被害者がシリ
アの戦争プロパガンダに利用されている

調査のため、イスケフは、一家のソーシャル・メディア・アカウントを調べただけではない。彼は、たまたまヌスラ戦線(アルカイダ)司令部からわずか数メートルで、アレッポのアルカイダ主要司令部まで400メートル以下のこの家族の家に行ったのだ

欧米マスコミはガッサン・アラベドを本人の主張通り、一般市民として描きだしている。彼のツイッター経歴には“独立弁護士、テロやISISに反対する活動家”とある。マスコミがいささかでも深堀していれば、これらの主張がウソであるのを発見できたはずだ。

Bellingcatという名で知られる自称“調査”ウェブサイト(ツイッターで虚報を広めるのに#Bellingcrapというニックネームを使っている)が2016年12月、偽ってこう主張した

“...ガッサン・アラベドが、たぶんシヤーリア裁判所で働いていたという主張は、証拠が全く欠けている。”

ハレド・イスケフは逆の事実をあばいている。アラベドの家で、イスケフは、長年ガッサンがテロリストと働いていたのを記録したノートを発見した。ノートによれば(以前、彼のソーシャル・メディア・ページにあった写真と符号する) ガッサン・アラベドは、イスラム・サウファ旅団の軍教官で、2014年まではISISの支配下で、アラベドがそこにいた間は終始、ヌスラ戦線支配下にあった占領された国営眼科病院内のシャリーア評議会で働いていた。シャリーア評議会で、アラベドは、捕らえられた一般市民の裁判で、投獄や暗殺の裁定をしていた。

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アレッポの少女バナ・アラベドのツイッター
・アカウントを巡る疑念

地域の住民たちによれば、ガッサンの父親、ムハンマド・アラベドは有名な武器商人で、シャアルに兵器整備工場を持ち、テロリスト各派のために、軽火器から重火器までの修理をしていた。アラベド銃砲店は、小学校からヌスラ戦線司令部に変わった場所の向かいだったと、イスケフは報じている。

ガッサンと家族は自らを有罪に追い込むような写真を様々なソーシャル・メディア・アカウントから削除したが、イスケフは、一家の様々なアカウントからいくつか保存した。その一枚で、ガッサンは一家の銃砲店の前で、兄弟を含む他の武装した男四人と一緒に、銃を持って座っている。

アラベドの家の文字通りすぐそばにヌスラ戦線がいて、それを作った国連機関さえ“予備的分析であり、まだ現場で検証されていない"と述べている地図へのリンクを糊塗する狙いで、信頼性を傷つけるための何十年もの歴史を誇るCIAによる“陰謀論者”という非難を持ち出す、アラビア語仮名筆者による“誤りを暴く”下手な試みに、イスケフの現地報告は既に見舞われている。

筆者はアラビア語がわからないか、あるいは、おそらく、イスケフ・ビデオの一本目の、ガッサンが、2013年始めから、2014年、ISISがアレッポから追い出されつつあるという報道の前まで、眼科病院内のシャリーア評議会で働いていたとあるガッサン・アラベドのノートから読み上げている部分を見損ねているのだ。

バナのツイッター・アカウントをフォローしてきた人々は、学校に行けなくて残念というのが良く話題なのを知っている。そこで触れられていないのは、ヌスラ戦線を含むテロリスト連中が、地域の他の建物とともに、学校を司令部として使用し、イスケフによれば、バナの自宅付近で、少なくとも20の司令部、東アレッポ中では300以上にのぼることだ。

ガッサン・アラベドは“2012年に旅団が東アレッポを侵略した際、タウヒード旅団にいたアブドゥル・アジズ・マグラビが運営している '東アレッポ評議会市民登録' 部長だったと、あるインタビューで、調査ジャーナリストのヴァネッサ・ビーリーが説明していた。彼はヌスラ戦線の指導者になったのみならず、東アレッポのホワイト・ヘルメット創始者にもなった。”同時にだ。

東アレッポ評議会は“アダム・スミス・インターナショナルや、イテグリティー・コンサルティングなどの組織”経由で、イギリス政府の支払いを受け取っていたと、ビーリーは言っている。“東アレッポの過激派の間で分配するための、直接、効果的な、ヌスラ戦線への支払い”

アラベドの家から、ほんのわずか歩いて、イスケフは、バナ・アカウントのツイートにはなぜか含まれていない元ヌスラ戦線司令部の一つに入った。建物の一階は即席の監獄で、テロリストの旗や、シリアに敵対的な国々からの支援食糧パッケージや、地域のヌスラ戦線戦士の名前と兵器を列挙したノートが散乱していた。

二本目のビデオ報道では、イスケフは、Bellingcatも12月の記事で使っている写真を示している。Bellingcatが、わざわざ調べようとしなかったのは、写真でバナが立っている場所は、アレッポで最も重要なアルカイダ司令部から数メートルということだ。

バナの背後の建物は学校で、テロリスト司令部に転用されていたとイスケフは報じている。バナが立っていたすぐ向かいには、アンサール・アル・シャム、ムジャヒディーン旅団と、ヌスラ戦線の更に三つのテロリスト司令部があった。

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対シリア・プロパガンダ戦争での
子供の利用は続いている

Bellingcatも使っている写真は、バナが感情に訴えるメッセージを語ったビデオからのものだ。“私は悲しいです。とても酷いです。”イスケフは言う。“彼女はここに立って、メッセージを語ったのです...彼女を取り巻く軍司令部を示さずに.”

アレッポと地方向けのヌスラ戦線旧司令部本部は、カメラをくるりと回すだけ(で数メートルしか離れていない)所にあった。

数カ月前に建物の中に入った際、イスケフは、2013年5月22日付けのアルカイダ指導者アイマン・ザワーヒリーから、アブー・バクル・アル=バグダーディー(ISIS指導者)と、アブー・ムハンマド・アル=ジャウラーニー(ヌスラ戦線指導者)宛の手紙を発見したと報じている。

バナ一家が'一般市民' としてそのようなアルカイダ司令部の脇で撮影することなどありそうにないことを、イスケフと話していると、彼はこう言った。 “一般市民に、誰かが、そこで写真/ビデオを撮影できたかどうかを尋ねてみると-そこは(ヌスラ)軍地区なので-全員が言いました。それは不可能だ。アルカイダ司令部近くでは、写真/ビデオは全く撮影できない。すると彼ら(バナのハンドラー)は、一体どうやって、司令部から数メートルでビデオを撮影できたのだろう?”

だから論理的な結論は、バナ一家は、アルカイダとのつながりから許可を得ており、連中の司令部のすぐ横で撮影したのは、問題でないどころか、戦争プロパガンダ・アカウントが開始された狙いの一環だということだ。

2016年10月、デンマークのTV 2が、シリアのバッシャール・アル・アサド大統領にインタビューし、ジャーナリストはバナの問題を取り上げ、“彼女を証人として信じますか?”と聞いた。

アサド大統領はこう答えた。“いわばテロリストや連中の支持者が広めているビデオによって、政治姿勢や立場を構築することはできません。これはゲーム、プロパガンダ・ゲーム、マスコミのゲームです....政府としての我々の任務は現実に対処することです。シリアにはテロリストがいて、連中は外国部隊や外国に支援されており、我々はわが国を守らなければなりません。”

アサドが正しかったのだ。バナ・アラベドのアカウントの類の言説は、悲しいプロパガンダ・ゲームだ。敗者はバナのような被害者たち自身で、シリア国民は、欧米が支援する戦争プロパガンダによって虐待され、殺されているのだ。

エヴァ・バートレットは、フリーランスのジャーナリストで、ガザやシリアでの豊富な経験を持った人権活動家。彼女の文章は、彼女のブログ「In Gaza」で読める。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/397339-bana-abed-syria-aleppo-twitter/

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大本営広報部国営放送でも、彼女の話題をたれながしていた。

藤永茂氏の『私の闇の奥』に「バナ・アベド、シリアのアンネ・フランク?」という記事がある。

横浜市長選挙の、ある写真をみた。市長の両脇で応援する議員がすごい。ねじれの極み。本当の写真だろうか?本物であれば、終焉。

2017年7月27日 (木)

トランプを大統領の座から排除する陰謀

Paul Craig Roberts
2017年7月24日

アメリカ諜報機関、民主党、トランプ大統領自身の閣僚の顔ぶれも含む共和党の一部と、アメリカ売女マスコミは、アメリカ民主主義とアメリカ大統領に対して共謀している。

今日、2017年7月24日、consortiumnews.comに、Veteran  Intelligence Professionals for Sanityが公表したトランプ宛の公開書簡でこれがわかる。以下を参照。https://consortiumnews.com/2017/07/24/intel-vets-challenge-russia-hack-evidence/

CIA、NSAやFBIと違い、諜報専門家たちは犯罪捜査を行った。“Guccifer 2.0”と言われる、2016年7月5日、民主党全国委員会サーバーへの侵入[民主党全国委員会が反サンダースで、ヒラリーのために働いていたことを示す電子メール]は、ハッキングされたのではなく、漏洩されたのだという決定的証拠を彼らは発見した。漏洩された文書は、外部記憶装置にコピーされ、ロシアが文書をハッキングしたのをほのめかすべく、切り貼り作業で加工されたのだ。

言い換えれば、ハッキングだとされているものは、実は内部コピーで、ロシアが犯人であるように見せるため、後で加工されたものなのだ。電子メールの厄介な内容から目を逸らし、代わりに、“アメリカ大統領選挙へのロシアによる干渉”に目を向けるために行われたのだと、ベテランの諜報専門家たちは推測している。

一片の証拠も存在しない、ロシアによるハッキングという、エセの画策されたお話の成功で、軍安保複合体にとっては、トランプを排除し、それにより、ロシアとの関係を正常化するというトランプの意図で脅かされている、軍安保複合体の過大な予算と権力を守る好機になっていると私には思える。ヒラリー派勢力にとっては、ロシアが汚い手口で、トランプを勝たせたという連中の主張を正当化する好機になっている。イスラエルにとっては、中東におけるアメリカ干渉をトランプが中止するのを止めさせ、イスラエル拡張に対する障害を無くすために、イスラエルがアメリカ軍を利用し続けるのを可能にする好機になっている。トランプと、彼に投票した“みじめな連中”を憎悪している売女マスコミが、期待を込めて、今後何カ月も、トランプ大統領の座から排除という大見出し記事が書けるようにしているのだ。

引退した諜報専門家たちは、実に慎重で、弾劾なり、大統領の反逆罪に激怒した右翼の“一匹狼の狂人”による暗殺なりで、トランプを大統領の座から排除する陰謀が進行中だと、あからさま書いてはいないが、これは様々な含みを込めたメッセージのように思える。私はこの手紙へのリンクを貼っておくので、お読みの上、各自結論を出して頂きたい。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/24/conspiracy-remove-trump-presidency-paul-craig-roberts/
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籠池夫妻逮捕、という見出しをみた。逮捕されるべきは別の夫婦。韓国なら、そうなっていただろうか。

閉会中審査、出席予定だった日本獣医師連盟・北村直人委員長が欠席した。不思議だ。
大本営広報部洗脳組織は、このことにほとんど触れない。

出席者各人が発言されたこと(記憶にありません)の論議は重要だろう。しかし、重要な人物が突然欠席したことは極めて深刻な問題だろう。

私はこのプリーフィングへのリンクを貼っておくので、お読みの上、各自結論を出して頂きたい。

「加計ありき」の議事録公開で注目を集めた日本獣医師連盟・北村直人委員長が閉会中審査を急遽欠席!!――北村委員長による緊急記者ブリーフィングの内容を一挙公開! 2017.7.25

2017年7月26日 (水)

シリアでCIAプログラムはやめるが、より大規模な戦争準備を継続するアメリカ

Alex GORKA
2017年7月23日
Strategic Culture Foundation

ニュースが大見出しになった。ワシントン・ポスト(WP)が、アメリカの当局者によれば、トランプ大統領が、バッシャール・アル・アサド政権と戦っている“穏健”シリア反政府派に武器を与え、訓練するCIAの秘密プログラムをやめると決定したと報じた。このプログラムは、トランプの前任者が、2013年に承認したものだ。この動きはマスコミによって、ロシアに対する譲歩として報じられている。“これは由々しい決定だ”WPは匿名を条件に、この秘密プログラムについて語った名を秘す幹部の発言を引用した。“シリアでは、プーチンが勝利した”。バラク・オバマ大統領のもとで国家安全保障会議幹部をつとめた元CIA職員ネッド・プライスは“ホワイト・ハウスは、シリア国内のものを含め、あらゆる戦線でモスクワに叩頭するのに満足しているように見える”と考えている。リンジー・グラハム共和党上院議員はこうツイートした。“もし本当なら、そうではないと願っているが、アサドとロシアとイランに対する完全降伏だ”。だがこれは本当に譲歩や、大きな政策変更なのだろうか?

一見すると、シリアのアサド政権打倒計画は棚上げされ、「イスラム国(IS)戦士に対する空爆と、国防省が、クルド人が主体のシリア民主軍(SDF)を支援するため、訓練し、武器を与えているものしか残っていなさそうだ。緊張緩和地帯が発効し、アメリカはシリアという煮えたぎる大釜への関与を次第に減らしつつある。だが事態を子細に見てみると、全く違う結論に至る。

CIAプログラム中止は、から騒ぎで、そもそも非効率的だった。実際ペンタゴン・プログラムが存在しているのだから、それで何も変わるわけではない。アメリカは関与を縮小しつつあるわけではない。逆にシリアにおいても、イラクにおいても、アメリカは軍事駐留を急速に強化しつつあるのだ。

7月17日、トルコのアナドル通信は、軍施設のありかの詳細、場合によっては、そこに駐留する特殊作戦部隊の人数まで含む記事を報じた。コバニ、マンビジとルメイランなどにある二カ所の飛行場と、8カ所の前哨基地が、クルド民主党 (PYD)とその武装部門、クルド人民防衛隊(YPG)を支援するために使用されている。ラッカ県北部の町アイン・イッサの前哨基地は、約200人のアメリカ兵と、75人のフランス人特殊部隊兵士を擁している。

MRAP、M-ATVや装甲を強化したブルドーザーを含むアメリカ製装甲車両で、最近トルコ国境にある北東シリアの都市、カーミシュリー地域に駐留する部隊が強化された。ガーディアン装甲警備車や装甲を強化したハンビーは、SDFに対する連合軍の支援に含まれており、国防省の2018年予算年度のシリアの提携部隊を訓練し、装備を与えるプログラム用の資金要求によれば 、装甲ブルドーザーも“吟味された”シリア人集団への支援に含まれている、とミリタリー・タイムズは報じている。

耐地雷/伏撃防護装甲車M-ATVとMRAPは、シリア民主軍に譲渡されるパッケージの中に含まれていないと情報源は言っている。マスコミが流布している写真に掲載されているM-ATV上に搭載されている遠隔操作式銃塔、CROWシステムもそうだ。シリアに進入する重武装アメリカ戦闘車輛の写真は、この地域全体、特にシリアで、アメリカが軍事駐留を強化していることを実証しているように思える。

先月、高機動ロケット砲システムHIMARSがシリア・イラク間の三つの国境検問所の一つ、シリア南東部のアルタンフ基地に移動された。HIMARSは既に北シリアに配備されている。

戦車とヘリコプターを持ったアメリカ、イギリスと、ヨルダンの軍が、シリア南部のダラー県やスワイダー県の国境地帯中で、ヨルダン国境からわずか数百メートルの農村地域テル・シャハブから、アル・ナシブ国境検問所やヒルベト・アワド村などの長い帯状の地域に駐留していると報じられている。シリア国境に近いヨルダン北西端にあるヨルダンの町アル・ラムサ付近での彼らの駐留も報じられている。この地域にIS過激派戦士はいないのだから、これら軍隊の任務はシリア政府と親イラン部隊を寄せつけないことだ。

3月のAP報道によれば、アメリカ合州国は、これまで115億ドル以上をシリア介入に費やしている。数百人のアメリカ特殊作戦部隊員がクルド民兵戦士を訓練するという口実でシリアに派兵されている。

実際、アメリカの軍事要員は、シリア領土には全く存在していなことになっている。1973年の戦争権限法は、“アメリカ合州国、その領土や財産、あるいはその国軍に対する攻撃によって生み出された国家有事”の際、大統領が一方的に動くことを認めている。シリアは、アメリカ合州国を攻撃していない。2001年の軍事力行使のための権限(AUMF)は、9/11のテロ行為と何の関係もないシリアに入るいかなる権限も与えていない。シリア政府を自国内で悪事を働いている悪者連中の集団として描き出せるかもしれないが、国連憲章は報復や制裁や懲罰のための軍事力の行使を禁じている。

政権は議会に、イラクとシリア内に新たな“一時的”施設を構築する権限を認めるよう要求している。それこそ、まさに最近の施政方針が言っていることだ。大統領は議会に、施設の“修理修復”だけを対象にしている既存の権限を、“一時的な中間部隊集結地、弾薬補給所や十分に軍隊を保護できる兵站基地”も対象にするよう拡張させたがっている。

現在、共同統合任務部隊 - 「生来の決意作戦」と第18空挺軍団を指揮している司令官であるステファン・タウンセンド中将は、作戦は、イラク軍がモスルを奪還した後、ユーフラテス川流域に拡張する予定だと述べた。中将は地域におけるアメリカ軍部隊の駐留継続、政権が提案したような臨時基地に設置した仮設施設の利用も含められるが、大半は既存の基地を利用する予定だと認めている。鳥はシリアに少しずつ巣を作りつつあるのだ。

ハイダル・アル=アバーディ首相は、イラク国内でのISに対する戦いが終わった後、イラク内で、アメリカ軍を維持することをトランプ政権との交渉している。両者は、アメリカ軍の長期的駐留が必要なことで合意したようだ。アメリカ軍はイラクに約7,000人の兵士を駐留させている。

アメリカ合州国が、地域で戦争準備を強化している複数の兆しは誰の目にもあきらかだ。任務の一つは、イランとの間で起こりうる紛争に備えることだ。もう一つは、シリア国内の緊張緩和地帯について、そして、ジュネーブでの危機管理に関する交渉で交渉上の立場を強化することだ。どのシナリオも、火を点ける火花を放ちかねない。

ロシアとアメリカは、あらゆる差異を棚上げして、シリアに関する二国間秘密交渉を開始できるはずだ。マスコミに対するあらゆる漏洩から守られた開かれた率直な会話は、最悪の事態が起きるのを防ぐ上で役に立つだろう。モスクワは、アスタナ・グループとアメリカが率いる連合との間の仲裁者として機能できよう。双方が合意した提案を、他の関連当事者に示して、議論と承認を要求できよう。しかし、ロシア外交施設の返還を拒んでいるのが、アメリカには対話の意思はないことを示している。影響力を強化し、状況が自分たちが望んでいる方向に展開するようにする取り組みで、地域における戦争を瀬戸際にする方に重きを置きたがっているように見える。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/07/23/us-ends-cia-program-syria-but-continues-preparations-for-big-war.html
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二日間、「真摯に丁寧に」ウソをついた属国トップ連中。
偽りの戦略変更を「真摯に丁寧に」宣伝する宗主国。

2017年7月25日 (火)

シリアでの敗北を認めたホワイト・ハウス

Finian Cunningham
2017年7月21日
Sputnik

今週のトランプ大統領による、シリアの過激派に対するCIAによる秘密の武器供給を終わらせるという宣言は、敗北の告白だ。アメリカは、このアラブの国における政権転覆のための六年間にわたる戦争に敗れたのだ。切り上げるべき時期なのだ。

もちろん、まだ終わってはいない。トランプの決断が実際に実行されるのかどうかはまだわからない。CIAを命令に従うよう御することが可能だろうか? アメリカは、サウジアラビアなど地域の傀儡政権が、アメリカ兵器のシリア過激派に対する秘密裏の提供を強化するのを止められるだろうか?

また、トランプの決断が、アメリカと、その同盟諸国が彼ら全員国際法に違反して違法に作戦行動をしているシリアから地上軍と空軍を撤退することを意味するわけでもない。

それでも、アメリカ大統領が、シリアでの反政府反乱をあおるCIAの役割を終えると宣言したのは歓迎すべき動きと見るべきだ。これは正しい行動であり、この決断をしたことで、激しい反ロシア非難を彼が受けるのは確実なのだから、勇敢なものでもある。シリアで、CIAの活動を終わらせない方が、トランプにとっては政治的に得策だったはずだ。だが彼がそうしたことで、彼は"クレムリンの傀儡"だと非難しているワシントンとマスコミの大部分をしっかりつかんでいる反ロシア・ヒステリーを更に悪化させるのは確実だ。

物事をわきまえた人ならだれでも、シリアでの暴力を止める最善の方法は諸外国が兵器をシリアに注ぎ込むのを止めることなのに同意するに違いない。シリアのバッシャール・アル・アサド大統領は、ずっとこの論理的立場を主張してきた。もし各国が主張する通り、シリアでの流血を止めたいのであれば、各国は武器の供給を止め、過激派集団への資金提供を遮断すべきなのだ。

マスコミ報道によれば、少なくとも2013年以来、おそらくは、2011年3月に戦争が始まる日以前から、アメリカが、兵器をシリアに注ぎ込んできたことを認めている。アメリカのみならず、NATOパートナー、イギリスやフランスやトルコや、地域の同盟諸国サウジアラビア、カタールとイスラエルも。これは、違法に武装した反政府過激集団を支援し、主権国家を不安定化するという犯罪的共謀を認めるものだ。これらの集団が恣意的に"穏健反政府派"に指定されるかどうかは些細な問題だ。連中は違法に武装供給されているのだ。
六年間にわたる戦争で400,000人にものぼるシリア人が死亡し、何百万人もの難民が出て、文化的に豊穣な国が破壊の瀬戸際に追いやられており、トランプがCIAプログラムを終わらせて、少なくとも部分的には兵器の流れを減らせる、正しい呼びかけをしたのは疑いの余地なく明白だ。アメリカが率いるシリアに対する犯罪的攻撃を終わらせるべき時期はとうに過ぎている。

アメリカ・マスコミが即座に、予想通り、動きを"ロシアに対する譲歩"として描いているのだから、トランプの決定は大胆なものでもあった。アメリカ大統領は、既に昨年ホワイト・ハウスの座に当選するためロシアと"共謀した"という果てしのない非難に責められており、シリアにおける戦争の惨禍を制限するという今週の彼の決断は、ロシア嫌いのうわさ製造機に更なる材料を供給することにしかなるまい。

ワシントン・ポストは新たな神話を見出しにした。"トランプ、モスクワが求めていた動きで、シリア国内の反アサド反乱部隊に武器を提供する秘密のCIAプログラムを終わらせる"。

他のいくつかのアメリカ・マスコミは、これに続いて、下劣なコメントをして、この動きは "クレムリンを喜ばせ"、トランプはシリア国内でのCIAの秘密作戦を終了することで"プーチンの歓心を買っている" 。

アメリカ商業マスコミは、CIAが"穏健反政府派"を支援してきたという神話をしつこく続けている。実際には"穏健反政府派"と"テロリスト聖戦士"は全く同じ寄せ集めの傭兵軍だ。CIAや他の外国軍隊の指導下、不快感を催させる虐殺で、シリア国民に蛮行を働いていた傭兵だ。
歪められた論理で、アメリカ・マスコミは、トランプが、シリア国内の"穏健反政府派"を訓練するCIAプログラムを終了するのは、"過激派"を強化しかねないと歪曲している。

大統領は、シリア問題で、プーチンに降参したと非難されている。アメリカ・マスコミでは、これこそまさに、トランプがプーチンと 今月始め、ハンブルクのG20サミットにおける二人の会談中に話し合ったことだと示唆するものだとささやかれている。特に、晩餐時、他の18人の国家元首を前にしたいわゆる"秘密会談"中に。

救い難いウソつきアメリカ・マスコミが決して理解しないのは、アメリカのシリア介入という犯罪的企ては、最初から、平和と人類に対する途方もない犯罪だということだ。シリア国内でアメリカが支援するテロは余りにも長く続き過ぎている。マスコミがどれほど好ましくない情報を削除しようとも、この残酷な真実は変えようがない。

2015年末の国際法に従ってシリアに介入するというロシアの理にかなった決断が、犯罪的な陰謀を終わるようにし始めたのだ。二年後、シリア国家は、シリアを荒廃させた、外国が支援する過激派集団に対し優位になりつつある。近い将来の勝利にとって、ロシアの軍事支援は必要不可欠だった。

"[CIA]プログラム終了は、アサドを権力の座から排除するためのワシントンの影響力と願望が限られていることを認めるものでもある" とワシントン・ポストは書いている。

言い換えれば、シリアにおけるアメリカの政権転覆戦争は、しぶしぶながらも、敗北として認められつつある。そして、この敗北を確実にしたのは、ロシアだ。

ワシントン・ポストは、あるアメリカ高官の、よりあからさまな発言を引用している。 "これは極めて重大な決定だ。シリアでは、プーチンが勝利した。"

とうとう敗北した、浅ましい犯罪的な対シリア戦争に、アメリカが関与してきたことを白状し、認める代わりに、アメリカ・マスコミは現在、トランプがCIA作戦を終わらせるのを、ロシアに対する"譲歩"だと歪曲している。

彼には様々な欠点があるにせよ、少なくともドナルド・トランプは、シリアで、アメリカが戦争に敗北したことをいつ認めるべきか知っている。口やかましいロシア嫌い連中が、彼を封じ込めようとしているにもかかわらず、トランプは、この犯罪的なアメリカ戦争を終わらせるという正しい判断をする用意があるように見える。

本記事の見解はもっぱら筆者のものであり、必ずしも、スプートニクの公式な立場を反映するものではない。

Finian Cunningham (1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまでは、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務。彼は音楽家で、作詩作曲家でもある。彼は20年以上、ミラー、アイリッシュ・タイムズ、インデペデントを含む主要マスコミ企業で、記者、編集者として働いた。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201707201055727579-us-trump-syria-rebels-cia/
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閉会中審査、与党の茶番問答は音声を消していた。
ウソつき男「加計学園の新設希望を知ったのは1月20日」虚言を追求されている。

小池都知事、都民ファ新人議員のマスコミ対応禁止…都議会の死で「小池独裁」鮮明
という記事見出しを見た。

「都民ファ」略された後半部分は「ファシスト」。自民党補完部隊。

国家戦略特区の正体 外資に売られる日本』の郭洋春教授インタビュー 7/12
疑惑は加計学園だけじゃない? デタラメすぎた「国家戦略特区」の“歪んだ行政

2017年7月24日 (月)

ASEANが東方志向するにつれ、ついてくるISIS

Tony Cartalucci
New Eastern Outlook
2017年7月17日

アメリカの権益が脅かされると、邪魔になっている連中を脅かして、ISISが偶然出現する。地政学的強要のこの益々見え透いたパターンの背後に何があるのだろう?

南フィリピンにおける、政府軍と、いわゆる“「イスラム国」”(ISIS)とつながる過激派との間の戦争が長引く中、テロリスト集団が、そもそもそこで作り出されたシリアとイラクから遥か遠くの場所でも、アメリカがl利用しているという恐れが高まっている。アメリカ国境外で、アメリカ権益に反対したり、妨害したりする国々は、今や武力による強要のこの隠微な手法の標的になりかねない。

アメリカ合州国は、かつては地域内で最も親密な同盟国々だった東南アジア中の国々や政治体制との関係が次第に悪化しつつある。これには、人口約7000万人の国で、2014年、アメリカが支援していた傀儡政権を無血軍事クーデターで打倒した国、タイも含まれる。

以来、バンコクは、北京モスクワや、ワシントンによる独占的な地政学的、経済的、軍事的影響力の代替をタイに提供できる事実上、他のすべての国民国家に接近し、ワシントンの影響力から、更に決定的に遠ざかりつつある。

タイの軍事機器の大半が、何十年間もアメリカ製ハードウエアで構成されていたが、今やロシア、中国、ヨーロッパや、自国産の兵器体系の組み合わせに置き換えられつつある。そうしたものには、中国の主力戦車、ロシアのヘリコプター、スゥエーデンの戦闘機、自国企業が開発した装甲兵員輸送車やロケット弾発射装置がある。

最近、タイは、中国と、タイ王国初の近代的潜水艦購入の大規模武器取り引き契約を調印した。総計三隻の潜水艦を購入し、地域におけるタイ海軍の能力を強化し、より具体的には、タイと中国の海軍が技術的、戦略的協力で、より密接になる。

タイに、フィリピン、マレーシア、インドネシアなどの国々が続いており、ミャンマーやベトナムさえある程度までそうだ。

タイや他の東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国が東に向けて移行しつつある中、ワシントンが設立し、支援し、命令する非政府組織(NGO)や野党を装うアメリカが資金提供するフロント組織を使って、アメリカは、これらの国々への圧力を予想通りに強化している。

与党が、既に長年支援してきたアメリカ傀儡政権であるミャンマーのような国では、政府が北京側により過ぎたとワシントンが感じると、人権侵害問題を利用して圧力をかける。

こうした強要の手法が益々効果を失う中、アメリカは、より直接的な強要手段であるテロも利用している。

アメリカとつながる東南アジアのテロ

2015年、テロで指名手配されている中国国民が、そこで必ずや隣国シリア政府を打倒するアメリカが支援する取り組みに加わるはずのトルコに行くを認めるようにというアメリカの要求に屈するのを、タイが拒否すると、テロリストが、バンコク中心部で爆弾を爆発させ、20人を殺害し、更に多くの人々を負傷させた。欧米の専門家たちでさえ、容疑者たちは、非対称戦争の手段として、NATOが作り出し、アメリカ合州国自身によって、何十年も育てられてきたトルコの灰色狼戦線メンバーの可能性が高いと結論した。

また、ASEAN中で、いわゆる “「イスラム国」” ISISの存在感が増大している。

インドネシアは、東へ向かう移行を続ける中、ISISとされるテロリストに標的にされた。2016年のジャカルタでの攻撃が起きたのは、インドネシアが、更なる国鉄路線建設で、中国企業に有利な決定をした後のことだ。

最近、マレーシア治安部隊が、タイ-マレーシア国境の両側で活動しているISISテロ細胞とされるものを破壊した。

マラウィ市のフィリピン国軍 (出典: New Eastern Outlook)

フィリピンでは、ISISの暴力は、単なるテロ攻撃を超え、フィリピン南部の都市マラウィの運命を巡る長引く戦争として立ち現れた。

アメリカやヨーロッパのマスコミは、アジアにおけるISISの存在の拡大をあからさまに認めながら、この拡張の説明の仕方が筋の通らないことを完全に指摘し損ねている。

ISISは国家が支援するテロだが、支援国は一体どこか? 

欧米の言説によれば、イラン、ロシアが支援するシリアとイラクの政府軍で構成される連合軍と、レバノンを本拠とする部隊、ヒズボラによる補強部隊に対し、シリアとイラクで、ISISは、不思議なことに、戦闘能力を維持できている。ISISは不思議にも、その闘争を世界的に展開し - 攻撃を世界中で実行し、益々有力になりつつある過激派細胞を東南アジア中で構築することができている。

欧米の言説によれば 、ISISは人質の身の代金、闇市場の石油、大変な速さで縮みつつあるシリアとイラク内の領土へのわずかな“課税”収入から得る資金でこれを行っている。

ところが現実には、持続的で、大規模な複数の国家による支援なしには、ISISは存在しえなかったはずだ。どの国がISISを支援しているのかに答えるには、アメリカ合州国自身の諜報機関報告書を読みさえすればよい。

アメリカの国防情報局 (DIA)が、2012年の報告書で、アメリカが率いる枢軸によって、当時“サラフィー主義者”(イスラム)“侯国” (国)と呼ばれたものを樹立する進行中の計画を明らかにしていた。

DIAの流出した2012年報告書(.pdf)に、こう書いてある(強調は筆者):

もし状況が展開すれば、東シリア(ハサカとデリゾール)に、宣言した、あるいは宣言しないサラフィー主義侯国を樹立する可能性があり、そして、これは、シーア派(イラクとイラン)拡張の戦略的最深部とみなされているシリア政権を孤立させるため、反政府派を支援している諸国がまさに望んでいることだ

一体どういう“支援勢力”がその創生を支援していたのかを明らかにすべく、DIA報告はこう説明している(強調は筆者)。

欧米、湾岸諸国とトルコは反政府派を支持している。一方ロシア、中国とイランは政権を支持している。

大統領候補で、元アメリカ国務長官ヒラリー・クリントンの漏洩した電子メールも、アメリカの幹部政治指導者連中がサウジアラビアやカタールを含むアメリカの最も親密な中東の同盟諸国を、ISISへの国家支援のかどで責任転嫁していることを暴露している。

ウィキリークスが公表した電子メールにはこうある。

…[ISIS]や地域の他の過激なスンナ派集団に対して秘密の財政的支援や、後方支援を行っているカタールやサウジアラビア政府に圧力をかけるため、わが国の外交や、より伝統的な諜報資産を活用する必要がある。

もしISISが、シリア政府に、強要、あるいは打倒さえすべく、ロシア、イランや、地域の同盟諸国に対し、代理戦争をしかけるため、アメリカと同盟諸国により、代理として利用されているのであれば、地域の国々が次第にワシントンから離れつつある中、東南アジアにISISが突然出現したのは単なる“偶然”ではないという方が理にかなっている。

アメリカのアジア“基軸”が、つまずきや、撤退としてさえ展開しているがゆえに、ISISが東南アジアに出現しているのだ。アジアに対する優勢という大胆な宣言にもかかわらず、アメリカは益々、北京のみならず、アジア太平洋中で、アジア太平洋に実際に存在している国々に有利になるよう、力のバランスを変えようとしている多くの国々との激しい争いをしつつあるのだ。

衰退するアメリカの影響力が、アメリカによる破壊を増大させている

中東において、アメリカの影響力が衰退しつつあることが、ワシントンが、自分が影響力を及ぼして、搾取することができない国々を、不安定化し、分裂させ、破壊する地域での企みを引き起こしているのと同様に、似たような作戦が、アジア太平洋で進行中なのだ。アメリカの干渉は、朝鮮半島から南シナ海、東南アジア中、更には、アフガニスタンの山々や中国国境西端さえ超えて広がっている。アメリカが、お互いを戦わせようとしている国々の間、あるいは、国内での土着の政治組織と、ワシントン自身のために、ワシントンによって支援されている政治組織との間で危機が迫っているにせよ、徐々に展開しているにせよ、共通項は紛争だ。

ワシントンによる地政学的強要や急場しのぎの手段としてのテロ利用を理解し、暴露することが、この忌まわしい手段を、ワシントンのあの手この手の地政学的策略から取り除くための第一歩だ。ISISや、それとつながるテロ組織がテロを実行する度に、ワシントンと、地域におけるその非生産的な役割が一層実証されるにすぎず、アジア太平洋からのアメリカ撤退を一層早く確実なものにするだけのことだ。

ワシントンに残されたものと言えば、国家主権を尊重する公平な条件で、アジア諸国とのつながりを再建するという絶好の機会が素早く閉じつつあることと、アメリカ国境の外のあらゆる場所で“アメリカの優位”という概念を、終わらせることしかない。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2017/07/17/as-asean-shifts-east-isis-follows/
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閉会中審査を見ている。現在は自画自賛茶番ゆえ音声を消している。

あの学校、今治のみならず、銚子でも良く似たことをしているようだ。今治の未来図?

日刊IWJガイドの一部を引用させていただこう。全文は、IWJの「お知らせ」のページから、「日刊IWJガイド」を選べば読める。

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<★本日の岩上安身のインタビュー★>加計学園に77億円超の補助金を支払った銚子市が「第二の夕張」に!? 打開策はあるのか!? 岩上安身が銚子市長・越川信一氏、銚子市議・鎌倉金氏に連続インタビュー!
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 おはようございます。テキスト班の原佑介です。

 加計学園問題を語るうえで目を向けたいのが、千葉県の銚子市です。加計学園系列の千葉科学大学を抱える銚子市は、現在、「第二の夕張」と呼ばれ、約300億円もの市債(借金)を抱えて財政破綻目前まで追い込まれています。

 銚子市がここまで追い詰められたのは、人口減少など様々な要因があげられますが、大きな要因のひとつとして、千葉科学大学への補助金が大きくのしかかっていることがあげられます。

 千葉科学大が開校したのは野平匡邦(まさくに)市長時代の2004年で、「アジア唯一の危機管理学部のある大学」を謳い文句にしてスタート。開校にあたり、銚子市は加計学園に92億円もの補助金(!)の提供を決定し、さらには市有地9.8ヘクタールを無償貸与しました。

 加計学園の岡山理科大学が獣医学部を新設しようとしている愛媛県今治市では今年3月3日、今治市が岡山理科大の建設用地として、16.8ヘクタール(約36億7500万円相当)の市有地を加計学園に無償譲渡する予算案を承認。さらに2023年までの学校の総事業費192億円のうち、半分の96億円を市の補助金で負担することも決定しました。

 銚子と今治、何もかもがそっくりですよね。自治体に寄生する加計学園にとって、銚子は、今治の「モデルケース」だともみられています。つまり、獣医学部の新設によって、今治が今後、どうなってゆくか、かなり参考になると考えられます。

 銚子市では、「さすがに92億円の補助金は無理!」ということで、後に市と加計学園側が協議し、77億5千万円まで減額になりましたが、千葉科学大への補助金支払いのための返済額は、結局、利子を含めて84億円にものぼり、銚子市は毎年約4億円を返済していますが、14年度末でもいまだに約44億円が借金として残っているということです。

 そんな窮状など私には関係ありませんねえと言わんばかりに、加計学園はさらに、銚子市に対して無償貸与している土地を「無償譲渡」せよと要求しているとか…。ただで借りている土地を、今度はただでよこせ、と迫っているわけですよ。信じられますか?皆さん。

 厚かましいどころではありません。競売物件に居座り、法外な立ち退き料を否定するヤクザを「占有屋」というそうですが、そんなヤクザがちっぽけに見えるほどの強欲ぶりです。銚子市民を食い物にするかのようなそのやり方は、今治でも同じように適用されると考えられます。

 本日、岩上さんは自ら車を運転して都心から銚子入りし、越川信一・銚子市長、そして鎌倉金・銚子市議に連続インタビューします!実況ツィートもしますので、ぜひご覧ください!

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★【IWJ_YouTube Live】
岩上安身による銚子市長・越川信一氏インタビュー
[日時] 2017年7月24日(月)16:00~17:00
[YouTube Live] https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?view=2&flow=grid
[ツイキャス] http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

★【IWJ_YouTube Live】
岩上安身による銚子市議会議員・鎌倉金氏インタビュー
[日時] 2017年7月24日(月)19:00~21:00
[YouTube Live] https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?view=2&flow=grid
[ツイキャス] http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
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2017年7月23日 (日)

ISIS司令部、財政支援と徴募でフィリピン過激派のマラウィ占拠を支援

公開日時: 2017年7月21日 13:16
RT


2017年6月29日政府軍が フィリピン、マラウィ市で、マウテ集団武装反抗勢力に対する攻撃を継続する中、フィリピン軍空爆の後に立ち昇る煙。Jorge Silva / ロイター

シリアの「イスラム国」中央軍が、資金調達を手配し、徴募を行って、フィリピンの過激派によるマラウィ市占領をたえず支援していることを新たな報告書が明らかにした。

報告書は、ジャカルタを本拠とするInstitute for Policy Analysis of Conflictが発行したもので「イスラム国」(IS、旧ISIS/ISIL)が東南アジアのテロ集団にどのように支援提供しているかの例をあげている。

一例として、マレーシア出身のIS幹部、マフムード・アフマド博士が、シリアのテロ集団司令部といかに協力して、マウテ過激派が資金を受け取り、フィリピンで領土支配を確保できるようにすべく、世界中で徴募活動をしているか詳細を書いている。

更に読む
マラウィのマウテ陣地に向かって前進するフィリピン軍

6月に、AFPは、ISが、この医師経由で、600,000ドル注ぎ込んだという、あるフィリピン軍司令官発言を引用している。報告書は、この博士は“激しいライバル意識にもかかわらず、一時的に団結する”のを支援した、二つの主要インドネシア・テロ集団の仲裁者でもあったとしている。

フマウテ集団の戦士がィリピン南部のマラウィを5月に占領し、マラウィが数週間、連中の手に落ちた後、この最新文書が発表された。

過激派はISの旗を掲げ、彼らの "カリフ領"に新たな地域を樹立したと宣言した。

しかしながら報告書は、ISからの“直接資金提供”は、フィリピン人過激派集団の主要資金源ではなかったと示唆している。ISはウエスタン・ユニオン経由で何万ドルも送金したが、それは主として、現地徴募担当者とフィリピン国内での資金集め支援のためだった。

作戦初期、軍の兵士が、約150万ドルの現金と小切手をマラウィの家で発見したが、家は有名な指導者のもので、資金が過激派の作戦用のものかどうかは不明だ。

ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、マウテ過激派が資金調達のために麻薬売買をしていると非難したが、この主張を裏付ける証拠は示さなかった。

現地での徴募は、2016年に、フィリピン、ミンダナオ島の大学キャンパスで、イスラム教学生団体やカトリック大学や国立大学や工科大学の同窓会を利用して行われていたと報じられている。

“新人は [テロ集団]に忠誠を誓った後、銀行口座を開設するように言われ、そのATMカードは、そうしたカードを何枚も保持している現地細胞の会計担当者に渡される”と報告は詳細を書いている。

更に読む
インドネシア‘テロリストプロパガンダ’の懸念で「テレグラム」へのアクセスを阻止

新兵は裕福な家族出身者が多く、“大義のためのかなりの額を寄付”できた。

ISの名による徴募は、イスラム教慈善団体や‘改宗’宗教センターで行われているとされているが、報告によれば、そうした機関自身は必ずしもそれに気がついていない。

30ページの報告書は、占拠されたマラウィがあるミンダナオ島現地調査、フィリピン国内のインドネシア人テロリストに近い人々と行われたインタビュー、「テレグラム」上で盗聴した過激派のメッセージに基づいている。

フィリピン人聖戦士たちが「テレグラム」を通じて、国際ネットワークを作り出し、“戦場からの報告は即座に、英語、タガログ語、アラビア語、トルコ語、ドイツ語とインドネシア語に翻訳される。”と報告書は書いている。

この支援は、近年無数のISに触発された攻撃が起きている、と調査は警告している隣国インドネシアに対するテロの脅威を高める可能性がある。インドネシア政府の懸念は、ミンダナオ島のIS部隊に加わったとされている約20人の過激派インドネシア人が、インドネシア国内で攻撃を行う装備と技能を習得することだ。

報告書は、主要東南アジア諸国に、“フィリピンとマレーシア間の根深い政治不信”で妨げられている警備と諜報情報共有を、強化するよう強く促している。

“2017年7月時点で、例えばマウテの一員、マフムード博士も[インドネシア過激派幹部] バフルムシャも 国際刑事警察機構インターポールのお尋ね者テロリスト‘非常警報’リストに載っていない”ので“地域全体の過激派に関する最新総合監視リスト”が必要だ。

更に読む: HomeNews フィリピン当局は、過激派対応として、イスラム教徒専用IDカードを提案。

とはいえ文書は、現地の領土制圧が、ISに触発された地域中のテロリストの志気を高めたので、第一歩は、依然、マラウィ解放であるべきだと述べている。

“ISIS攻撃が始まった際の、ソーシャルメディアを使ったマラウィの最初の写真公開- トラックの上で、微笑む戦士が銃を高く掲げたものは - 2014年のモスルでの、ISIS勝利の象徴的な写真と同じ衝撃があるように見える。

“彼らは勝利の感覚を共有し、地域のISIS支持者たちの戦闘に参加しようという願望を強化した”と報告書にある。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/397093-isis-philippines-marawi-terrorists/
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選挙のたび憂鬱になる。自分の住んでいない場所の選挙なのに気になっているものがいくつかある。今日の仙台市市長、30日の横浜市市長。

大本営広報部、東京都議会選挙については、自民と新党の対立茶番にうんざりするほど時間をさいたが、仙台、横浜についてはどうなのだろう?投票率があがらないよう、報道を抑えているのだろうか?

植草一秀の『知られざる真実』記事 仙台・横浜市長選で野党共闘候補を勝たせようを拝読。

2017年7月22日 (土)

プロパガンダ君臨

2017年7月20日

Paul Craig Roberts

もし真実に見込みがあるとすれば、それはアメリカ以外の国でのことだ。

発明者のユダヤ人広報専門家エドワード・ルイス・ジェームズ・バーネイズから、ナチスの 国民啓蒙・宣伝相パウル・ヨーゼフ・ゲッベルスに至るまで、プロパガンダの達人たちは、ウソは絶えず繰り返すことで、真実に変えられることに同意している。

ウソが純粋であればあるほど、それを真実に変えるのが、より完璧な成功になる。一部事実に基づくウソや、半分だけの事実は、事実によって、疑念をさしはさまれてしまう。宣伝屋にとって、最高のウソは、真実とはわずかの関係さえない自由なウソだ。そのようなウソは実に自明の真実に変えられるので、何の証拠も不要なのだ。ニッキー・ヘイリーとヒラリー・クリントンが言うように“証拠だと! いまいまして証拠など不要だ。ロシアが我々の選挙をハッキングしたのを我々は知っているのだ!”

何も知らない典型的なアメリカ人にとって、元国務長官で“当然のアメリカ大統領”の確信と、ドナルド・トランプ大統領自身の国連大使の確信だけで、ロシアがアメリカ大統領の座をトランプのために盗み取ったというウソを本当と思い込むのに十分なのだ。我々全員がそれを知っている。なぜだろう? 何カ月も果てし無く繰り返されるのを我々全員が聞いているためだ。ある知人はこう言った。“もしそれがウソなら、マスコミが確実に暴露しているはずだ。”こののんきな純朴さは欧米国民の特徴だ。

バーネイズとゲッベルスが知っていた通り、一人の優れた宣伝屋が、性であれ、国民であれ、標的にした集団の意見を支配できるのだ。

バーネイズが最初に標的にした集団は、アメリカの女性だった。アメリカのタバコ会社の宣伝屋とし、“歪曲の父”は女性の喫煙を、フエミニストの自立の印として売り込んだ。彼はタバコを“自由の松明”と呼んだ。彼は、ユナイテッド・フルーツ社が、1954年、アメリカ政府に、選挙で選ばれたグアテマラ政権を打倒させるのを可能にしたプロパガンダも実施した。

ゲッベルスはドイツを第三帝国の従僕に変える業績をあげ、ネオコンはアメリカ合州国においてはまだこれを実現できていないが、今もこのために働いている。

ネオコン、軍安保複合体、イスラエル・ロビーと、アメリカ売女マスコミは、トランプがシリアから撤退するのと、ロシアとの関係を正常化するのを阻止するのに成功している。連中はでっち上げの“ロシア-ゲート”を使って、トランプ大統領を箱に押し込めて、これに成功した。もしトランプが今ロシアとの関係を正常化すれば、売女マスコミによって、世界に対し、欧米民主主義に対するプーチン/トランプの共謀が現実であることの証明だとされよう。もしトランプが関係を正常化し、軍安保複合体予算の権限と利益を正当化する“脅威”を取り除くようなことがあれば、彼はアメリカの逆賊として弾劾される可能性が高い。トランプのツイートは、売女マスコミの猛攻撃に圧倒されるだろう。

アメリカ人やイギリス人やヨーロッパ人やロシア人や中国人やインド人や他のあらゆる人々がロシアに対するワシントンの敵意が、強力な既得権益集団に仕えるためのものであることを理解する必要がある。これらの既得権益集団はアメリカ大統領より強力なのだ。

イスラエルと中東に対する彼らの計画はこれらの強力な既得権益集団の一つだ。海軍作戦部長で、統合参謀本部議長だったトーマス・モーラー大将が言った通り“イスラエルに立ち向かえるアメリカ大統領はいない。”

シオニスト国家イスラエルとアメリカ軍安保複合体に仕えるネオコンは、アメリカ政府を拘束している別の強力な既得権益集団だ。ネオコンがイスラエルと軍安保複合体としっかり提携していることで、連中の権力と影響力が増大している。1961年に、アイゼンハワー大統領が、国民に対する彼の最後の公開演説で、軍産複合体の権力がアメリカ民主主義に対する脅威になっているとアメリカ人に警告した。https://www.bing.com/videos/search?q=Eisenhower%27s+warning+of+the+military%2fsecurity+complex&&view=detail&mid=7E7D9C582D8FB406F8927E7D9C582D8FB406F892&rvsmid=9D891E045120807989A89D891E045120807989A8&fsscr=0&FORM=VDQVAP

アイゼンハワーの警告は56年前のことだった。56年前のアメリカ大統領が軍産複合体に懸念したのだから、何十年もの冷戦の後と“ソ連の脅威”で、この権力がどれほど更に定着したかご想像願いたい。軍安保複合体の権力はワシントンにおける主要勢力なのだ。

アイゼンハワーの演説は、これまでどのアメリカ大統領がしたものの中で最高だ。わずか14分4秒だ。それでも、全てを含んでいる。そこには我々が自分の成功の犠牲者になりかねないという認識があるのだ。彼がアメリカにとっての軍産複合体の脅威をソ連の脅威と比較したので、ネオコン連中は、連中の公的地位が何であれ、アイゼンハワー大統領を夢中に憎悪する以外何もできない。

アメリカ人は、ロシア人や、中国人や、ヨーロッパ人や他の全員同様に、経費と無関係に、ネオコンが一体誰に対して覇権を行使するつもりなのかを気づくことが必要だ。アメリカ軍安保複合体の予算総計は、1.1兆ドルと推計されており、この数値は、ロシアの2017年推計GDPの70%だ。これはメキシコやトルコのGDPより大きい。これはフランスやイギリスのGDPの45%で、ドイツのGDPの32%だ。世界には195の国がある。アメリカ軍安保複合体予算より大きな国内総生産の国は、そのうちわずか14カ国しかない。

中東におけるワシントンの戦争には、パイプラインの位置とエネルギーの流れを支配している世俗の連中などを含め多くの権益が絡んでいる。そこにはイスラエルの権益も絡んでいる。イスラエルは、南レバノンの水資源を占領し、併合する目的で、軍隊を二度、南レバノンに派兵し、二度、民兵ヒズボラがそれを打ち破り、戦闘能力が過大評価されているイスラエル軍を追い出した。ヒズボラは、シリアとイランから財政および軍事支援を受けている。ネオコン同盟者や、プロパガンダで画策されたアメリカ人のイスラム教徒憎悪を利用して、イスラエルは、シリアとイランをイラクやリビアと同じ混乱状態に追い込むのにアメリカ軍を利用するつもりなのだ。外部からの支援を奪えば、イスラエル軍によって、最終的にヒズボラを打ち破れる。シリアとイランが混乱すれば、ロシア嫌いのネオコンは、アメリカ単独覇権主義に対する最大の制約を破壊すべく、聖戦戦士をロシア連邦に送り込める。

大半の国々のGDPより大きなアメリカ軍安保複合体の年間予算、アメリカ世界覇権というイデオロギーのネオコンと、民主党と共和党両党との提携と、アメリカ政府を完全に支配下においていて、それを自慢しているイスラエルなど、こうした既得権益集団の総合的な権力を考えれば、彼が実現するつもりだと言った、ロシアとの関係正常化や、アメリカの中東介入からの撤退を、トランプ大統領が一体どうして実行可能だろう? トランプが成功する見込みはごくわずかだ。

もしロシア政府が、仕切っているのが、トランプ大統領ではないことを理解しそこねれば、ロシアは、アメリカや他の世界の国々共々破壊されるだろう。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/20/the-reign-of-propaganda/
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トランプ大統領: 安らかに眠りたまえ」にアイゼンハワー大統領退任演説の一部の翻訳がある。

「残業代ゼロ法案条件付き容認」への抗議デモは労働者の分断!? 不毛なこと!? ネットで発信するから受け止められない!? ~連合神津里季生会長が会見で連合本部前デモを批判!! 2017.7.21

分断を図っているご本人に、反対デモは分断だなどと言われたくないものだ。

ハーネイズの著書では、『プロパガンダ[新版]』という翻訳がある。
プロパガンダ技術の概要を知るには『PR!世論操作の社会史』がお勧め。ただし、かなり高価。プロパガンダ君臨、『マトリックス』世界から抜け出すには必読書。

ポール・クレイグ・ロバーツ氏の前回の記事、「サプライサイド経済学 理論と結果」興味深いのだが、小生の手に負えず翻訳できない。

2017年7月21日 (金)

二国物語: ロシアとアメリカの経済見通し

2017年7月19日
F. William Engdahl

アメリカとEUの途方もない対ロシア経済制裁と、2014年以来の石油価格安値を考慮しても、ロシアの先行きの経済見通しは明るいが、トランプのアメリカの見通しは控えめに言っても暗い。当時は若かったウィリアム・ジェファーソン・クリントンとジョージ・H.W. ブッシュとの1992年大統領候補討論での記憶に残る言葉を言い換えれば“債務こそ重要なのだ、愚か者め。”

過去数年間、余りに多くのアメリカストエコノミストやアナリストやムーディーズのような信用格付け会社は、ロシア連邦の経済を、2014年の石油価格崩壊で打撃を受けた、ソ連時代の石油とガスに依存した破産寸前の経済と片づけようとしてきた。これは重大な間違いだ、特に、NATOの軍事的計算は、多くの場合、こうした乏しい情報や古びた判断に依存しているのだから。ロシア民生部門における最先端、最前線の技術や研究・開発の実用化という点で実際何が起きているかという、ごくわずかの例をあげよう。欧米新植民地主義の独善的な傲慢など出る幕ではない。

確かにロシアの物理的な経済は大問題だ。私は1994年以来何度もロシアを旅行している。息をのむような美しささえ遥かにこえたサンクトペテルブルクのツァー宮殿や、1480年代に建設された目を見張らせるモスクワのクレムリン要塞も見た。ロシアの小さな都市で、老朽化したインフラやニューヨーク風の穴があいた道路も見た。

1960年代と、1970年代とそれ以降の時期、アメリカ合州国の若者としてボストン、ニューヨーク、ニューアークやダラスなどの都市で、スラムや貧困の近くで、私は育ち働いた。ロシア経済赤字との違いは実に大きい。 ウオール街の意図的な経済政策の結果として、1970年代初め以来、特に、1971年のブレトンウッズ金兌換制放棄の決定後、アメリカにおける貧困が増大した。

対照的に、現代ロシアの貧困は、冷戦中の軍事需要と、個人のやる気や創造力を抑圧する、あるいは、むしろ麻痺させる厳格な中央計画経済の致命的欠陥という70年間のソ連状態の残滓だ。これは、ゴルバチョフのペレストロイカによる財政的な失敗と、1990年代の十年間のCIAが支援したエリツィン マフィアによる犯罪的なロシア国家資産略奪によって、壊滅的な形で悪化した。

要するに、アメリカ合州国は、アメリカ政府による偽りの経済データをはぎ取れば、お金とウオール街の巨大銀行が、お金の神のように君臨する中、負債と崩壊の深みにはまりつつあるのだ。対照的に、ロシアは、過去数十年、実際には、欧米が支援した1917年のレーニンによるクーデター以来、過去一世紀にわたる経済・インフラ不足から、ゆっくりながら、しっかりと脱出しつつある。アメリカ合州国が過去50年間、かつては繁栄していた都市やインフラや産業を壊し続けているのに対し、世界中で最も創造力ある科学、技術精神で、ロシアは、先進技術基盤の上に国家経済を構築中だ。ムーディーズやS&P風に表現すれば“アメリカ経済: 将来の見通しは暗い。ロシア経済: 将来の見通しは明るい。”

債務者の監獄

アメリカ合州国とロシア連邦との現在の経済見通しの差異は根本的なものだ。手始めに、西と東の相対的な負債構造を検討する必要がある。アメリカ合州国の負債は鰻登りで、アメリカ合州国のポチョムキン村、ニューヨーク市のマンハッタンや、ワシントンD Cやその超富裕高級住宅地化した郊外の陰に隠れて、スラムやホームレスが蔓延している。

2008年9月の金融崩壊からほぼ九年、連邦準備金制度理事会のゼロに近い金利で八年以上たったアメリカ家計の借金は驚くほど多く、戦後のどの時期より多いGDPのほぼ80%だ。

この個人家計負債のうち、大学教育の為の学費ローン負債は1.3兆ドル以上で、学生一人当たりの平均負債は48,000ドルだ。驚くべきことに、学生の高等教育債務は、ドル金額で、伝説的なアメリカ人のクレジットカード負債を超えている。2017年始め連邦準備金制度理事会や他のデータによれば、4400万人以上のアメリカ人が、高等教育のために総計約1.3兆ドルの負債を抱えている。わずか20年前の1997年、学生の負債総額は、300億ドル以下で、決して大きな負担ではなかった。

負債が爆発している理由の一つは、現在アメリカにおける高等教育の総費用が、特に州立大学で急上昇していることだ。2002年から2012年で、費用は41%上がった。同時に、子供を大学に送っている家庭の家族収入は停滞し、2008年以来、事実上低下している。

戦争直後から、1970年代の経済危機までの大半の期間、アメリカ合州国における高等教育は、特に州立大学で、授業料は最小限か、ハーバード学長チャールズ・W・エリオットが巧みに表現したように、高等教育が“頭脳がある”誰にでも開かれるべく州が助成する伝統があった。高等教育は、州や社会から、国の未来への投資と見なされていた。それもグローバリゼーションと、大規模な雇用の海外移転が起きる前の日々の話だ。今では連邦政府monies低額の州立大学授業料を支援するための、大幅に削減され、2007年-8年の金融危機以来、全米の州予算は依然赤字だ。

現在のアメリカ合州国家計借金合計は、住宅ローン、学費ローン、自動車ローン、クレジットカード債務を合わせると、12兆ドルを超える。これはアメリカ経済の成長可能性に対する途方もない重荷だ。

さらに、今や20兆ドルをわずかに下回るアメリカ国債の指数関数的増加があり、トランプ大統領選挙運動の美辞麗句“アメリカを再び偉大にする”には、緊急経済施策と、アメリカ合州国が、単なる借金を負った金融投機家ではなく本当の製造業経済に再びなれるようにするには、国家債務の効果的で周到な連邦倒産法風会社更生が必要なことが明らかになっている。

レーガン-ブッシュ時代の“債務は問題ではない”という無責任さが始まった1980年、連邦債務の水準は、きわめて御しやすい、GDPの30%だった。父ブッシュの任期が終わった1993年1月、債務は倍以上に増えて、GDP63%になった。債務は“問題”になり始めていたのに、ウオール街や債券トレーダーは、それを好んでいた。ジョージ・W・ブッシュが政権を握った2001年、ブッシュのおかげではなく、ベビーブーム世代人口のおかげで、54%に下落した。以来、アメリカ国債は、弾道ミサイルのような急増し、2017年3月までに、倍以上で、現在、GDPの104%、あとわずかで驚異的な20兆ドルだ。

私的、公的なアメリカのこの負債が、世界史上最悪の金融危機から8年以上たっても、連邦準備金制度が、債務不履行のドミノ、経済全体の崩壊を引き起こすのが恐ろしくて、金利を現在の歴史的な低さの1.25%以上に上げられない本当の理由だ。ロシアは、そのような債務監獄という点で、いささかも類似する点はない。

EU諸国の状況とて、僅かにましなのに過ぎない。ユーロ圏諸国では、負債はGDPに対し、マーストリヒト条約の上限60%を遥かに超える、平均90%だ。ギリシャが179%で突出し、133%のイタリア、130%のポルトガル、107%のキプロスと、106%のベルギーが続く。

ロシアはすこぶる健康そうだ

対照的に、ロシアの債務は、2016年、ほとんど取るに足らないGDPの13%で、現在の為替レートでのアメリカ・ドル換算、1900億ドルだ。インフレは現在、4-5%だ。ルーブルは、2014年の経済制裁危機と石油ショック以来安定している。しかも外国投資が、ロシア経済に戻りつつある。更に、2014年9月以降の世界石油価格崩壊にもかかわらず、ロシア石油輸出have held firm or grown and新パイプラインによる中国や東ユーラシアの他の国々へのガス輸出が、国営ガスプロムや他のロシア石油会社の収入を増やそうとしている。ロシア石油とガスの国内生産コストはルーブルで、ドルで売られるので、2014年以降のルーブルの対ドル大幅下落は、アメリカ財務省の財務戦争操作者が望んだような厳しいものからは程遠い。

現在のロシア中央銀行準備金は健全どころではない。金準備の大規模補充に加え、現在の総準備金は、4060億ドルで、3850億ドルだった2014年よりも多い。更に、財務省の政府系投資ファンドは、現在の為替レートで総計900億ドルだ。ムーディーズとS&Pよ、ロシア国債を依然“ジャンク”と格付けし続けている公的債務不履行”のリスク“ が一体どこにあるのか言いなさい。

ロシアに対する政治的偏向?

以下に、主要アメリカ信用格付け会社ムーディーズとS&Pによる特定の国家信用リスク格付けの政治的な性格について述べる。2014年ルーブル危機のどん底時、石油価格急落とアメリカとEUの経済制裁が、ロシア企業に、外国のドルやユーロ・ローンの返済を強い、欧米が対ロシアのSWIFT銀行間回線を切断すると脅し、危機の年の2014年、資本流出は1510億ドルにのぼり、大半が第四四半期中のものだった。

2016年、ロシアの資本流出は総計150億ドルに過ぎず、大半が外国にあるロシア企業向けで、ルーブルは安定している。1998年8月、大混乱のエリツィン時代の、ソロスにからんだルーブル債務不履行危機のような、ロシアの公的債務不履行可能性は片鱗もないにもかかわらず、ムーディーズもS&Pも、ロシア政府国債を“投資適格以下”やら“ジャンク”級と格付けし続けており、その結果、国際的年金基金や他の主要な投資家は、自国の規制当局から、EUやアメリカや日本と比較して、極めて魅力的な金利であるにもかかわらず、ロシア国債の購入を禁じられている。

ムーディーズとS&Pの国債格付けの政治的偏向を批判する人々は、世界の信用格付けを事実上独占しているウオール街の巨大格付け会社が、余りに頻繁に政治的偏向で動いていると言う。彼らは目を見張らせた2001年のエンロン破産と、二つのアメリカ格付け会社は、破産の直前まで、エンロンに最高評価を与え続けた事実を例にあげる。エンロンのCEO、ケネス・レイが、たまたまブッシュ一家の親しい友人だったことが、無分別な格付けに影響したと考えるゆきもある。同様に、ムーディーズもS&Pも、アメリカで2007年3月に始まった不動産担保証券市場、いわゆるサブプライム不動産ローンのメルトダウンによって引き起こされた最大の金融崩壊も警告しなかった。両社は警告すべきだったのだ。両社は不動産担保証券を危機の後、格付けした。

事実上、ムーディーズとS&P (三つの格付け会社の中で、一番小さいフィッチはそれほどではないが)決して必要としてなどいない破壊的なリベラルな経済改革をロシアに押しつけるため低い信用格付けという脅しを使って、アメリカ財務省の経済戦争経済制裁部隊の中に組み込まれた補助剤として活動しているように見える。

欧米の格付けゲームという仮想現実ではなく、ロシア実体経済の前向きな産業分野をいくつか簡単に見てみよう。破綻やらジャンクとは程遠いようだ。

軍事部門の恩恵を受ける民生部門

シリア戦争への介入で世界に示した極めて高度なロシアの軍事技術が、ロシアの科学技術は、国際レベルで、それをしのぐことも多いことが確認された。

7月9日、中部ロシア、エカテリンブルグでの国際産業貿易見本市「INNOPROM-2017年」の開会式における演説で、ウラジーミル・プーチン大統領はこう述べた。“もう一つの重要な課題は、国防産業複合体による民生用途ハイテク製造の量を引き上げることだ。ロシア産業貿易省は現在、この課題に積極的に取り組んでいる。”

これは軍事技術部門に対するロシアの姿勢の大転換だ。冷戦中、スターリン時代の安全保障へのこだわりの伝統で、軍事産業は、民生経済とのいかなる交流を完全に封じられ、現在に至るまでの国内経済に広がる技術の巨大な不均衡をもたらしてきた。

先進的な商用航空機

ロシアの途方もない軍用機製造経験を利用して、ハイテク製造を支援する政策によるイノベーションと技術の可能性の一例が、今年5月、ロシアのイルクート MC-21狭胴型商用ジェット機の初飛行試験公開だ。この開発は、ボーイングとエアバスの役員室に衝撃波を送ったと言われている。

イルクートMC-21は、現在市場にあるあらゆる狭胴型ジェット機の中で胴体が一番広く、同等のボーイング737やエアバスA320モデルの“すしずめ”乗客空間と比較して、乗客にはより快適だ。特に中東とアジアの多くの開発途上市場にとって魅力的なのは、価格がA320よりも、およそ15%安いという事実だ。より興味深いのは製造技術だ。MC-21はロシアが開発した独自の炭素繊維翼で、30%複合材料を使っていることになる。翼はロシア、ウリヤノフスクのAeroComposit社が産み出した革命的な新たな樹脂トランスファー注入プロセスを用いて開発された。ボーイング737 MaxとエアバスA320の翼は金属製だ。

イルクート社は、新たな国営飛行機製造グループである統一航空機製造会社UACの傘下なのだだ。大統領一期目の時に、ウラジーミル・プーチンが、元軍用機製造会社イリューシン、イルクート、スホイ、ツポレフとヤコヴレフを、80%国有の統一航空機製造会社UACに合併させたのだ。

MC-21狭胴型中距離旅客機に加えて、UACは、2012年に国際路線認定を受けた地域スーパージェット100も開発している。UACの傘下のスホイは、主要競合機、ブラジル・エンブラエル社の190/195より直接経費が6-8%低く、乗客は22人多いと主張している。個人的に私は、この飛行機がかなり快適だと断言できる。

ロシアの戦略的な民間航空機市場参入は、最近ロシア-中国合弁事業の設立という新たな方面でも展開している。2016年6月に、UACと中国国営の航空機製造企業、商用飛機有限公司は、上海を本拠とする中露国際商用飛行機有限公司 (CRAIC)を設立した。CRAICは、技術開発、製造、マーケティング、販売、顧客サービス、コンサルテーション、プログラム管理を行う。二つの企業は、エアバスA380やボーイング787と競合する新世代長距離広胴型民間航空機を開発しているのだ。中国ロシア・ジェット機の航続距離12,000キロ(7,500マイル)で、乗客280人で、ライバルより経費が10-15%少ない。UACは、新たな共同開発ジェット機が、ボーイング787とエアバスA350が支配している市場の10パーセントを獲得することを目指している。

先進的な鉄道車輛

ロシアの優れたインフラ製造のもう一つの部門は、ロシアの統一貨車製造会社United Wagon Companyの目覚ましい発展だ。2012年、当時首相だったプーチンは、約10億ドルの経費で建てた統一貨車製造会社のチフヴィン車輛製造工場の極めて高度な新たな最先端の車輛工場開設式典に出席した。それ以来、統一貨車製造会社は、世界的先進的な特殊鉄道車輛主要メーカーとなり、ヨーロッパのどの無蓋貨車メーカーより大きく、年間22,000の車輛を製造している。

同社は工場を設計する上で、世界中の自動車、航空機と鉄道産業の最優良事例を取り入れた。鋳物製造と車輛組み立てを一つの工場にまとめることで、柔軟性と既存のロシア車輛工場を“数倍”超える生産性をもたらした。TVSZは、台車を4 1/2分に一台、24分毎に貨車一輌を製造できる。サンクトペテルブルク郊外の工場では、BMWやエアバスが使用している機器と同様の最先端の自動機器やロボットが使われている。唯一同等の鋳造機は、ドイツのダイムラーが使っているものだ。TVSZの貨車は既存のロシア製品より維持費が50%安く、線路にもより優しい。

最近のハンブルクG20会議前の会談で、プーチン大統領と中国の習近平主席は、ロシアの鉄道車輛製造能力を、ロシアとユーラシア経済連合を含め、ユーラシアを横断して現在建設されつつある巨大な高速鉄道インフラ展開の中に組み込むことについて話し合った。統一貨車製造会社が、プーチンの頭の中で一番だったのは確実だ。

今日に至るまで、時速224キロ以上の速度が出せる、一マイル、一キロの高速鉄道線路も建設せずに済ませてきたアメリカ合州国とは違い、ロシアは中国の壮大な一帯一路ユーラシア・インフラ・プロジェクトと今や公式に連携して高速鉄道を拡張しつつある。ロシアと中国は、最終的に北京からモスクワへのOBOR路線の主要部分になるロシアのカザンからモスクワへの新高速鉄道路線の優先プロジェクトを共同で進めている。モスクワ-カザン高速鉄道路線の距離は770 kmで、時速400kmまでの速度で走り50-70km毎に停車する。モスクワからカザンへの高速鉄道の旅は、現在の14時間に対して、3.5時間になり、路線沿いの経済関係を革命的に変化させることになる。

ロシアの東側の国々との増大する貿易関係を視野に入れて、昨年ロシアは、2025年までに完成する日本海の新たな港によって、シベリア横断鉄道と太平洋の間の接続をより早くするため、ロシア極東に新たな鉄道回廊を建設する計画を発表した。新たな輸送回廊は、大半のロシア極東の港湾や、日本や中国や韓国の役にたち、シベリア横断鉄道への距離を550 km縮め、ロシアのヨーロッパ部分へのずっと早い貨物輸送が可能になる。

活力に満ちて成長しつつある現在のロシアの体経済の見通しは、過去二世紀あるいはそれ以上の期間のどの時期より前向きだ。世界の至る所での愚かな負け戦をやめ、国々や文明の構築に立ち戻る方が我々の世界にとって遥かに良いだろうと思わざるを得ない。戦争のエネルギーには頭脳は不要だ。中国とロシアも益々自覚しつつあるように、ものを築き上げるのはわくわくすることなのだ。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2017/07/19/a-tale-of-two-nations-russia-vs-usa-economic-prospects/
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United Wagon Company、便宜的に、「統一貨車製造会社」とさせていただいた。いくら検索してもこの日本語名の企業はない。United Wagon Companyという英語名はあるが、ロシア会社に英語名ではと勝手に思った次第。

最近買い換えた電気掃除機、パイプ部分は炭素繊維のようだ。掃除をするたびに航空機を思い出している。

国宝消滅』を読み終えた。現在、小西美術工藝社長で、元ゴールドマン・サックス金融調査室長が書いた本。美術・芸術のあるべき保存、展示方法が書かれている。実に説得力がある。観光客の人数を騒ぐのではなく、落とす金額こそが大事。もっと増やすべきであり、可能なはずだという。入場料が安いのは、関係者が本気で働きたくないからだ。ほとんどの展示に十分な英語説明がないと指摘している。読みながら、どこかで聞いたような話(「学芸員はガン」発言を連想した)と思っていたら、240ページに書かれていてびっくり。今話題の人。

そんな奥ゆかしさをもつ人物の代表が、自民党の山本幸三衆議院議員です。

そこで、日刊IWJガイド。

■■■ 日刊IWJガイド 「獣医学部の新設は、公募の2ヶ月も前から加計学園に決まっていた! 山本幸三地方創生相の決定的証言を記した日本獣医師連盟の議事録入手、IWJが全文公開!/東芝崩壊に見る日本電機メーカーの危機! 背景にあるのは東電やNTTを家長とする『ファミリー構造』! 岩上安身による『東芝解体電機メーカーが消える日』著者・大西康之氏インタビュー、本日生配信!」2017.7.21日号~No.1771号~ ■■■

「加計学園ありき」の決定打となる文書を入手! 日本獣医師会顧問・北村直人氏が岩上安身のインタビューで予告した「爆弾証拠」開示! 山本幸三地方創生担当相の弁明に北村氏が徹底反論! 2017.7.21

東芝解体電機メーカーが消える日』も、まさに最近読み終えたばかりの本。たまたま知人と酒をのんだ際に、日本の電気メーカーの盛衰の話題をつまみに盛り上がり、東芝や他のメーカーの話をしたばかり。知人には翌日読み終えた本をお送りした。

このインタビューも見逃せない。

2017年7月20日 (木)

ワシントンは湾岸諸国の死を和らげることができるだろうか?

Moon Of Alabama
2017年7月17日

連中のカタールとの喧嘩を鎮めようとする彼の取り組みを、サウジアラビアとUAEが拒否したことでティラーソン国務長官は怒っている。彼の本気の報復と脅しは、ワシントン・ポストによる "漏洩"という形で行われた - アメリカ諜報機関幹部によれば、UAEがカタール政府サイトのハッキングを画策し、地域での激変を引き起こした

アメリカ諜報機関幹部によれば、アラブ首長国連邦は、カタール首長タミーム・ビン・ハマド・アール=サーニーのものとする煽動的なニセ文書を投稿するため、カタール政府の報道サイトと、ソーシャル・メディア・サイトのハッキングを画策し、5月末に、カタールと近隣諸国との間で、現在続いている激変を引き起こした。

先週、当局は、アメリカ諜報機関が収集した情報の新たな分析で、5月23日、UAE政府幹部が計画と実施について議論したことが確認されたのを知った。当局によれば、UAEが自らハッキングを実行したのか、実行を外注したのかは不明のままだ。

UAEおよび/またはサウジアラビアがハッキングに関与していたのは、最初からかなり明らかだった。明らかな動機を持っているのは彼らしかいない。カタールは、既にハッキングの元の具体的な証拠を持っている。議会の反ロシア連中は、これを無視し、例によって、ロシアとプーチンを非難している。

ティラーソンが本当に言いたかったのは、ハッキングを非難することではない。ハッキング自体は喧嘩と、それを鎮めようとしているティラーソンの取り組みとは無関係だ。"漏洩" で、UAEとサウジアラビア指導部に、彼らの政府最深部での論議を探知するアメリカの情報源と方法を警告したのだ。彼らにとって本当の脅威は、他の不祥事が同じ情報源から公表されかねないことだ。

この脅しでこれら支配者連中の考え方が変わるとは思えない。連中は自らの無敵さを確信している。イアン・ウェルシが、サウジアラビアや他の湾岸諸国の死を予言する中で、連中の考え方を表現している。

これは極普通のことだ。王位継承者が富と権力の中で育ち、それが物事の自然な状態で、自分たちは聡明と思い込み、連中に苦労もなしに渡されると、そうしたあらゆるものに自分はふさわしいと思い込んでいるがゆえに、あらゆる王朝は最後はダメになる。たぶん連中は宮廷での陰謀がお得意で、それが宮廷外でも通用すると思っているのだ。

そうは行かない。

ウェルシは、最近GCC内部抗争が勃発した際に私が出したのと同じ結論に至っている。

カタールとの喧嘩がどのように終わろうとも、GCCの団結は(またしても)でっちあげであることが暴露された。修復は不可能だ。サウジアラビアの "指導力" は残虐なイジメに過ぎないことが暴露され、抵抗を受けるだろう。サウジアラビアの指導力の下での団結したGCCというアメリカの計画、アメリカの支配は目茶苦茶だ。
    ...
新指導部の下のサウジアラビアは自分たちの能力を買いかぶっていた。連中の役割を格上げしたトランプも買いかぶっていた。サウジアラビアの "マックブックを持った猿" には、この世界で本格的な当事者になるのに必要な能力が欠けている。連中の富がそれを延々取り繕ってきたに過ぎない。

ティラーソンと一部の"諜報機関幹部"が現在とっている手段は、パニックを示している可能性がある。"漏洩"は"情報源と方法"を明かしてしまう。他のあらゆる政府と同様、UAE幹部も、アメリカが、自分たちの内部協議を盗聴しようとしているのではと疑っていた。だが、今や彼らはそれが事実だと知ったのだ。 "漏洩"で明らかになった具体的なデータが、連中が何らかの対抗策をとる助けになるだろう。"情報源と方法" の漏洩は軽々しく行うものではない。そのような手段に訴えざるを得なかったことが、アメリカ政権が状況を掌握していないことを示している。

オスマン帝国崩壊の際、イギリスが現在のサウジアラビアを作り出した。二度の世界大戦で、イギリスの力は使い尽くされた。アメリカが湾岸諸国を含め帝国経営を引き継いだ。化石エネルギーと、アメリカ・ドルの準備通貨という立場にとって、アメリカには、サウジアラビアが必要だった。サウジアラビア国内での社会的不安はアメリカの利益にならないが、それが今や視野にある。"漏洩" は経験不足な政権の戦術に過ぎない。紛争やその結果を和らげるには不十分だ。

サウジアラビアや他の湾岸諸国における近い将来の不安定状態に対応すべく、ワシントンは、一体どのような戦略を構築するのだろう?

記事原文のurl:http://www.moonofalabama.org/2017/07/can-washington-mitigate-the-death-of-the-gulf-states-.html
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「連合」に労働者がデモをしたという記事を読んだ。当然だろう。政府と一緒になって、裁量労働制を認めて、労働者を弾圧する組織なのだから。こういう組織を支援団体にする政党に未来はない。

「防衛大臣の疑惑に防衛省リーク説」という見出しで連想するのは、「検索サイトから排除されました! 『7月13日から14日。ツイッター大量アカウント凍結、機能制限 凍結祭り』」記事。

ここ最近の動きを見ていると、官僚の背後には宗主国の意思が働いているようにも見える。

2017年7月19日 (水)

アメリカ陰の政府:プーチン-トランプのシリア停戦合意を妨害

Federico PIERACCINI
2017年7月16日

ハンブルクでのG20会合でのトランプ・プーチン会談は、アメリカ合州国とロシア間の複雑な関係に新たな希望を吹き込んだ。この希望に何らかの基盤があるのかどうかは、時間がたたなければわからない。

今年、最も待望されていたプーチンとトランプの会談は、予定の20分を遙かに過ぎ、二時間を越えた。話し合われるべき様々なあつれきや、国際関係の多くの懸案事項や、これが世界指導者二人の初の公式会談だという事実からすれば、さほど驚くべきことではない。得られた結果は、当初の野望を超え、シリアに関する重要な合意に至り、サイバー・セキュリティを巡る議論をするほど、プーチンとトランプの個人的な相性は十分だったようだ。アメリカ国内で彼を中傷する連中をなだめる手段として、トランプは、プーチンに、アメリカ大統領選挙におけるロシアによるハッキングとされるものに関して質問さえした。会談後の両大統領の声明が二人の前向きな意図を強調している。トランプは、思慮深く、詳細に配慮する、マスコミで描かれているのとは全く違う人物だとプーチンは言った。トランプは、核武装した超大国間の対話の重要性を述べて、プーチンとの会談を称賛した。

最も重要な合意は、イスラエルとヨルダン国境沿いの南部シリアにおける停戦だ。ここは戦闘がきわめて活発な地域なので、停戦は、アメリカ合州国とロシア間や、シリアとイスラエル間で、アメリカ空軍がシリアSu-22戦闘機とイラン無人機を撃墜した際に見られたような収拾がつかない状況にエスカレートしかねない危険な対立の可能性を未然に防ぐことになる。アルカイダと、ダーイシュ・テロリストに対する優勢を止めようという必死の取り組みで、イスラエルは、占領したゴラン高原内の陣地から、シリア・アラブ軍 (SAA)を再三攻撃した。

最初の会談で、二時間もしない内に、プーチンとトランプは、最も不安定な状況の地域に関する合意に至り、その過程で何百人もの一般市民の命を救った。シリアに関する合意は、今や、陰の政府や、反トランプで整列した他のあらゆる既得権益という難所を切り抜けなければならない。2016年、オバマとプーチンとの間でまとまった同様な合意からわずか数日後、アメリカ空軍によるデリゾール爆撃と約100人のシリア・アラブ軍兵士殺害て、まとまったばかりの停戦協定は切り刻まれ、ひっくり返された。

トランプは、オバマの停戦協定を妨害したのと同じオカルト勢力と取り組んでいるのだ。アメリカ陰の政府が停戦の決断をどれほど戦略的に支持しているかを知るのは不可能だ。SAAがイラク国境アル-タンフの北に至って以来、アメリカとその同盟諸国が作戦行動に使えるスペースは劇的に縮小している。アル-タンフが孤立しているので、ワシントンの停戦が、シリアのこの地域の既に大きく変わった力のバランスを変えたり、動かしたりすることはない。こうしたあらゆる理由から、停戦は、いずれの側による譲歩とも見えることはなく、超大国間の直接対決の可能性を少なくするための単なる常識的な動きに見える。

ラッカとシリア民主軍(SDF)が、デリゾールと近隣の油田に至るため、アメリカにとっての一番の基軸なので、軍事機構は北シリアでの状況に注力しているように見える。アメリカ国務省と、シリアに介入しているアメリカ軍事組織は、シリアを別々の地域に分割し、ラッカをダマスカスの傀儡政権の支配下に置いて、シリアの小国分割を望んでいる。とは言え、ダマスカスが、シリア領土で認められている唯一の権力であり、帰還するシリア国民でラッカが満ちれば、アメリカのそんな計画は崩壊するだろうから、イラクでのようにブレナン風総督を押しつけるというアメリカの願望は絶望的だ。しかもバグダッド当局は既に、二度、軍事作戦で、アメリカ支援が全くいやであることを明らかにしている。モスルの場合、イラクはアメリカの配備と関与は最小限であるべきだと述べており、イラク当局は既にシリアとのイラク国境を完全に支配したい旨、表明しており、事実上、両国の国境沿いを混乱と不安定にしておくというワシントンの計画を妨害している。アメリカ陰の政府は、混乱を、紛争を引き起こし、不安定を醸成する理想的な方法だと考えているのだ。シリアとイラク軍の最も重要な目標の一つは、それゆえ国境を隔離して、一方の国から他国への人の行き来を管理することであり、その過程で、これまで、兵器や何であれ好きなものを持って、自由に国境を越えられるという、ダーイシュや他のテロ組織にとって戦略的利点だったものを否定することだ。

トランプとこの交渉に関わったあらゆる当事者は、モスクワとワシントン間の同意をとうとう実現させた。これ以前の合意とは異なり、現在、シリアにおけるアメリカは、多くの戦略目標を実現し損ねたため、12カ月前よりもまずい状況にある。北シリアでのトルコとの協力は、アレッポ解放と、クルド (SDF)への明らかなアメリカの支援で潰れた。同様に、アスタナ(イランとロシアとトルコ間で)で合意されたシリア内の衝突回避地域が、多くの紛争の激しい地域で、テロリストの成果を阻止し、より多くの町を占領する可能性を皆無にしている。そうした取り組みは、様々な和平交渉で重要な有利な交渉材料だ。

アサド排除に失敗した後、シリアを解体する本来の計画に関係している陰の政府の軍事組織の権益に合致する、唯一可能な解決策に焦点を当てるのが、この戦略の核心のように見える。ある観点からすれば、アメリカが依然多少の影響力を持っている唯一の地域、シリアの北、ラッカの状況に注目するのも当然かも知れない。これは、アメリカ陰の政府の対立派閥によって作られた歪められた見方かも知れない。確かに、モスクワの視点からすれば、シリアでの戦略は、トルコやアメリカ合州国など主要当事者との複数の停戦合意を目指す外交的解決と、ロシア、イランとシリアによる戦争遂行努力を棚上げすることは決してしないこととの組み合わせなのだ。

プーチンとトランプとの合意は、何よりシリアの一般市民にとって恩恵で、SAAが、より多くの町や村をテロの支配から解放する機会も拡大する。長らく期待されていた合意であり解決策が、アメリカ陰の政府最も重要な部隊からにらまれているのだ。合意が失敗した場合、トランプには、彼の計画を妨げ、それを、自分たちのお粗末な政策で置き換えようと動いているワシントン既存支配体制と、その陰の政府による破壊を、世界に指摘する義務がある。

休戦が持続しているおかげで、この合意から具体的な恩恵を引き出すというモスクワの自信は、時々刻々増している。ロシアの視点からすれば、いかなる軍事的な妨害も、トランプのそれ以降の動きとは無関係に、アメリカの意図を再度暴露することになる。とは言え、妨害された場合、一つ確実なのは、トランプが決定的選択に直面せざるを得なくなることだ。陰の政府に降伏し、状況を核超大国との超対立状態に戻すか、あるいは、陰の政府と対決して打ち勝ち、彼の選挙公約を実行できるようにするかだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/07/16/us-deep-state-sabotaging-putin-trump-ceasefire-agreement-in-syria.html
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国家戦略特区によるカケ問題、審議の質疑時間、与党・野党、5:5にしろという理不尽。丁寧な説明が聞いてあきれる。

国家戦略特区の正体 外資に売られる日本』を読み終えた。

おなじみの「岩盤規制」という言葉があるが、「要するに規制緩和のための規制緩和」と郭教授は書いておられる。

今の政権が実現を目指しているものが、例えば
労働者保護が皆無な小林多喜二が虐殺された時代の労働環境への回帰、
農地解放以前の、小作農時代への回帰
だということがわかる。
そもそも、特区、アメリカの圧力で始まったものなのだ。

横浜のカジノ、東京の混合診療、庶民にとって、恩恵皆無。

182ページにこうある。

国にも、国民にもメリットがない。負担は国民と、国民が支える国家へ。利益は企業へ。これが国家戦略特区の正体である。

IWJのアーカイブには、国家戦略特区にまつわるものが多々ある。

なくすべき規制と守るべき規制~国民にもオープンな議論を! 農業、家事労働、医療・・・進む規制改革と私たちの暮らし――緊急シンポジウム「加計学園だけじゃない! どうなってるの?国家戦略特区」 2017.6.29

下記フォーラムには郭教授も登場されている。国民に向けられた安倍政権のドリル

国家戦略特区で「命の格差」がやってくる ~第3回希望政策フォーラム 「国家戦略特区は、何を狙っているのか」 2014.6.6

良いこと無しの国家戦略特区構想、 韓米FTAで韓国も規制緩和の嵐で大ダメージ 2014.4.13

【IWJブログ・特別寄稿】都知事選の隠された争点! 〜郭洋春著『TPP すぐそこに迫る亡国の罠』を担当した女性編集者の視点から 2014.1.29

2017年7月18日 (火)

ドゥテルテの対ISIS戦闘のさなか、マラウィ入り

Andre Vltchek
2017年7月16日
RT

フィリピン南部ミンダナオ島のマラウィ市での戦闘で、欧米マスコミは、途方もなく誇張された未確認報告や、うわさや、歪曲した‘事実'を報じている。
7月始め、包囲されたマラウィ市内と、その周辺地域に入るのを許されたごく少数の外国人の一人として、私はミンダナオ島を訪れた。

現地の人々、国内避難民、つまり聖戦士に乗っ取られた市から脱出するのに成功した人々と話した。ラミロ・レイ大将やジョ-アル・ハレラ中佐を含む戦闘責任者の軍最高司令官と状況について話し合うこともできた。多くの兵士や公務員や難民救援活動者たちと出会った。


© Andre Vltchek <p>首都にいる私の連絡相手が、テキスト・メッセージで、明らかにフィリピン軍内の親アメリカ派により、私brが“危険人物”とされていると知らせてくれた。そこで、私の現場入りが、マニラによって、最終的に許可される前、私は拘留され、サギアランの臨時軍事基地に留め置かれた。そこで私は軍諜報機関に“ソフトに”訊問された。わずかに離れた場所で、榴弾砲が約10キロ離れたマラウィのISIS陣地に向け、砲弾を発射していた。</p> <p>“アメリカ合州国は、世界中でテロ広めている責任があると考えているのか”と、一人の将校から夜遅く、単刀直入に質問された。‘舞台裏’の誰かが私の著作をおおわらわで調べているのは明らかだった。</p> <p>欧米の既存支配体制マスコミや、様々な卑屈なNGO(いくつかの反抗的で、自立心の強い国々で“人権を擁護している”連中を含め)、反帝国主義で、75パーセントの支持率を享受している進歩派指導者であるドゥテルテ大統領を悪者として描き続けている。軍内部には、大統領と、欧米から自立する彼の行動を支持する派と、もう一つの、ワシントンや他の欧米の首都に訓練され、往々にして、毒されてもいる派と、二つの派があることは良く知られている。</p> <p>親欧米派は、私を追い出し、拘留し、おそらく行方不明にさえしたがっていた。大統領側に立つ人々、私が真実を見るようマラウィ入りを認められるのを望んでいた。
© Andre Vltchek

最終決定は、夜遅くマニラで行われた。私は解放され、包囲された市内で働くことを 許された。最高司令官自身がキャンプを呼び出した時でさえ、少なくともしばらくの間は、私を解放するのを嫌がっているのが明らかだった。

マラウィ戦線を訪れての、私の最初の反応は、いきどおりだ。私が目にしたものは、大半の欧米マスコミや、マニラの親欧米現地テレビによって再三報じられているものとは根本的に異なっていた。

マラウィが、報じられているように“完全に破壊”されていないのは明らかだ。大半は依然しっかり建っている。20から30パーセントの家や建物、大半、市の中心部にあるものは、ひどい損害に耐えているのではと想像する。

ISISとつながる聖戦士が5月23日に攻勢を開始した際、彼らの計画は、ラマダンが始まるまでに(5月26日)、市を完全に支配することだったと説明されている。軍が連中の計画を潰した。軍隊が反撃し、他の全ての‘バランガイ(地区)'の支配を、維持あるいは奪還して、テロリストを一地区のみに封じ込めるのに成功している。

テロリストが無差別に残虐に振る舞った後の明白な恐怖感ゆえに、国内避難民の大規模な動きがあり、大規模な損失があったのは確実だ。だが、決して欧米で報じられているように400,000人が地域から逃れたわけではなく、約200,000人(人数は、一時約300,000人にのぼった)だった。


© Andre Vltchek

一般市民の“無差別爆撃”は決してなかった。発射される榴弾砲と、飛来する榴弾砲の両方と、空爆は極めて限定されていたのを目撃した。空爆は全てテロリストの陣地を狙ったものて、大半は命中していた。私がこれまで仕事をしてきた全ての交戦地帯と同様、ヘルメットや防弾チョッキを含め、あらゆる防具を断り、おかげでより動きやすくしていられた。それで、状況に'かなり迫る’ことができた。戦闘と爆撃が、1キロ平方未満の一地区にしっかり封じ込めらているのは明らかだった。

反ドゥテルテNGOや政府はミンダナオ島にかされた戒厳令への‘懸念’を主張している。マラウィ内と周辺(あるいはミンダナオ島のどこであれ)、戒厳令は残虐な結果をもたらしていない。夜間外出禁止令(午後9時-午前5時)さえ実施は手ぬるい。

レイ将軍は、マラウィ市で、私にこう説明してくれた。

“この戒厳令と、フェルディナンド・マルコス統治時代に課された戒厳令の違いは、現在、軍隊が主に、実戦に携わり、一般市民を支援している。地方当局幹部の仕事には全く干渉しません。彼らには、これまで通り仕事をするよう奨めており、私の支援が必要な時にだけ、私に連絡するように言っています。私はこの地域を支配してはいませんし、支配するつもりもありません。”

地域で活動している様々な救援組織やNGOのために働いている現地役所職員やボランティアが、レイ将軍の言葉を裏付けていた。

紛争地帯で仕事をしている間、住民の恐怖は全く感じなかった。軍隊と、一般市民の関係は、明らかに友好的な心からのものだ。軍隊の車列がイリガン市とマラウィ市の間を移動する際、子供も大人も微笑んで、手を振り、兵士を応援している人々もいた。


© Andre Vltchek

国内避難民を収容しているキャンプでは、ほぼ全員共通の見解だった。ミンダナオ島全般、特にマラウィ地域の多くの住民は通常マニラからの更なる自治を歓迎するのだが、この進行中の残虐な紛争の間は、現地住民のほぼ全員、軍と政府の取り組みを支持している。

“聖戦集団のフィリピン人も、外人も早く粉砕されて欲しいものだ”というのが、現地の人々ほぼ異口同音の意見だった。

イリガン市とマラウィ市で、ISISと軍の陣地の位置をはっきり示す詳細な地図を見せてもらった。

ラナオ・キャンプのジュン・アバド中佐と、部隊長のレイ将軍が、私に明快なブリーフィングをしてくれた。7月3日時点では、アグス川が、ISIS占領地と、軍隊が解放し支配している地域の‘境界’だ。

市全域が間もなく、可能性としては7月中に解放されることは疑いようもない。それがまだ実現していない唯一の理由は、テロリストが、キリスト教徒であれイスラム教徒であれ、人質を人間の盾として利用しているためだ。ドゥテルテ大統領、レイ将軍や他の人々は、無用な人命の損失を避けようとしているのだ。

外人戦士が関与しているので状況は極めて微妙だ。6月30日、in サギアラン、マルヴィン・リグタン少佐はためらいがちに、こう認めた。“隠れ家の一軒で、インドネシア、マレーシアや、いくつかのアラブ諸国が発行したパスポートを発見しました。”


© Andre Vltchek

最近インドネシアで“アフガニスタン時代”にまでさかのぼるテロリストの蜘蛛の巣について、私は詳細を説明した。あの時期、欧米は、多くの東南アジア過激派に、アフガニスタンの非宗教的な社会主義政府とソ連に対する戦いで、ムジャヒディーン加わるよう奨励していた。鍛えられた彼らは最後にインドネシアに戻り、アンボンやポソを含む国内でのいくつかの紛争を煽り、シリアや、そして現在、フィリピンに彼らを‘輸出’する前に、新世代聖戦戦士を訓練しはじめた。何人かの学者や専門家が、これを私に請け合った。

社会主義、反帝国主義や、愛国心の強い国々や政府を不安定化するために、欧米は‘聖戦'を、直接的、間接的に頻繁に利用してきた。過去、アフガニスタン、インドネシア(1965年)やシリアなどの国々の破壊に成功してきた。多くの人々が、フィリピンは‘攻撃リスト'への最新の追加だと考えている。

ミンダナオ島出身の著名なフィリピン・ジャーナリストで親ドゥテルテ活動家のドレイ・トレボはこう説明してくれた。

“欧米が、ドゥテルテ大統領に対して敵対的な理由は単純です。彼がワシントンに最大の敵と見なされている国、中国と和平合意をまとめようと懸命に動いているからです。もう一つの‘欧米の敵' ロシアも、ドゥテルテが尊敬し、国民も次第にそうしています。最近、ロシアとフィリピンは防衛条約を調印した。大統領は、キューバとも、特に医療分野で緊密なつながりを作りつつあります。”

事態の重みは誰にも否定できない。

マラウィから逃げて来て、サギアラン市役所の土地に建てられた救援センターで暮らしている人々の疲れ切った様子を私は目にした。

“昨日、二人の幼児が亡くなりました”とミンダナオ国立大学(MSU)の学生ボランティア、アメル・ハッサンに教えられた。

理由は“水の違い、栄養失調と、疲労...”


© Andre Vltchek

私はもっと知りたかったし、アメルは続けた。

“人々は今でも衝撃を受けています... 彼らは今起きていることが信じられないのです。特に家が破壊された人々; 肉親を、全てを失った人々...”

欧米は批判ばかりしているが支援しているだろうか? アメルは肩をすくめるだけだった。

“外国からの支援は皆無です... 我々が得ているものほぼマニラの政府か地方行政機関からのものです。ドゥテルテは懸命に働いて、我々を助けています。”

カマル・ミンバラワグ、妻のイマと、一カ月の赤ん坊モハンマドの三人家族はセンターの狭い空間に押し込まれていた。彼らの記憶は殺伐としていた。イマは、ほとんど機械的に経験を説明してくれた。

“攻撃の第一段階の際、私たちはマラウィにいました。私は妊娠していて、出産が近かったのです。ISISが攻撃した時、私たちは市役所にいました... 彼らは検問所を設け、人々をグループに分けました... 私たちに銃を向けました... 連中はこう質問しました。‘イスラム教徒かどうか?’...そして‘もしイスラム教徒なら‘シャハーダ'を唱えよ。唱えることができなければ、殺されるか人質にとられるかです... 殺害され、太陽の灼熱下で、犬に食べられる亡骸をみました...”

マラウィ市の戦いは荒れ狂っている。ISIS狙撃兵に破壊されたビルの最上階、オーストラリア人記者が二日前に銃撃された場所から、私はそれと向き合った。

ここはアレッポではないが、軍隊による英雄的な反撃がなければ、そうなっていた可能性がある。

約100人の兵士が既に命を失った。私がレイ将軍に出会う一日前、彼の部下六人が負傷した。800人以上の一般市民が亡くなったと言われている。一体何人のテロリストが殺害されたか正確に知っている人はいない。これは本物の戦争だ。あらゆる戦争と同様、厳しく残酷だが、この場合、‘新たに独立した’国は明らかに勝利しつつある。

これは信じがたい光景だ。愛国的で断固とした兵士の中には、いまでもアメリカ国旗が刻まれたヘルメットや、古いイスラエルの防弾チョッキを身につけている人々がいる。だが疑いようもないことがある。これは現実の話、新しい国だ! 全く違うフィリピンとマラウィは、彼らが耐えなければならない、最初で最もきついテストの一つなのだ。

戦争が人々と軍隊を団結させた。欧米や地元の商業マスコミが一体何を書こうと、大半のフィリピン人は知っている。これは彼らの戦いなのだ。彼らの大統領と、彼らの軍隊が、実に異質で、暴力的で、恐ろしいものに対して戦っているのだ。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

アンドレ・ヴルチェクは、小説家、映画製作者で、調査ジャーナリスト。彼は数十ヶ国で、戦争や紛争を報道してきた。彼の最新書籍三冊は、革命的な小説『Aurora』と二冊のベストセラー政治ノンフィクション『帝国の嘘を暴露する』と『欧米帝国主義と闘う』。彼の他の著書をここで見る。アンドレは、teleSURと、Al-Mayadeen向けの映画を制作している。ルワンダとコンゴ民主共和国についての画期的ドキュメンタリー『ルワンダ・ギャンビット』を見る。長年、中南米、アフリカ、オセアニアで暮らした後、ヴルチェクは現在、東アジアと中東で暮らし、世界中で働いている。ウェブサイトかツイッターで連絡できる。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/396462-marawi-duterte-isis-war/
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寿司友が常連の呆導、音を消して、つける悲しい癖がぬけない。そこで、

植草一秀の『知られざる真実』「アベノミクスで99%主権者の生活はズタズタだ」に書かれているメディア論に大賛成。

youtube暴露タレントのたわごとをいいおとなが集まって論じる民放いや民呆。いい年をして、金をもらって些事を論じる連中自体冗談そのもの。辺見庸の表現を借用すればクソバエ。音を消し、時折眺めている小生はクソバエ庶民。

全く対照的なのが、IWJのインタビュー。驚くほど、実に長時間だが中身は濃い。

日本で最初の立憲民主主義思想は現行憲法よりリベラルだった!? 幕末の思想家・赤松小三郎の暗殺に見る「明治礼賛」の虚妄! ~岩上安身による拓殖大学関良基准教授インタビュー(その2) 2017.7.11

2017年7月17日 (月)

アメリカ軍が心配するペンタゴン傭兵の復活

Wayne MADSEN
2017年7月14日
Strategic Culture Foundation

ジェームズ・マティス国防長官と、H・R・マクマスター国家安全保障問題担当大統領補佐官が、アフガニスタンでのアメリカ軍政策を見直している時期に、2017年7月10日のニューヨーク・タイムズ記事が、アメリカの国防戦略をひっくり返し、苦い過去に引き戻す脅威を暴露した。タイムズの記事は下記の段落を中心に展開されている。

“話についてブリーフィングを受けた人物によれば、民間警備会社ブラックウオーター・ワールドワイドの創設者エリック・D・プリンスと、巨大軍事請負企業ダインコープ・インターナショナルを所有する億万長者投資家、スティーブ・A・フェインバーグが、トランプの首席戦略官スティーブン・K・バノンと、上級顧問で義理の息子、ジャレッド・クシュナーの要請により、アフガニスタンでは、アメリカ軍ではなく、契約業者に頼るようにという提案を作成した。”

ブラックウオーターと、ダインコープの歴史は、イラクとバルカン半島での極悪な戦争犯罪と、世界中での軍事攻撃での、アメリカ納税者のお金の大規模詐欺そのものだ。ブラックウオーターのトップとしての彼の行動が調査対象となった後、ドナルド・トランプの教育長官ベッツィ・デヴォスを姉に持つプリンスは、会社を売って、傭兵事業をアブダビに海外移転した。

アブダビを本拠とするプリンスの会社、リフレックス・リスポンシズ(反射反応という意味)(R2)は、隊員を世界中、特にコロンビア、チリ、ホンジュラス、南アフリカと、ルーマニアから徴募し、アブダビのムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子の傭兵用に訓練している。同輩のイスラム教徒たちを殺害する上で、必ずしも信用が置けないので、イスラム教徒の軍事要員を雇うことは厳格に禁止されているのだ。アブダビ郊外の、巨大な軍事都市ザーイド市を基地とする傭兵は、アメリカ合州国、イギリス、フランスと、ドイツの元特殊部隊将校が指揮している。R2が、英領ヴァージン諸島を本拠とするオフショアのトンネル会社、ソアー・グローバル・エンタプライズ経由で、傭兵要員を徴募している。R2傭兵は、イエメン内戦で、サウジアラビアによるイエメン支配に反対する勢力に対して、サウジアラビアが率いる連合の一部として戦っていると報じられている。皇太子はR2に関するあらゆる通信や文書で“キングフィッシュ”という暗号名を使っている。

トランプ支持者のフェインバーグは、複数のペンタゴン請負企業を支配している彼の投資会社ケルベロス・キャピタル経由で、ダインコープを支配している。ダインコープは、両国で、ペンタゴンとNATOの作戦を支援していた間、コソボとボスニアでの子供や女性の性的売買に関連した役割を含め、ワシントンで、いくつかの議会とinspector general 捜査の対象になっていた。

2009年、プリンスがブラックウオーターの社名をXeサービシズに変えた後、2011年に、USTCホールディングスに売り、同社は最終的に企業名をアカデミに変えた。同社は、競合する傭兵企業トリプル・キャノピーともども、2014年に、コンステリス・ホールディングスに買収された。社名と所有者の変更は、中央情報局(CIA)による典型的な企業ペテンだ。アカデミは、ノースカロライナ州北東部のモヨックで、ブラックウオーターが所有していた7,000エーカーの軍事訓練施設を維持している。

プリンスは、ペンタゴンとCIAが、外国における軍事的冒険を、アカデミやR2のような企業に民営化するようになるのを長年期待してきた。もし、バノンとクシュナーが思い通りにすれば、彼の願望は、今やアメリカ最長の戦争となったアフガニスタンで実現する可能性がある。

ジョージ・W・ブッシュ政権時代、ブラックウオーターは国務省の主要治安警備請負業者で、世界中のアメリカの外交施設に治安警備要員を提供していた。国務省契約には詐欺がはびこっている。2007年11月の議会宣誓証言で、国務省統括監査官ハワード・“クッキー”クロンガードは、当初、彼の弟、元CIA幹部のアルヴィン・B・“バジー”クロンガードは、ブラックウオーターとのいかなる関係もないと否定していた。下院監視・政府改革委員会が、バジー・クロンガードが、ブラックウオーター・ワールドワイド諮問委員会に参加するよう招かれ、招待を受けて、バージニア州ウィリアムズバーグでのブラックウオーター諮問委員会に出席したことを証明する文書を示すと、ハワード・クロンガード証言の数時間前、国務省監察官は、偽証罪の容疑を避けるため、彼の証言を変えた。

2007年9月16日、17人のイラク民間人を銃殺したかどで、ブラックウオーターは既にFBIと司法省の捜査対象になっていた。同社はイラクへの兵器密輸のかどで、司法省捜査対象にもなっている。兵器の一部は、イラクの様々な武装反抗勢力集団の手に落ちたと報じられている。国務省やCIAや国防省がブラックウオーターなどの企業を雇う主な理由は、外国での秘密アメリカ軍作戦や、アメリカ合州国での、ニュー・オリンズ市内や周辺でのハリケーン・カトリーナ後の治安作戦中のようなイベント中のものを、連邦捜査や議会の委員会から隠すためだ。

トランプ政権に、ベッツィ・デヴォスがおり、プリンスが、自ら課したアブダビ亡命の後、またしてもワシントン権力の最高の地位に復帰したことで、デヴォス家とプリンス家が、右翼共和党政治家とつながりを持っていることに注目が向いている。デヴォス家は、ウインドクェスト・グループ、DPフォックス・ヴェンチャーズやアルティコア(旧アムウェイ)など様々な企業を利用して、何千ドルも保守派共和党政治家や、政治活動委員会に注ぎ込んできた。プリンスは、家族調査評議会や、トランプの大統領選挙運動で、有権者データへの財政的、技術的支援をしたレベッカ・マーサーが率いるマーサー・ファミリー財団などの右翼福音主義キリスト教政治集団と緊密なつながりをもっている。マーサー家は、トランプの首席戦略官スティーブン・バノンや、トランプ顧問ケリーアン・コンウェイの政治後援者だ。

ダインコープは、国務省契約の下、アフガニスタンの当時の大統領ハミド・カルザイや、ハイチ大統領レネ・プレヴァルや、ジャン=ベルトラン・アリスティドの治安警備を行っていた。同社は、2004年にCIAが起こし、アリスティドを退陣させたクーデターに参加していたと考えられており、同社はカルザイがからむ金融腐敗に関し、うわべ以上の情報を持っていた可能性がある。ブラックウオーター航空部は、アフガニスタンでの秘密作戦のみならず、キルギスタン、パキスタンやウズベキスタンにも関与していた。2004年11月27日、“ブラックウオーター 61”と名付けられたブラックウオーター CASA 212が、アフガニスタン僻地の渓谷で墜落した。乗員と乗客の生存者はいない。ブラックウオーターのパイロットはバグラム空軍基地を離陸し、ファラに向かう飛行計画を申告しておらず、飛行機は飛行機の位置を特定する追跡システムを動かしていなかった。国家運輸安全委員会(NTSB)は後に、パイロットと乗組員は無謀な行為と複数の間違いをしていたと判断した。

ブラックウオーター 61の墜落で亡くなった乗客の中にマイケル・マクマホン陸軍中佐がいたが、彼には幼い子と未亡人、ジャネット・マクマホン陸軍大佐がいる。マクマホン陸軍大佐は後に、下院監視・政府改革委員会に、彼女の夫が死亡した墜落についてこう書き送っている。“あれは単なる悲劇的な事故で、事故は特に戦域で起きたのだというむきもあるだろう。しかし、この事故は、管理している企業[ブラックウオーター]の判断が完全に欠如していたためだ。私の10カ月のバグダッド遠征経験からして、私のに対する印象は、むやみに銃を撃ちたがり、アメリカ軍の交戦規則に拘束されず、イラク民間人にも連合軍にも危険で、まるで法を超越するかのようにふるまい、現地住民から無差別殺人者と見なされており、戦域では会社は全く動いていない。私の同僚たちは、彼らは資産ではなく、債務だと考えている。”

ペンタゴンとCIAにとって、ブラックウオーター航空は、インドシナ戦争中、銃や鶏から、高品質ヘロインや、エレクトロニクス商品に至るまで、ありとあらゆる種類の貨物を輸送したむこうみずなエア・アメリカの“ワイルド・ウエスト”の日々復活だ。もし、バノン、ファインバーグとプリンスが思い通りにすれば、アメリカの“ドラッグストア・カウボーイ”傭兵は、またしても、アフガニスタンや、おそらく現在、そして将来、世界中の他の交戦地帯を支配するようになるだろう。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/07/14/return-pentagon-mercenaries-worries-us-active-duty-military.html
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究極の民営化。憲法を破壊して、そういう侵略戦争に、国民の税金で軍隊を提供したがる不思議な国がある。属国民の税金による傭兵提供。反対しようとすれば共謀罪の対象。

戦争といえば、有名人がヒトラーのシャツを着て大本営広報部大政翼賛会に出演した話。
他の大本営広報部大政翼賛会、この件に触れたのだろうか?

今日の日刊IWJガイド、シャツに関する記事の一部をコピーさせていただこう。

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<お知らせ>いよいよ夏本番も間近!好評発売中のIWJオリジナルTシャツは残りわずか!新たなデザインも検討中です!
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 おはようございます。IWJテキスト班の林俊成と申します。

 東京では連日真夏日となっており、梅雨明けはまだですが、すでに夏本番の様相です。Tシャツの出番も増えているのではないでしょうか。

 Tシャツといえば、先日本ガイドでもお伝えしましたが、「ホリエモン」こと堀江貴文氏がNHKの番組に「ヒトラー」Tシャツを着て登場。そのTシャツは、ヒトラーが「No War」というメッセージを主張しているようにデザインされていました。堀江氏の行為を受け、インターネットは騒然となり、司会者は番組の最後で「不快な思いを抱かれた方にはお詫び申し上げます」と謝罪しました。

 一方、堀江氏は番組終了後、ツイッターで「シャレわかんねー奴多いなあ」「ヒトラーがNO WARって言いながらピースマーク付けてるTシャツの何が悪いのかさっぱりわかりませんが」などと述べました。

 言うまでもなく、ヒトラーがおこなったホロコーストの歴史を考えれば、こうした堀江氏の態度は許されるものではありません。

 ヒトラーが、演説で人心を掌握することに長けていたことは有名ですが、1933年5月の「平和演説」では「平和」と「軍縮」という言葉が11回使われていました。しかしこの演説、実際の中身は国際連盟からの脱退の表明でした。ちょっと聞くだけでは耳障りのいい言葉が並んでいるため、その奥に巧妙に込められた意味を把握し難かったのです。

 また「平和」と口先で謳いながら実際には戦争準備を着々と進める、という点で、日本でもかつて「積極的平和主義」というフレーズで、元来の「積極的平和」という言葉が意図的に歪められて使われたことが思い出されます。これは1933年ではなく、ごく最近の話です。

※【全編字幕付き!】「積極的平和」の生みの親・ガルトゥング博士に岩上安身が単独インタビュー!「安倍総理は言葉を乱用している」 ~博士の提言する日本の平和的安保政策とは 2015.8.19
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/258667

・平和学(wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%92%8C%E5%AD%A6#.E6.B6.88.E6.A5.B5.E7.9A.84.E5.B9.B3.E5.92.8C.E3.81.A8.E7.A9.8D.E6.A5.B5.E7.9A.84.E5.B9.B3.E5.92.8C

 堀江氏は、ヒトラーの二重話法演説自体は知らなかったかもしれません。しかし何よりも、批判に対し正面から向き合わず、あらかじめ「反戦Tシャツだよ」という逃げ道を用意しておく堀江氏の姿勢は、大人として、社会人としていかがなものでしょうか(40過ぎの人物に対していうのもどうかと思いますが)。

 IWJでは、こうした小細工なしで、正面から「主張する」Tシャツを用意しております!現在は、「TRUE DEMOCRACY」と「TALK ABOUT DEMOCRACY」の2種類のデザインを販売中です。

 好評のため、「TALK ABOUT DEMOCRACY」ヘザーグレーのSサイズ、バーガンディのSサイズ、Mサイズは品切れとなってしまいました。「TRUE DEMOCRACY」のネイビー×イエローも、一部サイズで品切れとなっています。

 また、その他の商品も、在庫はかなり少なくなっております。ぜひ、お早めにお買い求めください!

※復刻版!! Tシャツ「TALK ABOUT DEMOCRACY」色:ヘザーグレー
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=256

※復刻版!! Tシャツ「TALK ABOUT DEMOCRACY」色:バーガンディ
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=257

※復刻版!! Tシャツ「TRUE DEMOCRACY」色:ネイビーXイエロー
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=142

※復刻版!! Tシャツ「TRUE DEMOCRACY」色:ナチュラルXエンジ
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=141

※復刻版!! Tシャツ「TRUE DEMOCRACY」色:ブラックXレッド
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=140

ところで、横浜市民、カジノに賛成なのだろうか?

2017年7月16日 (日)

ワシントン新エネルギー戦略の致命的欠陥

F. William Engdahl
2017年7月13日

同情心に何らかの価値があるとするなら、人は不運なポーランド人に同情したくなるかも知れない。ポーランド新指導部は、危険なワシントンの計略によって、今回またしても、たぶらかされた。ドイツにとってかわり、ロシアを追い出して、EUの天然ガス・ハブになろうというのだ。

ポーランド人は、自滅的なプロジェクトに引っかかる傾向があるようだ。1939年、ポーランドのユゼフ・ベック外務大臣が、ナチス侵略の際には、ポーランドの主権イギリスが守ってくれると信じて、イギリスと、後に、フランスと、ポーランド-イギリス相互援助条約に署名した時もそうだった。イギリスとフランスが静かに微笑む中、ヒトラーとスターリンによって戦利品として、分けられてしまったのだ。諸国にはポーランド人と違う狙いがあったのだ。

ポーランド人、特にレフ・ワレサが、レーガンのCIAと全米民主主義基金を信じたのもこの例だ。全米民主主義基金経由で得る何百万ドルものCIAと国務省の資金をもったCIA NGOフロント組織ソリダーリノスチ(連帯)が、ポーランドを、ソ連支配という災難から逃れさせ、自由市場ハイパーインフレと最も貴重な国家資産略奪というジョージ・ソロスと彼のハーバード・ボーイズによる別の災難に追い込んだ。“国のDNA”というようなものについて語れるとすれば、いくつかの重要なアミノ酸が欠けていて、それがポーランド人が、一体誰が友人で、一体誰が敵なのかを本当に認識するのを妨げているように思える。

今回、最近ワルシャワでのトランプ大統領に対する“最高の歓迎”で、ポーランド人は必死にアメリカ大統領を奉じ、ポーランドを、EUにとって、ロシア天然ガスのライバルにするという彼の約束を信じようとした。7月6日、ワルシャワでのスリー・シーズ・イニシアチブ会議での発言で、ロシア・ガスへの依存の代案として、アメリカ・エネルギー輸出をとるべきだと、出席した指導部に、トランプは述べた。

スリー・シーズ・イニシアチブは、12の中欧と東欧諸国が、エネルギー政策を調整するための取り組みだ。トランプは、明らかにロシアに言及して、ポーランド人にこう語った“一つの重要な問題について、はっきり申しあげたい。アメリカ合州国は、貴国を強要するために、決してエネルギーを利用することはしないし、他国にもそうさせるつもりはない。皆様は独占や独占的状況はお嫌いだろう。”彼はさらにこう言った。“我々は皆様の代替エネルギー源入手を我々は断固として確保するので、ポーランドと隣国諸国は二度と単一のエネルギー供給国の人質にされることはありません。”

LNGエネルギー・ハブ?

トランプが、ハンブルクG20サミットへの途中、ワルシャワに立ち寄ったのは、ロシア-ドイツ間のサンクトペテルブルク南部のウスチ・ルガから、ベルリンとハンブルクの中間にあり、ポーランド国境から80 kmのドイツ、グライフスヴァルトへのバルト海海底ノルド・ストリーム 2 ガス・パイプライン阻止をアメリカが支援する夢を、ポーランドに見させてやる計算ずくのものだった。ポーランド人は、ウクライナからのポーランドへのパイプラインに対するガスプロムの通行料を失うことで激怒しているだけではない。彼らは、ロシアのガスプロムを、巨大かつ、拡大しつつあるEUガス・エネルギー市場から追放したがってもいる。これこそトランプ政権の長期的な狙いだ。ポーランド政府との会談で、トランプは、LNGガス・インフラと、アメリカの剰余シェール・ガスLNG輸入の壮大な可能性について語ったとされている。

アメリカ東海岸とメキシコ湾にある極めて数が限られたLNGターミナルから、特殊なタンカーで輸送するアメリカ・シェール・ガスは決して安くない。

今年6月、シェニエール・エナジーのルイジアナ州サビンパス工場からポーランドへのアメリカLNGの初荷が到着した。しかも、決して安くはない。エネルギー専門家は、ポーランドのシフィノウイシチェLNGターミナルでの価格は、百万英熱量あたり、5.97ドルと推計している。同じガスは、現在アメリカ市場で、百万英熱量あたり約3ドルだ。ドイツ向けのロシア・ガスは百万英熱量あたり推計約5ドルと見なされている。ポーランド人は、彼らのロシア嫌いと、ワシントンによるごまかしのおかげで、カモにされているのだ。

NATOのエネルギー戦略

ポーランドの戦略は長年にわたって構想されてきたたもので、アメリカと北大西洋理事会に支持されている。既に、2014年、ポーランドは、バルト海の港、シフィノウイシチェに約10億ドルの経費で液化天然ガス(LNG)ターミナル建設を開始した。年間、50立方メートルのガスを受け入れることが可能で、それを倍増することも検討中だ。だが、これは、実際には、ロシア・ガスをEU市場から追い出すNATO戦略の序章に過ぎない。

戦略では、ポーランドを連結管で、リトアニア、ウクライナ、スロバキアとチェコ共和国と結び、ポーランドを中欧の天然ガスのハブにすることになっている。

これは、アドリア海、バルト海と黒海に接する12カ国で、エネルギー戦略をまとめるべく、昨年、ポーランドとクロアチアによって設立されたスリー・シーズ・イニシアチブなるものの一環だ。クロアチア政府は、人気の高いクロアチアの観光地イストリア半島で、大きな反対がある中、アドリア海のクルク島に議論の多い海上LNGターミナルも建設しようとしている。ポーランドとクロアチアに加えて、この構想には、ハンガリー、チェコ共和国、スロバキア、ルーマニア、ブルガリア、リトアニア、エストニア、ラトビア、スロベニアとオーストリアという、ほぼ全て現在、ロシア天然ガスに依存している国々が参加している。

ワシントンに本拠を置くシンクタンク北大西洋理事会の事実上のNATO戦略上、スリー・シーズ・イニシアチブは、ロシア・ガスを、東欧と中欧の旧共産国から追い出そうという共通の動機だ。皮肉にも、ドイツと他の西欧EU諸国は、既に建設中のガスプロム・ノルド・ストリーム IIを支持しており、ポーランドのスリー・シーズ・イニシアチブと対立状態にある。

5月に、北大西洋理事会は、ワシントンで、スリー・シーズ戦略に関する会議を開催した。元オバマの国家安全保障問題担当大統領補佐官だったジェームス・ジョーンズ将軍が基調講演を行い、そこで彼はトランプ政権が、ロシア・ガスからのエネルギー“自立”のため、スリー・シーズ・イニシアチブを支援する戦略的重要性に触れた。講演の中で、ジョーンズは、イニシアチブの狙いは、ヨーロッパのエネルギー分野での“クレムリンの影響力”を低下させるか、消滅させることだと述べた。ワルシャワでのスリー・シーズ・イニシアチブにおけるトランプの7月6日の演説は、ジョーンズ将軍本人が書いたものである可能性がある。戦略的地政学的ワシントン政策は、大統領自身が書くことはない、少なくとも1963年11月のCIAによるJFK暗殺以来。クロアチアとともに、ポーランドを、非常に高価なアメリカLNG天然ガス輸入のエネルギー・ハブにするというのは、ワシントンの対ロシア地政学戦略なのだ。

新たなEU断層線

東欧と中欧のEU諸国に対するロシアのエネルギー影響力を標的にするのに加え、ポーランドと、可能性として、クロアチアに対するトランプのLNGガス政策は、EU問題に対するドイツとフランスの優勢的影響力を損なうことも狙っている。最新のアメリカ上院による対ロシア経済制裁は、ポーランド経由とは独自のバルト海経由のドイツ-ロシア ノルド・ストリーム II パイプライン拡張支援に関与している企業を直接狙っている。下院を通過し、トランプが署名すれば、ノルド・ストリームIIなどのロシアとのエネルギー・プロジェクトに関与しているEU企業に対して厳しい経済制裁が課されることになる。

最近のアメリカ経済制裁の可能性に対して、明らかな理由から、ドイツとオーストリアの政府は、即座に激しい反対を表明した。6月15日、ドイツとオーストリア外務大臣は、アメリカを批判するいつにない共同声明を発表した。実にきつい言葉で、こう述べている。“ヨーロッパのエネルギー供給はヨーロッパの問題であって、アメリカ合州国の問題ではない。ヨーロッパのエネルギー供給開発に参加するヨーロッパ企業に対する違法な域外適用経済制裁の脅しを認めることはできない”。トランプの7月6日のスリー・シーズ構想会合登場を、オーストリアはボイコットした。

現れつつあるのは、エネルギー、具体的には天然ガス・エネルギーという経済的な命綱を巡る新たな本格的なEU断層線だ。一方の側は、特にドイツだが、オーストリアやフランスや主にロシア・ガス供給でまとまっている他のEU諸国現在同士の枢軸だ。登場したのは、明らかに彼らと対抗する、ワシントンと提携したポーランド枢軸だ。今後数カ月、数年に、これがどのように進展するかが、ヨーロッパだけではなく、戦争と平和に大きな意味を持つことになろう。

ワシントンの新ガス・グレート・ゲーム

ワシントン陰の政府の一つの特徴は、連中の戦略的想像力は、最近まで、一世紀、彼らのために機能してきたように見えるもの、つまりエネルギー支配に限られていることだ。過去数年間、2003年のイラク占領や、2011年のリビア破壊など、石油支配のための無数のペンタゴン戦争に加え、現在に至るまでのバッシャール・アル・アサドに対するアメリカが操る戦争も、基本的にエネルギー、具体的には天然ガス・エネルギー支配のための戦争なのだ。

混乱していることが多いトランプ政権政策の狙いも、天然ガスの世界支配と、他のライバルによるそうした支配の戦略的阻止という特殊なプリズムを通すと、戦略がはっきり見えてくる。トランプ戦略の礎の一つは、スリー・シーズ・イニシアチブを支援して、ポーランドをアメリカ・シェール・ガスのためのヨーロッパのハブにするという企みだ。

新ワシントン戦略の二番目の基軸は、イランとカタール両国の領海にまたがるペルシャ湾にある共有ガス田の世界最大の天然ガス埋蔵を輸送するために出現しつつある、カタール-イラン-シリア-トルコ天然ガス同盟の阻止だ。

トランプによる最近のリヤド訪問中、トランプは、何よりも、サウジアラビアが率いるスンナ派“アラブNATO”を奨励して、サウジアラビアとワシントンにより、この妨害が開始されたのだ。その結果が、イランとのつながりと、ムスリム同胞団テロ支援を理由とした、サウジアラビアが率いる異様な対カタール経済制裁だ。これが異様なのは、大半の観察眼の鋭い人々には周知の通り、現在、サウジアラビアは、ワシントンと並んで、テロに対する世界の主要スポンサーで、資金供給者で、少なくとも1979年以来、アフガニスタンのオサマ・ビン・ラディンと、彼のアルカイダ・ムジャヒディンを支援してきているのだ。最近、シリアでの戦争に勝利する見込みはないことを理解するまで、カタールの手は、シリア国内のテロリスト支援で汚れていた。それは当時から明らかだった。現実には、サウジアラビアによるカタール封鎖は、過激派テロリストを阻止することを狙ったものではない。今後、可能性として世界最大のガス消費者であるEUガス市場から、イランとカタールと、潜在的には、シリア・ガスを締め出すことを狙っているのだ。

更に、この二つの重要な要素に加えて、アメリカ・シェール・ガス輸入に依存するよう中国を誘惑しようというアメリカ・ガス戦争の最近の取り組みがある。その一つの結果が、4月、マー・ア・ラゴでのトランプと習近平中国国家主席会談で、アメリカ商務省は、LNGの形でのアメリカ・シェール・ガスの対中国輸出を支援し、促進するという声明だ。中国は現在カタール天然ガスの主要輸入国で、中国向けの巨大なパワー・オブ・シベリア・ガス・パイプラインが2019年に運用が始まれば、ロシア・ガスの大口輸入国になろうとしている。ワシントンは、劇的に石炭への依存度を引き下げる中国の戦略のために、いくつかの別のガス供給業者を抱えていたいという中国の当然の願望に付け込んでいるのだ。

致命的欠陥

新たなワシントン ガス戦争地政学的戦略には致命的欠陥がある建設中アメリカ東海岸とメキシコ湾沿いに、他の12 LNG港湾が建設中という事実にもかかわらず、アメリカ・シェール・ガス供給の長期的信頼性は、きわめて疑わしいのだ。

透水性の低いシェール岩層から、地震活動で、シェール・ガスの解放を誘発するのに必要な水圧‘破砕’による膨大な環境上の被害については既に多く書かれている。井戸一つあたり1000万ガロンもの膨大な淡水需要がある。膨大な量の極めて有毒な廃水ももたらし、誘発地震や、温暖化ガス排出や、地下水汚染がある。

多くの州が水質浄化法に違反している、こうした問題を避けるため、水質浄化法を施行する責任を負っている環境保護局長官スコット・プルイットは、ガス生産を増やすべく、シェール・ガス破砕に関する多くの環境規制を解除するつもりだと言っている。これはペンシルヴェニア州から、テキサス州から、ノースダコタ州に至るまで、アメリカ中での莫大な水需要を意味する。これは有毒地下水汚染の飛躍的増大をも意味しよう。

ところが、トランプのアメリカ・シェール輸出支配計画の最も深刻な致命的欠陥は、シェール・ガス生産の安定性そのものなのだ。シェール・ガスの異例な地質ゆえに、井戸の産出は、当初の流量が比較的高い。ところが再三の実験で明らかなように、シェール・ガス田は、約4-5年後、生産量が双曲線的に低下する。実験で、ガスの量は7-8年後に約80%減少しうることが分かっている。つまり、おそらくシェール井戸の利益の80%が、劇的に低下するまでの最初の5-7年間に限られていることを意味する。つまり、ガス生産水準を維持するには、遥かに多くの井戸を、エンド・ユーザーに対するガス価格の点でも、環境に対する負担の上でも遥かに高い経費で掘削する必要があることを意味する。

これまでのところ、シェール・ガス掘削業者は、西テキサス州パーミアン盆地のような、大量のガスが大きな利益をもたらす“スイート・スポット”と呼ばれるものに集中してきた。アメリカ国内シェール・ガス供給過剰は、1970年代のエネルギー危機以来、初めてガスと石油輸出を認める最近の法律によって緩和される。とはいえ、ここ数カ月、現在の投資水準での現状シェール・ガス“ピーク”の気がかりな兆しが現れつつある。

エネルギー業界のニュースレター、OilPrice.comの6月16日号によれば、非常に活発なテキサス州パーミアン盆地でのシェール石油生産も既に衰退している可能性がある。つまり、シェール・ガスも間もなく同じことになるのを意味している。購読者向けのレポートで、OilPrice.comはこう書いている。“パーミアン盆地も生産性が頭打ちになり、掘削装置毎の新たな井戸の産出は、今年これまで毎月減少している。桁外れの生産性増加は、2016年に止まった。2016年8月、平均的な掘削装置は、新たな油井からわずか日産700バレル程度の石油しか生産しない。この数値は、2017年7月には、日産602バレルに下落したと推定されている。生産性の低下は、スイート・スポットは既に使い尽くされており、もし業界がもっと生産したければ、更に資金を投入し、限界的な地域を掘削しなければならないだろうことを示唆している。”

これこそが誰もが、特にアメリカ・シェール・ガスに誘惑されたポーランド人が無視している致命的欠陥なのだ。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:http://www.williamengdahl.com/englishNEO13July2017.php
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こういう策略が進められているなか、シベリアからのエネルギー輸入計画、宗主国が許可するのだろうか?と不思議になる。

記事を訳すのに邪魔なので、大本営広報部洗脳装置、今日は電源を入れていない。電気代も節約になる。北朝鮮ICBMや、異常youtubeタレントの行方や睡眠導入剤呆導は時間の無駄。所詮トップが寿司友。

あの手の映像は許すが、政治的に微妙なものになると、すぐ規制をかけるソーシャル・メディアの二枚舌も露骨なものだと感心する。

大本営広報部ではない、IWJによる二度目の北村直人氏インタビューは衝撃的。思わず耳を疑った。一回目の北村直人氏インタビューで、構図がかなり飲み込めたように思う。参考人になっていただくべきお一人だ。

★「総理出席の集中審議をやるなら私を参考人に」――「加計学園」問題で日本獣医師会に責任をなすりつける安倍政権に憤り! 岩上安身による日本獣医師会顧問・北村直人氏インタビュー第2弾・その2
[収録日時] 2017年7月15日(土)14:00~
[配信日時] 2017年7月19日(水)20:00~

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/390311

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2017年7月15日 (土)

混乱したメッセージは惨事を招きかねない。対ロシア・アメリカ公式政策は一体何か?

Brian CLOUGHLEY
2017年7月12日

大半の欧米マスコミにとって、悩ましく、いらだつことに、トランプ、プーチン両大統領のハンブルクでの最近の会談は成功だった。金曜に二人が会談した後の7月7日、日曜(いくつか例をあげれば)ワシントン・ポスト、ロンドン・サンデー・テレグラフ、ニューヨーク・タイムズ、ロンドンのメール・オン・サンデーや、ボストン・サンデー・グローブを含むいつもの反ロシア合唱団のどれにも肯定的な記事や見出しの一本たりともなかった。

土曜日の一面も、全く何の前向きなものは皆無で、グローブ紙は頑張って、一面に“選挙干渉で、トランプ、プーチンと対立”という見出しを載せたが、会談直後に入手可能なわずかな量の情報からすれば、これは驚くべきことではない。分かりきってはいたものの、やはり遺憾なのは、全く否定的な態度だ。欧米マスコミの連中は、二つの大きく重要な国の指導者たちがお互い友好的に話し合うのを良いことだとは思っていないのだ。

もちろん連中が本当に望んでいるのは、トランプとプーチンが決裂して、二人のいずれか、できれば両者が怒鳴りながら退席することだ。なんということだ、写真撮影の場面を想像願いたい。悪意に満ちて、キーボードを叩きまくろうと待ち構えている優秀な面々による嬉しそうな説教めいた見出し。“言わんこっちゃない”

誤解されないよう。傲慢で、一貫性がなく、うそつきで、不作法な無骨者と私が評価していて、トイレ掃除のためでさえ拙宅に入るのを許すつもりはないトランプは私だってごめんだ。だが、彼はアメリカ大統領で、最も重要な人物なのだ。彼の発言は、公式なアメリカの政策と見なされるべきなのだ。いやそうではないのかも知れない。7月8日、彼は“ロシアと前向きに協力して前進すべき時期だ”と発言したが、その翌日、ニッキー・ヘイリー国連大使は、ロシアに関する大統領発言にもかかわらず、マスコミにこう言ったのだ。“これは我々がロシアを信じるということではありません。ロシアを信じることはできず、ロシアを信じることはありません”。

アメリカの公式政策は一体なんだろう? ロシアが何をしようと、アメリカとイギリスのマスコミが断固ロシアに反対なのは明らかだが、政府最上層部には、一致した現実的な戦略を示して欲しいと思うのは当然だろう?

アメリカ大統領がロシア“前向きに協力”したいと発言し、部下の一人が、ロシアは信頼できないと公式に発言する場合、明らかに重大な問題がある。

昔なら、この種の反抗的逸脱をすれば即座に解任されていたはずだ。矛盾する外交的(あるいは、非外交的)メッセージを、微妙な関係にある他国に、更には、ワシントンと最も友好的な関係にある国、具体的には、オーストラリアに送るわけには行かないはずだ。

(オーストラリアの極めて重要な貿易相手国)中国に対するアメリカの軍事的対立姿勢を支持し、具体的には、ペンタゴンにもう一つの巨大アメリカ軍基地を建設するのを認め、威嚇のための軍事演習に参加して、オーストラリアはアメリカに取り入ってきた。ところが2月に、アメリカ大統領は、彼との電話会話を突然切って、オーストラリア首相を侮辱したのだ。確かに、オーストラリア首相は、非公式な行事でトランプを真似てみせて、さほど深刻に受け止めてはいないようだが、アメリカ-オーストラリア関係には、害が与えられてしまっており、アメリカ大統領は、多くのオーストラリア人にアメリカへの不信感を与え、これはそれなりの実績だ。メッセージは混乱してはいるが、トランプが、オーストラリア首相に対する攻撃的な態度を謝罪すれば、与えた害は改められよう。だがトランプが行動や発言に対して、心から詫びるとは想像しがたい。

そこで、自己矛盾でボロボロの彼の対ロシア政策に話は戻る。

MSNニュースによれば、トランプは、7月9日の日曜 “プーチン大統領との会談で、経済制裁には触れなかった”とツイートした。ところがワシントン・ポストによれば(ロシアに関するあらゆることに関する報道で、最も信頼できる情報源ではないが、この場合には正確に見える)ウラジーミル・プーチンとの会談直後、大統領は、ロシア大統領に“議員連中が、更なる経済制裁を要求していると言ったと、レックス・ティラーソン国務長官が述べている”。

外交問題極めて重要な問題に関して、このようなレベルで矛盾する発言があっては、効果的に動ける外務省も、政府も、国もありえない。誰も自分の立場を理解しておらず、トランプのツイート愚行は、益々深刻な疑問が増えているアメリカ-ロシア関係を更に複雑にすることにしか役立っていない。アメリカ上院での猛烈な反ロシア非難が、友好関係を確立するため、トランプが何をしようと、アメリカ二大政党のいかなる平和的な進展も決して許さないという決意は決して揺るがないことを明確に示している。

対立の大義を押し進めるため、ワシントンの政治家連中は、激しい非難という美味しい貴重な餌をマスコミにくれてやっている。ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズのスタッフと (そして、イギリスではデイリー・テレグラフと)緊密に協力して動いている欧米諜報機関は、検証できないながら、表向き権威あるガラクタ切れ端を提供する“匿名情報源”からの漏洩を基にした記事を発表し、虚報過程に貢献している。

ワシントン政権内には大きな分裂があり、あらゆる人々の中でも、トランプ大統領は、ロシアとのバランスのとれた関係改善を求めて励んでおり、一方、政治支配体制とペンタゴンは、言論界の応援を受けて、侮辱やあてこすりや、ブルガリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランドとルーマニアでのロシア国境近くの軍隊配備強化という邪悪な組織的運動に容赦なく励んでいる。

トランプ大統領は“多くの極めて前向きな事が、ロシアとアメリカ合州国、そして関係各国に起きるのを楽しみにしています”と述べ、これは二国間関係にとって前向きな取り組みで、プーチン大統領も同様に返した。“個人的にお目にかかれて非常に嬉しいですし、おっしゃった通りに、我々の会談が前向きな結果をもたらすのを願っています。”

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、マスコミにこう述べた。“ロシアとアメリカ両国大統領は、なによりも両国の国益を基本に動いていて、二人は、こうした国益は、主に、双方に利益をもたらす合意を求めることにあり、何らかの対決シナリオを作りだそうとしたり、何もないところから問題を産み出そうとしたりするのではないのを理解していることが確認されたように思う”。

両国による、これ以上前向きで建設的な姿勢を要求するのは無理で、ワシントンの徒党が、そのようなことは決して許さないことを明らかにしていなければ、会談は実際“前向きな結果をもたらして”いたはずなのだ。

アメリカ合州国は混乱したメッセージをロシアに送っており、これも同様に明らかだ。一方には、お互いにとって有益な関係改善という願望があり、もう一方には、軍事的、経済的対立を激化させるという固い決意がある。もしこの対立が続けば、大惨事になるだろう。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/07/12/mixed-messages-could-lead-disaster-just-what-us-official-policy-concerning-russia.html
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ソーシャル・メディア、いかにも素晴らしいもののように喧伝する向きが多いが、小生極めて懐疑的だ。国営放送で、美男美女がニュースをよみあげると、書き込まれたツイッターの一部が表示される。パブロフの条件反射実験、見ていて全く面白くない。

我々のウェブサイトを閉鎖させることを狙う巨大資本」によれば、アメリカでは、既にニセニュースサイト・リストなるいい加減なものを列挙した弾圧が始まっており、ソーシャル・メディアが検閲を強化しているというが、日本でも弾圧が始まっているようだ。

街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋の記事をお読み願いたい。

わかりやす過ぎだろ安倍晋三 バカ確定  ツイッター社に抗議を!

閉会中審査に本人が出るというが、いつもの一方的放言に終わるだろうことは確実。辞任を宣言するなら別だろうが。

誤解されないよう。傲慢で、一貫性がなく、うそつきで、不作法な無骨者と私が評価していて、トイレ掃除のためでさえ拙宅に入るのを許すつもりはない彼は私だってごめんだ。彼が、国の財産に対する勝手な態度を謝罪すれば、与えた害は改められよう。だが彼が行動や発言に対して、心から詫びるとは想像しがたい。

それよりも、もちろん大本営広報部の洗脳放送で白痴になるより、今日のIWJによる北村氏インタビュー第二弾を拝聴するほうが、現状把握と精神衛生にはるかに良いだろう。

【本日!】『加計学園』問題で安倍総理が日本獣医師会に責任をなすりつけ!?岩上安身による日本獣医師会顧問 北村直人氏インタビュー第2弾、本日14時から生中継!

【IWJ_YouTube Live】14:00~「『加計学園』問題で安倍総理が日本獣医師会に責任をなすりつけ!? 岩上安身による日本獣医師会顧問 北村直人氏インタビュー第2弾」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※岩上安身による北村直人氏インタビューを中継します。

 IWJは会費と並んで、皆様からのご寄付やカンパで成り立っています。引き続き、ご寄付やカンパをお寄せいただけたら嬉しいです。よろしくお願いします!

※ご寄付・カンパのご支援はこちらから。
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2017年7月14日 (金)

時代は、我々の身の回りから変化しつつある

2017年7月13日
Paul Craig Roberts

ミロルガナイト肥料の22キロの袋を庭に運んでから、これまで何度もあったように、袋を開ける道具を持ち合わせていないのに気がついた。これは対テロ戦争とTSAのせいだと思う。若者時代には、ほかのあらゆる少年同様、ポケットナイフを持っていた。いつでも。それはあたりまえのことだった。ポケットナイフを禁じる校則などなかった。全員が飛び出しナイフを持っていた時期もあった。当時は、コカコーラ24本入りケースが買えるほどの大金99セントで買えた。飛び出しナイフは、ニューヨークのギャングを思わせるので、学校や両親が非難するようになった。だが、教師や両親が対策を採る前に、少年たちは飛び出しナイフを捨てていた。ナイフのバネが弱かったのだ。カチッという音とともに、ナイフが開き、所定位置で刃が固定する速さに陶酔して、少年たちは飛び出しナイフのバネをすぐにへたらせたのだ。頼りになるポケットナイフとは違って、 飛び出しナイフは、あっと言う間に使い物にならなくなった。

今はもうポケットナイフを持ち歩かない。ポケットにものを入れると癖になるのをずっと昔思い知った。庭仕事をする前に、ボケットにナイフを入れ忘れるのと同様に、予定の便の飛行機に間に合うよう急いだ際、ナイフをポケットから取り出すのを忘れていたのだ。空港では、祖父の持ち物のナイフ没収や、TSAの訊問という修羅場になりそうだ。裸にして所持品検査をしようとするかも知れない。飛行機に載り損ねそうだ。TSAのように大規模な組織でも正当化は必要で、TSA職員は分別があるかも知れないが、あてにはできない。法律の下では、彼は告発され起訴されかねないのだ。何がどうなるかわからない。

ワシントンとニューヨークの間のエア・シャトルを思い出す。飛行時間は一時間だ。離陸の10分前に、カウンターにいけば、乗れたのだ。飛行機一機では足りなければ、二機目を用意したくれた。空港警備もなければ、遅延もなかった。

昔の思い出にふけるのは好みではない。彼の人生の間に、ポケットナイフ携行のように、単純な物事が、どれほどややこしくなったかをまざまざと思い知らされることになるのだ。数週間前、周囲をゲートとフェンスで囲った山のリゾートで休暇をとった。小川沿いのハイキングや、滝を見て楽しんだ。空港でスポーツセダンを借りることができたので、スポーツセンターで朝の運動をしてから、リゾート外の山道をドライブするのを楽しみにしていた。トレーニング・ウェアに着替えていた時に、電話が鳴った。時間通りにしようと急いでいて、免許証を入れた二つ折りの財布を着替えに入れ忘れたのだ。

彼がこれに気がついたのはスポーツセンターでのことだ。自分の部屋に戻るのに10分、更に出口まで10分。何で電話インタビューなど約束してしまったのだろう? 免許証を取りに戻れば、ドライブは大急ぎになり、楽しいものでなくなる。免許証無しで行っても良いが、たとえば鹿と衝突するような事が起きたらどうなるだろう。警官は話を真にうけて、自動車レンタル文書を身分証明書扱いしてくれるだろうか、それとも弁護士と遥か離れた留置場に放り込まれるのだろうか? 警官に分別があった時代は、とうの昔に過ぎ去ったと思う。朝はオジャンだ。いらだちの捌け口としては、運動をし、電話インタビューのため自室に戻るしかない。

単語の素朴さすら失われた。今や使えない単語が沢山ある。そうした単語はメモリー・ホールに捨て去られてしまったのだ。友人の教授が、授業で“ガール”という単語をつかったかどで、学部長に油を絞られるはめになったと言った。“ガール”という単語は今や女性に対して侮辱的だと見なされているのだ。

南部のレストランでは、ウエイトレスは、男性のことを“ハニー”と呼んでいた。“何をご注文ですか、ハニー?”男性はウエイトレスを“ダーリン”と呼んでいた。今ではどうなっているのだろう。小さな町では、たぶんそうだろう。州間幹線道路が出現して以来、小さな町々とは縁遠くなってしまった。レストランや、フランチャイズのファースト・フードの店がまだあるのだろうか懸念している。

事態は悪化している。記憶の堰が開いた。私は、10歳の時、初めて銃を与えられた。単銃身の.410口径散弾銃だった。12歳の時には、.22口径ピストルを与えられた。友人の多くが銃を持っていた。田園地帯が近くにあり、多くの都市住民家族には農園の親戚があった。子供たち全員体罰を受けていたのも覚えている。今では、子供のお尻をたたいたり、子供に拳銃を与えたりする親は逮捕され、起訴される可能性が高く、子供は児童養護施設に送られて、小児愛者集団に貸し出されかねない。

12か13歳の時に、本物のピストルを腰につけ、鞘にライフルを入れて、馬に乗って、祖父母の農場から、5キロほどの町まででかけたことを覚えている。誰にも何も言われなかった。今なら、スワット・チームが登場するだろう。射殺され、未成年者を監督し損ねたことを含め、あらゆる種類の違反のかどで有罪である祖父母の運命を知らずに終えるようにならなければ幸いだろう。

そこで、最近、新聞で読んだことを思い出した。通りに面しておらず、車が通らない場所にある家で、戸外で母親が椅子に座り、子供が芝生で遊んでいた。親の違法行為を通報するよう教えこまれたおせっかい焼きな隣人が、植え込みで、母親の姿が隠されていたので、子供が監督者無しで遊んでいると見て、警察を呼んだのだ 。警官がやってくると、確認できない隣人の報告を根拠に、母親を逮捕した。母親は留置所に送られた。新聞には、子供がどうなったかは書いておらず、子供が児童養護施設に送られたのか、夫が職場から急いで帰り、弁護士に金を積んで、一家がまた一緒に暮らせるように助けて欲しいと頼むのだのかわからない。当局によって家族に加えられるこの種の恐怖は、犯罪人による略奪より酷い結果になることが多い。警察を解散し、非合法化した方が、両親と子供は安全なのではあるまいかと思うものだ。

ところが、社会はこうした虐待を、理にかなっていると、受け入れている。自分が子供だった頃の、人々の反応はどうだったろう? 警官は首になり、署長は懲戒を受け、市長は次の選挙で落選するだろう。家族破壊して、英雄になることなどできなかったはずだ。おせっかい焼きの隣人は、地域の除け者になったはずだ。

先日、スーパーマーケットで、入れ墨をし、顔にピアスをした老婆を見かけた。老婆? 一体どういうことだろう? 山のリゾートのプールや、スポーツセンターでも、男性だけではなかった。体中に入れ墨をした若い女性たちがいた。顔や舌にだけピアスをするのではなく、へそや、陰唇や、クリトリスにまでピアスする女性もいると、友人から聞いた。少年時代、1940年代や1950年代のナショナル・ジオグラフィック誌の雑誌の山で見たピアスを覚えている。顔にピアスをするのは“暗黒アフリカ”の部族の慣習だという文章と写真が載っていた。今やそれが、リゾート地で遊ぶ上流階級の女性の習慣だ。

父親の事業の鉄則を思い出す。“入れ墨をした人を決して雇ってはいけない。”入れ墨は、アジアの港で、酔っぱらった水兵がするものだった。入れ墨は、お粗末な判断力と自制心の欠如の証明だ。もし、しらふの人が入れ墨をするのであれば、それは自尊心の欠如を示している。従業員が自らを大切にしないのであれば、彼は仕事も大切にしないだろう。今なら、父親は人を集めるのに苦労したに違いない。

数年前、大学のある同級生から、所属していた高貴な男子学生社交クラブが、大学の学長によって停止されていると聞かされた。ある黒人の女学生が、開いた窓から、彼女に向かって、人種的中傷を叫ばれたと主張したのだ。男子学生社交クラブは、たぶんエアコンが整備された時以来、全ての窓は長年閉じられたままだということを証明できたはずなのだ。ところが大学の学長は、証拠を基に、黒人女性の発言と争おうとはしなかった。そうすれば、抗議行動や、人種差別という非難や、窓を割られたり、新聞や理事につっこまれたりする。大学には不利な宣伝になってしまう。男子学生社交クラブを多少不当に扱う方が安全なのだ。

最近、土砂降りの中、スーパーマーケットにたどりついた。入り口近くには何十もの駐車スペースがあったが、そこには“身体障害者用駐車場 違反罰金500ドル”と書かれていた。身体障害者の人々が皆と同じに扱って欲しいと言っていたのを覚えている。今や彼らは特権をもっている。こういう掲示を不思議に思った。人々の気に障らないのだろうか? “身体障害者”は廃棄された単語の一つだ。掲示を変えるのに手が回らないのだろうか。

昔は、両親や女性の前では、男性はひわいな単語は使わないものだったのも覚えている。今や若い女性たちの罵詈は、そうした世代の男性を超えている。

思い出はまだある。路上駐車する際、人の自動車に擦り傷をつけた場合には、名前と電話番号を書いたメモを残し、修理代を負担するものだった。この話を若い人々にすると、彼らは冗談ととって、爆笑した。

何かが起きたのだ。彼が市民となるべく育てられた世界は、もはや存在していない。

少なくとも、庭は存在している。考えるのを止めて、ナイフを取りにいくことにした。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/13/times-change-us/
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また大本営広報部幹部の寿司友が集まったという。
その功績だろうか、大本営広報部は、暴露タレントと睡眠導入剤一辺倒。
大本営広報部の番組構成者、出演者、スポンサー自体、暴露タレント以下。

ヒアリは恐ろしいだろう。墓参りで、我が家の墓に巣を作ったアシナガバチに二カ所刺された。知らないうちに作られた巣に、そうとは知らず触ったためだ。先祖をうらむわけにも行かない。

2017年7月13日 (木)

トランプが会談する中、妨害するペンタゴン

Finian Cunningham
2017年7月11日

ドイツでのG20サミットで、アメリカ大統領ドナルド・トランプが、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に歴史的な握手の手を差し伸べたまさに同じ日、ペンタゴンはモスクワとの戦争計画会議を主催していた。

ワシントンDC近くのアメリカ軍本部でのイベントが公表されたが、欧米マスコミではほとんど報じられていない。二人の主要出席者は、ジェームズ・マティス国防長官と、イギリスのマイケル・ファロン国防大臣だ。

アメリカ軍刊行物ディフェンス・ワンは、ペンタゴン・サミットを“トランプとプーチンが会談する中、アメリカとイギリスの国防大臣、ロシアを阻止する方法を論議”という見出しで報じた

“ロシアを阻止する方法”という言葉は戦争計画の婉曲表現だ。マティスとファロンの議論の目的を、より穏やかに、一般により受け入れ易く表現しているのだ。特に、アメリカ政府の名ばかりのトップ 、トランプ大統領がプーチン大統領に友好の手を差し伸べているのとまさに同じ時期ということもあって。

    民主党はアメリカの資金を遮断してトランプ-プーチン・サイバー・セキュリティー計画を阻止しようとしている https://t.co/N1fMbuJyMd
    - RT アメリカ (@RT_America) 2017年7月11日

これはアメリカ大統領に対し何か煽動的なものが秘かに企てられているのを示唆するものではない。記者団への発言でイギリスのマイケル・ファロン国防大臣は6,400キロ離れたハンブルクで行われているトランプとプーチンとの現在の会談を“歓迎する”と述べた。

とは言え、ファロン国防大臣とペンタゴン主催者の寛大さというイチジクの葉も、軍事表現の中核にある強烈なロシア憎悪を隠せてはいない。

“欧米とプーチン間の会談は平常の実務とは思わないが… 今行われている[トランプ]との対話は歓迎する”とマティスとの会談後、イギリス国防大臣は述べた。引用の冒頭部分は、重要なメッセージだ。

ディフェンス・ワンは、こう報じている。“トランプ行政府の一部がモスクワとの関係改善を求める一方、別の部分は最悪に備えている。”

    '作業部会かも知れないし、国連内でのやりとりかも知れない' - ロシア-アメリカ・サイバーセキュリティー協力に関してロシアG20シェルパ https://t.co/4zYLY6haLU
    - RT (@RT_com) 2017年7月10日

この刊行物は、一層はらはらすることに、マティスとファロンは“NATOが戦闘力を強化し、東ヨーロッパでのロシア侵略を阻止する方法について話し合ったが… それはホワイト・ハウスがモスクワとの関係を改善しようとする中、アメリカとイギリスの指導部は依然、ロシアを、重大な軍事的脅威として見なしているということだ”と書いている。

この公式な考え方の寸描が明らかにしているのは、アメリカとイギリスの既存政治支配体制を支えている組織的な敵意とロシア憎悪の深みだ。ロシア ウラジーミル・プーチン大統領に対するドナルド・トランプの友好的姿勢にとって、いやな感じの背景を例証するのにも役立っている。これは、いかなる重要性も低めてしまう。

ホワイト・ハウスに就任してからほぼ七カ月後、先週末とうとうトランプがロシア大統領と会談した際、会談は友好と敬意の歓迎の雰囲気で行われた。雰囲気のよさのあまり、アメリカ-ロシア関係はリセットされたいとう報道さえ当初はあった。両国関係は、モスクワが11月大統領選挙に干渉したという、絶えざるアメリカ・マスコミの侮辱的な憶測のおかげで、過去七カ月にわたって骨抜きにされていた。

トランプに対して公平に言えば、彼はアメリカ・マスコミのこの驚異的なロシア憎悪を克服した様子で、ハンブルクで、プーチンと、様々な国際的諸問題で協力する可能性があるパートナーとして合意した。

ところが、二つの核大国間の関係回復というよりは、トランプとプーチンとの画期的会談は、アメリカ国内での一層激しいロシア憎悪と非難合戦を解き放った。

アメリカ・マスコミとワシントン支配体制は、トランプがプーチンに友好的に対応したのに早速飛びついた。トランプは、プーチンのわなにはまり、アメリカの国益を裏切っているとまで非難された。元国防長官アシュトン・カーターは、ハンブルクでのトランプの会話は“家で強盗を働いた窃盗犯”との雑談にも等しいと述べた。

特にニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストとCNNは様々に、トランプの長男、ドナルドJrが、クレムリンの人間との共謀とされるものがばれたやら、ロシア人ハッカーがアメリカ原子力発電所を標的にしたとされるやら、クレムリンは、またもや、アメリカの石油やガス破砕業界を間接的に攻撃するため環境保護活動家を秘かに支援していたとされるやらの記事を載せている。こうしたこと全てが、トランプ・プーチン会談後の一週間で起きた。

    アメリカ、ロシアがまとめた停戦は、もしシリア全土に拡張されれば‘実り多いものになる’ - イラン https://t.co/BBRNMqgYy5
    - RT (@RT_com) 2017年7月10日

当初のプーチンとの共感らしきものからトランプが素早く後退したのも不思議ではない。例えば、彼は、ティータカ派の議員や評論家連中に非難された後、サイバー・セキュリティについて、ロシアと進んで協力するという報道を否定した。

今週、アメリカは黒海で、NATO軍事同盟29カ国によって行われた、これまでで最大の軍事演習を率いた。二つの別々の軍事演習が、ロシアの南部側面に対して行われた: ブルガリア周辺を中心とする、「サーベル・ガーディアン」は、クリミア沖での「シーブリーズ(海風)」で、総計30,000人のNATO軍兵士と、ミサイル駆逐艦、戦闘機と、水陸両用海兵隊部隊が参加した。アメリカ軍は、これで“いつでも、ヨーロッパのどこにでも部隊を集結させる能力”を示したと述べた。

確かにロシアと中国も、今月バルト海地域で共同海軍演習を行っている。しかし、ここには重要な違いがある。バルト海は、ロシアの安全保障にとって極めて重要だ。対照的に、アメリカ、イギリス、カナダ、ノルウェー、フランス、ドイツなどの国々の軍隊が、黒海じ行っているのは、NATOが挑発的に勢力範囲をロシア国境にまで展開しているにすぎない。二つの出来事は同等ではない。

しかも今週の黒海におけるNATO軍事演習は地域の同盟諸国による何カ月もの軍事力強化の頂点だ。2月、ロシアのプーチン大統領は、エスカレーションは“紛争挑発”だと警告した。このNATOエスカレーションは、ロシアの不満には全く無関心に迅速に続いている。

    またしても空砲か? ‘皆がニッキー・ヘイリーのロシア・ハッキングの証拠を見たがっている’ (論説) https://t.co/y3N6f0ztBW
    - RT (@RT_com) 2017年7月11日

アメリカ・マスコミの容赦ないロシア憎悪、いわれのない反ロシア・プロパガンダ、ロシア国境のNATO軍部隊によって続けられている無謀な刺激といった大きな構図は、先週末のトランプとプーチンの会談の重要性を評価するための適切な大局観だ。

そう、トランプにはプーチンに丁寧に挨拶する十分な精神の自由と個人的な礼儀正しさがあるのを見られたのは確かに良いことだった。

だが事実は変わらない。トランプが会談している最中、ペンタゴンが妨害したのだ。しかもペンタゴンだけではない。事実上、既成アメリカ政治・マスコミ支配体制丸ごとだ。
不気味にも、アメリカ政治体制と軍事機構は、たった一つのギアで動いているようだ。ロシア憎悪と攻撃の前進だ。

Finian Cunningham(1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。アイルランドのベルファスト生まれの農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。20年以上、ミラーや、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデント等の大手マスコミ企業で、彼は編集者、著者として働いた。現在は、東アフリカを本拠とするフリーランス・ジャーナリストで、RT、Sputnik、Strategic Culture Foundationや、Press TVにコラム記事を書いている。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/396011-us-trump-fake-russia/
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物議をかもす人物、今度はファシスト・シャツで大本営広報部出演?見ていないのでさっぱりわからない。(知っていたら見ない。)検索すると都知事とも対談している。なるほど。

IWJの待望インタビュー、一部だけ拝見した。後で全編拝見予定。

※日本で最初の立憲民主主義思想は現行憲法よりリベラルだった!? 幕末の思想家・赤松小三郎の暗殺に見る「明治礼賛」の虚妄! ~岩上安身による拓殖大学関良基准教授インタビュー(その2)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/388960

2017年7月12日 (水)

Marquis Who’s Who、PCRに生涯功労賞を授与

2017年7月11日

友人、寄贈者、読者の皆様

えたいの知れない組織PropOrNotによる、私がロシア工作員/傀儡だという主張や、イスラエルによるパレスチナ人虐待を書いているので、私が反ユダヤ主義者だという名誉毀損防止同盟ADLの主張や、政府のウソに引っかからないので陰謀論者だとされていることで、読者が落胆しておられたら、元気を出して頂きたい。1899年以来、アメリカ一流の紳士録、Marquis Who’s Whoが、元国務長官コリン・パウエル、最高裁判事ルース・ベイデル・ギンズバーグや、アップルCEOティム・クックらに並んで、私に生涯功労賞を授与した。

読者の中には私に賞をくれたWho’s Whoの会社を良く思っておられない方々がおられるのは確実だ。コリン・パウエルは、後にウソであることがばれたことを彼に発言させるため国連に送り込んだブッシュとチェイニーを公に否定し、彼の経歴上の汚点だと認めていることに留意願いたい。ギンズバーグは、多くのリベラルとは違い、過去の例に基づく法律を信じており、部分出産中絶を認め、市民的自由を擁護している。ティム・クックはスティーヴ・ジョブズではないが、他の多くのアメリカ製品同様、外国で、低賃金労働で作られたものではあるにせよ、アップルは良い製品を送り出し続けている。

この企業がどれほどひどくなりうるかお考え願いたい。ディック・チェイニー、ジョージ・W・ブッシュ、ポール・ウォルフォウィッツやコンディ・ライスだったらどうだろう? Who’s Whoの生涯功労賞オンライン・ファイルで、こうした名前を検索してみたがどの人物も“該当無し”だった。Who’s Whoは、後にこうした功労者を載せるのかも知れないし、あるいは、そうしたものはWho’s Whoが生涯功労賞で慶賀したい功労ではないのかも知れない。もし、こうした犯罪集団の誰かがWho’s Whoで同じ功績を認められるようなことがあれば、私はリストを貶める最初の人物になるのは確実だ。

http://marquispressreleases.com/press-release/paul-craig-roberts-iii-named-a-lifetime-achiever-by-marquis-whos-who

http://www.24-7pressrelease.com/press-release/paul-craig-roberts-iii-named-a-lifetime-achiever-by-marquis-whos-who-440127.php

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクッリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/11/pcr-given-marquis-whos-lifetime-achievement-award/
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TPP交渉が始まったと、大本営広報部は垂れ流し。

大本営広報部、明治150年を宣伝するだろう。
全く違う考え方を想像されたことがあるだろうか。
個人的な話だが、吉田松陰の生地を訪ねたいと年賀状をくれた知人がいて驚いた。

IWJの下記インタビューを拝見予定。

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<岩上さんのインタビュー報告>日本で最初の立憲民主主義思想は現行憲法よりリベラルだった!? 幕末の思想家・赤松小三郎の暗殺に見る「明治礼賛」の虚妄! ~岩上安身による拓殖大学関良基准教授インタビュー(その2)
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 おはようございます、IWJ記者の城石エマと申します。

 「明治150年をきっかけとして、明治以降の歩みを次世代に遺すことや、明治の精神に学び、日本の強みを再認識する」――。

 「明治」を礼賛し、日本の「伝統」と勘違いしたこの考え方こそ、安倍政権の一つの「本質」を表していると言えそうです。

 明治維新の問題を鋭く指摘しているのが、昨日岩上さんがインタビューをした、拓殖大学准教授の関良基氏です。関氏は、「明治維新神話」が、日本で最初に近代立憲主義思想を唱えた幕末の思想家・赤松小三郎を忘却した上に構築されていることに注目。

 赤松の唱えた憲法構想が、「普通選挙による議会政治」「人民平等」「個性の尊重」を柱に据えた、日本国憲法と比べても遜色のない憲法構想であったという、驚きの事実を発見しました。

 当時の西洋諸国でさえ、男女平等の普通選挙が実現されていなかった時代。世界に先駆けた立憲民主主義を唱えた赤松の暗殺を指示したとされるのが、明治維新の「ヒーロー」として描かれている、西郷隆盛や大久保利通だったといいます。

 関氏は、西郷が後に、赤報隊を操って江戸で無差別テロを繰り返して、開戦の口実をつくり、用ずみになった赤報隊を口封じのために処刑していったとして、「西郷はすでに人の道を踏み外し、修羅の道を歩んでいた」と、厳しい口調で糾弾します。

 こうして、「テロリスト」と言うべき武士たちによって始められた「明治時代」は、日清・日露戦争、満州事変へと、日本の「侵略戦争」の歴史につながっていきました。

 ここで大事なのが、「明治時代」を礼賛する安倍総理が、まさにこの明治維新でテロを行い、対外的には覇権国に従属的にふるまった「長州レジーム」をまっすぐに引いている点です。

 「『我々が臣民で、国民主権は幻想だ』というのは長州の洗脳。それ以前の歴史においてこんなことを思っていた日本人はいない」

 関氏は、そのように述べました。こうして考えていくと、「国民の生活が大事なんて政治は間違ってる」などと述べる稲田朋美防衛相、「天賦人権論はやめよう」などと述べる片山さつき議員ら自民党員、そして、「我々臣民としては、国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄」などとうたった請願書に賛成する「都民ファーストの会」の野田数(かずさ)代表らが、明治時代の「テロリスト」の思想に沿ってものを言っているのだということがよく分かるはずです。

 インタビューでは、こうした赤松の思想や、「長州レジーム」の問題に詳しく切り込んでいきました。下記URLで本日中にアップ予定ですので、配信をお見逃しになった方は、ぜひ、アーカイブよりご視聴ください!

※日本で最初の立憲民主主義思想は現行憲法よりリベラルだった!? 幕末の思想家・赤松小三郎の暗殺に見る「明治礼賛」の虚妄! ~岩上安身による拓殖大学関良基准教授インタビュー(その2)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/388960

 6月6日に行われた、前回インタビューの「その1」もぜひ、あわせてご覧ください!

※「長州レジーム」から日本を取り戻す! 歴史から消された思想家・赤松小三郎の「近代立憲主義構想」を葬った明治維新の闇~岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー・その1 2017.6.6
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/382111

 さらにさらに、赤松小三郎について、おそらく「日本一」詳しくわかりやすく書かれているであろう、関氏の『赤松小三郎ともう一つの明治維新――テロに葬られた立憲主義の夢』(作品社、2016年12月)を、関氏のサイン入りで「IWJ書店」にて再販売を開始しました。前回もあっという間に売り切れてしまったため、買い損ねてしまったという方は、今度こそお買い損ねのないよう、お早めにお求めください!

NEW!【関 良基さんサイン入り】赤松小三郎ともう一つの明治維新
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=313

2017年7月11日 (火)

アメリカ政府の更なる公式ウソ

2017年7月10日
Paul Craig Roberts

アメリカ人のために作り上げられている偽現実は、暗黒の未来を書いたジョージ・オーウェルの小説『1984年』中のビッグ・ブラザーが作り上げた偽現実に完璧に匹敵する。

アルカイダからタリバン、ヌスラ戦線、ISISからISIL、ダーイシュという“イスラムの脅威”の絶えざる変身から、ロシアへの飛躍をお考え願いたい。“テロリスト”と“独裁者”に対する16年間の中東戦争が、突如として、最もイスラム・テロに脅かされていて、アメリカ合州国とその傀儡帝国を地上から消し去ることが可能な国ロシアに立ち向かうことに変わったのだ。

国内では、連邦準備金制度理事会の量的緩和政策、つまり金融市場を新たに印刷された紙幣で溢れさせ、株と債券価格を押し上げるもののおかげで、世帯の実質平均所得の上昇がないにもかかわらず、実質小売売り上げの増加にもかかわらず、就業率の低下にもかかわらず、高付加価値、高生産性、高給の雇用の欠如にもかかわらず、史上最長の回復の一つに違いない、2009年6月以来の景気回復をアメリカは享受していることをアメリカ人は保証されている。

“回復”はミステリーどころではない。これは奇跡だ。それは偽ニュース新聞の上にしか存在しない。

CNNによれば、確かに信頼性に欠ける情報源だが、Center for Financial Services Innovationの社長兼CEO、ジェニファー・テシャーが、約半数のアメリカ人が、生活費は収入に等しいか、越えていると言っていると報じている。学資ローンを抱えている18歳から25歳の間では、54%が、借金が収入に等しいか、上回ると言う。つまりアメリカ国民の半分には、可処分所得が皆無なのだ。すると一体何が回復を推進しているのだろう?

何もない。アメリカ国民の半数以上にとって、経済を駆動する可処分所得がないのだ。

国民のうち、高齢者も可処分所得がない。十年間、高齢者の貯蓄金利は本質的にゼロで、私は彼を信じているが、shadowstats.comのジョン・ウィリアムズを、読者が信じれば、本当の金利はゼロで、社会保障生活費調整をせずに済むような形でインフレが計測されているので、マイナス金利でさえある。

言い換えれば、アメリカ経済は、貯蓄と国民の生活水準の縮小で生きている。

先週金曜日の雇用報告は、もう一つの政府のウソにすぎない。報告は、失業率は4.4%で、6月の雇用は222,000件増えたと言う。バラ色の絵だ。だが、私がご説明した通り、これを裏付ける事実は皆無だ。これは、サダム・フセインの大量破壊兵器、アサドによる自国民に対する化学兵器使用、ロシアによるウクライナ侵略などなどのアメリカ政府のもう一つのウソにすぎない。

バラ色の失業という画は全く人為的なものだ。失業率が4.4%なのは、過去四週間、職さがしをしなかった求職意欲喪失労働者が失業者として計算されないためだ。

BLSには、金融マスコミ売女が滅多に報じない、U6として知られているもう一つの失業指標がある。この公式指数によれば、アメリカ失業率は報告されている率のおよそ倍だ。

一体なぜだろう? U6率は、職探しを一年未満の期間あきらめた求職意欲喪失労働者を数に入れているのだ。

ジョン・ウィリアムズは、かつては(“改革”前)公式に数にいれられていた長期求職意欲喪失労働者 (一年以上、職探しをあきらめている人々)も計算に入れている。長期の求職意欲喪失労働者が含められれば、アメリカ失業率は22-23パーセントの範囲だ。これはborn out by“回復”とされるもの間、就業率がずっと落ちている明らかな事実。通常、景気回復時には就業率は上がる。

政府が故意に失業者を数に入れるのを避けているのだから、政府が低い失業率を報じるのはたやすいことだ。

アメリカ政府自身が求職意欲喪失労働者の一部が失業者として含められた場合、失業率は8.6%だと報じても、政府が認めているにもかかわらず、ウソをつくのが商売の連中の集団、売女経済マスコミが、失業率は4.4%だと報じるのは途方もないことだ。

私が毎月、毎年行ってきていることを、行ってみよう。BLSが産み出されていると主張している雇用を見てみよう。こうした雇用とされるものの大半は、仮定だけで、月に100,000件の雇用を追加するbirth/deathモデルの産物であることに留意願いたい。言い換えれば、これらの雇用は、モデルに由来するものであって、現実に由来していないのだ。

こうした雇用とされるものは一体どの分野なのだろう? それは例によって例のごとくの低賃金の国内サービス業だ。医療や社会的支援の約半数は、“救急医療サービス”で、59,000件だ。レジャーと接客業が、36,000件で、うち29,300件はウエイトレスとバーテンダーだ。地方自治体は、35,000件増えた。かつてアメリカ経済の屋台骨だった製造業は、わずか1,000件にすぎない。

私がここ十年か二十年主張してきたように、アメリカは、存在する雇用は、海外移転ができない、自立した生活に不十分な低賃金の国内サービス業のみという、第三世界の労働人口へと退化しつつある。これが25歳の人々の50%が両親と実家で暮らしており、24-34歳のアメリカ人では、一人暮らししている人より、実家で暮らしている人々が多い理由だ。

これは、愚かなネオコンが“超大国”だと主張するアメリカの経済データとは言えない。企業の海外移転と金融化がもたらしたアメリカ経済は、膨大なアメリカの債務負担には耐えられない。時間の状況だけの問題だ。

アメリカ合州国は、世界一流経済の地位に留まれないだろうと私は思う。“指導部連中”が彼らを破壊する中、アメリカ人は指しゃぶりをしながら座視している。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/10/ever-official-lies-us-government/
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首相が自慢する雇用増加も、同じものだろう。

主役を隠した閉会中審査。政府側脇役連中の醜悪なウソ。

“指導部連中”が彼らを破壊する中、日本人は指しゃぶりをしながら座視しているのだろうか。

「官邸サイドからの働きかけが直接あった」閉会中審査に前川喜平・前文科事務次官が出席し、現役時代の実体験を暴露!総理の代弁者・萩生田官房副長官は「特区については記憶がない」と遁走! 2017.7.11

2017年7月10日 (月)

閣僚とマスコミが関係改善に反対する中、トランプはロシアとの関係を改善できない

2017年7月9日
Paul Craig Roberts

トランプ大統領は、彼には反対で、ヒラリー・クリントンへの支持で、民主党全国委員会、軍安保複合体とネオコンのために働くロシア嫌いの売女マスコミと連携した彼自身の閣僚に反論されている。

The Sakerとフィニアン・カニンガムが正しいのではあるまいかと私は恐れている。カニンガムが言う通り“トランプには、自由も本当の権限も無いのだから、トランプとプーチンとの会談からは何も生まれようがない。アメリカの陰の実力者連中は、欧米民主主義を破壊すためのモスクワによる干渉という更なるでっち上げで、ロシア嫌いキャンペーンを必ず継続させるだろう。トランプはマスコミが推進する疑惑の雲の下で生き続けるだろう。だから、シリア政権転覆と、ロシアとの対決という政策は継続するだろう。こうした問題やウラジーミル・プーチンに関するトランプの個人的意見は、陰の権力者連中にとって取るに足らず、実際、拘束力が無い”

https://www.rt.com/op-edge/395782-trump-putin-meeting-media-syria/

http://www.informationclearinghouse.info/47392.htm

アメリカ・マスコミは、会談を二核大国間で高まった緊張緩和プロセスの始まりと称賛するのではなく、トランプが会談で、プーチンに丁寧すぎると非難していると、カニンガムは指摘している。

欧米世界全てのマスコミと、おそらくロシアのマスコミでも欠けているのは、危険な緊張は、ヒラリーや民主党全国委員会やネオコンやアメリカ軍安保複合体や売女マスコミのみならず、トランプ大統領自身が任命した連中によっても画策されているという認識だ。

トランプ自身の国連大使ニッキー・ヘイリーも、トランプ自身の国務長官レックス・ティラーソンも、ヒラリー・クリントンや、民主党全国委員会やネオコンや、ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ、CNNやその他の信用を完全に失い、核戦争になる程までアメリカとロシア間の緊張を高めると断固決めている売女マスコミと全くそっくりだ。

ドナルド・トランプ大統領が“ロシアと建設的な形で前進するべき時期だ”と述べたその日、そして“昨日、プーチン大統領と素晴らしい会談をした”翌日、トランプがアメリカ国連大使に任命した無知で愚かなニッキー・ヘイリーは“我々はロシアを信じることはできないし、ロシアを信じることもない”と力強く述べ、大統領に公式に反論した。 https://www.rt.com/usa/395814-us-trust-russia-haley/?utm_source=spotim&utm_medium=spotim_recirculation&spotim_referrer=recirculation&spot_im_comment_id=sp_6phY2k0C_395814_c_rDCXsj

無知で愚かなヘイリーが依然その職にあるのがトランプの無力さの完全な証明だ。

無知で愚かなヘイリーは、二つの核大国間の正常な関係の可能性を破壊するため、出来る限りのあらゆることをしたオバマの狂った国連大使のネオコン、サマンサ・パワーを遥かに超えている。ニッキー・ヘイリーは、一体なぜ、地球上のあらゆる生命を破壊する核大国間の対立を支持して動いているのだろう? ニッキー・ヘイリーはどこがおかしくなっているのだろう? 彼女は認知症なのだろうか?彼女にはもともと正気があったと仮定して、正気を失ったのだろうか?

彼が指名した閣僚全員が核戦争に至るほどにまで、関係を悪化させたがっているのに、トランプ大統領は、一体どうやってロシアとの関係を正常化するのだろう?

国連大使に叱りつけられてもトランプ大統領が無力なままなのに、トランプ大統領は、一体どうやってロシアとの関係を改善するつもりだろう? 明らかに、トランプは無力で、ただの取るに足りない人物なのだ。

ニッキー・ヘイリーに加わったのが、トランプの国務長官レックス・ティラーソンだ。ロシアの友人とされるティラーソンは、トランプは取るに足りない人物ですらないことを明らかにして、あからさまにアメリカ大統領に反論して、二つの核大国の関係を悪化するのに懸命だ。人の顔に泥を塗るティラーソンは、アメリカ選挙に介入して、トランプが当選するようにしたのを認めるのをプーチンが拒否したのは“アメリカとロシアとの関係を改善する我々の能力に対する障害になっており、アメリカで、ロシア、あるいは他のどこかによるアメリカ選挙への干渉が決して起きないことをどのように担保かという点で、対処が必要だ”と述べた。https://www.rt.com/usa/395814-us-trust-russia-haley/?utm_source=spotim&utm_medium=spotim_recirculation&spotim_referrer=recirculation&spot_im_comment_id=sp_6phY2k0C_395814_c_rDCXsj

彼の指名でトランプの無能さは明らかだ。“彼の”閣僚の中に彼を支持する者は皆無だ。連中全員が彼を攻撃しているのだ。そして、彼はそこにいて、ツイッターしている。

だから、プーチン大統領は、一体なぜ、これからワシントンとの間でまとめられる合意に価値があると思っているのだろう? 何の価値もありはしない。トランプは“彼の”閣僚に対して何の権限もないのだ。彼自身が任命した連中が好きなように反論されている。アメリカ大統領はお笑い種だ。我々は彼をツイッターで見ることができるが、他のどこにもおらず、大統領執務室で外交政策や軍事政策を立ててはいない。大統領はツイッターをして、それが政策だと思っているのだ。

トランプ政権は、軟弱なドナルド・トランプが、国家安全保障顧問のフリン元中将をネオコンが排除するのを許した時点で破壊された。トランプは決して回復していない。“彼の” 閣僚は猛烈なロシア嫌い連中に満ちている。戦争だけが、あり得る結果だ。

トランプ/ヒラリー大統領選挙におけるロシアの干渉とされるものについて我々は二つ知っている。一つはオバマのCIA長官ジョン・ブレナンと、オバマのFBI長官コミーが、トランプはロシア選挙干渉のおかげで選ばれたと、繰り返して、それとはなしに言っているのに、CIAもFBIも、何であれ、そのような干渉が行われたいかなる証拠も提示していない。実際この件を何カ月も調査している特別検察官の元FBI長官は何の証拠も見つけられていない。すべてがごまかしなのに、続いているのだ。これは、彼を選んだ人々から、トランプ大統領が信頼を失うよう仕組まれているので、決して終わらない。連中が言いたいのはこうだ。“トランプはアメリカのために働いていない。トランプはロシアのために働いている。”

これはびっくり仰天だ! 国家安全保障局NSAはあらゆる通信データを盗聴している。もしロシアがアメリカ大統領選挙に干渉していれば、証拠は明らかで、即座に入手可能だ。

ブレナンやコミーがついた明白なウソにもかかわらず、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストやCNN、MSNBCやその他のクズ連中は、選挙で選ばれたアメリカ大統領を打倒しようという取り組みのかどで、誰も逮捕され裁判にかけられていない。これがアメリカ大統領が取るに足らない人物であることを疑いの余地もなく証明している。彼を支配している陰の政府から自立して行動することができない名前だけのトップなのだ。

もし、ウラジーミル・プーチンが、トランプとの会談で、ロシアに対する画策されたあらゆるエセの非難が取り除かれて、正常な関係が回復すると本気で信じているのであれば、プーチンは陶酔郷にいるのだ。ニッキー・ヘイリー国連大使は、アメリカは決してロシアを信じないと言った。もし、プーチンがワシントンを信用すれば、ロシアは破壊されよう。世界もロシアもろともだ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/09/trump-cannot-improve-relations-russia-trumps-government-us-media-oppose-improved-relations/
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子供時代、切手収集のまねごとをしていて、耶馬日田英彦山という切手があったのを覚えている。入手しそこなったままだ。そこが今回の集中豪雨被害の現場のようだ。

高嶋哲夫著『富士山噴火』読み始めたら止まらなかった。
富士の大噴火の際、御殿場の女性市長や、女性火山学者や元自衛隊員、自衛隊が活躍する。一方、本の中の官房長官や総理発言、今の九州の被害対応や、加計問題答弁を痛烈に皮肉っているのではないかと思えて、その部分だけはわらってしまう。

今放送されている官房長官発言と小説は対照的。

全市民の避難完了まで撤退しない御殿場の女性市長が小説の中で描かれている。
被害の最中、のうのうと外遊を続け加計問題閉会中審査を逃げるトップ。
事実は小説より奇なり。

大本営広報部バラエティー番組、寿司友氏だけでは、エセ反論に弱いので、共謀法賛成の弁護士も政府支持に回っている。

国営放送は、そもそもそういう話題を扱わない「くさいものに蓋」。時事問題を扱わないバラエティーや夜の呆導。民放大本営広報部バラエティー番組と、どっこいか。

2017年7月 9日 (日)

G-20でのプーチンによるトランプ評価が我々の将来を決定する

2017年7月7日
Paul Craig Roberts

プーチン/トランプ会談の背景幕は、イスラエルとネオコンの野望だ。アメリカ外交政策を駆動しているのは、この野望だ。

シリア問題の本質は一体何だろう? ワシントンは、一体なぜ、選挙で選ばれたシリア大統領の打倒に熱中しているのだろう? 21世紀に“イスラムの脅威”が突然出現したのは一体どうすれば説明できるだろう? “イスラムの脅威”へのワシントンの拘泥は、聖戦主義を鎮圧していた指導者であるサダム・フセインやカダフィやアサドに対するワシントンの戦争と一体なぜ一致するのだろう? 何の事実的な根拠も無しに突然出現し、危険なロシア憎悪にまで過剰宣伝されている“ロシアの脅威”は一体どう説明できるだろう?

イスラムの脅威、ロシアの脅威、イラクと、リビアと、シリアの一部を破壊するのに使われた全てのウソは、全て、イスラエルとネオコンの野望に役立つよう巧妙に練り上げられたものだ。

コメンタリー、ウイークリー・スタンダードと、ニューヨーク・タイムズがおそらくその典型的代表であるアメリカ合州国内のイスラエル・ロビーは、2001年9月11日のワールド・トレード・センターとペンタゴン攻撃を、ジョージ・W・ブッシュ大統領に“サダム・フセインをイラクの権力の座から排除する断固とした取り組み”を始めるよう強く促すのに利用した。https://en.wikipedia.org/wiki/Project_for_the_New_American_Century 以下も参照。 http://www.ihr.org/leaflets/iraqwar.shtml

サダム・フセインは、宗教に無関係な指導者で、スンナ派とシーア派の対立の上に乗って動けないようにして、イラクで、非暴力的に政治安定を維持するのが仕事だった。彼やアサドやカダフィは、聖戦主義に至る過激派を鎮圧していた。サダムは、9/11とは全く無関係で、彼の支配下のイラクは、アメリカにとっての脅威は皆無だった。彼は忠実な傀儡で、イラクをイラン政府打倒に利用したいと望んでいたワシントンのために、イランを攻撃した。

宗教に関係ない指導者たちを排除したことで、聖戦主義を解き放ったのだ。宗教に関係ない指導者たちを殺害した政権転覆と、そうした国々を混乱のままにして、ワシントンが、イスラム・テロを解き放ったのだ。

イラク国内での混乱の醸成は、シリアに、そして更にイランに混乱を広める手始めだ。イスラエルが水資源を収用しようとして、南レバノン占領に派兵されたイスラエル軍を二度撃退した南レバノンの民兵、ヒズボラを、シリアとイランが支持している。

中東に対するネオコンによる戦争は、ヒズボラを軍事的、財政的に支援している政府を排除するのに役立つ。聖戦主義をロシア連邦近くにまで広げることで、こうした戦争は、アメリカ世界覇権というアメリカ・ネオコン政策と完全に符合する。政策担当国防次官ポール・ウォルフォウィッツはこう表現している。

“我々の第一目標は、旧ソ連地域であれ、他の場所であれ、かつてソ連が引き起こしていた規模の脅威をもたらす新たなライバルの再登場を防ぐことだ。これは新たな地域防衛戦略の根底にある主要な考え方であり、統合的に管理すればグローバル・パワーを生み出すに十分な資源がある地域を、いかなる敵対的勢力にも支配させないよう、我々は尽力しなければならない。”

イスラエル南レバノンの水を盗むことができるようにすべく、イスラエルは、アメリカが引き起こした混乱で、シリアとイランが、イラクやリビアに続かせたがっている。もしシリアとイランが、イラクやリビアのような混乱になれば、ヒズボラはイスラエル軍攻撃に持ちこたえる軍事的、財政的支援を得られなくなる。

ネオコンの狙いは、イスラエルより広範だ。ネオコンが、聖戦主義を、ロシア連邦や中国内に送り込めるように、ネオコンはシリアとイランを聖戦戦士による混乱状態にしたいのだ。中国には、カザフスタンと国境を接するイスラム教の州がある。ロシアと中国に国内問題を引き起こせば、ネオコンは、アメリカの単独行動主義を邪魔するロシアと中国の能力を弱体化できる。

これが、シリア問題の本質だ。それ以外のなにものでもない。

世界貿易センターとペンタゴンに対する9/11攻撃とともに、“イスラムの脅威”が突然登場した。攻撃はすぐさまイスラム教徒のせいにされた。アメリカ政府は、そのような攻撃が準備されているとは全く知らなかったと主張しながら、誰が実行したかアメリカ政府は即座にわかった。政府が考えてもいなかった攻撃を行ったのが誰か瞬時に知ることが不可能なのは実に明らかだ。以後あらゆる“テロ攻撃”の特徴となったのだが、現場に残された身分証明書で、都合良く“テロリスト”だと判明した。

現在、世界貿易センタービル崩壊の公式説明に異議を申し立てて、自分たちの評判を危険にさらした3,000人の建築家とエンジニアがおられる。既知のあらゆる科学によれば、3棟の世界貿易センター高層ビル破壊に関する公式説明は、全くあり得ない。無知な売女マスコミ、陰謀論者や、ウソをつく政治家によるものだけでなく、本物の専門家による無数の証拠がオンラインで得られる。9/11の真実を求める建築家とエンジニアのウェブサイト、9/11の真実を求める消防士と緊急救援隊員のウェブサイト、9/11の真実を求めるパイロットのウェブサイトをご覧願いたい。アメリカ政府が語ったたわごとについて、一部の外国政府幹部が言っていることをお調べ願いたい。アメリカ国民の何パーセントかが、明らかにウソの9/11公式説明を信じているのは、アメリカにおける教育が完全に失敗している証明だ。国民の大半はものを考える能力がない。説明の不条理さにもかかわらず、何であれ政府が言うことを、国民はそのまま受け入れている。

“イスラムの脅威”とされるものは一体どこからくるのだろう? 一体何がそれを産み出しているのだろう? ワシントンがイスラム教の国、七カ国を丸ごと、あるいは一部を破壊し、イスラム教徒を殺害し、四肢を奪い、孤児にし、何百万人もの人々を家から追い立て、ヨーロッパのワシントン傀儡諸国に溢れさせている前に、9/11は起きたのだ。無辜の人々に対するこのような戦争は、テロリストを産み出すはずだが、9/11は、ワシントンのイスラム教徒に対する戦争の前なのだ。

オサマ・ビン・ラディンとアルカイダは、アフガニスタンでは、対ソ連で、ワシントンの同盟者だった。同じ日の朝の同じ時間内に四度も、17のアメリカ諜報機関全て、国家安全保障会議、ワシントン傀儡のNATO諸国全ての諜報機関やモサドや空港警備を出し抜くための内部情報や内部のコネなど、ビン・ラディンやアルカイダが持っていなかったのは確実だ。

しかも、独立した専門家たちによるビン・ラディン最後のビデオとされるもので、ビン・ラディンは、そのような攻撃には彼には何の動機もなく、全く無関係だと語っている。一般的に言って、本物のテロリストは、力を誇示して、運動を構築するために、実際に彼らが実行していようといまいと、テロは自分たちが行ったと主張するものだ。欧米を打倒すると固く決めたとされる“首謀者”が、大国に最大の屈辱を味合わせたことを否定するなど全くありえない。カッター・ナイフしかもたないわずかな人数のイスラム教徒に対する無能さで、アメリカ合州国は完璧に屈辱を受けたのだ。この屈辱は永遠に残る世界記録だ。テロリストとされる、ビン・ラディンが、これほどの実績を認めないはずがない。

この事実だけでも、オサマ・ビン・ラディンとアルカイダが、9/11とは全く何の関係もないことを証明するのに十分だ。

9/11公式説明を信じる人々、オズワルドがJFKを殺したと信じる人、サダム・フセインが大量破壊兵器を保有し、アルカイダとつながっていた、アサドが化学兵器を使ったといまだに信じている人々、トンキン湾のウソを信じる人、サーハン・サーハンがRFKを殺したやら、ロシアがウクライナを侵略したやらを信じている人などは、『マトリックス』世界にどっぷり浸かりすぎてていて救いようがない。

欧米諸国民の無頓着さとだまされやすさが、中南米やアフリカやアジアにまで広がったのかどうか私にはわからない。政府がワシントンによる政権転覆の対象にされているベネズエラ、エクアドルやボリビア国民の一部は、自分たちは自らの運命を支配していないことに気がついているはずだ。だが、世界覇権に対するワシントン欲望についての認識は一体どれほど広まっているだろう?こうしたことを認識している唯一の兆しは、ロシアと中国との初期の限定された協定だけだ。

今日に至るまで、ヨーロッパ政府の一つたりとも、ヨーロッパが支援するワシントンの戦争と、ヨーロッパに溢れる、ヨーロッパの女性たちを強姦しながら、ヨーロッパの人々から、福祉を奪おうと熱中しているワシントンの戦争からの何百万人もの難民とを結びつけてはいない。難民に関する、あらゆる類の苦情を耳にするが、難民と、ヨーロッパが支援するワシントンの戦争とを結びつけたものは皆無だ。

冷戦中、ワシントンが自らを白馬にまたがる平和と正義と真実だと描き出すのに大成功したので、世界は鞍に乗っている悪魔が見えないのだ。

ワシントンによる、イスラム教徒に対する、16年にわたる残虐な戦争が何百万人もの命を奪ったのに、一体なぜ、毎日9/11が起きていないのだろう? それどころか、多くの人々には巧妙に仕組まれた偽旗事件にしか見えない、個人が人々をトラックで轢いたり、フランスやイギリスで、フランスの食料品店や雑誌社を銃撃したりするといった類の個人が実行する、ごく僅かなテロ攻撃とされるものしかない。ところがアメリカ“大魔王”には何事もない。実に怪しいではないか。

ネオコンの“新たな真珠湾”巧妙に仕組まれた9/11の出来事は、連中とイスラエルの狙いを推進する戦争の口実になった。中東で連中の戦争を開始するために“新たな真珠湾”が必要だと言ったのは、まさにネオコン自身だ。

アメリカ人とヨーロッパ人は一体なぜこれを知らないのだろう? 答えは、アメリカとヨーロッパには自立したマスコミが無いためだ。こうした国々には売女マスコミがある。

オバマ政権が、化学兵器使用とされるでっちあげでアサドをはめるのに失敗すると、ワシントンは“ロシアの脅威”を作りだした。イギリスのデービッド・キャメロン首相は、ワシントンによるシリア侵略を、イギリスが掩護すると約束したが、イギリス議会は拒否した。ワシントンの戦争犯罪を、これ以上、イギリスは隠蔽しないと議会が言ったのだ。ロシアが立ち入って、これ以上の戦争は無用だと言ったのだ。我々にはシリアとの協定がある。我々が全ての化学兵器を集め、それをアメリカが破壊するよう引き渡す。アメリカは、おそらく、うぶなロシア人が引き渡した化学兵器を、シリアでの偽旗化学兵器攻撃に使っているのだ。

シリアに対する戦争目的に捕らわれ過ぎて、ネオコンはロシアに激怒した。取るに足りないロシアが、よくも例外的で、必要欠くべからざる国民の邪魔をしたな! ロシアをこらしめてやる!ネオコン国務次官補ビクトリア・ヌーランドによれば、アメリカが50億ドルもの金額を提供したNGOを、民主的に選ばれたウクライナ政府に対して、ワシントンは解き放ったのだ https://www.youtube.com/watch?v=U2fYcHLouXY

脆弱さに気がつかず、ロシアがソチ・オリンピックに注力しているうちに、突然ウクライナで、アメリカによるクーデターが起きており、ウクライナのロシア人に対して暴力が振るわれていることに気がついたのだ。歴史的に、かつてソ連指導部がロシアの州をウクライナ・ソビエト連邦社会主義共和国に譲渡したのだ。そこのロシア人たちが、ワシントンによって、キエフに据えられたネオナチ政権による暴力に直面して、もともと所属していたロシアへの再編入を要求したのだ。

ロシアは、ロシア黒海海軍基地があるので、クリミアを引き取るのには同意したが、他のロシア地域、ドネツクとルハンスクは拒否した。あらゆる道理に反して、ヨーロッパをロシアは侵略的ではないと説得しようとして、ロシアはロシアの分離共和国を拒否し、協定に違反して彼らを攻撃し続けているキエフ・ネオナチのなすがままにまかせたのだ

ロシアと大統領を悪者化し続け、更なる経済制裁と、ロシア国境の更なる基地を推進するアメリカ・ネオコンにとって、挑発と侮辱に対するロシア政府の忍耐が弱虫に見える。BBCによれば、プーチンとの会談前に、トランプは“ロシアはウクライナや他の国々の‘不安定化’を止め、‘理非をわきまえた国々の仲間に加わる’”よう呼びかけた。一体何という真実の逆立ちだろう?

欧米に受け入れられたいというロシアの願望は、ロシア主権を損なう結果になりかねない。欧米が受け入れを認めるのと引き換えに、ロシアがどれだけの主権を放棄するか、ワシントンは計算しているのだ。

ロシアは、イスラム・テロが、世界への脅威だと思い込むことでも危険に陥っている。ロシア政府が、ワシントンとのテロに対して共に戦う合意が実現可能だと考えるのは妄想だ。テロが、彼らに向けられたワシントンの兵器だということを、ロシアは受け入れることができないのだ。

イスラム・テロが存在する唯一の理由は、ワシントンがそれを作ったからだ。ワシントンは、アフガニスタン内のソ連軍に対して、聖戦戦士連中を初めて使った。次に、リビアのカダフィに対して。更に、オバマのでっちあげた化学兵器使用のかどで、シリア侵略するオバマの計画がイギリス議会とロシアに阻止されると、オバマはアサドを打倒するため、ISISを送り込んだのだ。アメリカ国防情報局局長だったフリン元中将は、アル・ジャジーラで、アサドを打倒するため、ISISを送り込むのはオバマ政権の“意図的な決定”だと事もなげに言った。これがISISに対する共通戦線というロシア希望には全く何の意味もない理由だ。

聖戦はロシアを不安定化するためのワシントン最高の兵器なのだ。ワシントンが一体どうしてロシアがこの兵器を打ち負かすのを支援するはずがあるだろうか?

欧米マスコミは実に多くの偽ニュースや虚報を広めているので、それはロシアや、おそらく中国にまで影響していよう。

公式のシリア事件説明を否定する欧米専門家たちですら、いまだにアサドは独裁者だというウソを信じている。

プーチンがトランプと会談する際、プーチンは、トランプが本当の大統領なのか、それともワシントン帝国を動かしている強力な既得権益集団のただの看板役なのかをみきわめなければならない。

もし、プーチンが、トランプはただの看板役だと結論すれば、プーチンには戦争に備える以外の代案はなくなる。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/07/putins-assessment-trump-g-20-will-determine-future/
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何度もしつこく書いているが、ロバーツ氏の文章「森の石松三十石船道中」を思い出す。趣旨そのものには同意するが、些細なところで肝心な名前が出てこない。自分の名前がいつ出てくるかと期待し、「江戸っ子だってねぇ。寿司を食いねぇ」と石松が勧める浪曲。

ネオコンの“新たな真珠湾”巧妙に仕組まれた9/11の出来事は、連中とイスラエルの狙いを推進する戦争の口実になった。中東で連中の戦争を開始するために“新たな真珠湾”が必要だと言ったのは、まさにネオコン自身だ。

アメリカ人とヨーロッパ人と日本人は一体なぜこれを知らないのだろう? 答えは、アメリカとヨーロッパと日本には自立したマスコミが無いためだ。こうした国々には売女マスコミがある。

自立したマスコミはある。不思議なことに、余裕ある財政運営に足りるだけの会員がおられないが。

「本日は全国各地で安倍政権に退陣を求めるデモが開催!東京・愛知・大阪から中継!と日刊IWJガイド・日曜版にある。

これから下記を拝読予定。

なくすべき規制と守るべき規制~国民にもオープンな議論を! 農業、家事労働、医療・・・進む規制改革と私たちの暮らし――緊急シンポジウム「加計学園だけじゃない! どうなってるの?国家戦略特区」 2017.6.29

2017年7月 8日 (土)

『ヒトラーへの285枚の葉書』ナチスに抵抗した労働者階級の夫婦

Bernd Reinhardt
2016年3月7日
wsws.org

手書き葉書という手段で第二次世界大戦とヒトラー反対を呼びかけたベルリン労働者階級の夫婦に関する(著者の死後、1947年に出版された)ハンス・ファラダの小説『ベルリンに一人死す』は(1960年代と1970年代、東西両ドイツで)何度か映画とテレビに翻案された。

ファラダの小説は、2009年に英語に翻訳されると再び脚光を浴びた。2010年、訳本は“予想外のイギリス・ベストセラー”として大成功し、何十万部も売れたことは、ファシズム時代と歴史の真実への強い関心を反映している。

著者の狙いは、1943年にナチスによって処刑されたベルリン・ヴェディング自治区住民オットーとエリーゼ・ハンペル夫妻の実像を再現することではなかった。二人の驚くべき話を、色々な境遇の様々な登場人物の姿を描きだす、ヒトラー支配下ドイツ首都の社会ポートレート用枠組みとして使ったのだ。ナチスに対する見方や姿勢はそれぞれ独特だ。


『ヒトラーへの285枚の葉書』のブレンダン・グリーソンとエマ・トンプソン

実際のハンペル夫妻は、本と映画では、虚構のオットー・(ブレンダン・グリーソン)と、アンナ(エマ・トンプソン)・クヴァンゲルになっている。他の登場人物には、社会的没落を味わい、意図的にナチスのためにはたらくようになった人々を含め、プチブル出身者が多い。

例えば、破産した酒場経営者で、ナチス党のおかげで立ち直ったペルシケ(Uwe Preuss)がいる。二人の息子は、SS(ナチス親衛隊) [残虐なナチス準軍事組織にいる。一番下の息子バルドゥール (サミー・シェウリッツェル)は、若いファシスト・リーダーのエリート学校、ナポラ[National Political Institute of Education]志願者だ。 エヴァ・クルーゲ(カトリン・ポリット)の息子の郵便局員もSS隊員だ。ところが、前線で彼がユダヤ人の子供たちの殺害に関与していることを知ると、彼女は彼を勘当する。もはや息子ではない。

クルーゲ夫人は、とうの昔に夫エンノ(ラルス・ルドルフ)を追い出していた。彼は、仕事に定着できずに、妻の金を競馬ですってしまう。彼は政治には全く関わろうとしない。しかし、彼は、恐怖から、誰でも欲しがる人に、病気診断書を書くユダヤ人医師を知っている。工場では大変なスピードアップが行われている。“究極的勝利”(“Endsieg”)のために全エネルギーをささげていないという印象を与える連中は、すぐさま強制収容所に送り込まれてしまう。

人々を冷酷にゆすり、ゲシュタポに売るのを恐れない、ちゃちな犯罪人失業者、エミール・バルクハウゼン(レイナー・エッガー)は、不安の原因に気がついている。“現在、大半の人々、基本的に全員が何らかの形で、禁じられていることに関係しているので、誰かが、それをかぎつけるのではないかと心配して、おそれている”。オットー・クヴァンゲルが息子の戦士を知って、バルクハウゼンに悲嘆を述べると、彼は即座に、強制収容所送りになると脅し、ゆすろうとする。

ファラダによる、第三帝国における日々の生活の微妙な描写は、ドイツ国民全員が一様にヒトラーと、ユダヤ人絶滅を支持していたとするダニエル・ゴールドハーゲンと彼の支持者による主張の誤りを示している。最新の再映画化『ヒトラーへの285枚の葉書』(スイス人俳優ヴァンサン・ペレーズ監督)も集団有罪説は否定している。“遍在するこの恐怖を提示したかったのです。実に分厚くて、ナイフで切れるほどです”と監督は述べた。

ゲシュタポ警部エッシェリヒ (ダニエル・ブリュール)は、反ヒトラー・スローガンのしろうと臭い葉書を書いている人物を見つけだすのに時間をかける。葉書は決して、人に手渡されてはいないと彼は確信している。総統に対する忠誠というよりも、恐怖心から、全員が葉書を警察に届けているのだ。映画の終わり近くで、ギロチンが象徴的に目につく(ハンペル夫妻は斬首された)。次の場面では、無数の人気の無い窓のアパートが現れる。


ダニエル・ブリュールとグリーソン

小説では、この恐怖には、いきさつがある。ワイマール共和国時代(1919年-33)のほとんど全ての大人が、後にナチス政権下で“国民の敵”と見なされた人々と接触があった。ドイツ共産党 (KPD) と社会民主党 (SPD)は、多くのユダヤ人を含む、労働者、職人、知識人、ジャーナリストや芸術家の何百万人もの党員や支持者がいる政党だった。ユダヤ人は社会のあらゆる分野にいた。事実上、あらゆる大人が、その人の過去を深く探れば、ナチス時代のどこかの時点で、政府による迫害の対象になり得たはずなのだ。

ファラダの本で、有名な映画俳優と弁護士の場面は多くを物語っている。俳優は、これまでの監督の多くがユダヤ人だった事実にもかかわらず、ヒトラーのもとで役者を続けられるのを有り難く思っている。彼は反戦映画にも出演していた。弁護士は学生時代からの旧友だ。 映画スターがクヴァンゲル夫妻の葉書を玄関で見つけ、それを弁護士に見せると、突然に疑惑が起きる。お互いに罠をしかけられたのではと恐れるのだ。二人は葉書をナチス役人に渡し、二人の怒りは、反ヒトラー文書を書く人々に向けられる。

小説中の恐怖とリアリズムと精巧さという具体的な社会構造が映画では失われている。映画はグリーソンとトンプソンが見事に演じるクヴァンゲル夫妻のカップルが中心だ。彼らの周囲環境は後景に退いていて、迫力に欠け、舞台装置のようだ。小説中の多くの重要なエピソードが消えている。様々な人物が削除されたり、うやむやになったりしている。ファラダが登場人物の何人かを配した環境である共産党地下レジスタンスは、映画から入念に取り除かれている。

ペルシケの示唆に富む話は、むしろ歪曲されている。小説中での彼の総統賛美には、彼より弱い人々全員に対する深い社会的侮辱が伴っている。バルドゥールの人物像もよろしくない。ペレーズは、狂信的なヒトラー青年団リーダーを、ユダヤ人老人のローゼンタール夫人(モニク・ ショーメット)が、子供時代には彼女のケーキが好きだったのを思い出させると当惑する、青年団の制服を着た無害な若者に描いている。

エッシェリヒの性格は興味深い。彼を、ワイマール共和国時代の犯罪学者だと考えることも可能だ。ファラダは、彼の社会的無関心、狩人という性格が、ナチスでの出世にとって極めて重要であることを明らかにしている。感情を表さず、忍耐強く、彼の“獲物”である、正体不明の葉書筆者を追いかける。

ペレーズの映画では、皆に恐れられている身勝手なゲシュタポ将校が、暴力の犠牲者に変えられている。残虐な上司を恐れるあまり、彼は乱暴に振る舞っているというのだ。必死の行動をする前に、彼は事務所の開いた窓からクヴァンゲル夫妻の葉書を外に投げる。この映像で映画が終わる、外でひらひらする葉書(この場面は小説にはない)は、エッシェリヒの良心の呵責を示しているのだろうか?

先行するファラダ小説の映画化作品は、必然的にある種のツァイトガイスト[時代精神]を反映している。1975年 西ドイツ映画(アルフレッド・フォーラー監督)、アンナはもっと強い人物で、当時の女性運動精神に基づく、葉書抗議行動の創始者だ。1970年に東ドイツで製作された ( ハンス・ヨアヒム・カスプルジク監督)5時間、三部作のテレビ・シリーズは、スターリン主義国家の検閲に譲歩している。オットー・クヴァンゲルは、スターリン主義の共産党という反対政党に入党せず、政治に無関心な一匹狼として行動したので、政治的に未熟だと描かれていた。


『ヒトラーへの285枚の葉書』

極右運動、フランスの「国民戦線」や、 ドイツの「ペギーダ」や「ドイツのための選択肢」が勃興し、益々国家の暴力が日々の生活を支配する時代に、新たなフランス-ドイツ作品が現れた。映画がそうしたものを懸念しているのは明らかだ。現代の青年は、クヴァンゲル夫妻の話を知っているべきだと、主演のダニエル・ブリュールは主張する。同時に、現在我々は、社会的不平等が大いに激化しているのを目にしている。

『ヒトラーへの285枚の葉書』の中で注目すべきものに、ナチス国家の経済的不平等の指摘がある。ナチス女性同盟の一員であるアンナ・クヴァンゲルは、裕福な“国民の同志”(カタリーナ・シュットラー)を彼女の豪華なアパートを訪れ、誰にも頼んでいるように、仕事をするという一般的義務に服するようにと頼む。彼女は横柄さに憤りを感じる。ナチス幹部である彼女の夫は、アンナは女性同盟から排除されると請け合う。

強固なナチスを売り物にしていないので、映画は画期的だと、ブリュールが言うのは、やや驚きだ。実際、ファラダの小説でも、不合理な“支配民族”を主張する良くある典型的ナチスは登場しないし、人々を拷問する加虐的欲望の人物もいない。

今ペギーダや国民戦線に参加している人々を連想させる、ナチス青年バルドゥール・ペルシケと、他のプチブル連中を識別するものは、1933年に、ナチスが権力を掌握してまもなく書かれたレオン・トロツキーの見事な論文“国家社会主義とは何か?”が、うまく皮肉に表現している。“事態を改善するために何がなされなければならないか?まず何より、自分たちより下にいる者を絞め殺すことである”という社会的態度だ。

映画で、新しい社会的疑問と強調が検討されていることが感じられる。クヴァンゲル夫妻のように考えた人々は、おそらく他にも多数いただろう。残念ながら、ファラダの現実的で、多面的な小説を、個人の道徳的勇気による反戦活動に再構築しようというペレーズの取り組みは、説得力に欠けている。

記事原文のurl:https://www.wsws.org/en/articles/2016/03/07/ber3-m07.html
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チーズやワインが安くなると宣伝する大本営広報部大政翼賛会。共謀罪やTPPやモリ・カケなど国民のためにならないことしかしない連中が、良いことをするはずがないだろう。日本農業壊滅。食糧安保放棄。

翻訳のおかしな部分は原文をご確認願いたい。
『ヒトラーへの285枚の葉書』今日から上映。まだ見ていない。
この記事は余り肯定的ではないが、是非見たいと思う。小説も。

岩波書店の月刊誌『世界』8月号に「ナチスの恐怖支配に抵抗した名もなきベルリン市民の信念」という監督インタビューがある。

『世界』8月号、興味深い記事満載。例えば下記。

「国家戦略特区という欺瞞」郭洋春 奈須りえ 内田聖子 藤田英典
「フィリピンで戒厳令」加治康男
「加計学園問題の本質は何か」藤田英典
「トランプ王国の現場から」伊東光晴京都大学名誉教授 金成隆一 朝日新聞

2017年7月 7日 (金)

トランプ-プーチンの決定的瞬間

Finian CUNNINGHAM
2017年7月2日
Strategic Culture Foundation

間近に迫ったG20サミットでのドナルド・トランプとウラジーミル・プーチンとの会談は、今年最も期待されている政治的瞬間に違いない。握手、微笑、ボディーランゲージや言葉の全てが世界二超大国指導者の出会いの意義を解析するために子細に調べられるはずだ。

一部のアメリカ・マスコミが、アメリカ大統領選挙を巧妙に操作して、トランプをホワイト・ハウスに送り込んだのはクレムリンだったという疑惑を確認すべく、“工作員トランプ”と元“KGBスパイ・プーチン”との間の秘密の信号を捜すのは確実だ。このスパイ・スリラー言説は、主要アメリカ・ニュース・メディアで、ひっきりなしに報じられているが、トランプ就任から六カ月後になっても、共謀という主張を裏付ける確かな証拠は一かけらも現れていない。これはスパイ妄想話の一人歩きにすぎず、トランプ-ロシアの話題を一番広めているメディアの一つのCNNでさえ、最近、そんなものは“存在していない”とひそかに漏らすはめになった。

それでもなお、より重要なレベルで、来週末のG20サミットの際のトランプ・プーチン会談は、質的に“決定的瞬間”だ。二人の指導者は過去六カ月に少なくとも二回電話会話しているが、これが初めての出会いだ。

トランプ-プーチンの1対1会談がハンブルク・サミット中に予定されていることを確認して、セルゲイ・ラブロフ外務大臣は、会談でワシントンとモスクワの二国間関係の状態が“明らか”になると述べた。

先週金曜、モスクワでのプリマコフ記念会議講演で“大統領同士のハンブルク会談で、ロシア-アメリカ協力の見通しが明らかになるのを期待している”とラブロフ外務大臣は言った。

モスクワが期待している様子は当然だ。ラブロフ外務大臣が指摘した通り、アメリカとロシアの関係は、様々な差し迫った世界問題に対処する上で極めて重要なのだ。ところが彼が述べた通り、この関係は、“アメリカ国内での政治闘争によって、人質にとらわれていて”“異常な”状態に歪められている。

大統領選挙運動中、トランプはアメリカ-ロシア関係を新たな正常な友好的協力に戻す指導者だとして売り込んだ。これは、ウクライナやシリアのような国際問題を巡って、モスクワに対して強硬な対決姿勢をとると公約していた民主党のライバル、ヒラリー・クリントンと対照的だった。アメリカ有権者が、ロシアとの関係を回復するという彼の方針を好んだのもトランプ勝利の一因だと考えてもよかろう。海外における何十年もの無謀な戦争の後、アメリカ有権者はクリントンの対外強硬姿勢にうんざりしていたのだ。

ところが、トランプがホワイト・ハウスに入って以来、約束されていたアメリカ-ロシア関係正常化は実現していない。実際、ワシントンによる新たな経済制裁と、シリアにおけるアメリカ軍介入強化からして、関係は更に悪化したと言えるだろう。

双方と世界の核大国二国の関係が憂慮すべきレベルに陥っていることを認めている。今年4月、モスクワにおける初めての二国間会合で、レックス・ティラーソン国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、公然と嘆かわしい状況について述べた。

最近、アメリカ映画監督オリバー・ストーンとのインタビューで、トランプが大統領になって以来、アメリカとロシアの二国間関係に目に見える進歩はないと、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は述べている。

ホワイト・ハウスとクレムリンの両方が、より良い関係を願っていると表明している事実にもかかわらず、こうなのだ。

もちろん、大半の対ロシア政策はトランプの自由にはならない。タカ派共和党と民主党が支配する議会は、トランプの個人的な見解とは無関係に、一層敵対的な反ロシア経済制裁を押し通している。最新の経済制裁強化法案は、経済制裁を無効にする職権を行使するトランプの能力を抑えるような形で審議された。

我々が目にしているのは、アメリ民主主義の限界でもある。国民はロシアとの友好的な関係を追求したい大統領に投票したかも知れないが、アメリカの既存政治支配体制と、その強力なマスコミ機関は、そうした民主的表現の受け入れを拒んでいる。アメリカ支配体制と軍-安保機構の大部分は、クリントンと彼女風の冷戦外交政策が選挙に勝利するのを望んでいた。彼女は破れた。だが権力者連中は、ロシアに対する敵意という政策目標を採用するよう新大統領に強要する代案に落ち着いたのだ。

トランプは、アメリカ“陰の政府”と、その手先の、影響力が大きいマスコミ装置の人質になっているのだろうか? そうした要素が機能しているらしきことに疑いようはない。しかし、トランプ自身の意図が一体どうなのかはまだ明らかではない。議会が対ロシアの新たな、より厳しい経済制裁を課したのに加え、トランプの財務長官スティーヴン・マヌーチンも別の懲罰策に署名した。確かに、もしホワイト・ハウスに、クレムリンとの関係を正常化させる意図があれば、トランプは財務省が更なる経済制裁を産み出すのを止められたはずなのだ。

トランプのシリア政策への疑問もある。トランプが見守る中、シリア空爆を強化し、このアメリカ軍事攻撃を、シリア主権と国際法に対する重大な侵害だと正当に見なすロシアとの緊張をエスカレートさせた。ロシアは、将来のアメリカによる空爆は認められないとまで威嚇した。トランプはこの警告を心に留めるだろうか、それとも、シリアの同盟国ロシアとの全面対決挑発に専念しているのだろうか?

ハンブルクにおけるトランプとプーチンとの会談は、大げさに称賛されている決定的瞬間ではないにせよ、確かに注目すべき瞬間だ。もしトランプがタフガイ姿勢をとれば、アメリカ大統領が実際にワシントンの反動的反ロシア集団の人質であることを示す。哀れな形で、アメリカ政府を狂わせている偏執的なロシア嫌いに恐れをなしているのだと見なされることになろう。

あるいは、トランプがプーチンに嬉々として挨拶し、誠心誠意対応する可能性もある。しかし、その場合も、瞬間は多くを物語ることになる。ロシアに対する挑発的な敵意がワシントンで継続しているという文脈では“友好的なトランプ”は、影の薄い大統領だということになる。実際には何の権限もなく、最終的に意味ある政策を行うと信じることができない人物だ。

いずれにせよ、本当の決定的瞬間は、アメリカ民主主義は作り話だということだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/07/02/trump-putin-moment-truth.html
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決定的瞬間と訳した部分はmoment of truth。英語題名から二冊の本を思い出す。
『真実の瞬間』と『逆さまのピラミッド』後者は絶版。目からうろこの本だった。

洗脳白痴番組、電気料金と人生の無駄と思いながら、ひどさを見たくて、時折つけてしまう。延々絶叫議員とYouTube暴露タレント話。(耐えられないので、消音状態で。)

小生の人生に影響・関係がある話題は決して扱わない。

今日の日刊IWJを拝読して驚いた。大本営広報部は報じているのだろうか? 該当部分をコピーさせていただこう。

 やはり「負担軽減」などまやかしに過ぎなかったのでしょうか。辺野古新基地建設をめぐり、政府がついに馬脚をあらわしました。

 共謀罪の強行成立や加計学園文書の再調査結果の公表と重なり、ほとんど注目されませんでしたが、6月15日の参院外交防衛委員会で稲田朋美防衛相が、辺野古新基地建設後も普天間飛行場が返還されない可能性があると認めました。民進党・藤田幸久氏の質問にこたえての答弁です。

 2013年に日米が合意した「普天間飛行場の返還条件」には、普天間飛行場のキャンプ・シュワブへの移設の他に、交通渋滞の発生を回避するためのインフラ整備や、KC120空中給油機の岩国飛行場の本拠地化、そして、民間空港の使用を想定した「緊急時の民間施設の使用」などが含まれています。

・沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画(仮訳)平成25年4月(防衛省HP参照)
http://www.mod.go.jp/j/approach/zaibeigun/saihen/pdf/20130405_okicon_plan_j.pdf

 民進・藤田議員は、「緊急時の民間施設の使用」について、「現時点で具体的な内容が決まっていないため米国側と調整していくというが、米国側との調整が整わなければ普天間基地は返還されないということで間違いないか」と質問。稲田防衛相は、「(米国との調整ができなければ)返還条件が整わず、返還がなされないということになる」と断じ、米国との調整次第では、辺野古新基地の建設後も普天間飛行場は返還されないと、歴代防衛相として初めて明言しました。

 続きは会員登録の上、以下のアーカイブからお読みいただけます!

※「条件が整わなければ返還されない」~辺野古新基地の建設後も普天間は返還されない!? 稲田防衛相が驚きの答弁!「名護が犠牲払う意味なくなった」~現地住民の思いをIWJが現地レポート!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/388345

 辺野古を抱える名護市三原在住の浦島悦子さんは、「普天間が危険だから移設するという話だったから、名護の住民の中には、『普天間よりマシか』と考える人もいた」と話し、「しかし、名護が犠牲を払って受け入れても、結局、普天間飛行場はなくならないことが今回、明らかになった。辺野古新基地を受け入れようという人たちも、『もう我慢できない』となるのではないか」と語りました。

 また、浦島さんは県外に向け、「メディアが沖縄を報道しなくなっている」と指摘し、「ここに実際にこられなくても、IWJのようなネットメディアもある。正確な情報が広まって、これが沖縄の問題ではなく日本の問題だと認識する人が増えてほしい」と訴えました。

 IWJは引き続き、沖縄中継市民の皆様のご協力を得ながら、沖縄県外ではほとんど報じられない沖縄の米軍基地問題を現地から発信し続けます。どうかまだ会員登録がすんでいない方はIWJ会員としてIWJの取材活動をご支援ください。
※IWJの有料会員登録はこちらからよろしくお願いします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 ご寄付・カンパもIWJの取材活動費にあてさせていただきます。特に辺野古や高江などといった野外の現場では、配信機材の消耗も激しく、取材を継続するには維持費がかかります。どうかご寄付・カンパによるご支援をよろしくお願いします。

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2017年7月 6日 (木)

“犯罪予防”監視技術、社会的要注意者リスト

Graham Vanbergen
2017年6月27日
TruePublica

思いがけず暴かれたイギリスの『マイノリティー・レポート』風‘犯罪予防’プログラム“と題する記事で、イギリスでは最新の犯罪防止技術が既に利用されていることを、私は5月に報じた。

既にイギリスが、欧米世界中で、自国民に対する最も立ち入った監視システムを採用しているという評判をどのように得て、まだ法律に違反していないが、法律に違反する可能性がある人々の跡をそっと追うビッグ・データを使った“犯罪予防”システムが警察によって、どのように実験されているかを述べた。

その時、どこで、違法な行動が一番起こりそうか、そして最も重要なことに、一体誰がそれを行う可能性が最も高いかを予測すべく、公的データ、個人情報やプログラムの利用で、世界中の警察が私企業と提携していることにも私は触れた。

最近のカナダで放送された“犯罪予防’というドキュメンタリーは犯罪予防システムに焦点を当てていた。アメリカのあるそうしたシステムは、こうした技術の最先端にある。

    “シカゴには、1,500人が掲載されているリストがある。彼らは警察の監視下におかれており、彼らが罪を犯すリスクを計算する特殊なプログラムがある。”

この犯罪予防技術は、罪がいつ、誰によって犯されるかを予測すると主張している。わずか数カ月の間に、様々なシステムが既に世界中で稼働している。こうしたシステムについて、我々が知れば知るほど、大変なものが背後についてやってくるおかげで、そうしたシステムは益々陰惨なものに見えてくる。

まず、ブルームバーグ 中国: “安定性に対する脅威を一掃する中国の取り組みは、かつては暗黒郷SFの中にだけ存在していた分野にまで拡大している。犯罪予防だ。共産党は、中国最大の国営国防請負企業の一つ、中国電子科技集団公司に、起きる前に‘テロ’行為を予測するため、普通の国民の仕事、趣味、消費習慣や、他の行動データを照合するソフトウエアを開発するよう命じた。“テロ行為の後に、原因を吟味するのは極めて重要だ” 国防請負企業の技師長、Wu Manqingは、12月の会議で記者団に語った。“しかし、より重要なことは、来る活動を予測することだ。”

プライバシー保護法の保障措置が皆無で、市民的自由擁護者たちからの反対が最小限なのだから、ソフトは未曾有のものだ”。世界中のこうしたあらゆる例で、通例、国民をテロから守るという口実の下、法律は素早く変更されつつある。

デイリー・ビースト: “東京-2017年6月14日木曜日朝、人目を欺くために“対テロ”法案と名付けられたものが、“共謀罪法案”として知られている法案に関するこれ以上厄介な質問を避けるべく、与党連立政権が標準的立法手順をとばし、国会て強引に押し通された。法律は、計画あるいは単に議論したかどで、警察が人を逮捕できる277の犯罪を規定している。法規上、ソーシャル・メディアも法律の対象になっているので、関連するツイートにリンクしたり、リツイートしたりするだけでも、共謀のかどで逮捕する理由となり得る。”

BigThink -  “アメリカ合州国: アメリカ国土安全保障省に率いられる、国土安全保障省が、現実の害を引き起こそうという意図や願望として定義する“悪意を示唆する”手掛かりを“迅速に、確実に、離れて”探知するために、センサー技術を利用することを目指すFuture Active Screening Technology、略称FAST構想がある。国土安全保障省によれば、テロと戦うのに利用されるという。

FASTシステムは、接触せずに、心理的、行動的手掛かりを監視することができる。これは、飛行機に搭乗する乗客の心拍や視線の安定性などのデータを取得することを意味している。手掛かりは、更に、その人物が罪を犯そうと計画している確率をリアルタイムで計算するプログラムにかけられる。科学雑誌ネイチャーによれば、このソフトの一回目の実地試験は数ヶ月前に、北東の秘密の場所で完了した。実験室でのテストでは、FASTは精度70%だったと報じられている。”

こうしたものは全て犯罪予防技術だ。ぞっとさせられる話かも知れないが、次に登場するのは‘社会信用メカニズム’だ。

Civil Society Futureは監視時代の市民社会に関する最近の記事でこう指摘している。

    “市民は益々、例えば、データ評点や、中国で開発されている社会信用評点のようなデータの集合により分類され、人物像分析されるようになっている。そのような評点の狙いは、将来の行動を予想し、それに従って、サービス(あるいは懲罰)用の資源と適格性を割り当てることだ。

言い換えれば 市民が、それに従って生きる規則が決められることになるのだ。

しかも、こうした規則は、単なる仮説上のものではない。ライデン大学、ファン・フォレンホーフェン研究所で中国法と統治を専門にしている研究者Rogier Creemersによれば、中国では、社会信用メカニズムの一部が既に実用化されている。

    “規則を破り、適時に改めない場合‘信頼を損なった執行対象者’リストに載せられ、様々なことができなくなる。”

中華人民共和国国務院が発表した文書によれば“信頼を裏切った人々は”助成金や、出世や、資産購入や、政府から名誉称号を受ける資格に、罰を科される。

同様の趣旨で、借金を返済し損ねた人々は、罰として旅行を制限される。現地のマスコミによれば、つい先月、最高人民法院は、裁判所の命令に従わなかったかどで、過去四年間に、615万人の中国人が、飛行機旅行を禁じられたと発表した。

処罰するために、総計44の政府機関と協力していると裁判所は発表した。

わずか四年前、イギリスとアメリカの監視機関、イギリス政府通信本部とアメリカ国家安全保障局が、電子メール、電話、会話、接触、医療や金融情報から、許可無しでの自宅における性的写真の撮影に至るまで、ありとあらゆる国民のデータを集めているのが明らかになった際、人々はすぐさまオンライン行動を変え始めた。これは自己検閲と呼ばれるものだ。しかも、更に政府は、次には、国民に報奨・懲罰制度を用意している。

二カ月前のイギリスの急速に衰退しつつある民主主義に関するガーディアンの記事では、もう一つの実に恥ずべき技術の利用が、国民的論議も無しに既に実用化されている。

“(オブザーバーが)見た文書は、国民の閲覧実績を一斉に記録し、電話会話を録音し、録音された音声データを自然言語処理にかけ、国民一人一人に罪を犯す性向について評点をつけて完成する全国警察データベース構築の提案だった。大臣に提出された計画は『マイノリティー・レポート』だった。犯罪予防だ。しかも、(データ収集に関わっている企業)ケンブリッジ・アナリティカが今やペンタゴン内で作業しているという事実は心底恐ろしい。”

いわば反則金や運転免許に対する点数をつけるスピード違反罰金制度の強化でたとえてみよう。人はスピード違反を、スピード違反取り締まりカメラでみつけられ、罰金通知が、自動的に発行され、免許証に点が追加される。保険会社リスクが増えたことが分かって、保険料があがり、スピード違反で捕まらないよう気をつけることになる。水圧破砕現場での抗議行動や、このような制度に疑問を投げ掛ける市民的自由擁護団体への参加に、同じ制度が適用されるのを想像願いたい。

労働組合員を要注意リストに載せることが、既にイギリスの建設業界の企業によって秘かに行われている。何千人もの人々が、単に労働組合員だという理由で、契約や雇用を得るのを妨げられている。イギリス政府は、いくつかの企業を、まずい発注先として、要注意リストに載せているが、同社が国家に対して無数の犯罪をおかした後も、民間軍事・警備会社のG4Sに発注している。問題は、本人たちが知らないうちに、政府の都合のために、人々や企業を、政府が積極的に管理していることだ。スピード違反加点から、要注意リストへの飛躍は、決して大きなものではなく、我々が知っていることは、読者が考えるより早く実現する。結局、エドワード・スノーデンが、アメリカ政府の大きな秘密を暴露するまで、自宅で自分たちの写真が撮影され、会話が録音され、インターネット閲覧が追跡されていることを我々の誰も知らなかったではないか。

犯罪予防システム技術は既に実現しているが、その目的は単なる犯罪予測だけではないのをお忘れなく。この技術を他の大量データ収集と結びつければ、本質的に、自己検閲を強いる能力があるのは明らかで、時間とともに、社会信用システムのような技術が、現在中国でテストされているシステムに似た懲罰・報酬に使用されることになろう。

記事原文のurl:http://truepublica.org.uk/united-kingdom/pre-crime-social-credit-systems-way/
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しっかり共謀罪もあげられている記事に感心。

刊行されたばかりの『増補版 アメリカから〈自由〉が消える』と直結する内容。 

大本営広報部の紙媒体をくまなく読んでも、痴呆洗脳テレビ番組を終日見続けても、全国民の生活に衝撃的な影響がある話題は、徹底的に隠す。TPPを、さも良いものであるかのごとく虚報しかしなかったのだから、当然ではあるが。

街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋 2017年7月 6日記事
売国の日EU経済連携協定(EPA)  隠蔽される最恵国待遇の罠

今日の日刊IWJガイドから、共謀罪と直結する話題部分をコピーさせていただこう。

 7月1日に秋葉原で開かれた自民党都議候補の応援演説において、安倍総理が聴衆の一部を指差し、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と述べた問題。

※都議選前日ようやく表に姿を現した安倍総理を待っていたのは「やめろ!」「帰れ!」の嵐!怒れる聴衆の中には森友・籠池氏の姿も!安倍総理は有権者を指差し「こんな人たちに負けない」と逆上! 2017.7.1
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/387185

 3日の会見で、東京新聞の望月衣塑子記者が、総理の発言は「有権者をある意味軽視しているかのような発言だと思える」と指摘し、「発言に問題があるとは思わないのか」と菅官房長官に質問しました。それに対し菅官房長官は、総理の発言は「きわめて常識的」と述べ、「妨害的行為があったことは事実ではないか」と反論しました。

・「妨害的行為があったことは事実じゃないか」菅長官(朝日新聞、2017年7月4日)
http://www.asahi.com/articles/ASK744J5QK74UTFK00H.html

 また、中田宏前横浜市長は、4日に放送されたフジテレビの「バイキング」で、安倍総理を批判した聴衆のことを「組織的活動家」と断言しました。

・中田宏前横浜市長 「安倍やめろ」コールの聴衆の正体について断言(LivedoorNews,2017年7月4日)
http://news.livedoor.com/article/detail/13289381/

 しかし、秋葉原で安倍総理に抗議していた市民の多くは、ツイッターのハッシュタグ「#0701AKIHABARA」を見て集まった個人であり、中田前横浜市長のいうような「組織的活動家」ではありません。

 見ず知らずの人々が、ネットの情報で街頭演説が行われると知って、三々五々集まってきたことが「組織的活動」と定義されてしまったら、どんな集会も成り立ちません。言論の自由も成立しないことになります。恐ろしく危険な発言です。

 菅官房長官は「妨害的行為があった」と言い、中田前横浜市長は「組織的活動家」と言う…。ということは、首相の政治姿勢を反対する人々がネットで呼びかけて集まって声をあげたら、そうした人々は共謀罪の「組織的犯罪集団」に該当してしまう、ということになるのでしょうか。

 共謀罪が政府を批判する言論を弾圧するために使われてしまう、という懸念が、現実のものとなりつつあると考えざるを得ません。

 なお、中田前横浜市長は岡山理科大学、倉敷芸術科学大学、千葉科学大学という、加計学園の3つの大学で客員教授を務めています。この件について問い合わせるため、IWJは昨日18時ごろ、中田宏事務所に電話を掛けましたが、連絡した時間が遅かったためか、誰も電話に出ませんでした。

・中田宏(DMM講演依頼、2017年7月5日)
https://kouenirai.dmm.com/speaker/hiroshi-nakada/

 IWJは引き続き、この件でも取材を続けていきます。

最後の部分、唖然茫然同じ穴。

2017年7月 5日 (水)

中国の一帯一路沿いに、ISIS“偶然に”出現

2017年7月1日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook

パキスタン南西部のバロチスタン州を本拠とする二人の中国人教師が、自称“「イスラム国」”(ISIS)の過激派に誘拐され、殺害されたと報じられた。

パキスタンで中国人教師がISISによって殺害されたという報道を巡る‘深刻な懸念’”と題するCNN記事は、テロ行為を、外国で拡大する中国の経済活動を狙った無差別攻撃として描こうとしている。

現実には、テロ攻撃は、場所と狙いの点で、極めて正確に狙ったもので、中国が長年大望を抱いているパキスタンのバロチスタン州を悩ませている暴力と政治的不安定のより大きなパターンにぴったりはまる。

中国-パキスタン経済回廊を妨害するために代理勢力を駆使するアメリカ

バロチスタン、より具体的には、中国-パキスタン経済回廊(CPEC)の中核として機能する港湾都市グワーダルだ。地域の経済成長を促進すべく、パキスタン政府と共同で建設されている鉄道、道路、港湾や他の複雑で、拡張しつつあるインフラ・プロジェクト、遥かに広範な一帯一路構想の不可欠な要素なのだ。

他の国々に対する中国の経済ライフラインを妨げることは、アメリカ政策決定者のあからさまな目標だ。2006年に、戦略研究所が発行した“真珠の首飾り: アジア沿岸において勃興する中国の挑戦に対抗する”と題する論文は、中国の“真珠の首飾り”のいくつかの要素の一つとして、グワーダル港を明記している。

報告は、北京に対し、あり得る“強硬なやり方”に関して、はっきりと述べている。

中国がアメリカのあらゆる戦略に好意的に対応する保障はなく、慎重さが“最悪に備える”よう示唆しており、それはつまり“あとで悔やむより、安全な方がよい”ということだ。おそらくは、中国に対して、対して強硬政策をとる方が良く、依然、相対的に弱い間に中国を封じ込めるべきなのだろうか? 地域覇権にむけて頑張れるようになる前に、今こそ中国を押さえつけるべき時期なのだろうか? 外交政策の現実主義者たちは、歴史と政治理論を引用して、中国はアメリカの卓越に必然的に挑戦するだろうし、アメリカ-中国関係が、敵対的、あるいは悪化するのは、“そうなるかどうか”ではなく“いつ”という問題だと主張している。

中国の地域的野望を封じ込めるには、バロチスタンのような場所で、武装過激派を使って、経済発展を窮地に陥らせるのか、アメリカが支援するバロチスタン州の独立運動で、徹底的に妨害するのか、どれが良いのだろう?

アメリカの政策決定者連中は、まさにそれに言及している。2012年に、カーネギー国際平和基金が刊行した“パキスタン: バルチ民族主義復活”(PDF)と題する論文は、はっきりこう述べている(強調は筆者)。

もしバロチスタンが独立したら、バングラデシュ分離から34年後、再度の分離に、パキスタンは耐えることができるのだろうか、そして地域の安定には一体どのような影響があるだろう? パキスタンは、天然資源の大部分を失うこととなり、エネルギー供給で、一層中東に依存することになる。バロチスタンの資源は、現在十分活用されておらず、バルチ以外の州、特にパンジャブ州にしか役立っていないが、こうした資源が、独立バロチスタンの発展に貢献するだろうことは確実だ。

バロチスタン独立は、グワーダル港や他の関連プロジェクトに対するイスラマバードの希望も粉砕しよう。パキスタンが世界の国々対してより魅力的になれる可能性は完全に無くなる。

パキスタンがグワーダル港を失うのみならず、これは中国の損失にもなる。

論文は、アメリカは、バロチスタン独立で何も得るものはないと主張しようとしているが、アメリカ国務省は、まさにこうした独立運動支援で、長年、膨大な金や資源を投じてきた。更に、カーネギー国際平和基金自身“独立”実現に向けた州へのアメリカ介入を唱導する“北米バルチ協会”によるイベントを主催している

アメリカ国務省の全米民主主義基金(NED)と、有罪判決を受けた金融犯罪人ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティーは“グローバル・ボイス”経由で、自治から公然の独立にいたるまであらゆることを唱導するパキスタン、バロチスタン州の多くの組織に資金提供している。この中には、バロチスタン総合的開発協会(AID バロチスタン)、バロチスタン・ポイントや、バロチスタン開発研究所がある。

アメリカのNEDが資金を提供しているInstitute for Development Studies & Practices’s (IDSP) の理事長は、年中、ツイッターなどのソーシャル・メディアを使って、バロチスタンの独立を求める声明をしたり、そういうものを支持したりしており、バロチスタンをパキスタンの“植民地”と表現している。アメリカ政府から資金供給されている上記組織のメンバー全員がこれを実行している。

アメリカが資金提供するバロチスタンを本拠とする多数の組織は、バロチスタン州における暴力行為を、2011年以来、シリアにおけるアメリカが支援する暴力を支持している連中の意図的に歪曲した広報活動が行っているの同じ類の、一方的な、パキスタン軍だけが 行っているものとして描く論説やプロパガンダに年中リンクを貼っているり。

シリア国内でと同様、紡がれ、実行され、言い繕われる暴力は、アメリカ権益と直接ぴったり重なる。この場合は、バロチスタンやそれ以遠での中国-パキスタン協力の妨害だ。

バロチスタン内の紛争はイランとのアメリカ代理戦争にも役立つ

「イスラム国」が、イラン、テヘランでのより大規模な攻撃の直後に起きたこの最新攻撃を実行したと主張しているのは、特に重要だ。“ペルシャへの路はいずれか? 新たな対イラン・アメリカ戦略のための選択肢”と題する2009年のブルッキングス研究所の政策論文で、パイプ役候補、安全な避難場所、対イラン武力紛争を行うための代理として、バロチスタンとバルチ分離独立主義者の名前を、アメリカ政策決定者があげている。

パキスタン、バロチスタンで暴力事件を起こせば、アジア全体に対する中国の野望を窮地に陥らせるのに役立つのみならず、最終的な対テヘラン政権転覆作戦に先立ち、イランを、敵対的な国や非国家主体で包囲するというワシントンの長年の狙いも支援する。

これまでアメリカ合州国は政治的不安定や暴動を醸成するため様々な現地集団を利用してきた。今やあらゆる地政学的な悪事は、十羽ひとからげに、汎用“「イスラム国」”で実行されているように見える。現実には、パキスタンのバロチスタンで、二人の中国人教師を誘拐し殺害した過激派は、アメリカが長年支援してきた現地過激派で、パキスタンを不安定化させる連中の役割が次第に現地や世界の人々に理解されつつある可能性が高い。

「イスラム国」に責任をなすりつけるのは、アメリカが地域中で意図的に煽っている暴力から、アメリカを切り離す手段のように見える。

事実上、アメリカ権益が、地元や地域の権益によって、妨害されたり、異議を出されたりしている地球上のあらゆる地政学的戦域に、「イスラム国」が“偶然”登場すること自体、そもそも一体なぜ「イスラム国」が存在するのかということのみならず、一体どうして、存続し続けられ、ロシア、シリアやイランなど多数の国々による、打ち破ろうとする取り組みにもかかわらず繁栄し続けられるのかの説明に役立つだろう。

国家的支援による「イスラム国」の兵站補給、政治的、軍事的な力の源は、究極的にはロシア-シリア-イランの軍事的・政治的威力が届かない、ワシントン、ロンドン、ブリュッセル、アンカラ、リヤドと、ドーハにある。

「イスラム国」が次は一体どこを攻撃するのだろうかといぶかっている向きは、世界地図を見て、ウオール街とワシントンの大企業-金融業独占に屈服するのをいやがる益々多極化する世界によって、一体どこで、アメリカ権益が妨げられているかを見るだけで良い。パキスタン、バロチスタンでのこの最近の忌まわしい攻撃がまざまざと示している通り、中国の一帯一路プロジェクトの重要な諸地点は、警戒すべき重要な場所のはずだ。

こうしたテロは、教師を標的にすることで、この野心的な地域経済計画実施の一環である労働者全員に恐怖を引き起こすことを狙っているのだ。それこそが、いつも「イスラム国」に振り付けられる粗雑なイデオロギー的動機を遥かにしのぐ動機であり、陰険とは言わずとも、しっかり考え抜かれた地政学計画に良く似ているのだ。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/07/01/isis-coincidentally-appears-along-chinas-one-belt-one-road/
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見事にだました後、次は「国民ファシスト」党を作るのだろうか?

「街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋」の下記記事を拝読しながら、これを報じない大本営広報部にあきれている。こういう連中と組むオカルト宗教政党も、救いがたい連中ということだろう。仏罰はいつ下るのだろう。

都民ファースト代表野田数のヘタレな日本国憲法無効論はこれ

モリ、カケには、更に続きがある?日刊IWJガイドの一部をコピーさせていただこう。「国家戦略特区」なるしろもの、全くとんでもない。郭洋春教授の『国家戦略特区の正体』を再度拝読中。

 都議選での歴史的な敗退によって、安倍政権に対する国民の信任の崩壊が、誰の目にも明らかになる中、「森友学園・加計学園問題」に続く、第3の学園問題が浮上してきました。千葉県成田市の国家戦略特区に設立された国際医療福祉大学医学部の疑惑です。

 昨日、民進党の「加計学園疑惑調査チーム会合」は岩手医科大学の小川彰理事長との会合を実施。会合は記者には非公開でしたが、終了後、座長を務める桜井充議員から、ブリーフィングが行われました。そこで桜井議員は、成田の国家戦略特区に新設された国際医療福祉大学の医学部をめぐり、裏で政治的なやりとりが行われていたことを裏づける証拠が出てきたことを明らかにしました。

 出てきた証拠とは、2014年10月1日に行われた「東京圏国家戦略特区会議第1回」の議事次第で、そこには、国家戦略特区担当の石破茂内閣府特命担当大臣(当時)と、舛添要一都知事(当時)、小泉一成成田市長ら、阿曽沼元博・瀬田クリニックグループ代表とともに、国際医療福祉大学の高木邦格理事長(代理:矢崎義雄総長)が出席者として明記されています。設置事業者の公募が始まる2015年11月12日よりも、前の話です。

 さらに、公募以前に行われた内閣府、文科省、厚労省の会合では、国家戦略特区での新設医学部は「一般の臨床への養成を主たる目的とする医学部とは異なる医学部にする」ことが決定されたはずなのに、今年3月27日付けで、千葉県と国際医療福祉大学が、「地域医療に貢献する人材を育成(=一般的な医学部と同じ)」することを協定で取り交わしていたことも明らかに。

 「国家戦略特区」を隠れ蓑にした安倍政権による一部の学校法人への「優遇」は、どうやら安倍政権の「腹心の友」加計孝太郎氏率いる加計学園だけではないようです。IWJは昨日の民進党のブリーフィングを中継配信、ことの重大性に鑑みて、夜10時30分から緊急再配信もしました。お見逃しになった方はぜひ、以下よりアーカイブをご視聴ください!また、記事内の会員限定ページには、民進党が配布した資料を全文公開しています。ぜひ、この機会に会員登録もお願いいたします。

※スクープ! 国際医療福祉大学医学部に新疑惑! 認可前から国家戦略特区会議に同大学経営者が参加! 石破氏、舛添氏らも同席~民進国対委員会と岩手医科大学・小川彰理事長会合後のブリーフィング 2017.7.4
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/387698

2017年7月 4日 (火)

かつては黒人だけが奴隷にされていたが、今や我々全員がそうだ

2017年7月2日
Paul Craig Roberts

7月4日が迫っている。アメリカがいかに素晴らしく、我々の自由を守る勇敢な軍隊を我々がいかに有り難く思っているかというあらゆる種類の愛国的たわごとを聞かされる。

かつて我々の自由を、いかなる軍事行動より、ずっと良く守っていたアメリカ憲法を、ブッシュとオバマの政権が破壊したことには一言も触れるまいには一言も触れられまい。

中東と北アフリカで、七カ国を丸ごと、あるいは一部を破壊し、何百万人もの戦争難民を欧米世界にあふれさせ、欧米諸国民の暮しの質を変えたワシントンによる16年間のまったく根拠のない戦争には一言も触れられまい。

核ハルマゲドンにおわりかねない、ロシアと中国とイランとシリアと北朝鮮に対して、ワシントンによって続けられている狂気の挑発には一言も触れられまい。

“例外的で、必要欠くべからずアメリカ”を慶賀する演説が行われ、そこに向かって突進している核ハルマゲドンの序曲としての花火がうちあげられよう。

素晴らしいおとぎ話の暮しや、わが偉大な民主的政府に愛されて我々は何と幸福なことかという演説を聞かされる中、アメリカ退職者協会(AARP)は、会員に向けて、目覚めて、アメリカ上院議員たちに“下院で成立したアメリカ医療法に反対するよう強く促すことを要求する全国版会報を発行した。この悪法は、普通のアメリカ人は大幅な保険料値上げに見舞われる一方で、既得権益には何十億ドルももたらす。法律には高齢アメリカ人に、医療保険に、更に何千ドルも払うことを強いる高齢者負担が含まれている。メディケアを弱体化させ、持病がある人々の保護を無くすものだ。私はあなたに、薬品会社や保険会社の利益ではなく、私の利益を代表するよう強く要求する。”

最後の文に私はびっくり仰天した。一体どうして、退職者のためのロビー集団が、下院と上院が、アメリカ国民のために働こうという興味を持っているなどと信じることができるのだろう?

下院と上院は金を持っている連中に仕えており、そういう連中は老人たちではない。連邦準備金制度理事会のおかげで、高齢者もう十年も、貯蓄に何の利子所得も得ていない。

しかも雇用の海外移転のおかげで、中流階級は縮小しており、祖父母たちは自分たちの貯蓄で、子供も孫も支援しなければならない。貯蓄はおろされ、使い果たされた。退職したアメリカ国民には、高齢者から略奪すると固く決意した薬品会社や保険会社と、ワシントンで競い合う資金など全くない。

アメリカでは、お金は、軍安保複合体、イスラエル・ロビー(アメリカの納税者たちが、連中に金を与えている)、ウオール街と、大き過ぎて潰せない銀行、不動産業と保険会社と、エネルギー、採鉱、発電やアグリビジネスなどの公害を引き起こす企業の手中にある。他の誰にも金はない。それゆえ、こうした既得権益集団が、アメリカの国内政策と外交政策を決定している。

アメリカ政府の政策を要約するのは簡単だ。それは、アメリカ国民を倒れるまで酷使することと、外国での戦争誘発とで成り立っている。これこそが政府を支配している、金を握っている既得権益集団のためになるのだ。

アメリカには、民主主義は存在していない。皆様がマスコミで耳にするあらゆる仰々しい話は、皆様を『マトリックス』の中に閉じ込めておくように練りあげられている。

“我々の政府を取り戻そう”などというのはたわごとだ。政府は皆様の所有物だったわけではない。取り戻すことなどできない。

クリス・へッジズは、唯一の選択肢は、ワシントンの犯罪階級を打倒するか、奴隷状態を受け入れるかだと言っている。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/02/blacks-enslaved-now/
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7月4日は、アメリカの独立記念日(Independence Day)。

著者再三、映画『マトリックス』を題材に書いておられる。下記はそうした記事翻訳の一例。

都議選の茶番を見て、「霞が関と西新宿の犯罪階級を打倒するか、奴隷状態を受け入れるかだ」ということになるのだろうか、と思えてくる。

某掲示板を眺めていたら、ファーストは一文字変えればファシストだというのがあった。座布団十枚!

大本営広報部は自民党・公明党と新政党を分けて説明というか洗脳する。時間と電気の無駄なので、昼の洗脳バラエティ、もう見るのはやめようと思う。

日本にも、民主主義は存在していない。皆様がマスコミで耳にするあらゆる仰々しい話は、皆様を『マトリックス』の中に閉じ込めておくように練りあげられている。

街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋
都議選雑感4 で、自民・公明と新党をまとめたグラフを描いておられる。これこそ描かれるべきグラフ。

新党の疑問点、今日の日刊IWJガイドにも書かれている。

武器輸出と日本企業』を読み終えた。大企業・中小企業の担当者が悩む様子を読みながら、演劇『雲ヲ掴ム』を思い出した。そっくりではないかと。
最後のページに、『雲ヲ掴ム』の名前が上がっていた。

2016年4月22日に掲載した『サウジアラビア王と王子、アメリカ政府を恐喝』の末尾で『雲ヲ掴ム』に触れた。

2017年7月 3日 (月)

カタール後、ワシントンは中東を失ったのか?

2017年6月24日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

最近のアメリカ議会の対イラン、そして対ロシア連邦経済制裁と、サウジアラビアと他の湾岸君主諸国によるカタール制裁決議を結ぶ隠れた赤い糸がある。この赤い糸は、テロに対する戦いとは全く無関係で、もっぱら世界最大の天然ガス埋蔵量を誰が支配し、世界ガス市場を誰が支配するかに関係している。

1914年以来、前世紀の大半、世界は、ほぼ連続して石油支配を巡って戦争してきた。それ自体は科学的行動ではなく、政治的行動なのだが、石炭発電を減らし、CO2排出を大幅に削減することに同意して、欧州連合や特に中国が、クリーン・エネルギー政策を採用するに伴い、また天然ガス液化、LNGのような天然ガス輸送技術の進歩もあいまって、天然ガスはとうとう石油同様、世界中で取り引きされる商品となった。この進展に伴い、現代は世界中の主要石油埋蔵を支配のための戦争だけの時代ではなくなっている。今や天然ガス戦争時代の夜明けなのだ。乗客の皆様、シートベルトをお締め下さい。

地政学的関係者という点で、最近の宣戦布告なしのガス戦争を始めた責任が一番重いのは、いわゆる陰の政府権益の為に政策をたてる、腐敗したワシントン徒党という政治権力をおいて他にない。これはオバマ大統領から、きわだって始まり、現在のトランプ-ティラーソンによる、つまらない見せ物のもとで継続している。イランがそうだとワシントンが定義する“テロ”と戦うため、スンナ派アラブ“NATO”という考え方を押し進めるためのドナルド・トランプによる最近のリヤド・テルアビブ歴訪が、始まりつつあるアメリカによる世界ガス戦争の新段階を引き起こしたのだ。

豚を焼くため、家を燃やす

トランプ政権の中東政策、明らかな政策が存在するのだが、豚肉を焼くため、家を燃やした農夫に関する古代中国の寓話になぞらえられる可能性が高いと思われる。“CO2の少ない″天然ガスを巡って出現しつつある世界エネルギー市場を支配するため、ワシントンは世界最大のガス埋蔵量がある国ロシアだけ標的にしているのではない。ワシントンは今やイランとカタールも標的にしているのだ。一体なぜかを詳しく見てみよう。

2009年3月15日、当時のカタール首長ハマド・ビン・ハリーファ・アール=サーニー、当時は、まだ首長にとって信頼できる友人と見なされていたシリアのバッシャール・アル・アサド大統領との悪名高い会談について、以前、私は書いたことがある。ハマド首長が、アサドに、巨大なEUガス市場を狙った、カタールの巨大なペルシャ湾ガス田から、シリアのアレッポ州経由で、トルコへのガス・パイプライン建設を提案すると、ガス問題で、カタールのガスで、ロシア・ガスの対EU輸出を損なうのを望まずに、ロシアとの長年の良い関係を優先させて、アサドは断ったとされている。

カタール側がノース・ドームと呼び、イランが南パースと呼ぶペルシャ湾ガス田は、世界最大の単一ガス田だと推測されている。運命の定めで、ガス田はカタールとイラン間の領海にまたがっている。

2011年7月、モスクワの承認を得て、シリア政府、イラクとイランは、“友好パイプライン”と呼ばれる異なるガス・パイプライン協定を結んだとされている。この協定は膨大な未開発のイラン南パースガスを、イラク、シリア、レバノン経由で、地中海を通し、出現しつつあるEU市場に送る、長さ1,500キロのガス・パイプライン建設を標榜していた。NATOとワッハブ派反動的湾岸諸国が、2011年以降、シリア破壊を選んで以来、このパイプラインは、明らか保留になっている。彼らは、イラクやシリアのアルカイダと名付け、更にはイラクとシリアの「イスラム国」、更には単にIS、あるいはアラビア語で、ダーイシュと様々な名前をつけた様々な偽旗テロ組織を用いて、アサドと統一されたシリア国家を破壊することを選んだのだ。NATOと湾岸諸国にとって、イラン-イラク-シリア・ガス・パイプラインは、ユーラシアのエネルギー地政学地図や、サウジアラビア・ワッハブ派支配に対するイランの政治的影響力を変えてしまうものだった。

2014年、不可解なISISが爆発的な勢いで登場した際に カタールからトルコへのパイプラインが計画されているアレッポ占領に動いたのも驚くべきことではない。偶然の一致だろうか? その可能性は低い。

提案されたカタール-シリア-トルコ-EUパイプライン(青)は、アレッポ県を経由し、代替のイラン-イラク-シリア (赤) ラインは、レバノンを経由して、EUガス市場に至る。

2011年は、カタールが、当時、サウジアラビアや、他のスンナ派湾岸諸国、更に地政学的にヨーロッパとアジアのガス・ハブとなる野望が消えるのを目にしたトルコにも支援された対アサド戦争に、30億ドルもの金を注ぎ込みはじめた時期だ。イラン-シリア“友好パイプライン”協定発表のまさに翌月、2011年8月、国連安全保障理事会で、アメリカがシリアのアサド辞任を要求した。アメリカ特殊部隊とCIAは、アサドを追い出し、ダマスカスに、カタールのガス・パイプラインの野望に好意的なサウジアラビアが支配する傀儡政権ための扉を開くべく、スンナ派ワッハブ派の影響を受けている世界中から徴募された“シリア反政府派”テロリストのトルコとヨルダン内の秘密NATO基地での、秘かな訓練を開始した 。

ワシントンとリヤドの地政学的な愚かさ

現在のトランプと、サウジアラビアのサルマーン皇太子による、イランが“一番のテロ支援国”で、カタールがテロ支援者だという悪者扱いは一体どういうことなのだろう?

前首長ハマドの息子で、現役のカタール首長タミーム・ビン・ハマド・アール=サーニーが大いに実利的で、ロシアがシリア戦争に介入して、アレッポ経由トルコの、EU向けパイプラインというカタールの夢がはかなく消えたことを悟り、静かにテヘランと交渉を始めたことに我々が気づけば、すべてのものごとがつながって見えてくる。

この春、カタールは、両国が共有する南パース-ノース・ドーム・ガス田開発で妥協案を見出すための交渉をテヘランと開始した。カタールは、ガス田開発禁止措置を解除し、共同開発を巡り、イランと協議を行った。カタールとイランは、イランから、地中海、あるいはトルコ向けで、カタール・ガスをヨーロッパにも送れるカタール-イラン・ガス・パイプラインの共同建設合意に至ったと報じられている。引き換えに、ドーハは、シリア国内でのテロ支援を停止することに同意し、破壊されたシリアを小国に分割して、地域のガスの流れを支配するというトランプ-サウジアラビア計画にとって大打撃となった。

ワシントンとリヤドとテルアビブから見てのこの地政学的大惨事を防ぐため、邪悪の三国は、イランと、皮肉にも中東中でペンタゴンの最も重要な基地があるカタールに罪をなすりつけるべく団結した。連中は、カタールは、世界テロの‘命知らずエベル・ナイベル’だと宣言し、アメリカ国防長官“狂犬”マティスが実際、イランは世界“最大のテロ支援国家”だと宣言し、カタールの罪は、ハマース、アルカイダとISISへの主要資金提供者であることだとされている。かつては、そうだったかも知れない。現在、カタールは違う目標を追求している。

カーブルから中国まで、ボスニア-ヘルツェゴヴィナから、コソボやシリアや、更にはイランやロシアに至るまで、狂信的聖戦テロリストのネットワーク構築に近年、1000億ドル以上注ぎ込んだとされるワッハブ派サウジアラビアの役割を、ワシントンはご都合主義で誤魔化している。

失敗する運命

大半の最近のワシントン・ネオコン戦略と同様、カタール-テヘランの悪者扱いと経済制裁は、これを実施している連中に対し逆噴射している。封鎖を破るべく、イランはすぐさま、緊急食料や他の支援を申し出て対応したが、全く違う文脈での1948年-49年のベルリン空輸を思い起こさせる。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣も、モスクワで、カタール外務大臣と会談し、中国海軍が、ホルムズ海峡という石油の超戦略的要衝でイラン-中国共同海軍演習に参加するため、イランの港に到着した。ペルシャ湾から、オマーン海への開口部のオマーンとイラン間のホルムズ海峡は、中国や他の世界市場に向けて、35%以上の全ての海上石油輸送がここを通る紛れもなく現代世界で最も重要な海上の要衝だ。

イランは、アメリカとEUの経済制裁が半ば解除されたので、上海協力機構の正式加盟国となる候補者で、既に、世界で最も目覚ましいインフラ・プロジェクト中東を含むユーラシア中の国々の経済的なつながりを構築する、これまで“新経済シルク・ロード”として知られていた中国の一帯一路の戦略パートナーに招かれている。

カタールも、中国やロシアにとって、新顔ではない。2015年、カタールは、今やIMFで、SDR主要通貨として認められている、中国通貨元での初めての中東決済センターとして、中国人民銀行によって公式に認められ、人民元の国際的な受け入れを大きく押し上げた。人民元の決済状況で、カタール企業が、中国との貿易、例えば天然ガスを、直接人民元で決済することが可能になる。既にカタールは膨大な量のLNGを中国に輸出している。

アムステルダム発の最近の報道によれば、カタールは既に、米ドルではなく、人民元建てで、中国にガスを輸出している。もしこれが真実であれば、19兆ドル以上の連邦政府赤字や公的債務を背負いながら、至る所で戦争をしかける能力の財政基盤、アメリカ・ドルの威力に対する大規模な構造的転換を意味する。イランは既に石油へのドル支払いを拒否しており、ロシアは、ガスをルーブルや元で中国に輸出している。二国間貿易で、人民元やロシアルーブルや、ドル以外の他の通貨を好む方向に大きく動けば、アメリカ世界超大国にとってのたそがれとなる。消灯、もうたくさんだ!

たとえば、1990年代そうであったのと全く違い、現在、世界唯一の超大国であり続けるのは容易なことではない。狂犬などというあだ名の精神病質の将軍連中ですら、ワシントンが怒鳴って命令した際、他国を脅し、たじろがせ、従わせることができなくなっている。かつて1990年頃まで それは、言わば朝飯前だった。ユーゴスラビアで戦争をし、ソ連を不安定化 アフガニスタンでの長い戦争の後、旧共産主義国経済東ヨーロッパ全てを略奪した。しかもなお悪いことに、世界はもはやワシントンの破壊戦争を評価しているようには見えない。近年ワシントンが諸国のためにした全てのことに対する全くの忘恩だ。

将来の歴史学者から見ると、ディック・チェイニーが、エネルギーの豊富な中東と呼んだ“戦略的な獲物”に対する支配力をワシントンが失った2017年頃、アメリカの世紀の死亡記事が書かれたということになるのだろうか?

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占寄稿。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/06/24/has-washington-lost-the-middle-east-after-qatar/
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都民の大多数がB層なのか、ムサシが本当に機能しているのか、いずれにせよ悲惨な結果。国政がこうなれば、憲法も簡単に破壊される。マクロンのフランスそっくり。

総理が都議選の夜、フランス料理店「オテル・ドゥ・ミクニ」で食事というのは、本当に祝賀会だったのだろう。

大本営広報部選挙報道全く見なかった。自民と都民ラストを対比する雰囲気ゆえ。
ムサシの威力がウワサなら、この結果を産んだ最大の功労者は大本営広報部。

昨日だか一昨日だか、アナグマとタヌキが都会の側溝で一緒に暮らしているドキュメンタリーを見た。山里の穴でも一緒に暮らしているらしい。「同じ穴の狢」はそこからでたような話だった。選挙結果予言番組?

将来の歴史学者から見ると、都民が都議会で改憲勢力を圧勝させた2017年頃、 日本の死亡記事が書かれたということになるのだろうか?

2017年7月 2日 (日)

ワシントンが16年間戦争をしているのはなぜか?

2017年6月29日
Paul Craig Roberts

アメリカは、16年間、中東と北アフリカで、戦争をし続けて、何兆ドルも経費がかさみ、計り知れない戦争犯罪をおかし、何百万人もの戦争難民を送り込んで、ヨーロッパに重荷を負わせ、同時に、ワシントンには、社会保障やメディケアの義務を守る余裕がなく、あらゆる文明国にある国民皆保険の資金がないと主張している。

こうした巧妙に仕組まれた戦争の膨大な経費のおかげで実現されない膨大な社会的要求を考えれば、こうした戦争の目的について、アメリカ国民が、疑問を投じていて当然だろうと思いたくなる。このような膨大な経費で、一体何が実現されつつあるのだろう? 軍安保複合体が戦争による利益で肥え太れるようにすべく、国内ニーズは無視されている。

全くウソに基づいていることが証明済みのこうした戦争の目的について、アメリカ国民、マスコミや議会側に全く関心が欠如しているのは、驚くべきことだ。この沈黙の共謀、お金と命の浪費への、この驚くべき無関心は一体どのように説明できるのだろう?

大半のアメリカ国民は、9/11への政府の反撃として、こうした巧妙に仕組まれた戦争を、なんとなく受け入れているように見える。これは、イラク、リビア、シリア、イエメン、アフガニスタンもイランも(イランは威嚇と経済制裁を除けば、まだ実際には攻撃されていない)9/11と無関係だという事実の不思議さを深めるものだ。しかし、これらの国々には、イスラム教徒の国民がおり、ブッシュ政権と売女マスコミは、9/11をイスラム教徒全般と結びつけるのに成功した。

もしアメリカ国民と議会にいるその“代議員”が、戦争が実際は一体何なのかを理解すれば、おそらく、反対して決起するだろう。そこで、シリアに対するワシントンの戦争と、ワシントンが意図しているイランに対する戦争は一体何かをご説明しよう。ご用意は良いだろうか?

ワシントンはアメリカではないのでアメリカの戦争ではなく、シリアに対するワシントンの戦争には理由が三つある。最初の理由は軍安保複合体の利益に関係している。

軍安保複合体とは、多くの国々のGDPを越える年次予算を正当化する脅威を必要とする強力な私益や政府権益の連合だ。戦争は、この私益、国家権益の連合に、その重荷が実質世帯平均所得が何十年も上がっておらず、生活水準を維持するための負債が増えているアメリカ納税者の肩にかかる膨大な予算の正当化をもたらすのだ。

二つ目の理由は、アメリカ世界覇権というネオコン・イデオロギーだ。どう表現しても保守派ではあり得ないのが確実なネオコンによれば、共産主義と社会主義の崩壊は、民主的でも、資本主義でもない“民主的な資本主義”を、世界の社会-経済-政治体制として歴史が選んだことを意味しており、世界中に、アメリカ式を押しつけるのがワシントンの責務なのだ。ロシア、中国、シリアやイランのような、アメリカ覇権を拒否する国々は、アメリカ 単独行動主義の邪魔なので不安定化して破壊しなければならない。

三つ目の理由は、イスラエルが南レバノンの水資源を必要としていることだ。イスラエルは、二度、大げさに称賛されているイスラエル軍を、南レバノンを占領しようと派兵したが、二度とも、大げさに称賛されているイスラエル軍は、シリアとイランが支援している民兵ヒズボラに追い出された。

率直に言えば、イスラエルは、ヒズボラに、軍事的、経済的支援をしているシリアとイランの政府を殲滅するのに、アメリカを利用しているのだ。もしヒズボラを支援している国々をアメリカによって殲滅できれば、イスラエル軍は、パレスチナとシリアの一部盗み取ったように、南レバノンを盗み取ることができるのだ。

事実はこうだ。16年間、無頓着なアメリカ国民が、ワシントンの腐敗した政府が、国内で必要な何兆ドルを浪費して、アメリカ世界覇権というネオコン・イデオロギーと、イスラエルのために、軍安保複合体の利益に振り向けるのを許してきたのだ。

明らかにアメリカ民主主義は欺瞞だ。アメリカ国民以外の連中のために働いている。

アメリカの利益でないものにアメリカ政府が仕えたあげくのありそうな結果は一体なんだろう?

最善の前向きな結果は99パーセントの貧困だ。最悪の結果は核のハルマゲドンだ。

軍安保複合体、ネオコン・イデオロギー、イスラエルに対するワシントンの貢献は、圧倒的な事実を全く無視している。

シリアとイランを打倒しようというイスラエルの関心は、聖戦主義がロシア連邦や中央アジアに輸入されるのを防ごうとするロシアの関心とは全く矛盾する。だから、イスラエルは、アメリカをロシアとの直接軍事紛争に押しやっているのだ。

ロシアをミサイル基地で包囲するアメリカ軍安保複合体の財務上の利益は、ネオコンによるアメリカ世界覇権強調と同様、ロシア主権とは合致しない。

トランプ大統領はワシントンを支配してはいない。ワシントンは、軍安保複合体によって(アメリカ民主主義に対する脅威としての軍安保複合体についてのアイゼンハワー大統領演説をyoutubeでご覧願いたい)イスラエル・ロビーによって、そして、ネオコンによって支配されている。この三つの既得権益団体が、無力で、自分たちの未来に関する決定には関与しないアメリカ国民より優位に立っているのだ。

イスラエルに反対して立ち上がる全てのアメリカ下院・上院議員は、再選挙運動でイスラエルに敗北させられた。これこそが、何であれ、イスラエルが上下両議会を通過させようとすると、満場一致になる理由だ。海軍作戦部長で統合参謀本部議長のトーマス・モーラー海軍大将はこう公言した。“イスラエルに抵抗できるアメリカ大統領はいない。”アメリカにとって、どのような結果になろうとも、イスラエルは望むものを手にいれる。

モーラー大将は正しかった。毎年アメリカは、イスラエルに、アメリカ政府を買収するのに十分な資金を与えている。そして、イスラエルは実際、アメリカ政府を買収している。アメリカ政府は、アメリカより、イスラエルに、遥かに責任を負っている。下院と上院での評決がこれを証明している。

小さなイスラエルにさえ立ち向かえないワシントンが、ロシアと中国を威圧できると思っているのだ。ワシントンが、ロシアと中国挑発を継続するのは狂気の兆しだ。知性があるべき所に見えるのは、阿呆の証したる不遜と傲慢だ。

地球と、そこに棲む生き物が何よりも必要としているのは、聡明で、道徳意識があり、真実を尊重し、連中の権限の限界を理解することができる欧米指導者だ。

だが欧米世界には、そのような人材は皆無だ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/06/29/washington-war-16-years/
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最初の理由、軍安保複合体の利益の巨大化は、動き出せば止まらない。その方向に進む危険性を、『科学者と戦争』『科学者は戦争で何をしたか』そして、あの鋭い官邸質問をされた記者による『武器輸出と日本企業』を読めば感じざるを得ないはずだ。憲法破壊は、もちろん、宗主国による侵略戦争参戦が目的で、共謀罪は反戦運動弾圧法だ。

日本が、宗主国のいう通りに、中国挑発を継続するのは狂気の兆しだ。知性があるべき所に見えるのは、阿呆の証したる不遜と傲慢だ。

地球と、そこに棲む生き物が何よりも必要としているのは、聡明で、道徳意識があり、真実を尊重し、連中の権限の限界を理解することができる指導者だ。

だが日本には、そのような人材を選ぶ人々は極めてまれだ。

今日東京でも証明される。コウモリ・ファーストと与党と大本営広報部の共謀で。
あるいは、人力で票を数えない、コンピューター集計のせいなのだろうか?

必ず拝読しているブログ、「トラックバック」できなくなっている。いずれもlivedoor。反自民・公明、ファーストの団結?を阻止する目的だろうか。まさか、偶然の事故ではあるまい。先程確認したところ、予定の通り、無用な?機能を廃止したということのようだ。

視聴料を強制徴収する大本営広報部大政翼賛会、秋葉原での演説混乱を完全に無視していた。民放は流したが。

日本白痴放送には、香港の人々が中国支配に反対するのを報じる自由がある。
日本白痴放送には、日本人が属国傀儡支配に反対するのを報じない自由がある。

日刊IWJガイド・日曜版から、一部コピーさせていただこう。

※都議選前日ようやく表に姿を現した安倍総理を待っていたのは「やめろ!」「帰れ!」の嵐!怒れる聴衆の中には森友・籠池氏の姿も!安倍総理は有権者を指差し「こんな人たちに負けない」と逆上! 2017.7.1
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/387185

 秋葉原での安倍総理の街宣の様子を中継したIWJのライブストリーミングは、最大で5500人オーバーの同時視聴者数が集まりました。のべ人数はわかりませんが、何万人にもなると思われます。現場には行けずとも思いを共有したい市民が全国にたくさんいたのでしょう。ちなみにNHKの7時のニュースは、安倍総理への怒りのコールを完全に消して報道。いわゆるカッコつきの「公共放送」は、現場のリアルをまったく報じませんでした。

 自民党がここまで露骨な逆風に晒された選挙は、近年では珍しいかと思います。「いつも自民党だけど、今回は自民党には入れないぞ」という方も多いかもしれません。しかし、その結果、小池百合子東京都知事の都民ファーストに票が流れてしまうのは、様々な観点から問題だと考えます。

 IWJはこの間の取材で、小池知事がいまだに自民党に籍を置き続けていること、さらに、「古い政治をあたらしく!」というスローガンの都民ファーストの候補者の多くがもともとは自民党所属議員だったことを突き止め、「都民ファーストは第2自民党である」と指摘し続けてきました。まだ投票に行かれていない方は、ぜひこうした視点も踏まえて、貴重な一票を投じてはいかがでしょうか?

※速報! 都民ファーストの小池都知事は、自民党を離党していなかったことを、IWJが自らの取材で確認! 2017.6.29
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/386325

※【岩上安身のツイ録】「古い政治をあたらしく!」というスローガンの都民ファースト、一枚めくると元自民党だらけ。小池氏も、側近も極右!日本会議の副幹事長!都民ファーストは第2自民党! 2017.6.30
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/386579

 さて、本日13時30分からは、岩上さんが「今治加計獣医学部を考える会」共同代表で市民運動を展開する黒川敦彦氏にインタビューをします!

 都議会選で自民党の陣頭指揮をとる下村博文・都連会長が、加計学園から200万円の違法献金を受け取っていた疑いが報じられるなど、加計学園問題は、贈収賄事件へ発展する可能性が出てきました。黒川氏は、獣医学部の施設の坪単価が150万円と、通常より大幅に高いことに着眼し、建設費を水増しした「補助金詐欺の疑い」を訴えています。

 この問題で安倍総理を追及し続ける野党議員らにも資料提供してきた黒川氏へのインタビュー、ぜひ、お見逃しなく!

★「加計学園」から新たな疑惑浮上! 建設費水増しで補助金詐欺!? 岩上安身による「今治加計獣医学部を考える会」共同代表・黒川敦彦氏インタビュー
[日時] 2017年7月2日(日)13:30~
[YouTube Live]https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?view=2&flow=grid
[ツイキャス]http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

2017年7月 1日 (土)

カタール首長に、歴史の流れを変える好機を与えたサウジアラビア

2017年6月29日
Paul Craig Roberts

カタールに関する大騒ぎにお気づきで、一体何が問題かと不思議に思っておられるだろうか。ペルシャ湾岸の石油・ガス首長国を支配する首長が設立した報道機関アル・ジャジーラこそが問題なのだ。アル・ジャジーラは欧米のいかなるマスメディアよりも遥かに優れている。アル・ジャジーラの問題は、実際のニュースを扱い、真実を語っていることだ。サウジアラビアとアラブ首長国連邦とワシントンは、これが容認できないのだ。

アメリカによるイラク侵略時に、UAEの皇太子が、アメリカによるイラク攻撃の誠実な報道で、アラブ世界が激怒しないようにするため、アル・ジャジーラを爆撃するようワシントンに要求した。2003年4月、アル・ジャジーラのバグダッド事務所が、アメリカ・ミサイルに攻撃され、ジャーナリスト一人が死亡し、一人が負傷した。もちろんワシントンは間違いにすぎないと主張した。http://www.globalresearch.ca/uae-crown-prince-asked-us-to-bomb-al-jazeera-says-2003-cable/5596718

カタールは、一人当たり国民所得が世界最高で、2016年で、129,700ドルで、この額に比べれば、アメリカ一人当たり国民所得はみじめなものだ。

カタールは中東最大のアメリカ軍基地を受け入れている。この事実が、サウジアラビアがカタールに渡した要求項目リストをややこしくしている。カタールは、首長がアル・ジャジーラが真実を語るのを許し、“テロ支援”しているとサウジアラビアが非難したのが本質だ。要求リストの二番目は、カタールが、アル・ジャジーラを閉鎖することだ。

首長はアル・ジャジーラを誇りにしているが、それも当然だ。一方、カタールはサウジアラビアと国境を接している。しかし、サウジアラビアは、ワシントンの代理勢力として、イエメンとの戦争で行き詰まっている。サウジアラビアは、第二戦線が欲しいのだろうか? ワシントンの中東最大の軍事基地を受け入れている国をサウジアラビアが攻撃したら、ワシントンは一体どう対応するのだろう?

カタールは、サウジアラビアに吸収されるのだろうか? もしそうなれば、メッカの聖なる神殿を守っている国に、異教徒が軍隊を置いているという問題が再発する。ワシントンが中東最大の基地を手放すつもりがないことは確実だ。

それでも、ワシントンは、アル・ジャジーラを憎悪している。すると、ワシントンは、サウジアラビアの要求に従うよう首長に圧力をかけると予想できるだろうか? もし首長が、ワシントンに出てゆけと命じて、首長が良好な関係にあるロシアかイランを招いたらどうなるだろう? もし首長がCIAによる暗殺の企みをうまく逃れることができれば、彼はたった一人で歴史の進路を変えることができるだろう。

ただの首長に、それほどの好機を与えられるのは、腐敗したサウジアラビア君主国と、ワシントンのうつけものどもしかいない。もし私が首長だったら、ウラジーミル・プーチンに電話をしたに違いない。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/06/29/saudi-arabia-handed-emir-qatar-opportunity-redirect-history/
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森友の幼稚園閉鎖や狂暴議員の言行や棋士引退会見は詳細に報じるが、都議選挙の判断で、一番基本になる豊洲移転問題の本質には全く触れない大本営広報部。

街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋
安倍・稲田へのレクイエム  都議選雑感3 は、その前の二つと同様、必読記事。

狂暴罪の強行採決での評判低下を念頭に、都知事選挙出馬から、ずっと念入りに計画されていた茶番ではないだろうかと思えてくる。更には国政参加。もちろん、あくまでも、第二自民党として。陰謀論ではなく、計画論。法案提出時期は、自民党が決められるのだから、都知事選挙をにらんで、わけのわからない豊洲移転延期をだらだら続けてきただけだろう。豊洲移転は、総資本の既定路線にすぎない。築地再整備を主張しているのが誰で、どの党かを見れば、大本営広報部のめくらまし戦略の陰険さ、誰でもわかるだろうと思うのだが。恥ずかしながら、小生のおさななじみ、自民とファースト支持ばかり。恒例飲み会は例によって参加をさけた。

更に、日刊IWJガイドの一部をコピーさせていただこう。

 元文科大臣であり、自民党の都連会長という立場にある下村氏をめぐる加計学園からの献金疑惑浮上で、都議選を戦う自民党は与党支持の票をさらに失うことは間違いありません。しかし、最大のジレンマは与党離れの票が、小池百合子都知事率いる「都民ファーストの会」へ流れる見通しが高いこと。マスメディア、特にワイドショーが延々と「小池劇場」を無批判に(それどころか、露骨に小池氏びいきに)たれ流してきたために、都内(あるいは全国)の有権者の間で、小池氏が自民党と決別し、古くさい男の政治からの脱却を実現してくれるあたらしい輝く女性政治リーダーというイメージを抱いている人が多いからです。

 しかし、本ガイドでも繰り返し伝えてきましたが、今回の選挙は大手メディアが報じているような「自民」vs「都民ファースト」の戦いでは全くありません。小池氏は自民党を離党さえしていないのです。6月1日に「離党届」を提出したものの、自民党は離党手続きを進めておらず、小池氏は正式には自民党員のままです。

※速報! 都民ファーストの小池都知事は、自民党を離党していなかったことを、IWJが自らの取材で確認!  2017.6.29
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/386325

 自民党が小池氏に「恋々」としがみついているようにも見えますが、今年1月の安倍総理との会談では衆院選では自民党を支援すると公言していることから、小池氏も了解の上で「離党劇」という茶番を繰り広げている可能性が否定できません。

 都民ファーストから出馬している候補者は元自民や元民進、はたまた2党からの転身組がほとんどで、小池氏の政治塾「希望の塾」出身者は実に少数。岩上さんは都民ファーストは1枚皮をかぶっただけの「第2自民党」だとツィッターで批判し、都民ファーストのチラシにある「古い都議会を、あたらしく!」というキャッチーなフレーズの矛盾を指摘しています。

※【岩上安身のツイ録】小池百合子は離党していない。都知事になる前は日本会議の副幹事長!都民ファーストは1枚皮をかぶっただけの第2自民党! 2017.6.30
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/386579

 こちらのページには、選挙区ごとに候補者をわけ、出身元をリスト化しています。都民ファーストから出馬する候補者の多くが自民や民進関連であることが一目瞭然です。都内の有権者の方はぜひ、投票の際の参考にぜひしてみてください。

・【東京都議選大胆予測・全候補者選挙区別一覧】自民が第1党。都民F+公明過半数届かず、民進は激減か(BLOGOS、2017年6月5日)
http://blogos.com/article/226938/?p=1

 前記のツイ録のとおり、小池氏の離党手続きを留保している責任者は二階俊博幹事長であるとIWJの取材に自民党は回答しています。しかし、幹事長室に取材しても、留保している理由は明かしてはくれませんでした。小池氏は一体、離党届が正式に受理されていないことをどう考えているのか。やはり、参院選では自民党を支援するのか。IWJは小池氏サイドにも取材を申し入れ、質問を送っています。現在、小池氏から回答待ちなので続報があればガイド等でお伝えします。

 その二階幹事長ですが、苦しい選挙戦を強いられていることへの焦りなのか、ここにきて、失言や暴言が連続しています。29日の板橋区での応援演説では北朝鮮を批判する発言中、「よく変なものを打ち上げてくる気違いみたいな国がある」と話し、精神障害者への差別的表現があるとの批判をうけ、その日のうちに「今後注意したい」と釈明。

 その翌日、即ち昨日30日は、国分寺市の応援演説で「言葉一つ間違えたら、すぐ話になる。私らを落とすなら落としてみろ。マスコミの人だけが選挙を左右するなんて思ったら大間違い」とタンカを切った上、「我々はお金を払って(新聞を)買ってんだよ。買ってもらってることを忘れちゃだめじゃないか」とまで発言。横柄な自民党体質を露呈させて反感を買えば、選挙での一票が遠のきます。そんなことも忘れ、感情に任せマスコミ批判。それだけ自民党に対する逆風が吹きまくっているのでしょう。

・「落とすなら落としてみろ」 二階氏、マスコミ批判(朝日新聞、2017年6月30日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK6Z624BK6ZUTFK01N.html

 都議選は残すところ一日です。今日もIWJは都内各地、候補者の最後の演説を取材し続けます!IWJは都議選中、中継市民ボランティアの募集で集まってくださった方々のおかげで、予想よりも広く中継することができました!ありがとうございます。都議選が終わっても、加計学園疑惑の追及は続き、内閣改造も行われる予定です。IWJがペースを落とせるタイミングというのは、一年を通してほとんどないのが現状です。皆様からの応援、ご支援を引き続きよろしくお願いいたします!

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