壊滅的な戦争へと向かう更なる一歩
2017年6月19日、
Paul Craig Roberts
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マヌケなアメリカ人パイロットが、ISISを攻撃していたシリア戦闘機を撃墜し、ワシントンが主張するように、ワシントンはISISに対して戦っているのではなく、シリア政府を打倒するため、オバマとヒラリーによってシリアに送られたアメリカの手先、ISISを守っていることを裏付けた。マイケル・フリン元中将が、TVインタビューで、国防情報局局長たる彼の反対にもかかわらず、オバマとヒラリーが、ISISをシリアに送る“意図的な決定”をしたことを暴露していた。
ワシントンは、ISISを支援しているのではなく、ISISと戦っているという素振りは、シリア紛争に、ワシントンが違法に存在している言いわけだ。ロシアとイランは、選挙で選ばれた政府に招かれ、合法的に、シリアに駐留している。アメリカは、招待されていない戦犯として、現地にいる。アメリカ自身が確立した国際法の下で、自国に戦争をしかけていない国に対して侵略するのは戦争犯罪だ。
だから、シリア内に駐留するため、ワシントンは、テロの支援ではなく“テロに対して戦っている”ふりをせざるを得ないのだ。何度もこのウソが主張されてきたが、アメリカ人パイロットが、アメリカがシリアに駐留しているのは、手先であるISISを支援するためであることを証明してしまった以上、マスコミ売女のメーガン・ケリーでさえ、ワシントンがISISと戦っていると信じているとは、正直に主張できない。
そもそものはじめから、ロシア、シリアとイランはこれを知っていた。ところが、欧米売女マスコミでは、こうした公式情報源は全て要注意扱いだ。だから、まぬけなアメリカ人が、シリア戦闘機とパイロットともども、空から吹き飛ばすまでは、売女マスコミの共謀のおかげで、ワシントンのウソが通っていた。
もちろん、ワシントンは白々しいウソをつくだろう。ワシントンがやり方を知っているのは、それだけだ。ワシントンは“連合軍戦闘機”つまり、誰か他の連中がアメリカF-18を操縦していたと主張するだろう。アメリカではなかったのだ。あるいは、連中は、シリア戦闘機が、女性や子供たちや、トランスジェンダーの居住区や、アサドの“残虐な軍隊”に強姦された女性たちの妊婦病棟を攻撃していたと主張するだろう。攻撃的な戦争犯罪を、被害者集団の英雄的防衛に変えるべく、ワシントンが何らかの形で歪曲するのだ。
ここで疑問だ。マヌケなアメリカ人パイロットは、『トップガン』の無茶をする戦闘機乗りを演じて、自分の判断でしたのか、それとも、トランプ大統領がロシアとの高いレベルの緊張を緩和するという彼の目標を復活させるあらゆる可能性を阻止しようとしての、正式ルート外の軍治安複合体による、アメリカとロシア間の紛争を始めるための計画的挑発 なのだろうか? アメリカ納税者が支払う1兆ドル、10000万ドルという軍/安全保障の年間予算が危険に晒されているのだ。
パイロットが自分で判断したのか、命令でしたのか我々にはわからない。
我々に分かるのは、ロシアの受けは良くなかったということだ。今日、ロシア国防省は“アメリカ司令部による判断は、2015年10月20日に調印した、シリアにおける作戦中の事故防止と航空の安全に関する覚え書きの枠組みにあるアメリカの意図的な義務違反”と見なすと述べた。
驚いた! 驚いた! アメリカは、ワシントンがロシアと調印したもう一つの協定を破った。
ロシアが最終的に、ワシントンとの署名入り協定は無意味なのを理解するまでに、ワシントンは一体いくつのロシアとの合意を破らなければならないのだろう? ロシア人は、いつか学ぶのだろうか? アメリカ・インディアンは決して学ばなかった。有名なアメリカのTシャツがある。“確かに政府は信じられる。インディアンに聞けば良い。”
おそらくロシア人は、ワシントンとのあらゆる合意は、最善でも、無価値で、最悪の場合、死刑執行令状だということを、とうとう学んだのだ。今日、ロシア国防省は、ロシアは、シリア領空における事故防止覚え書きの枠組み内の、アメリカとのあらゆる協力を停止すると発表した。更に、ロシア国防省は、ロシア・ミサイル防衛システムが、シリアで、ロシア航空宇宙防衛軍の作戦区域におけるあらゆる航空機を要撃すると述べた。また“ロシア航空機が、シリア領空で戦闘任務を遂行している区域において、ユーフラテス川の西で発見された国際的連合軍のジェット機や無人航空機を含むあらゆる飛行物体は、ロシアの防空、地上防衛部隊により、空中目標として追跡される。”
言い換えれば、ロシアは控えめな言い方で、シリアとロシア軍が活動しているシリア全空域に、ロシアは飛行禁止空域を宣言したのだ。この空域への侵入者は誰であれ、撃墜されることになる。アメリカであれ、イスラエルであれ、誰であれ、お陀仏だ。
シリアで制空権を握っているのは、ワシントンではなく、ロシアなのだから、もう一人のどあほうアメリカ人パイロットが撃墜されさえすれば、ワシントンの完璧なまぬけは、しり込みするか、誤りを犯すことを強いられる。ワシントンは実にあほうで、傲慢の固まりなので、あほう連中は誤りを犯す。
ワシントンに知性は皆無だ。あるのは傲岸と尊大のみだ。私があそこで過ごした四半世紀は、地上で最も完全に愚かな人々との暮らしだった。
ロシアには聡明な指導部があり、ワシントンにはないので、私はここで、ロシアに勝って欲しいと思う。
とは言うものの、誰も全てを知ることはできないのだから、おそらく誤ってだろうが、シリア危機を進展させてしまっているのは、ロシアも悪いと私は思う。常にワシントンとの合意に至れると期待して、ロシアか尚早に勝利宣言し、撤退し、また舞い戻らざるを得なかったことさえなければ、ロシアとシリアは、とうの昔に戦争に勝てていたはずだ。実際、ロシア政府にとって、戦争に勝利することや他の何より、ワシントンとの合意に至ることが重要だった。
逆の証拠があるにもかかわらず、ロシアとワシントンが協力して、テロに対して戦う合意に至れるという、ロシア政府の希望は決して消えないのだ。一体何というたわごと。ロシアのチェチェン地方でのテロは、ワシントンが扇動したものだ。ロシア政府は、自立したテロリストなど存在していないことを理解していないように見える。テロはワシントンの武器なのだ。テロをロシアに対する武器として利用している国とロシア政府が、テロに反対する協定を結ぶことが一体どうして可能だろう?
シリアとイランを征服するというネオコン計画の狙いが、ロシアに更なるテロをもたらすものでないとしたら、一体何だとロシアは考えているのだろう。
ウラジーミル・プーチンは聡明で、強く有能な国家指導者だ。おそらく彼は中国以外で、唯一の人物だ。指導部の不毛の地、欧米には明らかに皆無だ。
プーチンが、戦争に反対し、あらゆる国の幸せを望んでいる道義をわきまえた指導者であることに疑いの余地はない。しかしながら、ワシントンと合意するという馬鹿げた考えのため、折角彼が得た有利な立場を毎回犠牲にしているのは、ワシントンには弱さとしか見られない。ワシントンは、プーチンは、ワシントンが圧倒的に打ち負かすことができる人物の一人に過ぎないと考えている。これは見込み違いで、戦争になりかねない。プーチンが挑戦して“戦争したいなら、30分で始められる”ことをはっきりさせた方がずっと良いだろう。 突如、ロシアは真剣に受け止められることになるはずだ。
私はプーチンに敬服している。しかし彼のやり方はまずい。ワシントンの攻勢をかわすのではなく、自ら攻勢に転じ、ヨーロッパとワシントンに、解決策を求めて、彼のもとを訪れるように強いるべきなのだ。
自由な世界の指導者プーチン大統領は、悪にふけって破綻した、とるにたらないチンピラの、使い物にならないワシントン政府に対して、守勢にたつべきではない。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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「内閣府が強盗犯キャンペーン」と誤読した見出し「おとう飯」。
特捜部の機能、「体制に不都合な人々を虐待する」ことなのが再度証明された。国策捜査、調べる相手が違い居酒屋経営者はのうのうとしている。ISISを打ち破るといいながら、実は支援している、悪を助け、善をくじく宗主国のふるまいさながら。
この記事をお読み頂いた後、この記事の原文に触れておられる『私の闇の奥』の「ISの最後の謎が解けた(1)」をお読み頂きたい。
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