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2017年6月28日 (水)

ロシアを信頼できる炭化水素輸出国と見なす日本

2017年6月22日
Dmitry Bokarev
New Eastern Outlook

日本には外国に頼らずにエネルギー安全保障を確保するための十分な天然資源がないのは周知のことだ。同時に、日本の隣人 - ロシアには、目ざましい炭化水素埋蔵量があり、こうした資源の主要輸出国の一つとなりうるはずだ。ところが、両国間の二国間貿易の額は、目ざましいと表現するのは困難で、実際まさに逆だ。しかし、日本政府は、とうとう日本の地理的位置の恩恵を享受しそこねている事実を理解し、東京はロシアとの経済協力推進を強化することに決めたように見える。

実際、日本がロシアからの炭化水素輸入を増加するという話は長年言われてきた。福島第一原発事故で、日本中の大半の原子力発電所が停止となったことで、ロシアが、東京にとって益々魅力的な貿易相手国になっていることは確実だ。

日本は、ロシアの液化天然ガス(LNG)を輸入し、更に、サハリン-1と、サハリン-2石油とガス田開発に参加し、ヤマル-LNGプロジェクトの枠組み内で、LNG工場建設にも参加している。とは言え、この分野での二国間協力のレベルは、可能性の全面発揮状態からは程遠い。念のために言えば、日本の全LNG輸入量のうち、ロシアの比率はわずか8%に過ぎない。今日に至るまで、東京は大半のLNGを、気が遠くなるような輸送費にもかかわらず、オーストラリアやインドネシアや中東から輸入している。

この状況は日本の予算にとって大きな負担である上に、長距離海上輸送には、常にある種のリスクがつきものなので、日本が買ったものを確実に入手できる保障はないのだ。更に、戦略的に重要な資源を限られた数の供給者から入手している場合、そうしたパートナーに危険なほど依存してしまうことになるので、かなり危険な賭けでもある。二国間で、たとえ良好な関係が維持できたにせよ、極めて重要な供給を妨げる予想できない複雑な事態の可能性は常に存在する。

日本のJFEホールディングス株式会社は、日本の製鉄企業では第二位である事実にもかかわらず、この教訓を苦い体験で思い知らされた。生産量を維持するため、あらゆる製鉄企業が膨大な燃料を必要とする。安価で、頼りになるので、製鉄産業で一番良く使われている燃料はコークス用炭だ。2016年、JFEホールディングス株式会社は、この鉱物を総計6000万トン入手したが、この量の70%以上が、伝統的に、東南アジアに対する主要石炭輸出国であるオーストラリアから購入された。ところが、2017年3月、自然災害で、オーストラリアの鉄道網が損なわれ、JFEホールディングス株式会社向けの出荷が妨げられ、カナダ、中国とアメリカ合州国に頼ることを強いられることになった。不利な価格での大量石炭購入を強いられたことは言うまでもない。この不愉快な出来事の後、日本は、オーストラリアへの依存度を下げるため、納入業者の数を増やす必要性を再び実感したのだ。2017年5月、JFEホールディングス株式会社は、コークス用炭の輸入を多様化する計画を発表した。同社幹部は、将来の納入業者候補には、カナダ、モザンビークとロシアがあると述べた。近年、ロシア連邦が、日本からほど遠からぬ極東に、新たな石炭鉱床を開発しているのは注目に値する。

ところが、日本で、適切に機能するために大量の石炭を必要としている業界は、鉄鋼産業だけではない。福島第一原発事故の結果、東京は多数の石炭を使うコジェネレーション発電所を建設した。今後、日本の石炭輸入は大幅に増大するはずで、ロシアの石炭を購入することが、日本にとって有利なはずだ。

早くも2016年に、東京とモスクワ間で日本が大量輸送レベルを確実に維持すべく、ロシア極東の港湾開発への投資をする交渉が行われていたことを想起すべきだ。日本はヤクーチャからの大量の石炭輸入を望んでおり、エネルギー安全保障を確保する多数の契約をすると決めていた。ところが、これら計画の具体的な実施は、思うほど順調には進んでいない。例えば、2016年4月、日本企業トーセイの子会社は、石炭600億ルーブルの積み替え施設建設を視野に入れて、ウラジオストック自由港に事務所を構えた。プロジェクトは日本側が資金提供する予定だ。更に、年間2000万トンの石炭を受け入れる能力のターミナル建設は、2017年始めが予定されていたが、まだ始まっていない。建設作業開始は一年遅れているが、2020年までには、一部が稼働する可能性がある。オーストラリア石炭供給中断事件から、日本が輸入元を多様化する必要性が明らかなので、遅れにもかかわらず、プロジェクトは実施される可能性が高い。

2017年4月、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、安倍晋三首相と会談したが、ロシア・エネルギー相、アレクサンドル・ノヴァクも同席していた。両国は、サハリン-北海道ガス・パイプライン建設、近い将来に建設される可能性がある電力輸出用の海上エネルギー橋梁などのプロジェクトが話し合われたと報じられている。この会談後間もなく、世耕弘成経済産業大臣は、地域の政治的不安定さが日本のエネルギー安全保障を絶えず脅かしているので、日本は中東からのガスと石油輸送に依存していることに満足していないと述べた。これこそが、日本がロシアLNG輸入を増やすことに本当に関心をもっている理由だ。

結論として、エネルギー部門におけるロシア-日本関係の進展は遅々としているとは言え、両国には今後偉大な未来が待っていると言えよう。日本は原子力発電能力の再建を既に始めているが、電力需要の方が、東京がこれまで講じてきたあらゆる措置を上回っている。それこそが、ロシア-日本エネルギー貿易と協力が新たな高みに至ると我々が確信している理由だ。

政治評論家ドミトリー・ボカレフによるオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/06/22/japan-regards-russia-as-a-reliable-hydrocarbons-exporter/
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国益から見たロシア入門 知られざる親日大国はアジアをめざす』を思い出した。

大本営広報部に、とうとう国家戦略特区の黒幕諸氏が登場。説得力ゼロ。国益、国民の利益を犠牲にして私腹を肥やす制度を考えた本人たちが何を言っても聞く耳はもたない。

前川氏の記者会見には触れなかった国営放送、国家戦略特区黒幕諸氏会見は報じる。
大本営広報部大政翼賛会の証明。

日刊IWJガイドの一部をコピーさせて頂こう。

 許しがたいのは、前川氏の記者会見や「共謀罪」法案の国会中継は一切スルーのNHKが、安倍政権の「代弁者」たちの記者会見をライブ中継した事実です。

 岩上さんは、「前川前次官の先日の会見は、中継せず、国家戦略特区の竹中ら民間委員による反前川会見を中継する、これがNHK。前川会見を中継したIWJと正反対の姿勢である。前川会見は、排他的な日本記者クラブで行ったもので、我々のような非会員には、質問させない。なのに中継はしない」とツイートしています。

・岩上安身ツイート(2017年6月27日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/879483274568925184

 日本獣医師会は22日に総会を開き、「国家戦略特区による獣医学部の新設に係る日本獣医師会の考え方について」という声明を発表しました。「地域・職域の偏在は見られるものの全国的な獣医師総数は不足していない」などと断言した日本獣医師会のこの声明は、昨日、IWJで全文公開したのでぜひ、ご一読ください。

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※「全国的な獣医師総数は不足していない」――「国家戦略特区の全国展開」安倍総理の突飛な発案で獣医師の需給バランスはガタガタに!? 日本獣医師会の声明を全文掲載! 2017.6.27
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/386082
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 安倍総理の「国家戦略特区を全国展開」発言に対して、元文科省官僚の寺脇研氏はFacebookで、「とんでもない話。『お友達』批判をかわすために他大学の参入をどんどん認めようというのだろうが、これでは獣医師業を自由競争にしてしまうことになる。その先は医師、歯科医師の自由競争、そして自由診療… 誰でも同じ医療が受けられる時代が終わってしまう」と指摘。

・寺脇研氏のFacebook投稿(2017年6月24日)
https://www.facebook.com/ken.terawaki.9/posts/889657497839451?pnref=story

 これに対し、池田信夫氏の「アゴラ」常連の元通産賞・八幡和郎氏がFacebookで「こんな考え方をするのは岩盤規制の権化である前川氏や寺脇氏などごく少数だと信じたい」などとコメントしていますが、需要と供給のバランスを考えずにどんどんと新規参入を認めれば、供給過剰や過度の競争が起きることは、目に見えています。

・八幡和郎氏のFacebook投稿(2017年6月24日)
https://www.facebook.com/kazuo.yawata/posts/1506716792735869?pnref=story

 何でも競争原理に任せればうまくいくという、竹中平蔵氏や八幡和郎氏のような新自由主義的な考え方が教育や医療に持ち込まれれば、どのようなことになるでしょうか。

 岩上さんは、2014年7月16日、『市場と権力』著者の佐々木実氏にインタビューをし、竹中氏の人物像や思想、利害関係を深く掘り下げました。こちらのインタビューは、6月29日より2夜連続で再配信いたしますので、どうぞお見逃しなく!サポート会員の方は、以下のアーカイブをご視聴いただけます!

※「竹中平蔵の正体」 ~岩上安身による『市場と権力』著者・佐々木実氏インタビュー 2014.7.16
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/154302

市場と権力』は大変な力作。読後、知人にさしあげて喜ばれた。

大資本ファースト都知事、国家戦略特区推進論者だ。小池チルドレン、ネオリベ、ネオコンの傀儡が多数派を占める東京都議会。とんでもない悪夢だ。

大本営広報部、もっぱら大資本ファースト対自民党の構図に歪曲して呆導している。真っ赤なウソ。両者は対立どころか、一心同体。

これから、下記IWJインタビューを拝聴予定。

「はっきり言ってがっかりしました」小池都知事の「築地は守る、豊洲は活かす」宣言―「地方政治は劇場じゃない! 生活そのもの」―都議選・中央区 元自民党・無所属 立石晴康候補インタビュー 2017.6.27

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/385764

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コメント

築地市場問題も結局のところ利権がらみですね。
豊洲へ完全移転した後は、築地の跡地では先ず東京五輪の何たら競技会場にして、それが終わったら再開発でまた無用の長物的な箱物を造るつもりでしょう。
ゼネコンへの利益誘導であり、関係政治家などがキックバックを期待する。という図式なのはミエミエですね。

ここで更に腹立たしいのは、自由貿易協定に便乗して進められる外資への利益誘導という新自由主義政策が裏にある事です。
これをステップとして公共事業への外資参入を加速させる狙いがある訳です。
外国人労働者を増やせば竹中が儲かるという仕組みも存在します。

自民党の片割であるユリコを都知事に据えた最大の理由はここにあります。

これから東京都の予算は外資へ外資へと流れ始める事でしょう。

その分、都民の懐は壊滅状態に陥り、労働者は更に低賃金と重税に喘ぎ、毒水と毒入り食品、それと保険医療制度の崩壊に苦しむといった地獄社会が待ち受けている事に気づいている有権者はどれ程居るでしょうか。

自民を敬遠する有権者が救いを求めて投票する先は、都民ファーストという目晦ましの自民別動隊という笑えない投票結果が目に見えてますから、自民党議席減でも全く喜べませんね。

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