プーチン大統領の国民との直接対話 2017抜粋
タチヤーナ・レメゾワ: コール・センターの話を聞きましょう。マリア・グラドキフさん。
マリア・グラドキフ: 有り難うございます。大統領、質問は地理的にあらゆるところから来ています。独立国家共同体からも、それ以外からも多くの電話を受けています。編集担当者がキエフからも質問があると言っています。ドミトリーさん、ご質問をどうぞ。
質問: 今日は。私はドミトリーと言います。ウクライナに住んでいます。
あなたはなぜ我々を見捨てたのですか? ウクライナ国民全員がバンデラやシュヘーヴィチを支持しているわけではありません。私たちは先祖をしのんでいます。私たちは「不滅の連隊」で行進しました。ロシアのテレビは、一体なぜ我々を一緒くたにして中傷するのでしょう?
ウラジーミル・プーチン: ご意見と、我々共通の歴史を評価下さって有り難う。「不滅の連隊」について話されました。これには本当に大変感謝します。しかし、ロシアのテレビが全員等し並みに悪く言って中傷しているという点には同意できません。
概して、我々は人を悪く言わないよう注意しています。しかし、余りあなた方を公的に支援し過ぎないよう注意しているのです。それは実際、皆さんにとって害になりかねませんから。我々はウクライナの内政には干渉しないようにしています。
繰り返しますが、あなたの立場を我々は大変に有り難く思っています。ご意見有り難う。
タチヤーナ・レメゾワ: 大統領、この話題で、あなたの友人たちは何と言っていますか? 例えば、ヴィクトル・メドヴェドチュク、彼はドンバスの戦争捕虜交換に積極的に関与していましたね?
ウラジーミル・プーチン: ウクライナには多くの仲間がいます。あなたは、ヴィクトル・メドヴェドチュク氏に触れましたね。クチマ大統領政権で、彼が大統領首席補佐官だった時に彼と知り合いました。ロシア大統領府の大統領首席補佐官だったドミトリー・メドベージェフと彼は主に協力していました。彼らは今もとても良い関係です。
メドヴェドチュク氏には信念があります。彼はウクライナ民族主義者だと思いますが、彼はこの表現は気に入らないでしょう。彼は自分のことを、開明的なウクライナ愛国者だと考えています。彼の父親がウクライナ民族主義者組織の活動的メンバーで、ソ連裁判所により有罪宣告され、投獄され、更にクラスノヤルスク地方に追放されたことは秘密ではありません。後にメドヴェドチュクがそこで生まれたのです。
ウクライナ独立について、彼自身の考え方があります。彼はもちろん、ウクライナ独立の熱烈な支持者ですが、彼の信念体系は、仮にウクライナ民族主義者と表現できる人々、19世紀、そして、それ以降に盟約書を書いた人々の基本的盟約書に基づいています。それはグルシェフスキー、フランコ、ドラゴマノフたちです。現代では、ビャチェスラフ・チェルノボルがいます。
彼ら全員が、ウクライナは、連邦国家として独立すべきだという前提で活動していることを強調したいと思います。しかも彼らの一人は、彼の表現によると、過剰な“機械的”中央集権化は、ウクライナでの内部抗争を招くと言っていますが、これが、実際、今我々が目にしているものです。
しかし、ヴィクトル・メドヴェドチュクは、彼らの考え方を支持しています。彼はこれを講演や論文で公式に発言しています。彼は学術的な研究もしています。彼は公に記事を書いています。おそらく、ウクライナ人のなかには、これが気にくわない人もいるでしょうが、それが彼の立場です。
ちなみに、これらウクライナ独立、ウクライナ民族主義の原理主義者たちは - 彼らの中には、クリミアは、決してウクライナの一部ではない考えている人々もいますが、適切なことです。ともかく彼ら全員、連邦化を、個人のより大きな自由とウクライナ国家の民主的発展を、支持していました。
メドヴェドチュク氏もこの視点を共有しているとは言え、ロシアとの非常に良好な関係、何らかの形の連合ではないにせよ、経済統合を支持しています。彼は、共通のインフラ、共通のエネルギー供給網や、共通の金融上、技術上の可能性や協力をあげて、我々が過去から受け継いだ有利な要因を破壊するのは馬鹿げていると言っています。こうしたもの全てを破壊するのは馬鹿げています。
彼は経済協力は可能であるのみならず合理的だと考えています。彼は彼がそうだと思う国民の利益に由来する考えを構想し活動しています。ですから彼は孤立していません。
キエフというか、ウクライナから、我々の共通の記憶とつながった活動に参加している男性のお話を伺いました。メドヴェドチュクのような人々も、そうしています。彼は我々の共通の過去や、過去の全ての肯定的な出来事を大切にすべきだと考えています。
彼は、抑留者、そう呼べるのであれば戦争捕虜、の交換に携わっていますが、ペトロ・ポロシェンコ大統領の指示でそうしています。
ドミトリー・ボリソフ: ウクライナのテーマには続きがあります。
ソーシャル・ネットワークVKontakteでの質問があります。“ウクライナは、ヨーロッパへのビザなし旅行開始を大々的に祝っています。ポロシェンコ大統領は、これはロシア帝国に最後の別れを告げるものだと言いました。その後、彼はミハイル・レールモントフの詩“さらば 汚れたるロシアよ 奴隷の邦よ、領主の邦よ”を引用しました。
彼にお答え頂けますか?
ウラジーミル・プーチン: いいえ、私は彼のこの発言は読んでいません。とは言え、この件については昨日聞いており、この事実を隠すつもりはありません。実際、ポロシェンコ大統領は、レールモントフの詩“さらば 汚れたるロシアよ 奴隷の邦よ、領主の邦よ、青い制服どもよ、また、彼らに従順なる人民よ”から一部を読むのがうってつけと思ったのでしょう。まず、これで彼がロシア古典文学を良く知っていて、興味を持っていることがわかります。その点で彼を褒めましょう。とは言え、詩はこれで終わりではありません。二番があり、こういうものです。“ああ ロシアの畠よ 一切を見聴するその眼と耳よ わたしはお前たちを逃れて身を隠す、カフカスの山々のかなたに”
ミハイル・レールモントフは先進的な人物で、ロシアの政治状況が良くなることを願っていました。当時、ロシアで優勢だった雰囲気を、彼は息苦しく感じていました。しかも、彼はそれについて、公然と発言していました。
そもそも、この詩を書いたのはミハイル・レールモントフで、1841年-1842年頃に書いていて、記憶が正しければ、現役軍に加わるためカフカスに向かっていた頃です。彼は将校で、祖国の利益を守りました。彼は勇敢な将校でした。
しかも当時は、現在ウクライナと考えられている地域はロシアの地域で、もし現ウクライナ大統領が、レールモントフがどこか他の場所に去ると言ったと引用しているのであれば、レールモントフは、現在ウクライナとして知られている地域も含めた全体のことを言っているのです。何ら自慢するべきことになりません。
またレールモントフは当時ロシア帝国の一部だったカフカスに向かっていました。彼はロシア帝国の一部、生まれ故郷サンクトペテルブルクから、ロシア帝国の別の地域に向かっていたのです。彼は実際問題、どこかロシアの外に向かっていたわけではありません。
おそらく、ポロシェンコ大統領は、我々に彼はどこにも行かないというメッセージを送っているのです。とは言え、彼は後ろを振り返って、やみくもな愛国者や本物の民族主義者やナチスのかぎ十字章を振って走り回るぼんくら連中を見ながら、実に巧妙に演じています。彼はこう言っているのです。皆さん、私はロシアに興味がある、だから私はどこにもいきません。実際そうかも知れません。
もちろん、これは憶測に過ぎません。実際は、ポロシェンコ大統領は、支持者たちに、国をヨーロッパ寄りに動かし、ウクライナ指導部の表現によれば、文明的な選択をして、自分が約束を果たしているのを見せたかった可能性が大です。
ちなみに“青い制服どもよ、また、彼らに従順なる人民よ”という行は、彼がウクライナに、わが国より多くの青い制服ども増やすことを意味することをお忘れなく。ですから、彼は危険な目に会わぬよう警戒を怠らず、周囲を注意深く見渡すべきでしょう。
たしかに、私たちは彼らに何の反感も持っていません。私が言いたいのはこういうことです。あなた方には何の反感もない。平和に仲良く暮らしてください。どうぞお幸せに、特に新人は。
ことの核心ですが、ウクライナでは、ここ数年、収入が下落していて、これについて率直にお話しましょう。ロシアの平均賃金は、ルーブルとグリブナでの換算ではなく、ドルで言うと、およそ月540ドルです。ウクライナの賃金は同様で、平均は、大体、450ドル、457ドル、あるいは460ドルでした。ロシアでの賃金はさほど上がってはいませんが、上がってはいて、今年4月の平均は、月624ドルでしたが、一方、ウクライナでは、月251ドルに下落しました。
同時にガス価格は少なくとも三倍になり、家計は更に高い料金を払っています。水と湯の値段もあがりました。それぞれ200パーセント、しかも年金は、45パーセント減りました。もしこの状況が続けば、ウクライナの多くの人々が公衆衛生の問題に直面することになるでしょう。
洗濯をしなければならない人々には、どこで、どのくらいの頻度でするかが大問題になります。もちろん、ロシア文学にもウクライナ文学にも、ポロシェンコ大統領に反撃するのに挙げることができる印象的で無遠慮な例がありますが、ウクライナ国民と両国の共通の歴史と、宗教を尊重して、そうするのはやめましょう。
ヨーロッパ人になりたいのであれば、まず、自分たちのオフショア口座を閉じて、それから、国民の利益を語るべきです。この点で、ある言葉が思い浮かびます。正確に一字一句は引用できませんが、意図するところは伝えられます。
約170年前、タラス・シェフチェンコは言いました。“ウクライナは、戦い過ぎたあまり、かつてポーランド人のせいで苦しんだ以上に、自らの子供たちのせいで苦しむに至った”。ウクライナとウクライナ国民の生活のそういう時期が終わるよう望んでいます。
記事原文のurl:http://en.kremlin.ru/events/president/news/54790
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離党議員が次々合流 現実味帯びる小池新党は“第2自民”か という日刊ゲンダイ・デジタル記事を読んだ。
民進党を離党した長島昭久衆院議員と街宣車上で談笑する写真がある。
渡辺喜美参院議員も小池知事との連携を公言しているという。
事実上、第二自民党そのものだろう。合計すれば考えるのも恐ろしい自民・公明独裁都議会になる。
共謀罪を押し通した公明党と組んでいる大資本ファーストと、自民党の綱領に違いがあるのだろうか。
長島昭久衆院議員、ズビグニュー・ブレジンスキー教授のセミナーでAを取ったのが勲章だと、ご本人が語っている。
「北大西洋共同体(NATO)に日本を組み込む ブレジンスキー」で触れた。
上記翻訳は「プーチン大統領の国民との直接対話 2017」のごく一部を、英語版から翻訳したもの。
自国トップの答弁・会見、日常、必ず音声を消すか、テレビを消すかしている。
隣国トップ四時間番組は英語書き起こしを読みながら英語同時通訳版を長く聞いた。
レールモントフの詩『さらば 汚れたるロシアよ』は木村浩訳を使わせて頂いた。
タラス・シェフチェンコの詩の該当部分英訳は、こうある。
Ukraina struggled on,
Fighting to the limit:
She is crucified by those
Worse-than-Poles, her children.
ロシア語はこうなっている。
http://rkrp-rpk.ru/content/view/11241/1/
Доборолась Украина...
И за что страдает:
Хуже ляха свои дети
Ее распинают.
大本のウクライナ語はこうなっている。
http://litopys.org.ua/shevchenko/shev140.htm
Доборолась Україна
До самого краю.
Гірше ляха свої діти
Її розпинають.
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ありがとうございます、今最も敬意をもって注目していますプーチン大統領の言葉を翻訳していただき、読めることに感謝申し上げます。
冷静、知的な素晴らしい指導者ですね、世界がバランスのとれた平和な世界になるために、ますますの活躍を期待しています。
日本ではゆがんだ報道がなされる「ロシア&プーチン情報」ですので、
是非また、載せていただきたく、お願い致します。
ブログにシェアさせてください。ありがとうございます。
投稿: みやまき | 2017年6月30日 (金) 15時26分