外交政策と“偽旗”: トランプの“戦争とチョコレート”リアリティー・テレビ番組 トランプ氏よ、虐殺者は一体誰だろう?
トランプ氏よ、虐殺者は一体誰だろう?
Prof Michel Chossudovsky
Global Research
2017年4月19日
我々の大統領は一体どういう人物なのだろう?
身勝手で極悪非道? 4月6日夜、マー・ア・ラゴでの習近平中国国家主席との豪華な晩餐会は、トランプの対シリアミサイル攻撃と同時期になるよう入念に計画されていた。
16世紀のローマはキージ宮ダイニングルームの“複製”であるパームビーチのマー・ア・ラゴには、習とトランプの妻も同伴し、客や家族や両国最高幹部も出席していた。
4月6日木曜夜遅く、デザートの時間になった。中国国家主席と随行員がいる中、対シリアトマホーク・ミサイル攻撃を命令しながら、トランプは、晩餐の席で美味しいチョコレート・ケーキを習近平と共に食べていた。
“私はテーブルの前に座っていた。私たちは晩餐を終えていた。我々デザートを食べていた。これまで見たものの中で最も美しいチョコレート・ケーキを食べ、習主席も喜んでいた。”(下記@フォックス・ニューズTVインタビュー、参照)
アメリカ外交政策行為の前例になるのだろうか? トランプは、これを“戦争とチョコレート”リアリティー・テレビ番組として演じた。アメリカによる攻撃に関する意志決定方法の変更だろうか?
晩餐会の催しは、習近平主席と中華人民共和国代表団の“親アメリカ感情”を強化することを狙った“広報活動”作戦の一環でもあった。
2017年4月7日のデイリー・テレグラフのチョコレート・ケーキ写真(原文右端で見られる)
トランプのシリア攻撃命令は、習主席との公式晩餐会最後の“デザート段階”と同時期になるよう、入念に時間調整されていた:
“そこで、艦船は準備が整っているというメッセージを私は将軍たちから聞いた。
どうするか? 我々は実行する決断をした。そしてミサイルは発射された。”
… “そして私は言った。‘主席、ご説明さしあげたいことがあるのです …これはデザート中のことだった… 59発のミサイルを発射し - ちなみにその全てが命中し、驚くほどすばらしい、何百マイルも離れたところから、その全てが命中し、途方もない、すばらしい、天才的、我々の技術は誰よりも五倍は優れている …”
“そこで私は[習主席に]イラク[原文通り] にむけて、59発のミサイルを発射したばかりですと言った。
トランプによれば、59発のミサイルが“イラクに向けて”発射された、…
おっと、彼は訂正した。“シリアに向けて”国名を間違えたのだ。
“彼がデザートを食べ終えて、帰ってから … 「晩餐を一緒にした奴が、[シリア]を攻撃したんだ」と言って欲しくはなかった”
それから、トランプは、中国国家主席にデザートを食べ終えるよう勧めた。
“そして、彼はケーキを食べていた。彼は黙っていた。”
ビデオ、出典 フォックス・ニュース(英語音声、フランス語字幕)
更にトランプは(フォックス・ニューズでのインタビューで)習主席が、通訳を通して、トランプの懲罰的空爆を是認したと公表した。トランプの説明によれば習主席はこう言った。
“それほど残虐で、幼い子供たちや赤ん坊にそういうことをするためにガスを使用する誰に対しても同意する。”(強調は筆者)
“彼は同意した… 彼[習]は私に賛成した”とトランプは言った。
中国は我々の味方だ。
「誰に対しても」とは誰だろう?
トランプは、明らかに国際外交の仕組みを全く知らないのだ。
中国人政治家たちが公式晩餐会で決して本音を漏らすことなどないことも彼は理解していない。彼らの発言は例外なく本当の意図を隠すのが狙いだ。
チョコレート・デザートを食べ終えながらの習主席の瞬間的な答えは数日前、バッシャール・アル・アサドに対する国連安全保障理事会決議投票で礼儀正しく棄権した中華人民共和国による“承認”ではない。中国は化学兵器問題に対する独立した調査要求というロシアの提案にも加わっている。
しかし大統領。証拠が無いのだ。
2013年、国連報告は、シリア反政府“勢力”(ワシントンが支援する)が“[シリア]政府軍に対し化学兵器を使用した可能性があることを確認した。”
国連報告は、バッシャール・アル・アサドが自国民に対して化学兵器を使ったというトランプの非難への反証だ。
国連査察団所見が確認しているのは、欧米軍事同盟が資金提供し、支援していたアルカイダとつながる集団によって基本的に構成されているアメリカが支援する反政府“勢力”が、2013年のこうした化学兵器攻撃の原因だということだ。
しかも、それ以前の報告で確認された通り、アルカイダ反政府派は、ペンタゴンと契約した専門家によって、化学兵器使用の訓練をうけていた。CNNという確かな情報源だ。
出典: 化学兵器を使えるようにするシリア反政府勢力の訓練費用負担をアメリカが支援
残虐行為が行われ、トランプが、子供も含む無辜の一般市民の更なる死亡をもたらした空爆を命じたのだ。
アメリカの諜報情報は、欺くための策略、つまり証拠でっち上げに基づくことが多い。
だが、今回“欺くための策略は無かった”。トランプが彼の空爆を正当化するのに用いたホワイト・ハウス報告は、偽の証拠と“ずさんな諜報情報”に過ぎない。諜報機関の承認は得ていたのだろうか?
この反証されている、貧弱なホワイト・ハウス“諜報報告”に含まれるアメリカによる隠蔽の証拠はたっぷりある。
テオドール・ポストル教授の痛烈な報告をお読み頂きたい。
シリア、ハーン・シャイフーンにおける神経ガス攻撃に関するホワイト・ハウス諜報報告の評価、 テオドール・ポストル博士、2017年4月13日
シリア大統領が自国民を殺害しているという確かな証拠は示されていない。
偽旗は精査に耐えないのに、この“ずさんな諜報情報”は、中国国家主席と一緒にチョコレート・ケーキを食べていたアメリカ合州国大統領・全軍最高司令官を説得できたように見える…
中国国家主席は、諜報情報がガセだと知っていた。
ダマスカスではなく、(反政府派連中が化学兵器を使用するのを支援している)ワシントンこそ、人類に対する大規模犯罪の責任を負っている。
トランプ氏よ、虐殺者は一体誰だろう?
本記事初出は、Global Research
著作権 Prof Michel Chossudovsky、Global Research、2017年
記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/foreign-policy-and-false-flags-trumps-war-and-chocolate-reality-show/5585599
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北朝鮮の危険をあおる属国政府と、その大本営広報部大政翼賛会。
「一般人も対象」ではなく、「一般人が対象」である共謀罪の方が、よほど恐ろしい。
LINEの「既読スルー」だけでも成立してしまう!? 米国が日本に導入を迫る真の理由は日本の情報をすべて手に入れ、法的にも「植民地化」すること!――海渡雄一弁護士インタビュー 2017.2.18
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/365265
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トランプ大統領失踪と罷免について
一部の裁判官,最高裁判事の劣化,つまり,司法の危機は現代日本の特徴だが,CIAの劣化も甚だしいのではないだろうか。
M.Chossudovsky教授の指摘にあるように「だが、今回“欺くための策略は無かった”。トランプが彼の空爆を正当化するのに用いたホワイト・ハウス報告は、偽の証拠と“ずさんな諜報情報”に過ぎない。諜報機関の承認は得ていたのだろうか?」,つまり諜報機関CIA(やNSA)の承認を得ていなかったとすれば,CIAはトランプ大統領の独走を許したことになる。
ここで意見が二つに分かれる。CIAは,(1)トランプの独走を本当に知らなかったのか。独走を知らなかったとすれば,CIAの劣化は著しい。(2)CIAは知っていた。知っていたとすれば,なぜ彼にホワイト・ハウス報告がダメであると,忠告・進言しなかったのか。どちらにしてもCIAは機能していない。
P.C.ロバ-ツ氏の『トランプ大統領失踪』という記事名を見たとき,小生は,トランプ大統領罷免かと連想した。しかし失踪と罷免とは異なる。また弾劾とも異なる。今回の“ずさんな諜報情報”に基づいてシリア空軍基地を攻撃したトマホ-ク発射発言,空母カ-ル・ヴィンソン号インドネシア沖航行にも拘わらず,トランプ氏が今にも北朝鮮を攻撃するためにC.ヴィンソン号を北朝鮮沖まで派遣したという彼のツイッタ-発言の2つを並べてみれば,トランプ大統領のやっていることはチグハグである。
他方で,副大統領ペンスは,4月16日から18日にかけて韓国に滞在していた。南北軍事境界線を視察したが,北朝鮮のミサイル発射は15日であった。そんなとき,米国の副大統領が「家族を連れて」敵基地近くを視察するわけがない。つまり,トランプ発言は直ぐにばれるハッタリか,ウソであった。日本のマスゴミはまんまと引っかかったようだが,海軍がトランプに正確な情報を挙げなかったという情報もある。つまりトランプ外し。
トランプ外しは,トランプ失踪または罷免に行き着く。一方で櫻井ジャ-ナルによれば,トランプに代えてペンスを大統領にするという計画があり,漏洩していた(ウィ-クリ-クス情報)。大統領を副大統領に代えるには,いろいろな方法があるが,とっておきの策として,上下議員の3分の2以上の賛成で「罷免」できるという。
『空母カ-ル・ビンソン率いる米国の攻撃空母群が数日の間には日本海の水域に入る』ことを明らかにしたのは,ペンス米副大統領である(スプトニク日本語版4月22日)。またP.C.ロバ-ツ氏も書いている;
-しかし昨日、世界は、ペンス副大統領が北朝鮮を戦争で脅すのを目にした。“戦う用意はできて いる”と、まるで全軍最高司令官であるかのようにペンスは語ったのだ。これらの明言からも分かる ように,トランプ発言よりペンス発言が重くなってきた-『トランプ大統領失踪(2017.4.20)』-
4月は北朝鮮悪人説に基づいて記事が書かれる事が多い。最近では北朝鮮への毒ガス攻撃から金正恩亡命説まで現れてきた。毎年同じ北朝鮮・金正恩批判ではいくら何でも国民に飽きられてしまうから,CIAは各国の報道機関を通して新たな毒ガス攻撃や亡命説を流布させたのであろう。
しかし,北朝鮮を爆撃するなら,空中給油機を利用した長距離爆撃機を使ってでも可能であるから,戦闘機運搬船=空母が1隻であろうと3隻であろうと,北朝鮮沖までわざわざ近づくことはない。現に,アメリカ国内の空軍基地を「密かに」飛び立ったスティルス戦闘機数機が空中給油機支援のもと,英領ジブラルタルを経由してカダフィ大佐のトリポリを空爆した,最近の例がある。
少なくとも軍事に素人の小生などは,敵が居場所を教えるはずもないから,C.ヴィンソンが日本海にいようが,セレベス海にいようが米軍がその位置を教えるわけもないと,自分なりに断定している。○痴メディアは当てにしない。
またMH370機ではないが,NROL-37のような各国のスパイ衛星が頻りに映像写真を地上に送っているから,誰がどこで何をしているかが分かってしまう。しかしアリゾナやネバダの地下にある移動式大陸弾頭弾発射貨車の位置なども分からないように工夫してあるように,戦闘機や戦艦やミサイル発射貨車や潜水艦の正確な位置など,軍事的に発表されることはない。もし発表されるとすれば,ガセネタであろう(空母2隻は乗組員休養のための帰港だろう。シリア支援のロシア宇宙航空軍でさえ,4,5ヶ月で一端休養した)。
正確な位置情報を出して損をしたのは,ロシアである。トルコ空軍にロシア空軍機が撃墜された。見え見えなのに,ヘイリ-国連大使は,シリア・サリンガス空爆捏造事件に関連して,シリア空軍の正確な飛行計画を出せと要求した。このことにも現れているように,裏を返せば,正確な軍事情報などは公表されないのが,一般的な常識であろう。
以上のように見てくると,トランプ大統領は,偽情報を掴まされて一人芝居をさせられているような気がしてならない。それはさておき,一人芝居を今後も続ければ,上院・下院でトランプ大統領罷免の動きが出てくるだろう。
追記: 4月7日,習近平国家主席がフロリダに招かれてトランプ氏らと食事をしているとき,シリア空軍基地攻撃を知らされた,というニュ-スを聞いて,戦国時代の武将美濃の斎藤道三の故事を思い出した。マムシの道三には子どもが3人いて,その二人が一人の居城に招待され,二人とも殺害されたという。時,すでに遅し。
習近平氏は殺害されなかったが,人質に取られたような状態でシリア・ミサイル攻撃を知らされて習氏は何もできなかった。ロシアは中国抜きの単独で米軍を攻撃出来ない,とトランプ政権は計算したのであろうけれど,いつまでも我慢できるロシア政府ではないと考え,米英仏の軍事顧問団へのミサイル報復攻撃があったと,前回書かせていただいた。被害もまた軍事秘密情報だから,表には出てこない。しかし現地のシリア人民からも顧問団への報復爆撃があったという情報がないことから,小生の予測,期待は外れたと,言えよう。
追記2: トランプ大統領は英国への訪問を強い反対に遭って取りやめた。しかし今後トランプが中国やロシアに招かれたときは,逆に人質にとられ,中露にお返しをされる可能性が高い。トランプ氏が国際外交の仕組みを知らないと,指摘されているように,今回の夕食会は多くの問題を含む。CIAが計画したフロリダの夕べなのであろうけれど,却って米国の衰退を象徴する今回の騒動であった,と小生は考える。被害に遭われた方にお悔やみ申し上げたい。
追記3: 他方,わが国の首相は,夫人に口利きまがいや官邸での団体接待を任せ,外遊に明け暮れている。例外は国会審議をすっぽかして9月3-5日の関西出張でTVに出演し,森友学園関係者と話し合った件である。しかし小者過ぎて,習近平国家主席のように人質に取られることもない。よって安心して外国に国(酷)税をばらまける。(小者とは,世界の大勢に影響を与えない政治家である)
追記4: 佐川理財局長の答弁が大嘘だったことが国会で判明した。小学校開設審議前に森友側に売買契約締結の資料が提供され,微に入り細を穿って詳しく学園開設の手続き・方法が書かれているそうな。これは偽旗ニュ-スではないだろう。
辞任は失踪とも罷免とも異なるが,首相はいつ辞任するのであろうか。それとも解散か。しかし6月末解散は,創価学会が嫌がるから,7月の総選挙はない。また北海道5区の補選の時,鈴木親子が共産党を非難したが,鈴木父親の公民権停止が5月以降解除されるから,黄金週間直後に国会解散があるだろうというのが,小生の水晶玉の教えるところである。
投稿: 箒川 兵庫助 | 2017年4月23日 (日) 18時47分