ペンタゴンに妨害されているトランプ
Paul Craig Roberts
2017年2月1日
トランプ大統領は、アメリカをロシアと良い関係にし、イスラム諸国を攻撃する軍事協力を止めたいと言っている。だが彼はペンタゴンによる卑劣な攻撃をうけつつある。
ヨーロッパ駐留アメリカ軍司令官ベン・ホッジス中将がポーランドのロシア国境に戦車を並べ、一斉射撃し、ホッジス中将は、軍事演習ではなく、ロシアへのメッセージだと言った。http://russia-insider.com/en/us-tanks-fire-salvos-poland-warning-against-russia/ri18767
ヨーロッパにいるアメリカ軍司令官がロシアを言動で威嚇する中、トランプは、一体どうやってロシアとの関係を正常化するつもりだろう?
ペンタゴン広報担当ジョン・ドリアン大佐によれば、ペンタゴンはシリアの“穏健反政府派”に装甲車両を送っている。ロシアとシリアが対ISIS戦争で勝利するのを防げないので、ペンタゴンは和平交渉を頓挫させようと励んでいる。
軍安保複合体は、イランとの紛争を再開させ、中国に対する威嚇を継続するため、下院と上院のあやつり人形連中を駆使している。
彼の課題でも、最重要の事柄、熱核保有大国との和平と他国の内政への干渉停止を、トランプが掌握できていないのは明らかだ。
トランプは、ロシアと和解しながら、同時にイランと中国と戦争することはできない。ロシア政府は馬鹿ではない。ロシアは欧米と取り引きするために、中国とイランを裏切ることはしない。イランは、ロシア連邦内のイスラム国民に対する聖戦主義の波及を防ぐ緩衝だ。ロシアにとって、中国は、トランプがアメリカ/ロシア間の緊張を和らげるのに成功したとして、トランプの後継者が、アメリカがロシアへの敵意を再開するのに対する、最も重要な軍事上、経済上の戦略的同盟国だ。アメリカの世界覇権という狙いをもって、軍安保複合体と連合しているネオコンは、トランプ政権より長く生き続けるのだ。
しかも、中国は興隆しつつあり、堕落し、人間性を失った欧米は衰えつつある。欧米との取り引きなど何の価値もない。欧米と取り引きする国々は、財政的、政治的搾取にさらされる。そうした国々は属国になる。例外は無い。
欧米の仲間になりたいというロシアの願望は厄介だ。ロシアは中国とアジアと連携して、安全保障体制を構築し、この成功に参加したがる欧米が、ロシアにやってきて、取り引きをせがむようにさせるべきなのだ。
決定者になれる時に、一体なぜ懇願者になる必要があるだろう?
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/02/01/trump-sabotaged-pentagon-paul-craig-roberts/
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マッカーサーは厚木海軍飛行場にやってきた。今回の人物は横田アメリカ軍基地に到着し、そこから、ヘリコプターで、赤坂に移動した。「宗主国に占領されたままの属国」という構図そのもの、皆様、何の不思議も感じないのだろうか。
宗主国が武力介入、侵略したイスラム諸国の人々の入国禁止、この属国の人々や、大本営広報部の反応はどうなのだろう?
「価値観を同じくする」こと、宗主国の支配的考え方を是認することは、中近東での侵略戦争、ウクライナや他の東欧での内政干渉を是認することに等しい。難民発生の本当の原因である侵略戦争に反対しないで、難民受け入れ拒否だけに反対するのは、ロバーツ氏が指摘する通り正気ではない。
ところで、Information Clearinghouseに転載される彼の記事に、最近は、彼を支持しないコメントが増えている。
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