トランプのオルタナ右翼運動、ロシア叩きでソロスに合流
Wayne MADSEN
2017年2月5日
Strategic Culture Foundation
1941年に、ナチス・ドイツがソ連との不可侵条約を破り、ロシア領土への奇襲攻撃を開始して以来の極右による最もあからさまな裏切りの一つとして、ドナルド・トランプ大統領のいわゆる“オルタナ右翼”幹部が、ロシアがアメリカ大統領選挙に干渉したという非難の列に加わった。2016年の大統領選挙戦中は、トランプ当選を可能にするため、ロシアが民主党コンピューターに侵入して、票を“不正工作した”と、ジョージ・ソロスの非政府組織ネットワークから資金供給されている民主党が、非難するのがはやりだった。
選挙戦中、トランプと彼のチームは、より良いアメリカ・ロシア関係を主張し、彼らは正当に、ロシアに課した欧米による経済制裁を批判した。民主党候補者ヒラリー・クリントン選対本部長の電子メールを入手するため、チーム・トランプが、ロシア人コンピューター・ハッカーと一体になって動いていたという非難について、トランプ運動員は、やはり正当にも、反則だと宣言した。民主党のばかげた非難を否定した主要なトランプ運動員は、オルタナ右翼の最も重要な刊行物ブライトバート・ニュース元編集者のトランプ選挙運動本部長スティーブン・バノンだった。
これまでは伝統的に、統合参謀本部議長がなっていたアメリカ国家安全保障会議のメンバーに、バノンがなって間もなく、オルタナ右翼メディアのトランプ忠臣連中は、2016年選挙戦中のトランプの選挙集会登場で起きた抗議集会や、2017年1月20日の就任式典中に起きた抗議は、モスクワに本拠を置く“反グローバル主義”書記局とされるものを通して、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領によって“秘かに”資金提供されていたという常軌を逸した話を打ち出しはじめた。気違いじみた陰謀論のオルタナ右翼仕出し屋が作り出したこの話は、ロシアは、現金を“マルクス-レーニン主義集団”に秘かに注ぎ込んで、反トランプ抗議行動に資金提供していることを暗示している。皮肉にも、選挙戦中、この全く同一の極右陰謀論者連中は、それは反トランプ抗議行動の黒幕であるソロスに支援された“進歩派”左翼集団のしわざだと結論づけていた。
同時に、トランプのオルタナ右翼ウェブ行列の連中は、反トランプ運動の背後にあるロシアの策略を押し出し、トランプの国家安全保障顧問、マイケル・フリン元陸軍中将はイランに対して示威行動を開始し、バノンは、オルタナ右翼運動の友人たちに、数年内に、アメリカ合州国は、中国と戦争をするという予言を漏らした。もちろんロシアは、上海協力機構(SCO)や他の同盟組織により、イランと中国の戦略的パートナーだ。一方、元海兵隊大将の国防長官ジェームズ“狂犬”マティスは、日本と韓国に飛んで、両国に、トランプは安保条約を遵守しつづけると請け合った。マティスは、彼の上院指名承認公聴会において、中国とロシアに対する強硬路線を示していた。
新たな危険な冷戦の恐怖という点で、ヒラリー・クリントン大統領になれば、ロシアと中国に対して、軍事的、政治的緊張を高めることになるだろうという恐怖が、多数の有権者に“二つの悪のうちのよりまし”として、トランプを選ばせたのだ。ところが実は壮大な規模の“おとり商法”作戦で、オルタナ右翼や連中のホワイト・ハウスの中心人物バノンが声援をおくる中、ロシア、中国、イランや他の国々との危険な瀬戸際政策を進めているのはトランプ本人に他ならないようだ。驚くべきことに、ジョージ・W・ブッシュとバラク・オバマ政権を苦しめた無用な戦争の類を避けるだろう候補者としてトランプを持ち上げたのはオルタナ右翼だった。ニューヨークを本拠とする不動産屋詐欺師と、彼のオルタナ右翼世界の“役に立つ馬鹿”集団に、アメリカ人はすっかり振り回されている。
冷戦時代の悪名高い“赤狩り”ウィスコンシン州選出のジョセフ・マッカーシー上院議員の酔ってぼけた精神にも等しい陰謀論で、トランプのオルタナ右翼チームは今や、アメリカ合州国内の二つの左翼団体“ワーカーズ・オブ・ザ・ワールド”と“フリーダム・ロード・ソーシャリスト”は、トランプに関係する活動を混乱させるために、反ソロス、反欧州連合で、反”カラー革命”である、モスクワに本部がある反グロバリゼーション運動(AGM)から秘かに金をもらっていると主張している。この陰謀論は、AGM理事長であるロシア人実業家のアレクサンドル・イオノフを巻き込み、陰謀論者連中は、彼がプーチン大統領から命令を受けていると主張している。オルタナ右翼は“ワーカーズ・オブ・ザ・ワールド”と“フリーダム・ロード・ソーシャリスト”の指導部が、秘密裏にモスクワに飛び、反トランプ抗議行動戦術の訓練を受けたと主張している。オルタナ右翼の陰謀論は、ロシア人ハッカーがウィキリークスやトランプのお仲間と協力してアメリカ大統領選挙に“侵入した”という左翼陰謀論と同様、信ぴょう性がない。
さらにばかばかしいのが、AGMは、環太平洋連携協定(TPP)や他の貿易協定に反対するため、ソロスの影響を受けた左翼団体や、トランプのオルタナ右翼超妄想騒音の枠組み外にいる右翼集団と秘かに協力しているというオルタナ右翼の主張だ。狂気の理論によれば、この左翼・右翼連合勢力は、モスクワが支援する他の集団“ソーシャリスト・オルタナティブ”の狙いを推進している。さらに、アメリカ“第五列”のリストに、別の反トランプ団体“DisruptJ20”という名の社会主義団体が追加された。右翼は何十年も“リスト”に夢中なのだ。
そうしたたわごとを発表しているオルタナ右翼組織が、トランプ・ホワイト・ハウスと太いつながりがあるという事実さえなければ、この“壮大な陰謀”は、真面目に相手にする価値のない信ぴょう性のないたわごとの山として片付けられよう。オルタナ右翼運動や、バノンやスティーブン・ミラーなどのトランプ顧問や、トランプ“移民禁止”大統領令の立案者連中が、白人至上主義者やネオナチと太いつながりがあるのも気がかりだ。
ロシアを反トランプ抗議行動に結びつけようという企てをしているロシア嫌いの一人に、私を含め、彼と意見が違う人々のことを“左翼歪曲商人”やら“赤いおむつの幼児”だといって非難する極右のニュージーランド人、トレバー・ラウダンがいる。ラウダンは、ジョー・マッカーシーの亡霊を呼び起こし、アメリカ合州国で反トランプ運動をしている連中は、ほぼ全員プーチン大統領とつながる“共産主義者と社会主義者”だと主張している。オルタナ右翼不条理劇場の更なる不条理だ。こうしたトランプ支持者連中は、ロシア衛星放送局のRTを、本格的にアメリカ国家安全保障捜査することも主張している。
ロシアにまつわるあきれた陰謀論は、オルタナ右翼が発するばかばかしい大ぼらだけではない。選挙戦中、クリントン選挙本部長ジョン・ポデスタの電子メールが公表された際、この同じ重い精神障害連中集団は、ワシントンD.C.にある二軒のピザ屋が、クリントン、ポデスタ、ハイチ人児童支援団体や他の多数の人々が関与している、性的児童虐待の国際的徒党の中心だという、とっぴで実に誹謗中傷的な話をでっちあげた。このとるに足らない夢想は、陰謀論神話信者の一人が、ノースカロライナからワシントンD.C.までドライブし、一軒のピザ店内で半自動ライフルを数発発砲し、すんでのところで惨劇になるところだった。
トランプ大統領は今やアメリカとロシアや中国、イラン、キューバ、イエメンや他の国々との関係を酷く損なおうとしている錯乱したオルタナ右翼陰謀論者連中というサイバースペース内の“パンドラの箱”を開けたのだ。インターネットで可能になった技術のおかげで、誰でもオンライン誌発行人、インターネット・ラジオ司会者、あるいは、YouTubeテレビ評論家にさえなれる。とは言え、今やこうしたトランプに近い連中につながる狂った陰謀論の性格からして、適切な配慮として、必ずしも全員に無制限のウェブ・アクセス享受を認め、無茶で有害な狂気のたわごとを延々わめき散らさせてはなるまい。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/02/05/trump-alt-right-movement-joins-soros-russia-bashing.html
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大本営広報部が「辺野古工事再開」を一斉に報じているのは、もうあきらめろ!属国民!という意思を伝える狙いなのだろうか?
たっぷりみかじめ料を払っている日本は、世界へのお手本だ。といわれて何が嬉しいのだろう。ここ数日、世界最大の情けない属国の恥部を立て続けに見せられ続けている。
今日の日刊IWJガイドの一部をコピーさせていただこう。大本営広報部を隅から隅まで読み、見聞きしても、こういう視点からのものを捜すのは困難だろう。
昨日6日は、早朝から反対派の市民がキャンプ・シュワブのゲート前に集まり、工事開始に抗議する集会を開催。名護市長の稲嶺進氏も急遽駆け付け、「日本政府は沖縄県民を日本国民として扱っていない」と憤りの声をあげました。
・名護市長ら抗議「また負担を押し付け」 辺野古工事再開(朝日新聞、2017年2月6日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK2635RKK26TIPE005.html一方、2月10日に日米首脳会談を控えた安倍総理は昨日、首相官邸で行われた政府与党連絡会議で、「日米同盟は揺るがないという明確なメッセージを世界に向けて発信したい」と述べました。
・首相 日米首脳会談で“同盟は揺るがないと世界に発信”(NHK、2017年2月6日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170206/k10010866401000.htmlこのタイミングで辺野古での工事が再開されたのも、先日のマティス国防長官による来日、そして2月10日にトランプ大統領との日米首脳会談を控えていることが影響していると考えられます。安倍政権にとって「沖縄」は、米国の歓心を買うための手土産なのでしょうか。
オバマ氏からトランプ氏に政権が変わり、いわゆる既存の「ジャパン・ハンドラー」(リチャード・アーミテージ氏やマイケル・グリーン氏など)による影響力が低下したとはいえ、米国による日本への要求は依然として継続しているようです。いやむしろ、日本の側から異常なまでの「対米従属」を望み、国家主権を積極的に放棄しようとしていると言ったほうが正確かもしれません。
辺野古での新基地建設だけでなく、米国内での雇用を70万人規模で創出するために、「日米成長雇用イニシアチブ」などと称し、国民の貴重な年金を「献上」するのだという安倍総理。「保守」などとはとても呼べないその「売国」ぶりについて、IWJではこれまで、改憲や「英語」化、天皇陛下の「生前退位(譲位)」の問題など、様々な角度から焦点を当てて報じつづけてきました。
ぜひ、下記URLよりアーカイブ動画をご視聴ください!オリバー・ストーン監督が映画『スノーデン』で明らかにし、記者会見でも岩上さんの質問に応じて明示した「米国の情報機関によって、日本のインフラに仕掛けられたマルウェア」の話も見逃せません。
※2016/01/26 「英語化」の裏にあるビジネス利権!米国の属国だった日本はこれから植民地になっていく!? ~『英語化は愚民化』著者・施光恒氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/284349※2016/02/17 憲法学の「神様」がIWJに降臨!前代未聞!樋口陽一・東京大学名誉教授が岩上安身のインタビューで自民党改憲草案の狙いを丸裸に!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/287549※2016/12/02 「米軍の占領体制は今も継続されている」――謎の権力機関「日米合同委員会」の知られざる実像とは!? 「戦後最大のタブー」について岩上安身がジャーナリスト・吉田敏浩氏に訊く!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/349136※2016/11/29 安倍総理はなぜ日本国憲法を忌み嫌うのか――『日本会議 戦前回帰への情念』著者、戦史研究家・山崎雅弘氏に岩上安身が訊く!「自民党改憲草案は『国家神道』の封印を一つ一つ解くものだ」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/348288※2017.1.29【岩上安身のツイ録】米国の同盟国をやめた瞬間にCIAのマルウェアが日本中のインフラを崩壊させる!?――映画『スノーデン』オリバー・ストーン監督への岩上安身の質問文字起こしを掲載!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/360188※IWJのサポート会員にご登録いただければ、すべての動画アーカイブをご視聴いただくことができます。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php
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