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2017年1月25日 (水)

アジア再編成の中心となったフィリピン

Andre Vltchek
2017年1月23日
New Eastern Outlook

何十年も、弱々しく、貧しく、無数の病に苦しんできたフィリピンが、今や突然、アジア太平洋全体の組み替えの先頭となって、欧米の帝国主義者連中を追い出しつつある。

アメリカが何の反対も受けずに動き回っていたマニラに、今やロシア戦艦が親善訪問をしている。

2017年1月6日、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、ロシアの対潜水艦駆逐艦アドミラル・トリブツに乗船し、将校たちと会話してから、はっきりと大きな声で言った。“友よ、万歳! これは心からの言葉です。みなさんがより頻繁に戻ってこられるのを願っています。”

明らかに、ロシア人は喜んで戻ってくるだろう!

1月6日、AP通信はこう報じた。

“ドゥテルテ大統領の乗船に同行したデルフィン・ロレンザナ国防長官は、木曜夜に、ロシア海軍幹部と会った際、両国国防組織の“協力関係の始まり”ついて楽観的にみていることを明らかにした。

“地域と世界の平和と安全に対する我々共通の熱意で、全員にとって穏やかで安全な海に向けた協力と調整の良きパートナーに我々はなれるだろう”と、アドミラル・トリブツ船上で、ロレンザナは述べた。

12月始めのロシア訪問時に、ロシアの国防省幹部と合同軍事演習を含む、将来の軍事協力の基礎となる覚え書きをまとめるのに合意したので、ドゥテルテ大統領が予定しているロシア訪問時に、署名が可能だと彼は述べた。

ドゥテルテ大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に公然と敬服している。彼は、4月にモスクワ訪問を予定しており、ロシアがフィリピンの‘同盟国兼保護者’となってくれること期待していることを既に表明している。

フィリピンは中国とも急速に接近している。二国間関係は大いに進展している。南シナ海の紛争した地域を巡る緊張は、次第に和らぎつつあり、マニラは、北京のことを、決して敵ではなく、ますます新たな強力な同盟国、投資国、バートナーとして見なすようになっている。

アメリカやEUや国連(元アメリカ大統領バラク・オバマを“売女のせがれ”と呼び、彼に“地獄に落ちろ!”と言った)を痛烈に非難する一方で、ドゥテルテ大統領は、中国を“最も親切な国”と呼んでいる。

この種の言辞、まして政策など、欧米は決して見過ごさず、許すまい。

一流フィリピン人学者夫妻、エドゥアルドとテレサ・タデムが、フィリピン外交政策の新たな方向をこう説明してくれた。

“傾向は明らかです。欧米離れと、中国とロシアへの接近です。彼[ドゥテルテ]は間もなく、中国と領土問題で合意すると思います。現在、習近平主席は非常に多くの好意を示しています。物事は静かに進められていますが、いくつか大きな譲歩が既に明らかです。わが国の漁民は係争中の地域に入ることが認められています。中国は、支援と投資を約束しており、我が国の鉄道を再度動かすという約束もしています。”

とは言え、一流のフィリピン人歴史学者レイナルド・イレト博士は、彼が地域再編で余りに急に進めた場合のドゥテルテの生命を懸念している。

“彼はアメリカ合州国から余り急に離れられません… 彼は殺されてしまうでしょう。”

マニラで、我々はしばらく良くあるパターンについて議論した。欧米が‘反抗的な’国々や、その政権を扱うやり方だ。ウクライナ、ブラジルや、元フィリピン大統領グロリア・アロヨ。

“アロヨは中国に接近しました”とイレト博士は説明した。“連中は、彼女を賄賂のかどで起訴しました。ドゥテルテだけが彼女を釈放できました。”

中国に敵対し、中国を軍事衝突に挑発さえするのが、少なくともオバマ政権の後半では、アジアにおけるアメリカ外交政策の大黒柱だ。この危険な傾向は継続する可能性が極めて高く、ドナルド・トランプが大統領の座についたので、加速さえしよ。

中国と平和的な合意を実現するというドゥテルテ大統領の断固たる決意ゆえに、彼はまさに欧米帝国の暗殺対象者リストに載る可能性が高い。

フィリピン大学社会科学部のロランド・シンブラン教授は、イレト博士の上記発言を支持している。

“もしドゥテルテが余りに早く動けば、彼は軍によって打倒されるでしょう。彼は部外者です。警察と軍は彼に恨みを抱いています。フィリピン軍の幹部司令官の多くは、アメリカによって訓練されており、アメリカに買収までされていることも多いのです。ドゥテルテの反米、反帝国主義政策は言葉だけのものではありません。それは本物です。彼は対立的で、フィリピンと世界に対するアメリカの外交政策”に反対です。

*

ところがドゥテルテ大統領は自称社会主義者であるのみならず、現実主義者でもある。

彼にとって、現在は、来るドナルド・トランプ政権で引き起こされる混乱と、頻繁な反アジアの噴出に乗じる好機なのだ。

日本の安倍晋三首相は、アジア太平洋、そしてそれを超えた地域での新たな同盟国を求めている。トランプと彼の政策に震え上がって、日本は混迷している。

中国とロシアは、ドゥテルテ大統領にとって、二つの新たな心の友かもれないしが、東京の豊富な資金も完全に無視することはできない。

二日間のフィリピン訪問時、安倍首相は、1兆円(87億ドル)の資金提供と投資を約束した。彼は劣化したインフラへの支援と、フィリピンに海上警備船舶や飛行機を提供するとも約束した。日本は、フィリピンにとって、最大の対外支援国で、送金の重要な源だ。

日本の支援が利他的なものであるはずはない。アメリカ-日本陣営に戻り、フィリピン、中国、ロシアと、おそらくはベトナムとの間で、現在構築されつつある新たな同盟を放棄するようドゥテルテ大統領をまるめこむため、安倍首相が、微妙な外交手腕と、財政的報奨を利用しているのを専門家たちはしっかり理解している。

これは最終的には、戦争、世界的紛争にさえ至る可能性がある複雑で危険なゲームだ。日本が一体どちら側に立っているのかは、全く疑いようがない。

日本もフィリピンも、中国との領土紛争があるが、フィリピンが最近、妥協して、平和的解決を選んでいるのに対し、日本はより対立的な方向を選んでいる。

今年末、フィリピンがASEAN会議を主催し、それゆえ共同宣言の焦点と表現を支配する立場にあることを安倍晋三首相は十分承知している。それが一体なぜ彼がダバオにあるドゥテルテの質素な自宅で、喜んで素朴なケーキを食べ(少なくとも隠喩的に)甘く魅惑的な歌を歌ったのかという理由なのだ。

ドゥテルテ大統領が、数隻の中古沿岸巡視船や更なる対外援助を手に入れるために、北京との協力を縮小する可能性は極めて低い。とは言え、フィリピンが、何十年もしてきたように、東京との密接な関係を維持する可能性は高い。これを強調すべく、安倍晋三首相との会談時に、彼はこう宣言した。

“東京で、フィリピンの様々な友人の中でも、日本はふさわしい立場に値すると申しあげました… 今晩、日本は兄弟よりも身近な友だと繰り返させて頂きます。つまり日本はかけがいのない友人です。”

たぶん、あるいは、そうではないかも。

*

今は、アジアにとって極めて重要な時期だ。中国とロシアが地位を高めつつあり、日本や韓国や台湾を含む、かつて同盟していた欧米諸国は、衰退しつつあるか、苦境にある。フィリピンとベトナムは次の動きを計算している。タイ、マレーシアやインドネシアまでもが、これまでの堅固な親欧米姿勢が突然はっきりしなくなった。

帝国主義‘アジア基軸’の父、バラク・オバマ大統領は退任した。攻撃的で、反アジアの指導者ドナルド・トランプが大統領の座についた。帝国と、そのアジアへの関与と言う点では、事態は「まずい」から「最悪」に変わりつつある。

欧米が、中国大陸においてさえ、北京指導部を容認するつもりがないのは明らかだ。

今やワシントンは完全支配に対する更にもう一つの障害に対処せざるを得なくなっている。かつては完璧に従順で、服従的で、貧しい元アメリカ植民地フィリピンが、突如咆哮し、実力行使し、得られる限り最良の取り引きを独自に交渉し、自らの運命を探し求めている。わずか一年前こうした全てのことは思いも寄らなかったが、今それが起きているのだ。

アジア大陸全体が見つめており、欧米のあらゆる政治、軍、諜報機関もそうしている可能性が非常に高い。

過程は極めて素早く(危険なほど素早いと、マニラでは多くの人々が言っている)、ワシントンは到底変化においつけずにいる。ドゥテルテ大統領は、複雑な国を、わずか六ヶ月しか統治していないが、既に多くの根本的進展がおきている。

ロシア戦艦がマニラを訪れ、将来の共同演習が議論され、計画までされている。中国とフィリピンは、平和、友好、協力や鉄道についてまで話をしている。ベトナムとフィリピンもより緊密化に動いている。突然日本が経済的いじめっ子としてではなく、謙虚な友としてやってきた。

フィリピンにとって、2017年は決定的に重要だ。フィリピンが、アジアにおける変化の主要な契機の一つとしての立場を確立するか、あるいは、外部から、あるいは外部からの相当な‘支援’を得て、内部から崩壊するか、破壊されるか。

アンドレ・ヴルチェクは、哲学者、小説家、映画製作者で、調査ジャーナリスト。「Vltchek’s World in Word and Images」の制作者で、革命的小説『オーロラ』や、他の何冊かの本の作家。彼は特にオンライン誌“New Eastern Outlook”に寄稿している。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/01/21/the-philippines-in-the-center-of-asian-realignment-2/

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国会の映像を見るたびに、このドゥテルテ大統領とは『月とスッポン』と思う。

破壊された原発や、それによる放射能を制御するかわりに、呆導機関を制御して、無理やり目くらましとしてのオリンピックを引き寄せ、とうとう開催のためには、現代版治安維持法が必要だと言い出した。治安維持法導入が必要なオリンピックを辞めれば良い。それを支持する国民がいるというのが、そもそも謎。幼なじみ数人のほかに、今の政治を支持している人、会った記憶がない。次ぎの飲み会であいましょうとソーシャル・メディアで書いてきたが、自民党の集いのようなものには決して参加しない予定だ。

売国条約TPPを、宗主国大統領が発効不可能にした。それを何とか説得するという。とんでもない不平等な条約をなんとか推進してくださいという阿呆。大本営広報部は発効が不可能になったことを惜しむかのような呆導。TPPの本質には絶対に触れない。次は、米韓FTAも遥かに越える苛烈な米日FTA締結になる。いずれにせよ完全属国化は決定済み。

夜の呆導番組の一つをながめていたら、売り出し中の政治学者登場。すぐに音声を消したので何を言ったのか全くわからない。悪いものをみてしまった。書店でもこの人の本を見るとその棚から急いで逃げているのに。

別の番組、台湾の脱原発を報道した。無責任体制日本との違いに驚く。数回、観光で台北にでかけたことがある。食事の美味しさ、気候の良さ、人々のやさしさに感心した。ああいう国に移民したいものと思う。膨大な赤字をだしている原発大企業幹部は白痴なのだろうかと不思議に思う。いまさら原発企業を買収しても、何の利益にもならないことがわからなのだろうか。宗主国や属国支配層に、無理やり買収をしいられたのではないだろうかと思いたくなる。企業も国も、トップは軽くてパーが良い?

シリア、アレッポの戦争の傷跡も報道してくれた。シリア情報省担当者と同行し、許された場面だけを映したというが、ないよりまし。アサド大統領インタビューには驚いた。

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