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2017年1月17日 (火)

ヨーロッパの勇敢なジャーナリスト逝く

Paul Craig Roberts
2017年1月14日

1月13日、ウド・ウルフコッテが、報道によれば、心臓麻痺で亡くなった。

ウルフコッテは、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァィトゥング紙編集者だった。彼は、CIAがヨーロッパのあらゆる主要ジャーナリストを掌握しており、それにより、アメリカ政府によるヨーロッパ世論支配が可能になり、ヨーロッパ各国元首に対する、アメリカ政府による支配に関する知識や、それへの反対を弱体化させていると書いた勇敢な書籍を刊行した。基本的にアメリカ政府から自立したヨーロッパの政府は存在しない。

かつてヨーロッパに満ちあふれていた勇気は、現在は見出すのが困難だ。シャルル・ド・ゴールが、アメリカ政府からの独立を維持した主要ヨーロッパ国家最後の元首だった。現在、マリーヌ・ルペンと、おそらく、ハンガリー大統領が自立している。しかし大半の西欧と東欧の国家元首は、アメリカ政府の戦争に献身するアメリカ政府の配下だ。

これには、もちろん、ドイツ首相、フランス大統領やイギリス首相が含まれる。その権勢が、ローマの没落から、第二次世界大戦に至るまで、大半の欧米の歴史を形作った、これらのかつては強力だったヨーロッパ諸国は、現在、アメリカの傀儡諸国だ。

エリツィンの下で、ロシア自身も、アメリカ大君主に屈したが、ウラジーミル・プーチンの下で、ロシアは独立を取り戻し、現在では、シリアやクリミアなど、世界の一部において、アメリカの一国支配主義を抑制できるようになっている。

極東では、アメリカ政府の傀儡日本が、ロシア同様、欧米のどこにも見出せない第一級の指導部がある国、中国の勃興により、今や制約されている。

欧米世界は、本物の政治指導者を産み出すことができないことを証明している。この失敗は、何世紀もの欧米支配で、欧米の政治過程が実に酷く腐敗し、あらゆる収入と富をごく少数の手に集中することに成功したするひと握りの権力集団に、欧米丸ごと隷属している結果だ。CIAによる、次期大統領に対する、あからさまな、はなはだしい攻撃で見られるように、この極少数の連中が膨大な権力を握っている。

欧米による支配の歴史に基づき、アメリカ政府が、その世界支配が続いて当たり前と思い込んでいることが、地球上の生命が直面する危機だ。しかしながら、ロシアと中国は同意していない。どちらの国もアメリカに対抗する十分な力があり、両国がまとまれば、アメリカの軍事能力を上回る。

ワシントンに居すわる世界の最高君主志望者連中は、その尊大さゆえに、ロシアと中国が、イラクとリビアではないことに気がついていないのだ。

ワシントンで支配している低能どもが我々をこの二大国との戦争に引きずり込めば、アメリカ合州国は、世界の他の国々ともども歴史から消え去ることになる。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/01/14/europes-courageous-journalism-voice-has-passed-away-paul-craig-roberts/

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ウド・ウルフコッテ氏については、下記記事を訳してある。国名を換えればそのまま。

残念ながら、せっかくの著書、ドイツ語では読むことができない。

“ドイツ政治家はアメリカ傀儡”ドイツ人ジャーナリストはアメリカ支持記事を書くよう強いられている 2014年11月10日

“大手マスコミの主立った連中は皆CIAの手の者”2014年10月24日

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コメント

  ウド•ウルフコッテ氏が「CIAによるメディア•コントロール」の事実を暴露なさったのは随分前のことだと聞く。今回の心臓マヒが「人為的」なものだとすると、何年間もかけた「時間差攻撃」だという事になる。
  ポール•クレイグ•ロバーツ氏の主張によれば、米国から独立している国及び指導者はロシア、中国、マリーヌ•ル•ペン、ハンガリー大統領ということだから、200以上もある国家の中で、独立国は米、露、中、仏、ハンガリーのたった5カ国という事になる。国際政治を考える際に頭に置いておくべき知識だと思う。

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