ドイツ政府はアメリカ政府に支配されているとドイツ唯一の独立新聞
Eric ZUESSE
2017年1月4日
Strategic Culture Foundation
アメリカCIA(今ドイツ‘ニュース’メディアに対する支配を強化しつつある)と果敢に戦い、また、かつてCIAに服従したことを公式に告白、非難し、そのようなことを報じたかどで、今やドイツ’ニュース’メディアから、のけものにされている、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥンク元編集者の著書の販売促進を支援しているメディアDeutsche Wirtschafts Nachrichten (DWN)、翻訳すれば、ドイツ経済ニュース、つまりオンラインのドイツ人向け日刊ニュース・サービスが、独立を維持するため、とうとう有料購読化する。有料化に踏み切った理由は、支配体制側 ’ニュース’メディアによる財政的圧力によるもので、さもなくば、サービスを完全に停止せざるを得ないとDWN新聞は主張している。
アメリカ帝国の前哨地としてのドイツでは、帝国の中心、アメリカでそうしているのと同様、ドイツの‘ニュース’メディアが‘偽ニュース’を粉砕しようとしている。
以下は、ドイツ経済ニュースの声明を私が翻訳したものだ。
弊社を代表して
ドイツ・ラジオが、DWNを誹謗している。我々をご支援願いたい!
ドイツ経済ニュース| 発表日時:2016年12月29日 01:08
Deutschlandradioが、巧妙な偽造で、DWNを誹謗しようとしている。購読により、DWNの独立をご支援願いたい。
読者の皆様
今後は、ドイツ経済ニュースの記事三本のみ購読無料で、他の記事は、月7.99ユーロ[現時点では約8ドル][あるいは年間80ドル]の購読をして頂いた後でのみ、お読みいただけることになる。読者は何の義務を負うこともなく、いつでも購読は解約可能だ。
有料購読化の出だしの成功から、読者の皆様が我々を支援しようとされているのは明らかだ。我々は即座に最初のスポンサーを獲得した。多数の読者が明らかに購読価格を越える寄付までしてくださっている。皆様に大いにお礼申し上げる!
有料化が必要になったのは、ドイツ・メディア市場が公共放送局の強大な影響力によってゆがめられているためだ。納税者による税金の予算から、公共放送局は年間予算80億ユーロを得ている。最近、DWNは、視聴料が[ドイツ・ラジオの]番組[サービス]に使われているだけでなく、他のメディアを非難するのにも使われているという事実に留意せざるを得なくなった。ドイツ・ラジオが無批判に報じた、Scholz & Friends社員による、無数のウェブサイト・ポイコットの呼びかけ記事で、ドイツ・ラジオは、DWNを非難した。はなはだしく、ぎごちないやり方ではあるが。ドイツ・ラジオは、DWNを誹謗するため、引用を極めて大胆に改竄した。これに応え、我々は、ドイツ・ラジオに対する法的措置をとり、彼らが捏造を広めるのを禁じるべく、ベルリン地方裁判所による250,000.00ユーロまでの罰金がかかる仮差し止め請求をした。
状況は奇怪だ。放送料金が引用を偽造するために利用されているのだ。DWNの広告業界に関する報道に対する、公共放送局のこの種の行動は、極めて脅迫的なものとなりうる。
フェイスブックが、批評を載せる自立メディアの経済基盤を急速に破壊しているので、状況は。フェイスブックやグーグルなどのアメリカのネット基盤は、古典的な広告モデルを大幅に覆してしまった。これにはいくつかの理由がある。
アメリカ企業は、オンライン広告の成長を既に最大限に活用している。フェイスブックとグーグルは、広告と記事とを区別しない。連中の不可解な“アルゴリズム”システムのおかげで、彼らは好き放題に読者をあやつり、自らを、多くの商業的、政治的に関心を持つ当事者に、“広告プラットフォーム”として提供することが可能だ。これは多くの企業にとって恩恵がある。彼らは一見怪しくは見えない書き込みの中に広告メッセージを隠すことができるし、グーグル検索結果をあやつることもできる。公共放送局は、これも大いに利用している。事実上、これはつまり、公共メディア[ドイツ政府メディア]が、検索結果で、独立メディア[結果的に大いに被害を受ける]よりも上位に表示されるようにするため、ドイツの視聴料が、アメリカ企業に流れるということだ。
もう一つの傾向は、広告で買われているメディアが、純粋な報道メディアと直接競合することだ。広告代理店のWPPは、アメリカの雑誌Viceに登録している。その結果、WPPは、広告主を、彼ら自身の“商品”に向け直すことが可能になる。一方、WPPは、最近、従業員の一人が、Henryk Broderや、Roland Tichyなどの評論ウェブサイトを非難して、評判を下げた広告代理店Scholz & Friendsの親会社だ。Broderは、かなりの売り上げを失ったと言われている。
多くの[こうした]代替メディアのビジネス・モデルは、DWNにとっては問題外だ。彼らは記事を、書籍、雑誌、イベントや政治活動の販促手段として売ることで、資金を調達しているのだ。多くの[‘非営利’] NGOも、彼らの中核事業、つまり政治キャンペーン[プロパガンダ]を推進するために、報道的な記事を載せているようだ。
ツィッターやフェイスブックやグーグルは、偽情報や巧みな情報操作のためのあらゆる類の可能性を提供している。諜報機関、ロビイスト、政党、大企業、協会、国や、投機家連中が、一見有益情報風ながら、その実、むきだしの操作として機能するアカウントを運営している。企業が、一見“報道”風チャンネルによって、商業利益を得る場を造るのが今は容易なので、このモデルは、古典的広告モデルをも破壊する。
この進展により、あらゆる批評報道商品全体で、オンライン広告が劇的に減少している。広告主にとって、非公然チャンネル経由で聴衆に呼びかける方が、より安く効率的なのだ。
主要な疑問をめぐるこうした全ての状況は、メディアによってもたらされており、DWNだけの問題ではない。我々の申し出に需要はあるのか? 我々は、この問題を率直に皆様に問いかける。読者の皆様: 読者の皆様こそ、具体的に、きわめて重要な、かつ完全に自立して報じるメディアとしてのDWNの今後の成功に本当に関心をお持ちの唯一の市民だ。上記のPRや、情報操作専門家や偽情報の影響力の背景から、批判的で、自立した報道は一層複雑になっている。金融分野のあらゆる重要な文書は英語だ。大半のEU新聞は、EU-英語だ。アラビア語とトルコ語の原典が読めて初めて、シリア戦争について報じることが可能になるのです。根拠の確かなヨーロッパ報道をするには、27カ国語を修得せねばならず -しかもそれだけではない。そうした言語的メッセージが本当は一体を意味しているかを正しく識別するには、こうした国々の政治的、文化的文脈に詳しいチームも必要なのだ。
こうした経費は、通常、広告も政治的支援もないような分野で発生する。地政学、中央銀行、天然資源、戦争、賄賂、ごまかしや、巧妙な操作に関する調査や記事に一体誰が進んで費用を払うだろう? DWNの中核事業は事業と政治の接点にある、まさにこうした問題なのだ。我々は問題のない[安全で論争対象にならないような]話題は扱わない。
我々は現時点で、大いに率直でありたいと思う。DWNの将来を保障できるのは、皆様だけ、読者だけだ。これは、我々がその結果に従う、一種の読者投票なのだ。DWNは、月7.99ユーロ支払うに値するかを読者の皆様に問う。結果は隠し立てしない。これは市場経済という性格のもので、投票の結果を受け入れるか否かを我々が勝手に決められるわけではない。もし十分な数の購読者がおられなければ、DWNのための市場もない。とは言え、もし十分な数の読者が、ドイツにおける重要な声として、DWNを支持してくだされば、我々は、皆様の購読によって、力強くこの声をあげる立場にたてる。民主主義には、自由で買収できないメディアが必要だ。他の代案は存在しない。
皆様の支持を心からお願いする。
編集部
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/01/04/germany-only-independent-newspaper-germany-govt-controlled-us-govt.html
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自立したメディアの困難さ、日本も、ドイツも似ているもののようだ。
記事冒頭にある、CIAにあわせて記事を書いたと告白したフランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥンクの編集者に関する記事としては、例えば下記を訳してある。
“ドイツ政治家はアメリカ傀儡”ドイツ人ジャーナリストはアメリカ支持記事を書くよう強いられている 2014年11月10日
“大手マスコミの主立った連中は皆CIAの手の者”2014年10月24日
ロバート・マクチェズニー『資本主義がインターネットを民主主義の敵にする』について語る 2013年7月12日 の中で、マクチェズニー教授はこうおっしゃっている。
この国は途方もない人数の有能な人があふれています。この国は有能な人に満ちています。ここで不足しているのは、彼らを支える資金です。素晴らしいメディアの仕事をしている沢山の人々がいる事実は嬉しいことですが、彼らがきちんと食べられるようになって欲しいと思います。家族を持てるようになって欲しいものです。彼らの頭上には屋根があって欲しいですし、昼間の別の仕事や家事の残り時間で、ジャナーリズム活動をするというようなことを無くしたいものです。子供達を寝かせ着けた後、家を掃除し、会社での仕事に行くべく目覚めるよう床につく前、夜11:00に作業する人々が、報道や文化を担っていては、自由な社会は築けません。資金の保障がなければいけません。我々に必要な良いもの、文化、ジャーナリズムを生み出すことが出来る人々が、まともな報酬を得られるようにすべきです。
昨日の退任演説報道で、大本営広報部、官報であれ、民報であさ、太鼓持ちの面目躍如。絶賛呆導。見ているこちらが恥ずかしい。
一方で、2009年1月24日に、大本営広報ヨイショと全く違う下記記事を書いていたジャーナリストもおられる。
オバマ大統領への支持率89.7%――期待したいことは?
ブッシュと比較して、平和主義者であるかのように持ち上げられているが、それは虚像。持ち上げられすぎ。
しょせんは、世界一の好戦国アメリカの大統領。イラクからは兵をひいても、アフガンには兵を増やす。
圧倒的な戦力でパレスチナの一般民衆を虐殺したイスラエルをたしなめることもなく、逆にハマスを激しく非難、イスラエルの一方的な支持を、就任早々、国務省で明言。
黒人初の大統領だからっといって、本質はなーんにも変わってない。アメリカの暴力的な体質、異常なまでのイスラエルびいきの姿勢に、何の変化もありはしない。
オバマが、就任演説で繰り返し、宗教的な使命のように語った自由とは何か、いったい誰の自由なのか。
ユダヤ人の自由、資本家の自由、米軍が民間人まで殺戮する自由……それから????
少なくとも、パレスチナ人の自由ではない。
オバマのカリスマ性も、魅力も認める。だが、しょせんはアメリカの大統領。甘い幻想を抱くべきではないだろう。
いずれ、化けの皮ははがれる。
必ず、だ。
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