進行中のクーデターの著しい厚かましさ
Paul Craig Roberts
2016年12月18日
ドナルド・トランプが選挙で勝利したのは、ロシアによる干渉の結果だという証拠の無い話を、匿名のCIA職員が、あらゆる売女マスコミにまいた。このばかげた主張は、プーチン本人が監督し、アメリカ大統領選挙の操作までしたという一層ばかげた主張にエスカレートした。
これらの驚くべき主張には、いかなる証拠も示されていない。売女マスコミは、アメリカにおける憲法の危機と、ロシアとの危機を予兆する証拠のない狂気じみた非難を報じている。我々は売女マスコミがウソをつくことを知っている。売女マスコミは、イラクに入った兵器査察官の意見と逆に、サダム・フセインは大量破壊兵器を持っていると報じた。連中は、イエロー・ケーキとアルミ・パイプの偽証拠に関してウソをついた。連中は、サダム・フセインとアルカイダのつながりについてウソをついた。連中は、イランは何年も前に核兵器への関心を放棄したという、あらゆるアメリカ諜報機関全員一致の報告にもかかわらず、イランの核兵器についてウソをついた。売女マスコミは、アサドが、シリア国民に対して化学兵器を使用したというウソをついた。連中は、カダフィに関して、ウソをついた。連中は、ロシアのウクライナ侵略について、ウソをついた。連中は、ロシア/ ジョージア紛争の原因について、ウソをついた。連中は、ソチ・オリンピックについてウソをついた。今、売女マスコミは、ロシアの干渉が、アメリカ大統領選挙とBrexit投票の結果を決定したと主張している。
売女マスコミによるウソの結果、何百万人もの人々が殺害され、家を追われた。アメリカ・マスコミ関係者全員、この血を頭から浴びている。それで、アメリカ・マスコミには品位も良心も無いことは証明済みの事実として我々は知っている。
今や売女マスコミは、これまでの犯罪水準を超えた。マスコミは、次期大統領に対するクーデターを醸成し、アメリカを未曾有の危機に投げ込みつつある連中の一部なのだ。
明日、選挙人団が集まり、大統領への投票をする。いつもなら決まりきったこの手順を崩壊させるべく、良く組織された取り組みが進められている。売女マスコミによって全国に広まったCIAのウソに基づいて、62人の選挙人が投票前に、選挙へのロシアによる干渉に関する、CIAによるブリーフィングを要求した。正式なCIA報告書も主張を裏付ける証拠もないのだから、ブリーフィングは、証拠の無い主張になる可能性がある。
ストップ-トランプ運動に加わっているハーバード大学法学部のローレンス・レッシング教授は、前例を破って、それぞれの州の多数票と違う投票をした選挙人を、無料で弁護すると約束している。
憲法や、国内の安寧や、国際的安定性に対する重大で継続的な脅威を売り込む取り組みは、全国的なマスコミ広告キャンペーンで、トランプが“憲法や、国内の安寧や、国際的な安定性に対する、重大で継続的な脅威”になるのを阻止するために必要なのだと言われている。https://www.bloomberg.com/politics/articles/2016-12-15/long-shot-bid-to-block-trump-arrives-at-electoral-college-monday
もし明日の取り組みが失敗すれば、オバマ大統領は、CIAに、1月20日前に、ロシアによる選挙介入に関する報告書を作成するよう命じて、トランプ就任を阻止する第二弾を起動させるだろう。この報告書は、就任を遅らせたり、アメリカ国民や外国の人々に、非常に多くの疑念を伝えて、指導者としてのトランプの実効性を損なったりするのに利用されかねない。
そして、もちろん、トランプに対する絶えざる攻撃は、ニューヨーク・タイムズによって、プーチンの傀儡で、ロシアにとって役に立つ阿呆だと断言されている人物が大統領になることに激怒した“孤独な変人”愛国者による暗殺という結果を招きかねない。これが、アメリカ国民が選んだ大統領に対する、素晴らしい実績を誇る新聞の評価なのだ。
Global Researchのミシェル・チョスドフスキー教授は、この闘争に、もう一つの側面を加えている。対立する支配派閥間の戦いだ。トランプと彼が指名した国務長官は、ロシアとの正常な関係で生まれる事業を望んでいる。軍/安保派の支配層は、ロシアを恐ろしい脅威として位置づけることから得られる膨大な予算と権力を望んでいる。たとえトランプが、彼の当選に対するCIAの異議申し立てに生き残れたとしても、閣僚に任命された連中も承認の戦いを生き残らねばならず、もし生き残れたとしても、戦争で儲ける支配者に役立つ政策から、平和で儲ける支配者に役立つ政策に切り替えるという彼らの取り組みに対する異議申し立てはずっと続くのだ。http://www.globalresearch.ca/u-s-foreign-policy-and-the-electoral-college-vote-towards-a-december-19-surprise/5561928
言い換えれば、明日と、1月20日の結果がどうであれ、戦いは続く。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/12/18/the-striking-audacity-of-the-coup-in-process-paul-craig-roberts/
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選挙人団投票結果、彼が危惧していた?結果にはならなかった。
売女マスコミに関する記述、そのまま、こちらでも100%あてはまる。
日露首脳共同記者会見で、ロシア記者の最初の質問は「シリア情勢」についてだった。
トルコでの現職警官によるロシア大使射殺事件。警備担当を装って入り込んだという。
犯人は、アラー・アクバル、アレッポを忘れるな、シリアを忘れるな、と叫んだとされる。犯人は現場で射殺された。
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