ロシアは警戒しつづけるべき
2016年12月8日
F. William Engdahl
そもそもプーチン大統領が、こうした言辞を信じるほど愚かだと私は思っていない。
彼は熱心な政治的人物で、様々な形でのアメリカ政府からの余りに多くのウソと欺瞞を経験しており、トランプ選出後、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長が、ロシアについて言いだし始めた友好的な言葉のような、ちょっとした快活な言葉を真に受けるはずがない。
もちろん、ロシアは、このトランプ大統領の友好的らしき期間を、極力活用するのが賢明だ。たぶん、アメリカとNATOに軍隊を、ロシアとベラルーシ国境から引き離すよう要求するのは、もっともなことだろう。彼らはそうするだろうことに、私は何の疑念もない。
しかし、アメリカ合州国家父長政治の究極的な狙いが、戦争であり、ドナルド・トランプの任務は、アメリカ合州国をその戦争に備えさせ、勝利することであるのを、ロシア指導部が念頭においておくのがきわめて重要だと思う。これは決して明るい見通しではない。ロシアは、わずかな瞬間たりとも、この脅威を忘れるべきではない。
好機を利用して、これまでやって来たように、ロシア経済構築を進め、ネオリベラル・エコノミストに出て行くように言い、省庁から連中を追い出し、ロシア経済にとって良いことをしようと願っている本物のロシア人をそうした地位につけるべきだ。
ロシア中央銀行は再国有化されるべきだ。ロシア経済にとって、これは緊急優先事項だ。それが、これまで実現されなかった理由は、これまではアメリカとつながるオリガルヒ連中の政治権力が十分強力で、ロシアは大掃除をするのが困難だったためだろうと私は考えている。既にその方向に向かっていると私は考えている。
EUが経済制裁で何をするかとは無関係に、ロシア固有の非GMO農産物の開発を推進する必要がある。ロシアは欧州連合からの食料輸入を禁止する必要がある。
そして、ロシアは、世界貿易機関を脱退すべきだ。この組織と、自由で公正な貿易の利益になるようにではなく、アメリカとヨーロッパの多国籍企業の利益になるように、アメリカ政府によって作りだされたのだ。
ロシアは、これまでしてきた通り、やっかいなNGOをお払い箱にして、そうしたNGOを、いわゆる "民主主義プロジェクト"の推進に利用するワシントンの怒りを見つめるべきだ。
このごまかしは、出来る限り利用すべきだが、ドナルド・トランプのアメリカが、いかなる意味でも、ロシアの真の友であるなどとだまされてはならない。
ワシントンの連中は、いまだにアメリカ覇権の権益が重要で、それがすべてなのだ。
トランプ大統領下の六ヶ月で、何が起きるか見よう。国務長官に任命されるのが誰か見よう。誰が他の重要な地位につくのか、彼らの政策が実際どういうものかを見よう。
アメリカで、本当の革命が起き、ドナルド・トランプが、道徳的価値観を持ち、アメリカ合州国国民を思いやり、ウオール街の六つの犯罪的銀行組織を国有化し、重役やCEOを法廷に引きずりだし、連中がここ数十年間におかした犯罪のかどで処罰させるという高度な狙いをもった大統領になれるよう願いたい。彼が、アメリカと世界を破壊しているこれら巨大銀行の規制を復活させるよう期待する。連中は、過去数十年にわたって、ヨーロッパの主要銀行を駄目にした。ドイツ最大の銀行は既に破産しており、イタリア、ギリシャとフランスの主要銀行も同じ状態だ。
アメリカ・インフラ再建は、そうした国債で生じる公的債務を返済でき、国家予算に役立つ国債と、雇用の創出で可能なはずだ。
何が起きるか見ようではないか。これが本当のアメリカ革命なのか、そうではないのか、間もなくわかるだろう。
記事原文のurl:http://katehon.com/article/russia-must-remain-alert
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この記事、下記記事と続けてお読みいただくと、わかりやすいだろう。
- プーチン: ネオリベラルは、ニェット、国の発展は、ダー F. William Engdahl
宗主国の息がかかった主流派経済学ではない、自立のための経済学を推進しているセルゲイ・グラジエフ氏公式サイトで、彼の英語書籍が読める。PdfではなくWord形式。
STRATEGY FOR RUSSIAN GROWTH IN THE CONTEXT OF THE GLOBAL ECONOMIC CRISIS
ロシア語webだが、右側コラムの少し下がったところの英語題名をクリックする。
警戒が必要どころか、スッポンポン劣等。TPPによる日本破壊、侵略戦争参加、年金削減、バクチ漬け。
街の弁護士日記SINCE1992at名古屋 すでに進んでいた日米FTA 傀儡国家?日本
オスプレイ墜落(大本営広報部用語で不時着)。同じものが沖縄県民の頭上で日常訓練をしている異常。
※[IWJ日米地位協定スペシャルVol.1] 岩上安身による『日米地位協定入門』著者 前泊博盛氏インタビュー 2013.3.5
※「米軍の占領体制は今も継続されている」――謎の権力機関「日米合同委員会」の知られざる実像とは!? 「戦後最大のタブー」について岩上安身がジャーナリスト・吉田敏浩氏に訊く! 2016.12.2
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