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2016年12月 2日 (金)

ドイツ経済学者・政治家:‘アメリカ衰退の模倣はやめよ! NATOを脱退せよ!

Eric ZUESSE
2016年11月26日
Strategic Culture Foundation

11月23日水曜日、ドイツ議会の左翼党副委員長サーラ・ワーゲンクネヒトは、議会で、ドイツは速やかに、アメリカの真似をするのをやめ、ドイツ国民の本当の保護どころか、ドイツにとって遥かに危険だと彼女が主張するNATOを、究極的に離脱しない限り、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、アメリカ次期大統領ドナルド・トランプと似たような政治家によって置き換えられるか、(多くのドイツ人と、外国から恐れられている)更なる右傾化する可能性が極めて高いと述べた。

ワーゲンクネヒト博士は一流経済学者でもあり、消費者が貯蓄するか借金するかに至る経済条件の研究はドイツアメリカで刊行されている。

ライヒスターク(ドイツ国会議事堂)における彼女の演説抜粋として、ドイツ・エコノミック・ニュース記事文章の40%を私が訳したものは下記の通り。

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ドイツでは、社会的不平等と不確かさが増大しており、それゆえ多数の有権者がドイツのための選択肢AfD[人気急上昇の議員フラウケ・ペトリーが率いる反移民、反イスラム政党]に向かっています。

好ましいパートナーとして、首相は、ジャーナリストや野党指導者たちを投獄し、死刑を素晴らしいと考えているトルコの独裁者[エルドアン]を選びました。

これは、アルバート・アインシュタインの格言を思い起こさせます。

狂気の最も純粋な形は、あらゆるものをそのままにしておいて、何かが変わることを請い願うことだ。

最終的に、通常、何かが変わるのだが、願っていたような類の変化ではない可能性がある。

人々に民主主義を絶望させたものが、ドナルド・トランプのホワイト・ハウスへの道を開いたのです。

メルケル首相 - もしあなたが、私に耳を傾け、中流階級を破壊し、我々の社会を益々深く分断するグローバル化した略奪的資本主義の市場志向の運営とは違った政策を追求すれば、ニュースになるでしょう。

アメリカ国民は、億万長者ドナルド・トランプを選んだのではありません。

そうではなく、彼らは平均賃金が80年代以下の国ということで、「除外」をしたのです。彼らには、もちろん、こうした対応をする十分な理由があるのです。

金持ちを益々金持ちにして、大企業を益々横柄にして、中流の労働者階級やより貧困な階級の暮らしを益々不安定にするという判断は、途方もない無責任なものだと思います。

過去20年間で、この国がいかに変化したかお考えください! 輸出経済のブームや経済成長にもかかわらず、ドイツでは年金生活者の6人に一人が今や貧困生活をしており、人生でだまされたと感じるしかないのです。

益々多くの子供たちが、美しい変化に富んだ世界から締め出されるという基本的体験から人生を始めるようになっており、彼らの人生は、他の人々より、遙かに恵まれないものとなっています。何百万人もの労働者は臨時仕事での二級労働者におとしめられています。非組織労働力 - 今や二人に一人 -収入は、2000年より18パーセント少ないのです。政治家は、ドイツはうまくやっており、国民はあなたの成功した政策に満足すべきだと言います。これはあなたがたが実際に行っていることをあざ笑うことに他なりません。

アメリカン・ドリームは、とうの昔から終わっている。上流階級以外に一体だれが、子供たちの生活は、両親よりも良くなると信じられるでしょう? 大半の人々は正反対の体験をしています。

法定年金保険の現在の寄与率は18.7パーセントで、半分は企業が支払い、[半分は]従業員が払います。更に、銀行と保険会社だけを儲けさせていることを全員が知っている、こうした無意味なRiester契約[民営基金]の一つに、収入の4パーセントを従業員はつぎ込まされるのです。

あなた方は、生涯懸命に働いた人々が、1,000ユーロ以下の貧しい年金を受け取っていることに疑問を感じないのでしょうか。オーストリアより、800ユーロ少ないのです。これは信じがたいことです。100万倍の貧困をもたらすこの無責任な年金政策を、きっぱり止めるべきです!

健康保険も全く同じです。これはスキャンダルです。この政策を見れば、あなた方は、AfDと秘密の宣伝契約したのではないかと想像せざるを得なくなります。

医療保険の場合も、年金崩壊の場合と同様、賃金経費の削減と、企業利益増大以上の何も行われてはいません。このおかげで、投資の利益も増えています。現在のドイツで、ドイツ企業の投資率がどれだけかご存じですか? 5パーセントです。つまり、あなたの政策で、彼らがまんまと増やした利益の95パーセントは、金融資産として持っている所有者に配分されるか、海外投資に使用されるのです。

国家は、かつて、人々の生活の安定と安全を与えていた、あらゆる重要な分野から撤退しています。

長年の警官人員削減のおかげで、住宅街丸ごと、夜間立ち入り禁止地区になってしまっています。こうした地域の荒廃した学校では、極めて有能な将来の教師たちは、負担過剰の教師ではなく、若者[見習い教員]に教えられており、慢性的に予算不足の、この豊かな国の教育制度は、彼らに基本的な読み書き、計算能力さえ教えられないので、彼らの多くは将来チャンスを決して得られないのです。

あなた方の大企業と、超裕福な人々向けの税政策・福祉政策が、多くの州や自治体がもはや基本的課題を果たすことができない事実の原因なのです。あなた方は[赤字の欠損ではなく]黒字を慶賀しておられます。しかし、この国の多くの貧しい都市やコミュニティーの現実が一体どうなのか本当にご存じなのでしょうか?

過密状態の自治体は、市民に提供するものを益々削減しています。適切なデイケア・センター、図書館、文化団体やスポーツ・クラブに対する助成金は皆無です。ゲルセンキルヘンでは、子供の40パーセントが、Hartz-IV(ハルツ・フィア)家庭[失業補償]で育てられており、いくつかのプールは閉鎖されました。負担過剰のデュイスブルクでは、今後数年のうちに、八分の一の雇用を削減しなければならず、つまり、看護婦、病院の職員が更に減るのです。

彼らの猛烈な民営化計画とどまることはありません。今や国民がそのために税金を払った道路さえも、金融投資家が参加するいわゆる官民提携へと転換されています。

31歳の大学卒業生で、現在エア・ベルリンで乗務員として働きながら、常にこの職に不安を感じている人が、私にこう書いてきました。

“あらゆる人々が権利を持っているはずの生活の質は一体どこへ行ったのでしょう?”と彼女は電子メールで私に尋ねています。 ”現在のドイツでは、人生を楽しむことはできず、何の保障も福祉給付もないので、職を失うことを常に心配しているのです”。

中小企業の起業家が私にこう言いました。“イタリア移民の子供として、私箱の国で生まれ育ったので、まじめに働けば何でも可能な時代のドイツを経験しました。現在はそうではありません”。

もちろん福祉国家を復活し、労働者を保護し、労働組合の交渉力を強化するまともな労働法を制定することは可能です。もちろん、政治的気骨を持って、無防備な労働者を売り渡すのではなく、グローバル大企業のイールド・レシオ凍結に反対することが可能です。

民主主義や自由や人間の尊厳は、もはや欧米世界に根付いてなどいないことを理解するのに、ドナルド・トランプが本当に必要でしょうか?

元アメリカ大統領ジミー・カーターは、何年も前に、アメリカのことを“際限のない政治的腐敗の少数独裁政治”と表現していた。

ヨーロッパにおいてさえ、無制限なグローバル資本主義は民主主義や人間の尊厳とは両立しません。ヨーロッパ諸国が参加した戦争は、いまだにどの国にも民主主義や自由をもたらしていません。逆にそうした戦争は、何十万人もの民間人を殺害し 何百万人もの人々を祖国から追放したのです。

ロシアのアレッポ爆撃にからんで、連邦政府が突然、戦争犯罪や病院や学校の破壊について語り始めたのは確かに前進です。しかし、ドイツや同盟諸国が関与してきた戦争で破壊された全ての病院や学校は一体どうなのでしょう? 爆弾の犠牲者にとって、その爆弾が、ロシア戦闘機のものか、欧米社会の名において投下されるものかで、違いがあると思われますか? 我々はそう考えません。

ですから、これ以上の金を兵器に使わないよう我々はあなた方に要求します。これ以上の戦争準備をせずに、アメリカが支配するNATO軍事インフラを離脱してください。

ドイツは、アフガニスタンでも、シリアでも、マリでも守られてはいません。こうした戦争は全て、イスラム主義テロを強化しただけで、最終的には、テロをドイツに呼び込みました。この戦争参加を終わらせることこそ、本当に、ここドイツにおいてさえ、国民の安全のためにできる最善のことです。

政治的イスラム教が最も重要な基盤を持っているのはどこでしょう?湾岸のイスラム教独裁制諸国が、世界中のテロ殺人集団への資金供給と、強化をしているのです。連邦政府自身の所見によれば、トルコも、テロリストの組織化と武器提供で重要な役割を演じています。バイエルンのキリスト教社会同盟の反イスラム強硬派が、2016年前半期、ドイツ兵器輸出の上位国で、トルコが第25位を越え、サウジアラビアとカタールも、これまでより大量のドイツ兵器を購入したことを全く気にしていないように見えるのに我々は驚いています。これは一体何と狂った政治でしょう?

ドイツにおいて、民主主義が将来を持てるのは、国民が政治家によって、自分たちの尊厳や、生きるための基本的ニーズが尊重されていて、一部の大企業ロビイストの願望より重要だと感じる時なのです。ドイツのドナルド・トランプの責任を負いたくないのであれば、これを本気で考えてください。

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先に、従業員が所有する進歩的なベルリンの日刊新聞、ターゲス・ツァイトゥンク、翻訳すれば「今日のニュース」紙で、ワーゲンクネヒトはインタビューを受け“トランプは世界政治を変える”という題名の記事で、トランプがホワイト・ハウス入りすることで衝撃を受けたと述べたドイツ国防相ウルズラ・フォン・デア・ライエン発言に、ワーゲンクネヒトは、こうコメントしている。

ええ、彼らはいつも衝撃を受けるのです。Brexitも同じです。彼らは、これまで通り衝撃を受け続けるでしょう。私には、結果がそれほど驚くべきものとは思えません。アメリカでは、今や平均賃金が40年前より低く、あらゆる利得は、上位数万人の懐[最上位の0.01%]に流れこんでいます。もしこれが変わらなければ、これからも、我々はとても頻繁に“衝撃を受ける”でしょう。今やドイツ外交政策の中心となるべきは、自立した政策を持ち、アメリカ合州国への従属から脱却することです。ヨーロッパは、トランプが行ういかなる急転回にも参加してはならず、自らの利益に集中すべきなのです。

ワーゲンクネヒトはこう述べた。“もしバーニー・サンダースが民主党大統領候補だったら、我々は今トランプ大統領の話をしてはいなかったでしょう”(世論調査で、彼は圧倒的な支持を得ていた。たとえば、これこれ)。そして“もし我々が、民族主義勢力には強力になって欲しくないのであれば、我々は最終的に異なった政策を立てて、社会的破綻から人々を守る福祉国家を再建しなければなりません。もし我々が成功しなければ、今のアメリカの光景は、ヨーロッパの未来の姿ということになります。”

2012年1月21日、ドイツのシュピーゲル誌は、ドイツ政府は、76人の左翼党国会議員のうち27人をスパイ活動するのに、年間400,000ユーロを秘密裏に使っており、ワーゲンクネヒトは、政府対象者の27人の一人だったと報じた。これは民主党の2016年大統領候補指名を獲得しようとするバーニー・サンダースの選挙運動を妨害するアメリカ民主党の秘密の取り組みに匹敵するものと見なして良いだろう。

支配層は、支配層による独裁を批判する右翼政治家を非難するが、支配層は、支配層の独裁を批判するサンダースやワーゲンクネヒトのような左翼政治家の政治的出世は阻止するよう実力行使をし、こうした支配層の右翼支持こそが、一体なぜ、アドルフ・ヒトラーのような右翼‘ポピュリスト’が勝利し、権力を掌握し続けられ、モハンマド・モサッデク、バーニー・サンダースやサーラ・ワーゲンクネヒトなどの左翼ポピュリストが、権力の座につけないか、そして、もし勝利した場合には、ファシスト・クーデターによって打倒される(モサデクのみならず、サルバドール・アジェンデ、メルヴィン・セラヤや、他の多くの人々にも起きたように - 支配層は左翼ポビュリストを憎悪しているのだ)。同様に、ドイツでの世論調査では、AfDのフラウケ・ペトリーは、ドイツの次期首相になり得るが、サーラ・ワーゲンクネヒトはなり得ないことがわかる。更に、ターゲス・ツァイトゥンクは、2016年10月3日、非常に多くの有権者が、左翼党から、AfD支持に変わったため、ワーゲンクネヒトは、現在、左翼党にはこれまではなかったような、移民の更なる制限など、AfDの姿勢の一部を取り入れ初めていると報じている。記事はまたこう書いている。“Mecklenburg-Vorpommernのinfratest-dimapの調査によれば、AfDは現在最大の労働者階級政党だ。AfDの支持率は労働者階級有権者の中で、33パーセントもの高さで、他の全政党を越える。[全階級でも]失業者の間では、桁外れの29パーセントだった”。

ドイツ政府がAfDをスパイしているという兆しは無い。どうやら支配層は右翼からの反支配層の主張は深刻に受け止めていないようだ - (右翼‘ポピュリスト’が反対活動をしている集団である)“同性愛者”や“黒人”や“ユダヤ人”や“イスラム教徒”などではなく、支配層が彼らの本当の敵であることを全く理解できない、お人好しで貧しい有権者大衆に受けるためだけに、連中は偽の姿を装っているだけなのだから。

結語: 2016年アメリカ大統領選挙運動で、ネオコン反ポピュリスト支配層の一人ヒラリー・クリントンは、曖昧な‘ポピュリスト’支配層ドナルド・トランプに反対する選挙運動で終わり、トランプは往々にして‘違法移民’反対や‘イスラム教徒’反対の選挙運動をしたのに対し、ヒラリーは、頑迷な白人とされ、実際に、また時にそうである人々(特にトランプ)に反対する選挙運動をした。しかし、トランプは“腐敗した体制”に反対する選挙運動も行い、ヒラリーは、そういう体制のための選挙運動をした(‘民主主義’が機能するための最善の方法だとして)。だから、今回の選挙結果から一体どのようなイデオロギー的教訓が得られるかを、まだ最終的に正確に知ることはできない - アメリカの評論家連中が、一般的に装っているほど、明白なものではない - アメリカ有権者の約半数が、‘民主党’(バラク・オバマやヒラリー・クリントンなどの)に代表されるのであれば、支配層を支持するということ以外は。アメリカ大統領選挙戦で、民主党有権者は、少なくとも名目上は反支配層のドナルド・トランプではなく、臆面もなく、支配層寄りのヒラリー・クリントンを選んだ。今それに関して何か結論を出すのは時期尚早だろう。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/11/26/german-economist-politician-stop-copying-america-decline-leave-nato.html

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アメリカ衰退の模倣をして、カジノ法案を強行成立させようとしている。

2014年7月29日に下記の翻訳記事を載せたので、ご一読いただきたい。個人的なカジノ体験についても書いた。わずか三回しかない。

ニュージャージー州アトランティック・シティーのカジノ閉鎖、アメリカの悪化する雇用危機の兆候

野党の女性議員、日本でも、森裕子氏が、TPPの理不尽さを追求。


TPPで、日本の地方政府(都道府県や市町村)の公共事業も、TPP参加国に解放され、関連文書は英語でも表記しなければならない。
他方、米国は、地方政府の公共事業は、TPPから免除して扱われる。
とんでもない一方的条約。日米FTAに変わっても、隷属売国内容に変化は期待できない。

これは、残念ながら、年寄りのメタボおやじの妄想ではない。

IWJで、東京大学大学院教授・鈴木宣弘による、TPP強行採決の真の理由もわかる講演が見られる。
『トランプ大統領でどうなる?食と暮らし』―講師:東京大学大学院教授・鈴木宣弘氏 2016.11.27

大本営広報部は決して報じない属国状態深化の解説。ただで見られると喜ぶだけでなく、こうした情報を報じるメディアを支援することが必要だろう。

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

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