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2016年12月18日 (日)

シリア終盤: 政府、アレッポを解放 - 報復で(?) ISIS、パルミラを奪還

2016年12月12日
Moon of Alabama

シリア政府軍と同盟軍の、東アレッポのタクフィール主義者勢力に対する攻撃は続いている。昨日、カラム・ダーダ、フェルドゥース、バブ・アル・マカムとジャラムに加えて、大いに強化されたシェイク・サイード地区も奪取した。アルカイダが率いるテロリストは、約5平方キロ、五つの都市区画、連中に対する包囲が始まった際に彼らが確保していた地域の約2%に追い込まれている。彼らは今日明日にも降伏する可能性がある。タクフィール主義者が撤退した区域で、膨大な量の外国の弾薬、食料や薬品が見つかった。

地図の拡大

アメリカは、彼らの救援任務はあきらめた。アメリカ国務長官ケリーが、ロシアに、彼の友人たちの一部を脱出させるよう乞うまでになっている。ケリーは、ロシアに‘いささかの慈悲を示し’アレッポ撤退を認めるよう強く促している。

トルコのサルタン志望者エルドアンが、占領して、彼の新オスマン帝国に組み込みたがっていたシリアの経済上の首都奪還は、シリア政府がこの戦争で実現した最大の勝利だ。奪還されたアレッポ内と周辺の地域は全体で約18,000平方キロ、カタールや、レバノンの国丸ごとより広い。

シリアと同盟国、ロシア、イランとレバノンの間で、ここから先、どう進めるかという議論が行われた。アルカイダが占領しているイドリブ大半ISISによって占領されている東シリアではなく、西に優先順を置くことに決定された。西と東の二戦線での戦争は余りにリスクが高く、まだ利用できない追加兵力が必要だ。この決定の二つの理由は、イドリブ行政区域の経済的重要性と、政府が確保している"有用なシリア"西部分との連続性だ。ISISに戦争を布告している他の勢力である、トルコ、クルドや、アラブの一部によるアメリカ代理部隊もいて、東部の彼らを絶滅させるはずだ。

そこで、トルコと暗黙の取り引きとなったのだ。トルコは、アレッポの東、アルバブをとり、そこからラッカに向かって行進することを認められる。それと引き替えに、イドリブ内と西周辺のアルカイダと同盟部隊への支援は控えるのだ。これらの勢力は、アメリカ、サウジアラビア、カタール他から秘密裏の支援を得ているはずだ。どちらかというと信頼しがたいエルドアンが約束を守り続けるかどうかは、いささか疑わしいが、そのリスクがとられたのだ。

西部に優先順序を設定する基本的なリスクは、シリア東部のアメリカ占領を悪化させることだ。アメリカは、追加の200人の特殊部隊兵をそこに配備したばかりで、認めた人数総数は500人になった。地域には、フランスやほかの国の特殊部隊兵士もいる。彼らはいくつかの小規模飛行場を建設し、ISISとの戦とされるもののために、地域で雇える人は、誰でも雇っている。これは、東シリアと、西イラクに、ISISというレッテル無しで"サラフィー国"を建設しているように見える。湾岸諸国とシオニスト・ロビイストは、上部メソポタミアの占領戦略を主張している。アメリカ/サウジアラビアが支配する代理組織が、イランから、イラクとシリア、更にレバノンに至る"シーア派の三日月地帯" を分断し、計画されているカタールから、トルコを経由し、ヨーロッパに至る天然ガス・パイプライン用の敷地を確保するのだ。

ロシアとシリアは、トランプ政権が、そのような帝国主義のたわごとを放棄するかも知れないと期待している。

12月5日以来、東ホムス行政区域と、パルミラ地域周辺へのISISによる様子見攻撃が記録されている。しかしシリア政府の優先順は、正しいのだが、東アレッポだ。パルミラは、大きなシリア軍分遣隊と、ほとんど訓練を受けていない少数の国防軍によって守られていたが - 比較的広い地域を、大規模の断固たる攻撃から守るにはあまりにもわずかだ。

先週金曜日 ISISが、パルミラを、数百人の戦士、重火器と戦車で攻撃した。複数の自爆自動車爆弾が、パルミラ周辺の国防軍防衛線を突破した。土曜日のISISによる大規模攻撃は、60回以上のロシア空爆によって撃退された。主要報道機関は、 "トルコ国内の活動家"の主張だけを根拠に、ISISがパルミラの中心を奪回したと偽って報道した。日曜日に再会されたISIS攻撃が、少数の国防軍の手に余るものだったのだ。昼には、更なる損失を避け、パルミラから南と西に撤退するという決定がなされた。パルミラと周辺地域は再びISISの手に落ちた

攻撃者連中は、シリア政府軍が最近ISISに包囲されたが、数日は穏やかだったデリゾールから来たものと考えられている。一部は、アメリカが指揮する攻撃が最近中止され、ISISが多少休息ができたラッカから北可能性がある。戦士が最近イラクのモスルから来た可能性は低い。何人かの軍事専門家は、攻撃者たちは素晴らしく組織されており、うまく指揮され、優れた諜報を持っていると述べている。

シリア軍の強化部隊が地域に到着し、ロシア外務副大臣は、パルミラをISISから奪還すると約束した。強化は、現在のISISの進撃を止めるには十分かも知れないが。しかし、アレッポが優先で、 即座のパルミラ反攻成功の可能性は低い。

このISIS攻撃は、大きな構図では何を意味するのだろう?

Fabrice Balancheによる地図 - 2016年11月の状態 -パルミラは地図下部中央左 地図拡大

ISISは、イラクのモスルと、その西の地域で攻撃を受けている。アメリカの代理軍、mostlyクルドYPG戦士、ISISが占拠している都市ラッカ周辺を攻撃している。テロ集団アハラール・アル・シャームの部隊を含むトルコ代理軍が、アルバブ、ラッカ北西部と、西アレッポで、ISISを攻撃している。東シリアでISISが占領している領土全ての上空をアメリカ無人機と攻撃機が常時飛行している。

ISISは、酷く攻撃されている北の重要な地点から遙か離れたパルミラを今攻撃する膨大な資源を一体どのようにして得られたのだろう? 必要な弾薬や資金は一体どこから来るのだろう? なぜ今の攻撃なのだろう?

中東における帝国軍司令部アメリカ中央軍が、12月9日、パルミラ近くで、168台のISISタンクローリーを爆撃したばかりだと発表した。(中央軍は巨大だ。中東には、中央軍司令部指揮下に、58,000人のアメリカ軍人、プラス42,000人のアメリカ軍契約業者がいる。) この中央軍の主張は、私には実にうさんくさく聞こえるが、たわごとだとして無視しているのは私だけではない

    内部情報源 - @InsideSourceInt
    > #シリア // #パルミラ // シリアで160輌のISISタンクローリーを破壊したというアメリカの主張は、我々が聞いたことからして、ウソのようだ。
    3:46 AM - 2016年12月10日

中央軍の主張とともに提示されたビデオは、爆弾が、わずか三台のタンクローリーと四つの固定標的に命中している。主張している大規模攻撃のようなものは皆無だ。それだけ多数のタンクローリー、大半が昨年、一つの地域に集まって爆撃されたというのはいかがわしい。そして、タンクローリーは、なぜパルミラにおけるシリア軍との当時の前線近くなのだろう? なぜアメリカは、タンクローリーを、そこにやってくる途上、あるいは、どこかに行くところではなく、そこで攻撃したのだろう? 誰も、反政府派のメディアも通信社も、一体どうして、そのような大規模攻撃を報道しないのだろう?

中央軍による"見てくれ、我々はパルミラ周辺でISISを攻撃している"というこの強調は怪しい。アメリカは、タンクローリーは見えたが、戦車を含む重装備を持って、都市へ攻撃を準備している何百人ものISIS軍兵士は見えなかったのだろうか? 事実上、アメリカとアメリカの同盟国に支配されている空域下で?

これは、シリアとロシアがレッポを奪回したことへのアメリカか、湾岸同盟諸国に召集された "報復"攻撃の匂いがする。パルミラにおけるロシアの早い勝利は、束の間のものであるという示威行動だ。「ロシア敗北」プロパガンダが、アメリカが支援する東アレッポにおけるタクフィール主義者の本当の敗北を隠蔽しているのだ。

記事原文のurl:http://www.moonofalabama.org/2016/12/syria-roundup-government-liberates-aleppo-in-revenge-isis-retakes-palmyra.html

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プーチン大統領来日に関する大本営広報部の提灯もち活動、目に余る。国営放送であれ、民間放送であれ。見聞きしないほうが精神の健康に良いだろうとつくづく思う。

今日の孫崎享氏のメルマガ冒頭数行で、十分説明になると、素人は思う。

プーチンは、一九五六年のダレス国務長官の恫喝に対して共同記者会見の時に言及した。冷戦時、米国は日ソの接近に警戒し、領土問題を残すことで意図的に領土問題で対立構造を作った。

そして米国に追随するグループが四島返還論を展開し、今日に至っている。

日本が、歯舞、色丹二島返還で合意しようとした際に、ダレス国務長官が、それなら、沖縄は返さないと言ったとされるものだ。『証言北方領土交渉』 本田良一著 中央公論新社37ページに、重光の言葉を松本俊一が記録に残したものはこうだ。

「ダレスは全くひどいことを言う。もし日本が国後、択捉をソ連に帰属せしめたなら、沖縄をアメリカの領土とすると言った。」

シリアの人々が40人ほど?ロシア大使館前で、残虐な攻撃に反対するデモをしたという報道がされているそうだ。国会前でのTPP反対集会や、TPP違憲訴訟の報道は、一度も読んだ記憶がないのだが。素晴らしき大本営広報部。

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