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2016年10月16日 (日)

トランプを打ち負かすべく、クリントンのために使われているロシア・カード


Finian CUNNINGHAM
2016年10月15日
Strategic Culture Foundation

今週、アメリカのニュース放送局CNNは“大統領選挙に影響を与えるべく”ロシア政府の工作員連中が活動しているという主張を“裏付ける新たな証拠”を“アメリカ当局者”が見つけたと報じた。サブリミナル冷戦脅し戦術で、報道は、モスクワの赤の広場における軍事パレード映像で始まっている。

ところか奇妙にも、オバマ政権やシークレット・サービスや、クリントン選挙運動が主張してきたロシア人コンピューター・ハッカーというこれまでの主張同様、ロシアに対する匿名のアメリカ当局筋による最新の主張にも何の証拠も提示されていない。

この延々と続く裏付けのない言辞の最新版として、ロシア人ハッカーが、クリントン選挙運動に悪影響を及ぼす電子メールを公表するルートとして、ウイキリークス内部告発サイトを利用していると、アメリカ当局者は断言している。

今週、インタビューで、CNNのクリスチャン・アマンポールに、ロシア外務大臣セルゲイ・ラブロフは、ロシア政府の工作員たちが、来月の大統領選挙に影響を与えるために、アメリカのシステムに不法に侵入しているという主張は“ばかげている”と語った。

モスクワは、公式“否定”などして、この主張に箔をつけるつもりはないとラブロフ外務大臣は述べた。外務大臣は、ロシアが、アメリカ司法省に、捜査の基盤となるものを提供するよう要求して約一年になるが、ロシアがハッキングしたというアメリカ政府の主張を裏付けるいかなる証拠も提示されていないとも発言した。

核心は、アメリカ政府が、事実と無関係に、反ロシア言辞を好きなように、しつこく言い続けられるようにするのが狙いであることを強く示唆している。もし事実が何らかの形で議論の中に入り込めば、実体がないアメリカの反ロシア言辞は駄目になる。

これは、クリスチャン・アマンポールが、自分の番組の自己宣伝広告で、自分はしていると吹聴しているように真実を探し求めるのでなく、政府主張の拡声器役でしかないアメリカ・マスコミがいかに機能不全であるかを示している。

オーストラリア人ジャーナリストのジュリアン・アサンジが運営するウイキリークスが、民主党全国委員会とヒラリー・クリントン選挙運動からハッキングした数千通の電子メールを公表したが、これは実に影響力が強く、アメリカ国民の利益にとって非常に大きな意味を持っている。ウイキリークスは、ロシア・ハッカーと共謀しているという主張を否定しており、アサンジは、情報源は民主党全国委員会内部だとさえ示唆している。

一体なぜアメリカ・マスコミは、ウイキリークスの電子メールが警告しているクリントン・スキャンダル深く掘り下げないのかと疑問を呈した共和党大統領候補ドナルド・トランプには一理ある。クリントンが、第一次オバマ政権で、国務長官だった際に、大企業や、外国からの寄付を貰って、政府政策に影響を与えていたとされる - いわゆる“参加するなら支払え”商法問題の類。あるいは、クリントンが湾岸アラブ石油王国諸国経由でロンダリングして、リビアやシリアの過激聖戦戦士を資金と武器で支援していたことなど。

こうした問題は、もしアメリカ・マスコミが、トランプの女性への性的いやがらせとされるものに関する話題にさくのと同じ位に、適切な注意を払うなり、注目するなりしていれば、彼女を不適格とする大スキャンダルになる可能性があるのだ。

クリントンの選挙運動からハッキングされた最近の一群の電子メールから明らかになった重大な話題の一つは、彼女の選挙運動幹部たちが、彼女への有権者による“信頼の欠如”を懸念していることだ。クリントン側による、対トランプ大規模攻撃宣伝や、共和党のライバルに対する、マスコミのあらゆる否定的報道にもかかわらず、マスコミによる世論調査では、まだ決めていない有権者のクリントン不支持率は、頑固に約50パーセントあたりに留まっている。マスコミはほとんど無視してはいるものの、クリントンを巡るスキャンダルの雰囲気は、11月8日に、有権者の多くを彼女への投票から遠ざけるに十分だ。

ウイキリークス電子メールは、彼女が有権者と結びつきそこねていることに、クリントン選挙運動幹部が当惑していることも示している。続いているアメリカ経済停滞の核心である銀行のための彼女のウオール街ロビー活動が、彼女と、多数の肉体労働者やその家族の間の障壁なのだ。多くの人々が、腐敗したアメリカ支配層と見なしているものに対する国民の怒りが、トランプ支持をもたらし、一方、普通のアメリカ人を擁護するという彼女の最近の発言にもかかわらず、クリントンは問題の一部と見なされている。

どちらの大統領候補者も、大多数のアメリカ人を熱中させてはおらず、今回の選挙は、投票者数が、半数もの有権者が投票しようとしなかった前回の大統領選挙を、更に下回る空前の記録となる懸念がある。評論家たちは、投票者数が少なければ、トランプが勝利する可能性が高まると考えている。

この文脈でみると、ロシア人ハッカーと、アメリカ選挙に対するロシアの干渉という主張の狙いが良く理解できる。

かつての冷戦時代同様、アメリカ支配層は、彼らの階級的、地政学的権益に従順でないと見なした連中を誰でも貶めるため“ロシア・カード”を使っているのだ。クリントンは、ずっと前から、国内経済政策の分野であれ、世界中に、アメリカ覇権を広げる上であれ、アメリカ支配階級の権益に最も役立つ、好ましい候補者として選ばれている。

ロシアに関しては、ヨーロッパでのNATO軍拡張への熱烈な支持から、シリアとウクライナにおいてロシアに対抗するより軍国主義的な対応に至るまで、クリントンは、モスクワに対する喧嘩腰を露骨なほど表に出している。対照的に、トランプはNATOとロシアの関係を疑問視している。実際、ワシントンとモスクワのより協力的な関係を主張している。

そこで、クリントンは、アメリカ・パワー・エリートにとってお気に入りの候補者だ。この、あらかじめ決められたアメリカ大統領選挙の結果 - アメリカ民主主義も、もはやこれまで! - 証拠 大企業とペンタゴンによる熱烈な支持表明、彼女のスキャンダルを無視し、有権者の目の前で執拗にトランプを中傷しようとしているマスコミによる大規模キャンペーン。

彼はウソで捏造だと否定している、トランプを悩ませている性的スキャンダルに加えて、もう一つの明らかに不自然な言辞は“同志トランプ”だ。億万長者の実業界の大物が、アメリカ・マスコミでは“プーチンの手先”あるいは“クレムリンのカモ”として広く非難されている。またしても、この主張を裏付ける証拠は全く提示されていない。こうしたものは、トランプが、ウラジーミル・プーチンを称賛して述べた何らかの何気ない発言、NATOに対する明らかな無関心や、彼の側近の一人が、過去、ウクライナの親ロシア派ヤヌーコヴィッチ政権と金融取り引きをしていたとされている(2014年2月のCIAが支援したウクライナでのクーデター以前に)ことに基づいているように見える。

トランプがロシアの“第五列”だという主張は、明らかに、ばかげたものではないにせよ、本質的に、いかなる信憑性にも欠けている。アメリカ支配層が、ロシア人ハッカーという話題を煽ろうとしている理由はこれだ。ロシア政府のハッカーがアメリカの組織に侵入し、大統領選挙に干渉しようとしているという主張に、もしオバマ政権も加わって発言すれば、主張の迫力は更に増す可能性が高く、それにより、トランプには、一層否定的に跳ね返る。

今週、CIA長官ジョン・ブレナンも、プーチンのロシアが、来る大統領選挙を左右することを企んでいると主張して、大合唱に加わった。

有権者が、一種の愛国的義務からトランプを見捨て、クリントン支持に回るようにする必死の努力で、ホワイト・ハウス、マスコミと、国家の安全保障機関による報復として、ロシア・カードが利用されつつあるのだ。クリントンに対する全般的な無関心が彼女の支援者たちの間で大きな懸念となっており、彼女の選挙を危うくするかもしれないと恐れていることを想起されたい。

大統領選挙日が迫るに連れ、トランプを巡って、マスコミがあおりたてている性的スキャンダルに加えて、ロシアがアメリカの政治プロセスに不法侵入しているという主張のエスカレーションも我々は見せられていることが重大だ。

進行中の操作のおまけとして、アメリカの20州が投票装置に対する何らかの電子的妨害を受けたというニュース報道があった。すると、まるでタイミングを見計らったように、CIAのジョン・ブレナンがすぐさま、アメリカの全ての選挙装置は外部からの干渉に対して“安全”だと有権者に請け合った。またしても、ここでの推論は、卑劣なロシア人が古き良きアメリカ民主主義を攻撃しているというものだ。この愛国的義務という雰囲気は、ロシアとロシアの“手先”説に固執し、有権者を大挙して繰り出させることを狙っている。

ブレナンが投票装置は“安全だ”と強調せざるを得ない理由はこれだ。もしロシア・ハッカー恐怖物語を余り強烈に演じすぎれば、有権者は、どの道無駄と考えて、投票所を完全に避けかねない。クリントン支援者は投票者数の少なさを望んではいない。連中は、クリントンを支持する愛国的、対外強硬主義感情を持った投票者の数を増やしたがっている。ロシア人ハッカーを、アメリカの政治プロセスを改ざんしていると非難しながらも、同時に、国民に、投票は安全だと請け合うというブレナンの矛盾は、これで説明がつく。

皮肉ではないだろうか? 世界中で実に多くの国々に干渉し、覆してきたCIAが、今や、そのあらゆる邪悪な能力を、アメリカ人有権者に対して使っているのだ。

「ベッドの下にもアカ」と冷戦ヒステリーの昔同様、ロシア・カードが活用されつつある。

アメリカ支配層が、自国民を支配するため、無謀なまでに冷戦復活と、“敵ロシア”再建に必死になっている事実は、i現在、アメリカには実際には、ほとんど民主主義が存在していないかということの途方もない証拠だ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/10/15/russian-card-played-clinton-ace-trump.html

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記事題名をもじれば、TPP批准を強行するために利用されている、豊洲移転、ボート・レース会場問題。

舛添知事追放報道では、しきりに政治資金支出問題やら、領収書を大本営広報部が大伝した。一方、与党幹部連中の白紙領収書、本気で追求する大本営広報部皆無。

子は親の鏡

属国傀儡支配層の行動と、その大本営広報部の呆導は、宗主国支配層の行動、その大本営広報部の呆導の鏡。

前進座による『たいこどんどん』という芝居を見た。第一の開国?時期の、大店の若旦那と、その太鼓持ちの流浪話。

『たいこどんどん』という猿芝居を見させられている。第三の開国、その実、最後の売国、最後の壊国、大店の三代目若旦那連中と、その太鼓持ち大本営広報部が強行する庶民丸ごとの永久流浪話がこれから始まる。

日本人は某民族とは違い離散させられないが、放射能汚染不沈列島永久属国にふうじこめられる。

江戸末期、明治維新の頃に押しつけられた「不平等条約の改訂に苦労した」と歴史でならった。

TPP批准以降、戦争法案以降、不平等は平等で、戦争は衝突だと教えられる。

アメリカ支配層と、日本の傀儡支配層が、日本国民を支配するため、無謀なまでにTPP推進と、“敵中国”再建に必死になっている事実は、現在、日本には実際には、ほとんど民主主義が存在していないかということの途方もない証拠だ。

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コメント

まー、それでもまだ宗主国の有権者の方が賢い様に見えますね。
この属国の有権者ときたら、ネット民の一部の人だけが政治に関心を示しているに過ぎないという悲しさです。
未だ大半の有権者は政治に無関心な者が多く、在る程度関心のある人でも、大手新聞やテレビの垂れ流す偏った、極めて断片的な報道を社会情勢の全てであると疑わず、間違った価値観の中に埋もれたまま、眠りこけている状態です。

しかし、そうした絶望の中にあって、今回の新潟県知事選挙の結果は、幾分なりとも慰めになりました。
ただ、手放しでは喜べません。
米山という人物は元々、維新の会に席を置いていた人物ですから、本当に改心したかどうか、支援者は逐一チェックする必要があります。
最初が肝心ですから、支援者の方は直ぐにでも新知事に祝辞メールなりを送って、その返事を吟味する事で彼の本心を探るなどの行動は必要ではないかと思います。

ま、取り合えず、負けなくてよかったとは思います。
もし負けていたら、安倍政権を更に勢い付かせる結果になっていたでしょう。
しかし奇跡は起きました。
新潟県民は全国平均よりはレベルが高い事がハッキリしましたから、それだけは収穫だったと思います。
そして、この勝利によって、幾分なりとも安倍を浮き足立たせたのは確かですから、先ずは素直に喜ぶべきでしょうか。
この勢いを東京10区と福岡にも伝播させたいところですね。

ところでまた、国交省の官僚が自殺したそうです。
戦後、特に小泉政権以後、更に絞れば第一次安倍政権の時と、この第二次安倍政権以来の今日まで、官僚やマスコミ関係者の自殺が極端に多い様に思います。
恐らく、大半は自殺に見せかけた他殺でしょうけれど。

こうして1人、また1人と、真の勇気ある人が消されていく異常な国です。
これもまた、国民の無関心が招いた不幸と言えるでしょう。
これまでいかに何十人もの勇気ある官僚や政治家が消されてきたか、何十人もの勇気あるマスコミ関係者が消されてきたことか、大半の国民は全く知らないし、関心すら示さない人の何と多いことでしょう。
本当に異常な国です。

それ程までにこの国の民は劣化してしまったのです。
それは一部の売国奴因子が齎した不幸です。
第一の開国の背景にも、この売国奴因子の存在があり、あの侍隆盛の時代ですら、金銭や出世欲の為には外国の得体の知れない者に魂を売る恥じ知らずな人間が居たということです。
それが現代に至っては、更にエスカレートしており、遂にこの国は終焉の時を迎えてしまったという訳です。
とても残念です。

この17日と18日でTPP審議は完結だそうです。前回と併せて、たった40時間で審議できる様な内容ではないのに、無茶苦茶です。
TPP関連法案は200もの国内法改変を一絡げにして一括で可決しようという暴挙であるにも拘わらす、未だ大半の国民はTPP自体の存在すら知らないのであります。
国会議員ですら、TPPを正しく理解している人は数える程しか居ないという現実。
安保や原発の事には理解を示す人も、TPPは「経済を再生する為に、また国の将来の為に必要」との認識の様です。

そういう人たちはTPPについて何も自分で調べておらず、政府の言う事を鵜呑みにして、またはマスコミの報道だけを頼りに、勝手な思い込みや印象だけで勝手なTPP像を自身の中に創り上げてしまっている頭の固い連中なのでありましょう。
或は単に利権や自身の地位にしがみつきたい、という愚か者なのかもしれません。

私からみれば本当に不思議でなりません。
彼ら自身も、TPPでは多大な被害を被る側だというのに。
彼らには、国を失うという事がどういう事なのかが解っていないのでしょう。
国を失い、社会が崩壊したら、金銭的価値も社会的地位も、なにもかも何の意味も無くなってしまうという事に気づいてほしいものです。


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