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2016年9月21日 (水)

ロシアは降伏するだろうか?

Paul Craig Roberts
2016年9月19日

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実現するために、ロシアが大きな犠牲を払った停戦合意が、既知のシリア軍陣地に対する、アメリカ政府による意図的攻撃によって、挫折させられて、アメリカ政府や、その属国との紛争を避けながら、ヨーロッパへのシリア人と、更なる膨大な難民の流入による混乱を防ぐための、ロシア政府の真摯で、入念な努力は水泡と帰した。

この事実に対する、オバマ政権国連大使サマンサ・パワーの対応で、アメリカ政府がイラクとリビアを陥れた混乱と同じものに、シリアを陥れるという狙いを実現するためには、アメリカ政府は徹底的にウソをつくことが明らかになった。アメリカ政府に、もっぱらアメリカ政府にこそ、シリアにおける戦争に責任がある。イギリス議会とロシア政府が、オバマが意図していた、アメリカによるシリア侵略を阻止すると、オバマ政権は、シリアを侵略するため、聖戦主義者の傭兵に武器を与え、資金を供与し、聖戦士連中が、シリア反政府派シリアにおける民主主義のために戦っているふりをした。サマンサ・パワーは歴史をひっくり返し、戦争を、アメリカ政府がシリアを不安定化するために送り込んだISIL聖戦士と戦うという、シリア政府の依頼に応えた、ロシアによる介入のせいにしている。サマンサが言っているのは、もしロシアがシリア支援に来ていなかったら、アメリカ政府とISILが、とっくにシリアを破壊して、戦争は終わっていただろうということだ。
http://www.informationclearinghouse.info/article45501.htm

ロシア国連大使のヴィタリー・チュルキンは、自分の40年間の外交官経験で、サマンサの振る舞いほど傲慢で、扇動的な ものは見たことがないと述べた。チュルキンは、既知の事実に対するサマンサの、これほど非現実的で歪んだ対応で、いかなる実のある外交的結果も期待できなくなったと言っているようだ。http://www.informationclearinghouse.info/article45502.htm

シリアにおける政治的安定性を破壊し、混乱に置き換えると、アメリカ政府が堅く決めているという結論に、もしロシア政府が、ようやく達したとすれば、何とも長い時間がかかったものだ。

外交が無効であることが明らかになれば、力と力の対決しかなくなるので、ロシア政府は、この結論を懸命に避けてきた。現在の文脈では、これは、熱核戦争と 地球上の生命の終焉を意味する。

これこそが、アメリカ政府による威圧的挑発に対し、対立ではなく、協力を申し出て、ロシア政府が外交的に対応してきた理由だ。

ところが、アメリカ政府は紛争を望んでいるのだ。ロシアは、テロとの戦いで、アメリカ政府が、ロシアと共通の関心を持っているようなふりをしてきたが、テロは、シリア、次にイラン、更には、ロシア連邦や中国のイスラム教の州を不安定化させるためのアメリカ政府の手段だ。

アメリカ政府は、協力ではなく、覇権を望んでいる。サマンサ・パワーが、これを赤裸々に明らかにした以上、ロシア政府は、もはやそうでないふりをし続けるわけにゆかない。ロシア (と中国)は一体どうするのだろう?

もしロシアと中国が、アメリカが両国にもたらそうとしている戦争に対する準備ができていない場合、攻撃に直面して、力を結集しながらも、シリア、ウクライナのロシア派分離州や、太平洋の様々な紛争中の島嶼問題を犠牲にして、両国は撤退するのだろうか? それとも両国は、アメリカ政府のヨーロッパ傀儡に対し、戦争の代償をはっきりさせて、NATO同盟を分解することを決心するだろうか? ロシアと中国に対する、アメリカ政府の攻撃で、ヨーロッパが得るものは、明らかに皆無なのだ。

それとも、ロシアは、外交が行き詰まっていることが証明された以上、何もできないのだろうか?

おそらく、これは最も重要な疑問だ。ロシア政府の一員でない人間として言えるのは、ロシアは、必ずしも完全に、その運命を支配できているわけではないということだ。“汎大西洋統合主義者として知られているロシア政府内の分子は、ロシアにとっては、欧米の一部となり、欧米体制に統合されることの方が、主権国家でいるより重要だと考えている。もし、イギリス、ドイツや、フランスのような旧列強が、アメリカ傀儡となることで、恩恵を得られているなら、ロシアも恩恵を得られるはずだと連中は主張する。

汎大西洋統合主義者連中は、ロシアの戦略的核能力と、広大な領土ゆえ、ロシアは、ある程度の主権を維持することができ、属国として部分的に服従するだけだと主張している。この立場の一つの問題点は、ネオコンが、完全な覇権でないものに満足して、完全な覇権を実現するために、ロシアの弱体化した立場につけ込もうとしないのを想定していることだ。

おそらくロシア政府は、少なくともヨーロッパ諸国政府の一部が、戦争を避け、NATOを離脱する責任を認識し、アメリカ政府の侵略に対する政治的な隠れ蓑をはぎ取るという希望を依然抱いている。多少はそうした可能性もあろうが、主要なヨーロッパ政治家連中は、アメリカ政府に買収され、雇われている。あるアメリカ政府高官が、1970年という昔に、私にこう言った。“連中は我々の手駒だ。連中は我々の一員だ。”

ヨーロッパのマスコミには多くは期待できない。ドイツの新聞フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥンク元編集者ウド・ウルフコッテは、あらゆる著名ヨーロッパ人ジャーナリストは、CIAに雇われているという本を書いた。http://www.zerohedge.com/news/2016-03-28/top-german-journalist-admits-mainstream-media-completely-fake-we-all-lie-cia

政治家もマスコミも買収されている中、どこからヨーロッパ指導部が現れられよう?

ヨーロッパ人は、雇われ傀儡役に馴れきっている。反乱が成功すると考えるヨーロッパ人政治家も新聞編集者も皆無で、連中は人類のために危険を冒すより、アメリカからのお手当てで豊かになった暮らしを享受する可能性が高い。

重要な疑問は、既存の社会-政治-経済体制が、人類のためになるよう機能しうるのかどうかだ。価値判断の基準が金次第なので、強欲と権力が極めて強力な要素になってしまうため、資本主義文明が、人道的なものであり得るかどうかは明らかではない。人間の悪と無能が、地球環境のみならず、人道的な社会制度をも破壊する可能性がある。グローバリズムは、協力のための構想ではない。アメリカによる支配のためのワシントンの構想だ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

寄付のページはこちら

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/09/19/will-russia-surrender-paul-craig-roberts/
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産経ニュースの見出しにこうある。
安倍晋三首相とヒラリー氏が会談 日米同盟の強化で一致 TPPでは意見分かれる

TPPは、協力のための構想ではない。アメリカ大企業による支配のためのワシントンの構想だ。

ウド・ウルフコッテ氏と著書に関しては、いくつか記事を訳してある。たとえば下記。テレビの報道番組で一度に三人、まっとうな発言をする人々が消えたのと同根。

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