帝国の亀裂
Paul Craig Roberts
2016年8月4日
フランスやドイツでの色々なテロ事件は一体何か不思議に思っておられるなら、答えはこれだ。http://www.strategic-culture.org/news/2016/08/01/french-mps-visit-crimea-suggesting-early-end-sanctions.html
アメリカは、帝国の仲間でありつづける為の経費をつりあげすきたのだ。フランスやドイツのような属国は、ロシアに対して独自の政策をとりはじめた。帝国に亀裂が入りつつあるのを見たアメリカは、テロで属国をアメリカに縛りつけておくことに決めたのだ。フランスとドイツでおきた攻撃は、グラディオ作戦である可能性が極めて高い。
アメリカ政府によって、ヨーロッパ全ての国に押しつけられているアメリカ政府の対ロシア政策は、ネオコンとして知られているごく少数のアメリカ人理論家以外、誰のためにもならない。ネオコンはアメリカ覇権のためなら、喜んで地球を破壊する狂った精神病質者連中だ。
フランスの国民議会と元老院の議員代表団は、7月28日のロシア海軍記念日に出席するため、クリミアを訪問した。代表団団長ティエリ・マリアーニは、クリミア議会で演説し、フランスがアメリカの違法な対ロシア経済制裁支持を継続する理由は皆無だと述べた。
Strategic Culture Foundationが報道しているように、これは“ヨーロッパで起きつつある傾向の一環だ”
“6月8日、フランス元老院は、ヨーロッパ中で、懲罰的措置への反対が高まる中、政府に、対ロシア経済制裁を漸次緩和する要求を圧倒的多数で可決した。フランス国民議会は、4月末に、経済制裁解除賛成投票をした。”
以下を参照: https://www.rt.com/news/345898-french-senate-lifting-sanctions/
イタリア、ベルギーやキプロスの政治家も同じ方針をとっている。ギリシャやハンガリーの政治家たちも経済制裁に疑問を抱いている。
ドナルド・トランプもそうしており、それこそが、従順なアメリカ・マスコミが、彼を「受け入れられない」ように追い込んで、選挙戦から排除しようとしている理由だ。
民主党ウェブサイトは、トランプは決して候補指名を獲得するつもりはなかったというウワサを広めている。彼の狙いは二位になることだった。彼の選挙活動は、彼の事業を推進するため、知名度をあげる狙いでしかなかった。ところが彼と顧問たちは、有権者の既成支配政党に対する不満を誤算して、トランプは勝利してしまったというのだ。
トランプは、戦争英雄のイスラム教徒家族や、女性を中絶で批判して、大反対されて、撤退できるようにし、支配している寡頭制支配者連中や売女マスコミへの訴求という点で、ヒトラリーに拮抗できる候補者を共和党全国委員会が選べるようにしようとしているのだと民主党ウェブサイトは主張している。
アメリカの退廃度合いを考えれば、これは本当かも知れない。
だが、とりあえずは、そういう説は疑って、トランプと支持者を攻撃する取り組みだと考えるべきだ。アメリカを支配している悪は、何があっても、ホワイト・ハウスには自分の召し使いを押し込むつもりで、召し使いとはヒトラリーだ。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/
記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/08/04/fissures-in-the-empire-paul-craig-roberts/
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ヒラリーの宣伝文句に『ガラスの天井』がある。組織内で女性の昇進を妨げる、見えないが打ち破れない障壁を意味するもののようだ。それを私は乗り越えるというのだろうか?ネオコン走狗が出世するのは、宗主国も属国も同じ。大臣も知事も。
民進党代表選候補が『ガラスの天井』を口にするのには違和感を感じる。
孫崎享氏のメルマガ題名「蓮舫、選挙で共闘するのか否か。綱引きの中、混沌。国民の大多数が主唱する点を盛り込んだ合意土台に野党共闘をするのかしないのか。ぐらついている。」
『ガラスの天井』より、『野党共闘』が気になる。
『ガラスの天井』で思い出した。
男性中心の時代に筆一本で生きようとした樋口一葉を描いた芝居『頭痛肩こり樋口一葉』三年ぶりに上演中。
一葉が使った井戸や質屋は以前見学した。そのうち記念館にも行ってみよう。
幽霊の花蛍、自分を死に追いやった恨みの相手を探し出して、恨みをはらそうとするのだが、みつけた相手の背後には更に別のやむに已まれぬ事情がある。次の相手の背後には、またやむにやまれぬ事情が‥と無限に追い続ける羽目に。最後に皇后にたどり着くが、その皇后も列強に追いつけ追い越せで悩んでいる天皇から‥。因果は巡る水車。
笑いながら、考えさせられる、いつもの井上流芝居。
中東や、ヨーロッパにおける恨みの連鎖をふと連想。
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