蒼ざめた馬を見よ。これに乗るものの名は死。黄泉これに従う。
Paul Craig Roberts
2016年8月5日
オバマが、イラクとシリアにおけるISILの状況に関するアメリカ政府説明をするのを聞いたばかりだ。
オバマの説明では、アメリカ政府は、イラクでISILを打倒しているが、ロシアとアサドは、シリアでシリア国民を打倒している。オバマはロシアとシリアの政府を非難したが、同様に残虐だといって、ISIL非難はしなかった。メッセージは明らかだった。アメリカ政府は、いまだに、アサドを打倒し、シリアを、かつては安定し繁栄していた国々だったのに、今や絶えず戦争が荒れ狂っている、もう一つのリビアや、もう一つのイラクに変えようとしているのだ
ウソをつき、エセの現実を作り出すアメリカ大統領を見ていると気分が悪くなるので、テレビを消した。あれは記者会見だったと思うが、意味ある質問がなかったのは確実だ。
もしヘレン・トーマスが依然あの場にいれば、彼女なら、最高ウソつき指揮官に、イラクで、アメリカ政策の何がまずかったのか質問しただろう。三週間なり、六週間なりで、イラクに“自由と民主主義”をもたらす金のかからない“朝飯前の”戦争という約束だったのだ。一体どうして、それが、13年後、イラクは戦争と破壊の地獄なのだろう?
“自由と民主主義”と“朝飯前”に、一体何が起きたのですか?
売女マスコミの誰一人、オバマに、この質問をしなかったことだけは確実だ。
ロシアとシリアは、数カ月で、シリアの大半の部分からISILを追い出せたのに、アメリカが、イラクからISILを追い出すのに、数年間奮闘しているのは一体なぜかとは、誰も最高ウソつき指揮官に質問しなかった。アメリカ政府が、イラクからISILを追い出したがらなかったのは、アメリカ政府は、アサドをシリアから追い出すためにISILを利用するつもりだったという可能性はありうるだろうか?
そもそも、アメリカ政府は、一体なぜ、ISILをシリアとイラクに送り込んだのか、あるいは、一体なぜ、シリアとロシアが、ISILの補給廠で、アメリカ兵器を発見し続けているのか、あるいは、アメリカの同盟諸国は、一体なぜ、ISILがイラクから盗んでいる石油を購入して、ISILに資金供給しているのかは、誰も最高ウソつき指揮官に質問しなかった。
ISILというのは、アメリカ政府が、リビアでカダフィを打倒するために組織し、イギリス議会が、アメリカ政府のシリア侵略への参加を拒否し、ロシアがそれを止めた際、アサドを打倒するためにシリアに送り込んだ傭兵に端を発するものように見える。
中東における、あらゆる暴力、無数の命を奪い、今やアメリカのヨーロッパNATO傀儡諸国にあふれている何百万人もの戦争難民を生み出した暴力は、ISILや、アサドや、ロシアの責任ではなく、100パーセント、アメリカ政府の責任なのだ。アメリカが、アメリカだけが悪いのだ。
アメリカ政府が、この暴力を生み出したのだ。問うべき質問はどうなったのだろう。“大統領、アメリカ政府が、15年間のこの膨大な継続中の暴力を中東にもたらしておいて、我々にそれが他の誰かの責任だと、我々に信じろと言われるのですか?”
もしヘレン・トーマスがあそこにいれば、当を得た質問をしていただろう。しかし、アメリカ・マスコミ集団を構成する日和見連中は、アメリカ政府が紡ぎだすエセ現実を、質問もせずに受け入れて認めるだけの単なる聴衆なのだ。
一方、モスクワと北京はメッセージを理解した。ワシントンは戦争を意図している。戦争で勝つ以外には、アメリカ政府が服従させることができない二つの国に対する戦争に向けて、無頓着な欧米の人々を備えさせるのが、ワシントンのウソの狙いだ。
アメリカ政府に忠実に隷属して、ヨーロッパは死と破壊を世界にもたらしている。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/
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記事題名は、ヨハネ黙示録第6章8節の句。
五木寛之が1967年に著した小説『蒼ざめた馬を見よ』を思い出した。
アメリカ政府に忠実に隷属して、日本も死と破壊を世界にもたらしている。
■■■ 日刊IWJガイド・ウィークエンド版「IWJスタッフが再び高江入り!約1,000人が集まった抗議集会を現地から中継!/復刻版『TALK ABOUT DEMOCRACY』Tシャツ、大好評発売中!ぜひ、お買い求めください!『改憲への危機感』に関する寄稿も引き続き募集中!/内閣改造、小池百合子新都知事就任会見、『脱原発テント』会見・・・今週もIWJは全力投球!」2016.8.6日号~No.1422号~ ■■■
(2016.8.6 8時00分)おはようございます。IWJで主にテキスト関係の業務を担当している平山と申します。
沖縄県東村(ひがしそん)・高江が、再び緊張感に包まれています。今日8月6日にも、米軍のヘリパッド建設に反対する市民が座り込みを行うために設置したテントが、防衛省沖縄防衛局によって強制撤去されるのではないかと言われています。
IWJでは、7月末に続き、東京から記者とカメラマンを派遣しました。IWJの原佑介記者と阿部洋地カメラマン、さらに、「IWJ中継市民京都」としてこれまで関西地方のデモや集会を数多く中継してくださった北野ゆりさん、そして「IWJ中継市民沖縄」のKEN子さんの4人体制で、現地での取材を行っています。
現場の様子は、ツイキャスのIWJ_OKINAWA1とIWJ_OKINAWA2の2チャンネルで中継しつつ、TwitterのIWJエリアCh1で写真入りのレポートを随時アップしています。ぜひ、以下のURLよりご覧ください。
※ツイキャスIWJ_OKINAWA1:http://twitcasting.tv/iwj_okinawa1
※ツイキャスIWJ_OKINAWA2:http://twitcasting.tv/iwj_okinawa2
※Twitter・IWJエリアCh1:https://twitter.com/IWJ_AreaCh1
昨日は、高江N1ゲート裏で、ヘリパッド建設に抗議する市民約1,000人が集まり、集会を開催。社民党の福島みずほ参議院議員や日本共産党の赤嶺政賢衆議院議員らが駆け付け、市民らを激励するとともに、「ヘリパッド建設を許してはならない」と抗議の声をあげました。
※集会で挨拶する社民党の福島みずほ参議院議員
https://twitter.com/IWJ_AreaCh1/status/761504205525757953IWJでは明日以降も、高江現地で精力的に取材を行い、ツイキャスやTwitterでリアルタイムに情報発信をしつつ、IWJのウェブサイトにレポート記事を随時掲載してゆく予定ですので、どうぞご注目ください!
ここで、改めてお願いがございます。IWJの定額会員にご新規にご登録いただき、IWJの活動をお支えいただけないでしょうか。また、以前会員だったが、ここのところ御無沙汰になってしまっているという方々、ぜひ、この日本の大きな転換点に際して、既存大手メディアが伝えない情報をお伝えするIWJを、もう一度、会員となって支えていただけないでしょうか。
高江の取材に関しては、言うまでもなく、3人も人を出しているので、交通費や宿泊費など、多くの経費がかかっています。Wi-Fiも新たに契約して回線を増やしました。それでも岩上さんは、今回の日本政府によるヘリパッド建設強行は、米国の顔色のみをうかがい、市民による抗議の声を無視するものとして問題視し、東京や京都からスタッフを派遣することを決断しました。
NHKを中心に、既存大手メディアが、市民が本当に必要とする情報を報じない今、大企業による広告料に依存しない独立系メディアであるIWJに課せられた使命は、ますます大きくなっていると自負しています。
IWJではこれまで、日米関係を中心に、原発、TPP、安保法制、歴史認識、憲法改正、ヘイトスピーチ問題、中東情勢、特定秘密保護法、消費税増税、地球温暖化問題、子宮頸がんワクチンの副反応被害などなど、非常に幅広い分野にわたる政治的トピックを扱ってきました。
「市民のために、市民の皆さんの協力を得て、市民の声と真実を届けたい」――。IWJのスタッフは、皆、このような思いでカメラを回し、Ustreamやツイキャスでインターネット中継をし、原稿を執筆し、動画や記事を編集し、ウェブにアップしたり、配信したり、アーカイブ化をコツコツ行っています。
政府や既存メディアによって隠されている事実や真実がある限り、伝えなければならない情報がこの世にある限り、市民の皆さんが声をあげ続ける限り、事実を、真実を、市民のその声を多くの方々に届けるため、IWJは活動を継続させてゆきたいと思っています。
IWJの会員数は、8月4日(木)の時点で、6,025名様となっています。会員にご登録いただいた皆様、誠にありがとうございました。
しかしながら、IWJの現在の活動規模を維持するためには、会員が少なくとも8,000人台にまで届かないと、収支がトントンになりません。IWJが赤字の危機にさらされながら、それでも、これまで活動を維持し続けられたのは、ひとつには、創設者でオーナーであり、代表でもある岩上さんが、自宅を担保に入れ、私財を投げ出してきたからであり、さらに、会費とは別途、多くの皆さまから、ご寄付・カンパによるご支援をいただくことができたおかげです。カンパをいただけなければ、IWJは大赤字となり、岩上さんは破産をしていたことは間違いありません。
どうぞ、市民による市民のためのメディアとして、これからもIWJをお支えいただけますよう、ご寄付・カンパもよろしくお願い申し上げます!今後も、7,000名、8,000名、そして10,000名へと会員を増やせるよう、IWJスタッフ一同精進してゆきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
※IWJ定額会員へのご登録はこちらから
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コメント
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五木寛之のファンて そんなに素敵なことでしょうか? 私は五木がこのような事態にいたった日本に対して、一切口をつぐんでいることに 大変失望していますし、ああやっぱり 体制派の一員であったのだと 納得もしています。彼は満州で敗戦を迎えた 引き揚げ者の一人です。生き残った者として、満州の地に散った同胞に 思いを寄せることはないのでしょうか? 侵略者として中国に渡った 日本人の一人として 中国と2度と戦火を交えてはいけないと 思わないのでしょうか? アメリカの中国包囲網の片棒を担いで、マスコミを総動員して 反中国へと日本人を駆り立てようとしている今、五木はなぜ声を上げようとしないのでしょうか? 彼のような作家は、自民党員のアイドルとなるのは 何も不思議ではありません。
投稿: nobara | 2016年8月 8日 (月) 07時58分
私はホンの5年前まで、自分自身が蒼ざめた馬に乗せられている事を知りませんでした。
政治に無関心でも無関係では居られない事に気づいたのは、TPPに関する情報が、これまで常識として認識していた社会構造とは大きく乖離しているものである事を知ったからでした。
しかし多くの日本国民は未だ自覚が無い為、全く無関心で、在る意味、無知なるが故に幸福なのかもしれません。
勿論、誰も好き好んで自らの意志で蒼ざめた馬に乗った訳ではありません。生まれた時から乗せられていたのです。しかし誰も知らないのです。
政治そのものが蒼ざめた馬に乗っている状態だから、必然的に乗せられているに過ぎません。
大半の政治家も、その馬に乗る、つまり知らずの内に首を突っ込んでしまっているのだと思います。
これはもう、根が深過ぎて、全貌を知る人など居ないでしょうし、把握できるものでもありません。
私なども、これまでに判明している部分だけで語っているに過ぎません。
ネオコン、国際金融財閥、CFR、経団連、電通、日本会議とカルト宗教、これらと政治を繋いできた朝鮮人フィクサー、ヤクザ、CIA、これらの組織が何処でどのように絡んでいるのか、全てを把握するのは不可能です。
そこがまた奴等の狙いで、その複雑さ自体が隠れ蓑として機能している訳です。
そうしたものは一般には陰謀と認識され、これらについて語るならば、それは陰謀論として一蹴されてしまう訳です。
だから尚更、世間一般は思考停止状態に陥り、政治に目を向ける事が寧ろ異様な事であるかの様な風潮を当たり前に思ってきたのかもしれません。
それにしても政治家の人たち、特に創価や統一、日本会議に属している議員は、多くは恐らく気づいた時には抜け出せない状況に陥っていたのだと思います。
それで稲田朋美の様に、野党の時には「TPP反対」を掲げながら、与党になった途端に「TPP推進」に掌を反すという愚行に出るのだと思います。
安倍晋三に至っては言うまでもなく筋金入りで、奴は生まれた時から黒い世界にどっぷりと浸かってきた悪人です。これは奴がサイコパスになった背景でもあるでしょう。
小池婆も安倍とよく似た人間で、分厚い壁土で作った仮面の下には悪魔が潜み、やはり同じくサイコパスです。
黒い政治の世界はサイコパスでなければ勤まらないからです。
ところがそんな自民党内にも1人だけ違和感な政治家が居て、彼はなんと五木寛之氏の愛読者の様です。(命が狙われる危険性から名前は出せませんが)
入閣を拒んだのも、安倍政治に嫌気が差しての事かもしれませんね。
投稿: びいとるさいとう | 2016年8月 6日 (土) 14時14分