ロシア人を殺す - 元CIA副長官、アメリカの二枚舌を明確化

Finian CUNNINGHAM
2016年8月14日
Strategic Culture Foundation
皮肉な意味で、マイケル・J モレル元CIA副長官には感謝すべきなのだ。シリア紛争に対する犯罪的な秘密の関与を巡る、アメリカのこれまでの欺瞞政策の実態が、とうとう公式に明確になったのだ。彼はアメリカの政策はロシア軍人を殺すことだと言うのだ。ためらうことなく、つべこべいわず。連中を殺せ。
先週、CBSでのインタビューの際、モレルは背筋の凍るような提案をした。
政権転覆の為、約6年間、欧米が支援してきたシリアでの死と破壊にもかかわらず、アメリカ政府は、アラブの国で“テロと戦っている”と主張して済ませている。
アメリカの犯罪性についてのモレルの率直な告白が、適切にも、アメリカTVのゴールデン・アワーに放送されたことも、お考え願いたい。
モレルの殺人株式会社策謀を巡って、欧米マスコミや大衆の間で、すぐさま憤激が起きなかったことが、まさに、欧米の道徳的、法的水準が一体どれほど劣化しているかを示している。おそらく、中東、中央アジア、北アフリカや中南米で、犯罪的戦争を行う欧米政府の、何十年もの残虐行為や無法さに慣れてしまったためだろう。
モレルが、CBSで、チャーリー・ローズに、シリアでのアメリカ政策は、今後、ロシアとイランの軍隊の暗殺であるべきだと言った際、特に情報公開のために、そう言ったわけでなかったのは確実だ。それより、元CIA副長官は、彼女が11月の大統領選挙で選ばれた場合にそなえ、クリントン政権で閣僚になりたくて売り込みをしていた可能性が高いように見える。褒美に対するモレルの野望が判断を鈍らせたように見え、元CIA副長官の変人は、ひたすらマッチョに聞こえるよう、最善を尽くそうとしていた。
CBSインタビュー前日、モレルは、ニューヨーク・タイムズに、ヒラリー・クリントンは全軍最高司令官になる候補者として、最もふさわしいとほめ讃える追従的論説記事を書いていた。彼女が明言した、シリア戦争へのより積極的なアメリカの介入という希望も、彼は支持していた。
両国のシリアへの介入に対し、ロシアとイランに“報いを受けさせる”という呼びかけのマッチョなモレルの、CBSでの演技は、明らかに、クリントンに任命されるべく応募のための宣伝を狙ったものだ。
ところが、そのあさましい利己的動機を越えて、モレルは、シリアにおける、アメリカの関与とは一体何かを、国民に暴露する役目を、はからずも果たした。
彼の率直な発言には、一つの結論しかない。アメリカは、シリアで、公然と、テロリスト側に付き、武器を供与し、戦士に、ロシア人を殺すよう指示する用意があるということだ。要するに、アメリカはテロリスト側なのだ。
シリア紛争を見てきた多くの人々にとって、これは新事実ではない。2011年3月に紛争が始まって以来、情報に通じた観測筋は、バッシャール・アル・アサド大統領と、彼の政府に対する政権転覆のための闇の戦争用に、アメリカと、NATOと、地域の同盟諸国が、シリアに傭兵集団を侵入させていることを知っていた。
反政府戦士は“穏健反政府派”と“過激派”に別れて競っているという欧米の作り事の説明にもかかわらず、アメリカ政府と同盟諸国が、秘密裏に無差別に、ありとあらゆる違法武装集団、つまりテロリストを支援し、闇の戦争をしかけていることが分かっている。
アメリカ政府は、ヌスラ戦線(ファタハ・アル-シャムと改名)や「イスラム国」のような国際的に非合法化された集団を打破するという任務を宣言し、見せかけの“対テロ戦争”によって、テロリストとの繋がりを隠蔽してきた。つまりアメリカ政府は、アサド政府に反対する“穏健反政府派”を支援していると主張しながら、どうやら“テロリスト”を攻撃するために戦闘機も飛ばしていた。だが、2014年9月に始まったこうした攻撃は、テロ部隊の標的とされるものに、ほとんど損傷を与えてはいなかったのは明らかだ。
とはいえ、狙った効果として、アメリカ政府の二枚舌政策が、好都合な隠れ蓑になった。これが、アメリカ政府がテロリストと戦っていると主張することを可能にし、それゆえ、外観上“正当な”反政府派の側に立ちながら、そのような集団とのいかなる内密のつながりも否定していた。
シリア国民にとって、この欧米の穏健派とテロリストという二分法は滑稽なでっちあげだ。反政府部隊は死のカルト・イデオロギーを奉じる過激派によって支配されている。欧米政府が擁護する、いわゆる自由シリア軍でさえ、死のカルト傭兵と完全に合体して、幼い子どもを含め、犠牲者の首を切っている。
昨年10月、ウラジーミル・プーチン大統領によって、ロシア軍が、シリア参戦を命じられてから、へたな芝居は、劇的に崩壊し始めた。主権あるシリア国家と、そのシリア・アラブ軍を支援して、ロシア軍は5年間の戦争を、完全にひっくり返したのだ。
アメリカの政治・軍事指導部は、最近、シリアでの過激派の多大な損失を、まるで自分たちが、それに何か関係しているかのように言いふらしているが、ロシア軍が様々なテロ旅団が究極的敗北に直面するという現在の状況を生み出したというのが事実だ。
シリア軍と同盟国ロシアによる、アレッポ奪回の戦いが、紛争の本質に関する薄汚れた真実をさらけだした。反政府戦士は、北部の都市で追い詰められ、最後の戦いに直面している可能性が極めて高い。この決戦で、“穏健派”は全く姿が見えない。欧米が支援する“反政府派のテロリスト部隊が、完全に、反駁できない形で晒されている。
シリアとロシアの軍が、東アレッポに潜むテロリスト旅団への包囲網を狭めるなか、欧米マスコミが、残虐行為とされるものを“反政府”側から報道していることが多くを物語っている。特に、CNN、BBCと、フランス 24は、どう見ても“反政府派”が提供したビデオ映像を放映した。もしあったにせよ、欧米マスコミが、シリア政府側から報道することはまれだ。
そうすることで、とうとう欧米マスコミは、その正体をさらけ出している。連中はテロ集団の陣地から報じており、アレッポで主要なものは、ヌスラ戦線(ファタハ・アル-シャム)だ。おそらく、うっかりしてだろうが、シリア紛争で、欧米の忠誠心は一体、誰にあるかという注目すべき告白なのだ。
マイケル・モレルによる、ロシア軍暗殺の呼びかけは、欧米政策のもう一つの画期的な暴露だ。戦争犯罪を認めるという重大な法的問題は別として、モレルははっきりとこう言っているのだ。アメリカが支援するテロリストは敗北しつつあり、我々はこれに関し、彼らに更に武器を与え、彼らにロシア軍人を殺害するよう命令し、何か劇的なことをする必要がある。
わずか数週間前、アメリカ国務長官ジョン・ケリーが、名目上、オバマ大統領からの、アメリカとロシア軍が、シリアで対テロ共同戦闘戦線を作るという、プーチン宛ての提案を携えて、モスクワを訪問した。アメリカが、何カ月も、テロリストの位置情報をロシアと共有したり、ワシントンが、どの集団をテロリストと見なし、ワシントンが、どれを“穏健派”と見なすかを明確にする手助けしたりすることさえ拒否してきたた後でだ。
ケリー“提案”は、シリアの同盟者を裏切るよう、モスクワを誘い込むための策略だったに過ぎない。モスクワは、アメリカの馬鹿げた二枚舌には乗らなかった。そして、モスクワの懐疑が正しいことが実証された。
元CIA副長官マイケル・モレルは、今や実質的に、ずっと延び延びになっていた明確化をしてくれているのだ。シリアで、ワシントンは、テロリスト側についている。ロシアがアメリカの政権転覆用テロ部隊に対して負わせた戦略的敗北に大いに不満で、ワシントンは、ロシアと戦争をすることを考えているのだ。
過去5年間、シリアにおけるアメリカの欺瞞と二枚舌にうんざりしている人々にとって、モレルがアメリカ政府が是認する殺人をはっきりと認めたのは歓迎すべき確認だ。
暴露は、とりわけ、うってつけだ。モレルは、2010年から2013年まで、CIAに勤務し、彼女が国務長官の時代に、シリア政策で、ヒラリー・クリントンと密接に働いていた。だから、彼が最近、国が認めるテロ支持を、公的に明らかにしたのは、アメリカのひそかな通常業務以外の何ものでもない。
シリアとロシアは、アレッポのテロリスト残滓を、今後三カ月間で殲滅する必要がある。もしクリントンが大統領になれば、モレルのような殺人株式会社の連中が閣僚となり、シリア紛争がロシアとの全面戦争へとエスカレートする可能性が非常に高いのだから。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/08/14/killing-russians-ex-cia-chief-clarifies-us-duplicity.html
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救急車の席に座る血だらけの中の男の子の映像、海岸に打ち上げられた男の子の写真を思い出した。前者、シリア・ロシア軍のアレッポ空爆による被害者だという。
この記事の指摘にある通り、メディアは、反政府派=アメリカ側に立っている。
Paul Craig Roberts氏の最新記事、まさにこの男の子が話題。
アレッポのイメージキャラクター
宗主国巨大資本の庶民攻撃、必ずしも流血を伴うわけではない。究極の売国行為、TPP。
メディアは、宗主国・属国巨大資本の側に立っている。
植草一秀の『知られざる真実』2016年8月19日 (金)
TPP批准阻止に主権者の大規模行動不可欠
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