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2016年8月15日 (月)

トルコ: クーデター未遂か、中東 - 世界でのパラダイム・シフトか?

Peter Koenig
Global Research
2016年8月7日

トルコの軍事クーデター未遂に関する理論や憶測は賑やかで、失敗したCIAクーデターから始まり、エルドアンの大敵で、現在アメリカのペンシルバニア州に暮らす自分から亡命した宗教指導者フェトフッラー・ギュレンに触発されたもの、CIA-ギュレン両方の組み合わせ、エルドアンと彼の親密な軍隊内の同盟者による意図的に失敗させた自作自演クーデター - 更に多くの他の、あるいは様々な陰謀の組み合わせまで様々だ。昔ながらの命題Cui Bono(誰の利益になるのか)の出番だ。

現時点ではエルドアンが最大の勝者に見える。彼は国民の支持を回復し、彼の敵、超大金持ちの説教師ギュレンやアメリカ政府を、クーデター主導者として非難することができ、ロシアとの新同盟や、バッシャール・アル・アサドとの友好復活を追求できるのだ。

ことはそれほど単純だろうか? 子細に見ると、CIA-モサド-MI6クーデターの失敗というのが、おそらく最も現実的シナリオである可能性が高い。

無謀で準備不足のクーデターを崩壊させる上で、ロシアは極めて重要な役割を演じたように見える。

(http://themillenniumreport.com/2016/07/bombshell-expose-the-u-s-military-used-incilirk-air-base-to-stage-failed-coup-in-turkey/#more-32420).

アメリカ政府と、そのヨーロッパのNATO同盟諸国は、 世界覇実現の追求で、益々大胆になっている。自分たちには誰も触れられないという傲慢さは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領には効果がなかった。

2015年11月24日、シリア-トルコ国境付近でのロシアのスホイSu-24M戦闘機撃墜を思い起こそう。アメリカとイギリス空軍も使用し、アメリカが無数の戦闘機と戦闘ヘリコプターに加え、約5,000人の兵員を駐留させているトルコのインジルリク空軍基地を離陸したアメリカ製トルコ空軍F-16戦闘機二機に、この戦闘機は追跡されていた。

二機のパイロットは(間接的に)アメリカ諜報機関のために働いていたのだろうか? [ロシアとトルコの間で分裂をひき起こす狙いで、GR編集部注] 二機のうちの一機がロシア戦闘機を撃墜した。パイロットは死亡した。

CIAは、多数の工作員をトルコ空軍内に潜入させている。一体なぜ、ペンタゴンは、ロシアが、このことに気がつかないと思ったのだろう? KGBの後継、ロシア連邦連邦保安局(FSS)が、クレムリンにこれを伝えた。プーチンは、トルコとのあらゆる繋がりを切った際、一体誰が犯罪の黒幕だったのか知っていた。だが彼は、エルドアンに反応して欲しかったのだ。

プーチンはエルドアンが脆弱なのを知っていた。彼はアメリカ政府の信頼を失い、彼の権力欲、新たなオスマン帝国の支配者になりたいという野望で、ヨーロッパ人から嫌われている。

だがアメリカ政府は、インジルリクとトルコを、ヨーロッパとアジアの間にある、地域におけるNATOの最も戦略的な基地として必要としていた。ヨーロッパにおける彼の希望が消滅し、ISIS-ダーイシュ、別名NATO地上軍を支援し、資金提供し、武器を供与し、シリア国境を開放して、ISISが、こっそり出入りし、イスラエルなどの著名顧客に、イラクやシリアやクルドから盗んだ石油を売れるようにしている自分が、アメリカ政府の単なる小使いであることをますます理解するにつれ、エルドアンは、ロシア陣営側に移るのではあるまいかと、アメリカは恐れていた。

エルドアンの命令でSU-24Mが撃墜されたというシナリオに沿って、ロシアはトルコとのあらゆる関係を絶った - 外交上も商業上も。後者の影響は、トルコ経済、特に農産品(年間約10億ドル)、ロシア国内でのトルコの建設契約(45 - 50億ドル)とロシア人トルコ観光客(35億ドル)と甚大だ。トルコにとって年間損失総計は100億ドルを超えると推計されている。

しかも、トルコは年間天然ガス需要の55%をロシアに依存している。ロシアは、トルコと、ヨーロッパに売るため、ロシアのガスを黒海に送る予定のトルコ・ストリーム・パイプラインの話も中断した。

アメリカ-EU-NATOの連中が、中東を破壊し、“かつての友人”アサド大統領を大敵に変えるのを手助けする手先役を演じることで、エルドアンが失う物は実に大きい。この計算は複雑なものでは無かった。そしてアメリカ政府はそれを知っていた。だから - エルドアンとしては、何らかの形で、先に進むしかなかったのだ。またしても‘政権転覆’が議題に載った。2016年8月地中旬のクーデターが計画された。ペンタゴン-NATO-CIAは、トルコ軍、警察や、司法制度内に、既に無数の‘友人’をしこんでいた。もちろん、エルドアンは、支持者とされる連中の中に裏切り者がいるのは知っていた。彼には連中を粛清する口実が必要だったのだ。

遅くとも、エルドアン大統領が、プーチン大統領に電話をかけ、ロシア戦闘機撃墜をわび、後にモスクワを訪れ、ロシア指導者と直接話したいと言った時に、昨年11月のロシア戦闘機撃墜の背後に実際は一体誰がいたのか、彼は知っていたのだろうか? ワシントンの信頼できない‘友人たち’が一体誰か、彼は確認できたのだ。

彼はロシア(とシリア?)との新たな関係強化を急ぎ、プーチンは全ての対トルコ‘経済制裁’を解除した。エルドアンは、プーチンと、8月9日に、サンクト・ペテルブルクで会談する予定だ。

これはアメリカ政府-NATO同盟にとって、危険な兆しだ。クリミア、ロシア黒海の港を‘失い’、ウクライナをナチス支配下においた大功績の後、欧米の軍隊がインジルリクを失い、ロシアなどに取られてなるものか! ということで、CIA-モサド-MI6クーデターは前倒しせざるを得なくなったのだ。現れつつある中東/中央ヨーロッパ・シナリオは、好ましいものには見えなかった。

拙速で準備不足のクーデターが7月15日に開始される直前、プーチンが、エルドアンに、欧米の計画を知らせた。彼はモスクワからアンカラへと、偽装した複雑な迂回路経由で、特使を派遣した。特使は、エルドアンに、トルコ政権内の高位の容疑者とされる人物の長大なリストを手渡した。

エルドアンを打倒するための反乱が始まるやいなや、彼は即座にトルコ国民を動員し、彼の擁護で街頭へと繰り出させた。奇妙にも、そして逆説的に、エルドアン支持への呼びかけを、自分のスマートホンを使い、ソーシャル・メディアで放送したCNN-チュルク・アナウンサーの助けを借りた。国営チュルクTRT放送局は、反乱軍の手中にあった。エルドアンが、アンカラをヘリコプターで逃げると、よりによって、NATOが支配しているインジルリクから、二機のF-16戦闘機が彼を捜すべく離陸した! だが、何の役にもたたなかった。戦闘機は、エルドアンのヘリコプターに、一発たりとも発砲しなかった。その時点で、評決は既に明らかになっていたに違いない。

この奇妙な‘クーデター物語’には多くの論議や矛盾がある - 特に最も完成し、最も熟練したクーデター策謀者 - ウソと欺瞞と暗殺の同盟、CIA-モサド-MI6が背後にいたことを考えれば、物語はあらゆる論理と矛盾する。連中の傲慢さゆえに、彼ら全員を出し抜けるチェス名人がいようとは思いもしなかった可能性がきわめて高い。

エルドアンは、失敗したクーデターは、アメリカ政府によるものだと非難するのをためらわなかった。クーデターは、ウラジーミル・プーチンの時宜を得た警告と、動き回っている戦車の上に陽気にあがった街頭の怒れる国民のおかげで粉砕され、レジェップ・タイイップ・エルドアンは、トルコの新たな人気のある指導者として登場した。

一体どれだけの時間、これが続くかはまだわからない。イギリスのインデペンデント紙は、クーデター未遂で、約‘100人の策謀者連中’を含む265人が亡くなったと報告したトルコ首相ビナリ・ユルドゥルム発言を引用している。

事実を素直に受け入れよう。エルドアンは聖人ではない。彼の信頼性の実績は芳しくない。風に吹かれる麦藁のようなものだ。敵や容疑者を逮捕するのに、この好機をすかさず活用した。 軍人、警官、裁判官、医師、教授、教師を含め、これまでに約70,000人、更に死刑復活まで言い出した。こうした劇的で、専制的な措置をとれば、自らをEUから更に遠ざけることを、彼は分かっているが、気にしてはいない。自国民、まして中東や北アフリカ地域の人々を扱う上で、EUがいかに堕落し、欺瞞的かを彼は肌身で知っているのだ。

プーチン大統領は、エルドアン大統領にすぐさま電話をかけ、幸運を祈り、クーデター粉砕を祝ったが、アメリカのケリー国務大臣は、‘トルコの危機に対する統一した姿勢を議論すべく’EUとNATO指導者たちと話すため(原文通り)ブリュッセルでの緊急朝食会に飛んで行った。

フランスのジャン=マルク・エロー外務大臣は、トルコが信頼のおける同盟国であり続けられるのかどうかを問い、‘クーデター実行者’に対するエルドアンへのヨーロッパの支持は、“白紙委任”ではないことを示唆した。もちろん連中は良く分かっているのだ。新たなトルコ-ロシア同盟は、アメリカ-NATOが自称し、売女マスコミが広めている、「地域における覇権」にとっての弔鐘になりかねないのだ。ケリーは、更にあからさまに、トルコを、NATOから追放するかどうかを検討することまで示唆した。

これは、ドイツのヴォルフガング・ショイブレ財務相が、もしギリシャが素直に言うことを聞いて返済をしなければ、EU / Euroから追い出すとギリシャを脅した際と同様、見せかけのように聞こえる。このウソつき連中は、それが、恐怖で、大衆に、そのような発言を受け入れさせるための裏切りプロパガンダにすぎないことを知っており、支配者連中は、ギリシャとトルコは、連中の戦争と世界支配計画上、きわめて重要で、両国いずれも戦略的に重要なNATO加盟国なので、東方へと漂流するのは何としてでも防がねばならないことを知っているのだ。

この失敗したクーデターの影響は巨大だ。主流マスコミが欧米にそう思わせようとしている以上に遥かに大きいものだ。中近東・北アフリカ地域における勢力の均衡を決定的かつ不可逆的に変え、おそらく、新たな世界的パラダイムをもたらし、新たな極めて重要なロシア-トルコ同盟が強化するにつれ、トルコは、上海協力機構 (SCO)やBRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)という広範な機構に受け入れられる可能性がある。トルコは地理的に、東と西の間の最も戦略的に重要な岐路の一つに位置しており、トルコは地政学的な要となっている。

トルコが東に向かって動けば、欧米の戦略は破壊されかねない。我々としては、ひたすらそうなることを願うばかりだ。とはいえ、アメリカ政府の背後にいる支配者や経済エリート連中は、戦争で破れた後、放って置くようなことは決してしないのだ。敗北は徹底的なものとなる。連中か、それ以外の世界の我々全員かにとって。いちかばちかなのだ。

単にエルドアンや欧米の同盟国としてのトルコの存続以上の遙かに大きなものが危機にさらされている。欧米に対する戦いの勝利に安んじるなど、実に生意気なことだ。まだトルコを待ちかまえているものがありそうだ。

Peter Koenigは、経済学者で、地政学専門家。彼は元世界銀行職員で、世界中で、環境と水資源について広範囲に働いた。彼は、Global Research、ICH、RT、Sputnik News、PressTV、 4th Media、TeleSUR、The Vineyard of The Sakerブログや、他のインターネット・サイトに良く寄稿している。彼は事実と、世界銀行での世界中での30年間という経験に基づいたフィクションの「Implosion - An Economic Thriller about War、Environmental Destruction and Corporate Greed」の著者でもある。彼は「The World Order and Revolution! - Essays from the Resistance」の共著者でもある。

本記事初出はGlobal Research
Copyright  Peter Koenig、Global Research、2016




記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/turkey-failed-coup-or-paradigm-shift-in-the-middle-east-in-the-world/5540101

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東洋経済ONLINE 2016年8月14日 下川裕治氏の記事には大いに興味をそそられる。
今が行き時!自由旅行解禁のロシアが熱い
円高のこの夏行きたい「ディープな旅」

知人で、もう大昔、といっても、ペレストロイカの頃だろうか、シベリア鉄道にのり、たまたま同じコンパートメントの若夫婦と意気投合し、そのまま自宅に招かれて、途中下車して親交を深めた人がいる。ロシア語は全くできず、英語もおぼつかない人だが、自由な発想が良かったのだろうか?それで、ロシアが好きになったそうだ。知人の企画で、ロシアは無理でも、せめてロシア村にと、観光に出かけたことがある。

いつもはする神社参拝の時期なのに、わざわざはるばるジブチに出かける御仁。

【IWJ検証レポート~稲田朋美・新防衛大臣の研究 第1回】「極右」「残虐行為否定者」「ネオナチと関係している」・・・稲田朋美氏の防衛大臣就任を海外メディアがこぞって警戒! 2016.8.12

思いつきのはずはなく、宗主国の遠大な長期計画の一環。

北大西洋共同体(NATO)に日本を組み込む ブレジンスキー

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「拙速で準備不足のクーデターが7月15日に開始される直前、プーチンが、エルドアンに、欧米の計画を知らせた。彼はモスクワからアンカラへと、偽装した複雑な迂回路経由で、特使を派遣した。特使は、エルドアンに、トルコ政権内の高位の容疑者とされる人物の長大なリストを手渡した。」➡Global Research誌のPeter Koenig氏の情報収集力は相変わらず冴えている。エルドアンもこれほどのお膳だてで、万をきして制裁にたちあがったのだ。あれほどEU加盟に恋い焦がれていた彼も一夜にしてその夢の愚かしさがわかっただろう。米―CIA側の巻き返しがいつ襲ってくるかわからぬが、西と東の要衝にあるトルコが東側につくことにより、ロシアは中東において大いなる覇権を握ることになることも予想できる。また緩慢ではあるが中国がその背後からゆっくり出番をまっている。国際情勢は深刻な危険な側面をはらみつつダイナミックな展開が予想される。

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