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2016年7月30日 (土)

ワシントンへの隷属ゆえ、ヨーロッパは絶望的なのだろうか?

Paul Craig Roberts
2016年7月27日

“一つの指輪は全てを統べ、. . . 暗闇の中に繋ぎとめる。”
J.R.R. トールキン、ロード・オブ・ザ・リング

第二次世界大戦の結果、ヨーロッパは、ベルリンによってではなく、ワシントンによって征服されることとなった。

征服は確実だったか、一瞬にしてというものではなかった。ワシントンによる、ヨーロッパ征服は、マーシャル・プランや、スターリンの赤軍への恐怖から、ヨーロッパが、ワシントンによる保護に頼るようになり、ヨーロッパの軍隊を、NATOを通して、ワシントンに従属させたこと、世界準備通貨としてのイギリス・ポンドを、アメリカ・ドルによる置き換えたことや、責任を負わないたった一つの政府を支配することで、全ヨーロッパを支配するため、ワシントンが導入したCIAによる構想、欧州連合に、ヨーロッパ諸国の主権を従属させるということなどの長い過程から実現した。

主にイギリスのような少数の例外を除き、EU加盟は財政的自立の喪失も意味している。EU機関の欧州中央銀行しかユーロを作りだせないので、通貨としてユーロを受け入れてしまった実に愚かな国々は、もはや財政赤字を補填するための自国通貨を生み出す権限を有していない。

ユーロに参加した国々は、財政赤字を補填するためには、民間銀行に依存せざるを得ない。この結果、債務過剰の国々は、もはや、お金を作り出して、債務を支払ったり、返済可能なレベルにまで、債務を減額したりすることが期待できない。そこで、ギリシャ、ポルトガル、ラトビアやアイルランドは、民間銀行によって略奪された。

EUは、こうした国々のエセ政府に、国民の生活水準を押し下げ、公有資産を端金で私営化させて、北ヨーロッパの民間銀行に支払うよう強いた。かくして退職者年金、公務員の雇用、教育や医療は削減され、生まれた金は、民間銀行へ振り向けられた。都市の水道会社は民営化され、水道料は値上がりすることになった。などなど。

しかも、EU加盟国になることの恩恵は皆無で、懲罰しかない。国民が表した願望にもかかわらず、一体なぜ政府は加盟するのだろう?

ワシントンが、他の選択肢を無くしたというのが、その答えだ。EUを創設したヨーロッパ人などというのは想像上の産物だ。ワシントンは、ワシントンが支配している政治家連中を利用してEUを作ったのだ。

数年前、EUは、CIAの構想だったことを証明するCIA文書が公開された。以下を参照。 http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/1356047/Euro-federalists-financed-by-US-spy-chiefs.html and http://benwilliamslibrary.com/blog/?p=5080

1970年代、当時、国際安全保障問題の支配権をもった、アメリカ政府の大物だった私の博士論文審査委員会委員長が、私に、海外での機密任務を引き受けないかと尋ねた。私は断った。それでも、彼は私の質問には答えてくれた。“ワシントンは、一体どうやって、諸外国にワシントンが望んでいることをさせることができるのですか?”

“金だよ”と彼は言った。“指導者連中にカバン一杯の金をくれてやっている。連中は我々の配下だ。”

EUが、ヨーロッパの利益ではなく、アメリカ政府の利益のために機能していることが、実績から明らかだ。例えば、フランス国民も政府も、GMOに反対なのに、おそらくモンサントが雇っている科学者の“科学的所見”に依存して、EUは、GMO導入の“予備的市販承認”を認めた。アメリカのバーモント州が、GMO食品の内容表示を義務付ける法律を成立させると、モンサントは、バーモント州を訴えた。アメリカの金に雇われたEU高官連中が、アメリカ多国籍企業が書いたTTIP協定に署名してしまえば、モンサントが、ヨーロッパ農業を乗っ取ることになろう。

ところが、ヨーロッパに対する危険は、有害な食べ物で食事するよう強いられるヨーロッパ諸国民の健康問題だけには留まらない。全ヨーロッパと、全アメリカ合州国を、数分間のうちに破壊することができる強力な核大国ロシアとの紛争にヨーロッパ人を押しやるために、ワシントンは、EUを利用しているのだ。

こういうことが起きているのは、“バッグ一杯の金”で買収されたヨーロッパ“指導者連中”が、長期的に、ヨーロッパ人が生きることより、目先のワシントンの金を欲しがっているせいだ。

ヨーロッパの政治家連中が、ロシアがウクライナを侵略したやら、ロシアはいつ何時、ポーランドやバルト諸国を侵略するかわからないやら、プーチンはソ連帝国再建を計画している“新たなヒトラー”だというのを信じるほど低能だということはありえない。こうしたとんでもない主張は、全く真実とは無関係のアメリカ政府プロパガンダに過ぎない。アメリカ政府のプロパガンダは実に見え見えだ。まぬけでさえ信じられないくらいだ。

ところが、NATOでそうしているように、EUはプロパガンダに同調している。

一体なぜだろう? 答えは、アメリカ政府の金だ。EUもNATOも完全に腐敗している。いずれも、ワシントンからたんまり金をもらっている無節操な組織なのだ。

ヨーロッパ人が核を使う第三次世界大戦を防いで、生き続け、アメリカ人が性と暴力と強欲のアメリカ文化で破壊せずに残された彼らの文化を享受する唯一の方法は、ヨーロッパ各国政府が、イギリスに習って、CIAが作った欧州連合から離脱することだ。ソ連崩壊とともにその存在理由が消滅し、現在は、もっぱらアメリカ政府の世界覇権の道具として利用されているNATOからの離脱だ。

ヨーロッパ人は、一体なぜ、アメリカ政府の世界覇権のために死にたがるのだろう? これは、ヨーロッパ人が、ヨーロッパに対するアメリカ政府の覇権のために死につつあることを意味している。

ビクトリア・ヌーランドのようなアメリカ政府高官が “くたばれEU”発言をするのに、一体なぜ、ヨーロッパ人は、ワシントンを支持したがるのだろう。

ヨーロッパ人は、ワシントンの大君主がロシアとイランに課するよう強いている経済制裁で、既に苦しんでいる。ヨーロッパ人は一体なぜロシアとの戦争で破壊されることを望んでいるのだろう? ヨーロッパ人には死の願望があるのだろうか? ヨーロッパ人は、アメリカナイズされてしまって、彼らの国々が管理人役をつとめてきた、芸術、建築、文学、そして音楽の偉業の歴史的な蓄積を評価する力をもはや失ったのだろうか?

ヨーロッパ人の願望から全く独立した政府を、アメリカ政府が作り上げてしまったため、ヨーロッパ人が一体何を考えようと何も違わなくなっているというのが答えだ。EU政府は、アメリカ政府の金に対してのみ責任を負っている。布告を発することができるごく少数の連中は、アメリカ政府に雇われているのだ。ヨーロッパの全ての国民はアメリカ政府の奴隷だ。

それゆえ、もしヨーロッパ人が、今そうであるような、だまされやすく、無頓着で、愚かな国民のままであるならば、彼らは我々同様絶望的だ。

一方、もしヨーロッパ人が正気を取り戻し、ワシントンが彼らに押しつけている「マトリックス」から抜け出すことができれば、彼らを支配しているワシントンの手先に対して反乱すれば、ヨーロッパ人は彼らの命もそれ以外の我々の命も救うことができるだろう。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/07/27/is-europe-doomed-by-vassalage-to-washington-paul-craig-roberts/

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公的年金運用損5.3兆円
参院選挙への影響をさせるため、例年の7月上旬を延期していた。

ハワード・ジン「歴史の効用と対テロ戦争」を語る(政府は嘘をつくものです。)
翻訳記事、題名を変える必要性を感じている。政府は嘘しかつかないものです。

文章末尾にあるが、政府や、大本営広報部洗脳プロパガンダ漬けになっている状況を、Paul Craig Roberts氏、再三、映画『マトリックス』の描写を使って説明しておられる。たとえば下記の記事。

『マトリックス』の世界から脱出するには、大本営公報でない情報を知らなければならない。

■<★IWJが報じた1週間総まとめ★>沖縄県・東村高江からの現地レポートをアップ!/東京都知事選、鳥越俊太郎候補が「待機児童」問題で保護者と懇談/在特会元会長・桜井誠氏の街頭演説を取材

【1】1000人もの機動隊による市民への暴力的強制排除が行われる高江からの現地レポートをアップ!

 沖縄県・東村高江のヘリパッド建設に反対する市民らを、国が排除を強行する「Xデー」を目前に控えた7月21日の現地の様子を、東京のIWJ事務所から現地入りした原佑介記者が一本の記事にまとめました。

 抗議に参加していた翁長久美子名護市議は、抗議する市民に対し傲然と「公務執行妨害」を振りかざしてくる機動隊員に直面。「頭ごなしにこんな言われちゃうとさ、落ち着いて座ってんのにさぁ、『公務執行妨害』。それを言えばいいってもんじゃないでしょう!」と猛抗議しました。

 大規模集会に参加した、沖縄選出の赤嶺政賢衆議院議員と、参院選で現職の沖縄担当相・島尻安伊子氏をくだし当選を果たした伊波洋一氏に、ぶら下がりインタビュー。「米国政府に対しても影響力が出るような活動をしていく」「今までの戦いの蓄積を大いに発揮して追い詰めていきたい」と語る2人のインタビューは、ぜひ以下の記事からお読みください!

※2016/07/21高江ゲート前に1600人が集結!参院選で当選した伊波洋一議員も駆けつけ怒り!「ハワイではコウモリのためにオスプレイの演習が禁止されている。沖縄県民はコウモリ以下なのか!」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/319472

【2】鳥越俊太郎都知事候補が保育園待機児童問題・保育事故遺族らと懇談~「規制緩和ではなく事故ゼロでの待機児童解消を訴えていきたい」

 7月19日に東京都から今年4月1日時点での保育園待機児童数が発表されました。その数なんと8846人です。さらに、この陰には多くの「隠れ待機児童」の存在も指摘されています。

 こうした流れに危機感を持った保護者らが、候補者との懇談会を企画。鳥越候補がその依頼に応じてくれたとの情報を聞きつけ、IWJは取材にかけつけました。

 待機児童問題が深刻化する中、今年3月には都内の無認可保育園で2件立て続けに死亡事故が起こっています。懇談会にはその事故でお子さんを亡くされた遺族からも、安全・安心な保育が行われるよう都としての責任を果たして欲しいとの訴えがありました。

 鳥越氏は保護者からさまざまな実情を聞き、「規制緩和ではなく事故ゼロでの待機児童解消を訴えていきたい」と語りました。

※2016/07/23 預けた子どもの事故死に直結する保育園の規制緩和! 鳥越俊太郎都知事候補が保育園待機児童問題・保育事故遺族らと懇談~「規制緩和ではなく、事故ゼロでの待機児童解消を訴えていきたい」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/320127

【3】ヘイトスピーチを繰り返してきた桜井誠氏の選挙陣営が街宣で「『朝鮮人を殺せ』などと叫んだことはない」と虚偽発言!~自民党・小池百合子候補と在特会の関係も明らかに!

 主要候補3人の動向ばかりが連日報道される東京都知事選挙。しかし、都知事選に立候補しているのは、小池百合子氏、鳥越俊太郎氏、増田寛也氏の3人だけではありません。

 今回の都知事選には、これまでにさんざん外国人や障害者への差別行動や差別発言を繰り返し、何度も裁判沙汰になってきた、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井誠氏(本名・高田誠)が立候補しています。

 これまで在特会は、一部の「おかしな人たち」による特殊な行動だと思われてきました。しかし、今、差別や排外を煽るこうした行動を繰り返す在特会と、政権与党の自民党との間に、にわかに”つながり”が浮かびあがりつつあります。

 今回の参院選で自民党から立候補し当選した青山繁晴氏は、「桜井誠さんとかを含め、保守は四分五裂してしまっている」と「保守」の団結を呼びかけています。自民党を批判しつつ党を除名されていない小池百合子候補も、在特会と「無縁」ではないと言えそうです。有権者の方々には、こうした点にもよく注意して、都知事を選んでいただきたいと思います。

 在特会や桜井氏のこれまでの暴挙・暴言や、そうしたヘイトスピーチを繰り返す団体と自民党との関係を検証した記事をアップしました。ぜひ、以下のURLよりお読みください!

※ヘイトスピーチを繰り返してきた桜井誠氏の選挙陣営が街宣で「『朝鮮人を殺せ』などと叫んだことはない」と虚偽発言! ~自民党・小池百合子候補と在特会の関係も明らかに!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/321193

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