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2016年7月13日 (水)

警官が人を殺害するのは、殺害するよう訓練されているせい

Paul Craig Roberts
2016年7月11日

アメリカ警察官の訓練に関する情報提供のお願いに応えて(http://www.paulcraigroberts.org/2016/07/08/why-dallas-happened-paul-craig-roberts/)読者の皆様から、様々な情報を送っていただいたものは、うまくまとめられそうに思える。作業仮説、あるいは暫定的説明として、出来るだけ良くまとめて見たいと思う。たぶん、アメリカ警官の振る舞いの変化を懸念しておられる元あるいは現職警官、あるいは警官訓練・実習専門家からの情報を今後いただけて、この暫定的説明を、実証するなり、訂正なりできるだろう。

第一に我々は、警察が軍隊化されてきた、あるいは、されつつあることを知っている。彼らは、従来、戦場でのみ使用されてきた戦争用の兵器で武装している。そのような兵器は、アメリカ国民に対する警察活動では不要で、イスラエルが占領しているパレスチナ以外のどこでも、警察の仕事に使用されていないので、一体なぜ警官が、こういう形で武装しているのか我々は知らない。

こうした兵器の背後には、明言されていない思惑があるが、議会も売女マスコミも、隠された思惑を発見しようという、明らかな関心は皆無だ。

それでも警察の軍隊化は警官の教育に関し我々が知っていることと平仄が合っている。

イスラエルに出張するか、アメリカ国内でイスラエルの教育会社やイスラエルの手法を用いたアメリカ企業によって、アメリカ警官がイスラエルから訓練を受けていることを情報源を示す報告がいくつかある。例えば以下を参照。https://www.jewishvirtuallibrary.org/jsource/US-Israel/homeland.html および http://www.alternet.org/civil-liberties/us-police-get-antiterror-training-israel-privately-funded-trips

イスラエル占領軍による、アメリカ警察官訓練は、インターネット上のウワサでも、“陰謀論”でもない。これは、イスラエルのマスコミが認めている事実だ。 http://www.timesofisrael.com/israel-trains-us-law-enforcement-in-counter-terrorism/

イスラエル警察の手法は、パレスチナ人の土地を盗みとり、パレスチナ人をゲットーの中に隔離する何十年もの敵対的なパレスチナの占領から生まれたものだ。基本的に、イスラエル警察の手法は、威嚇と暴力で構成されている。https://electronicintifada.net/content/israels-export-occupation-police-tactics/8485

長年の無数のニュース報道から、パレスチナ人住民に対するイスラエル占領軍の振る舞いを我々は知っている。簡潔に言えば、極めて残虐だ。

兵士にとって、特に女性兵士にとって、パレスチナの街頭や、家の中で、子どもとその母親を殺害するには、その兵士が、イスラエル人ではない人の命に対して感覚を鈍らせられている必要がある。そのためには、今のアメリカ合州国やオーストラリアの先住民が、彼らの土地を盗み取ったヨーロッパ人移民によって非人間化されのと同様に、パレスチナ人が非人間化されている必要があるのだ。

この情報に基づいて、イスラエルによるアメリカ警官訓練は、警官に、警官の生命だけが大切で、警官の生命にとって、一般人の生命は潜在的な脅威だと考えるよう教えていると、我々は推論できる。これがアメリカ警察官が頻繁に誤って疑われた人を殺害し、しかもその大半が決まって非武装の人物である理由だ。例は無数にある。警官による勝手放題のアメリカ国民殺害について、youtubeの既存ビデオを見るだけで相当時間がかかる。

アメリカ警察官は、国民の負担で、我々の生命ではなく、彼らの生命だけが貴重だと教えられるのだ。それゆえ市民とのいかなる遭遇でも、自動的な想定は、市民は警官に危害を与えようとしているので、即座に強引に制圧し手錠をかけるか、あるいは射殺する。警官は、警官がすべき最も安全なことは、たとえそれがサッカーを習っている子を練習に送る際、角を曲がるライトの合図を忘れた母親であっても、容疑者を殺すことだと訓練されている。

言い換えれば、イスラエル占領軍が、パレスチナ人の生命と権利を尊重しないのと同様、もはやアメリカ警察官には、アメリカ国民の生命と権利を尊重する義務がないのだ。

これは、現状の正確な説明であるように思われる。ニューヨーク・タイムズですら、アメリカ警察官に先に銃撃するよう教えているウィリアム・J・ルインスキを告発したが、彼は、彼らが行う勝手放題の殺害がそういう場に至ったまれな例として、裁判で彼らのために質問に答えている。http://www.nytimes.com/2015/08/02/us/training-officers-to-shoot-first-and-he-will-answer-questions-later.html?_r=1

人種差別はどうだろう? 人種差別は、リベラル、進歩派、いわゆる左翼、そして黒人自身が提唱している答えだ。

人種差別という説明には色々問題がある。一つの明らかな問題は、アメリカの警察官と、白人も勝手放題に殺害し、虐待していることだ。つい先日も、警官が、地面で横になっている19歳の白人アメリカ人を殺害した。また運輸保安局TSAは、黒人より遥かに多くの白人を虐待している。この両方の最近の例については、私のウェブをお読み頂きたい。

ある黒人元警察官が、本当の状況に対する示唆に富む洞察を教えてくださった。彼が言うには、約15%の警官は、正当な理由で、警察勤務している公僕文化の持ち主だ。他の15%の連中は、あたりまえのように権力を濫用する精神病質者だ。警官の残りの70%は、二つの文化のどちらであれ優勢な方につく。不幸にして“悪い警察官連中が警察全体を腐敗させ”、元シカゴ警察署長ジョン・バージ指揮下のシカゴ警官がこれを証明している。http://www.vox.com/2015/5/28/8661977/race-police-officer

黒人元警察官は“制度的人種差別”のせいだとしている。だがイスラエルによる警官訓練について学んだことに基づけば、黒人アメリカ人に対する警官の偏見は、人種差別、あるいは完全な人種差別ではない可能性がある。アメリカ黒人は、非人間扱いされていた歴史がある。警官訓練講師から見れば、アメリカ黒人は、パレスチナ人の型にぴったりあてはまるのだ。アメリカ国民の中でも、既に非人間化された集団の生命に対して、アメリカ警察官を無関心にして、訓練コースを始めるのはやり易かろう。警官が、自らを公僕としてではなく、その生命が決して危険な目にあってはならない“例外的な必要欠くべからざる民”だと見なすよう洗脳されてしまえば、白人住民に対する警官の優位性という感覚を一般化するだけという単純なことになる。

私は人種差別という理由説明には常に懐疑的だ。これは国民を、本当の抑圧者に対しては団結できず、お互いに戦うだけの党派に分裂させるため、大衆に押しつけられている説明だ。我々がお互いに憎み恐れるよう洗脳されているのと同様、我々を支配し、虐待する連中も、好きなようにできる。

ごく一握りの連中だけが、白人アメリカ人の1パーセントに属していることは、きわめて明白だ。支配者連中にとって、それ以外の我々は黒人同様、どうでも良いのだ。だが我々はお互い、恐れ反目するよう分裂させられている。1パーセントにとって、何という大成功か!

ひとつ、はっきりさせておこう。我々の税金で食べている警官に吹き込まれている暴力志向の考え方に、我々が反対しているのと同様、イスラエル政府が代表している入植者的考え方に、無数のユダヤ人やイスラエル人自身が反対している。現代、最も熱心な人権擁護者の中には、ユダヤ人がいる。ノーマン・フィンケルシュタイン、ノーム・チョムスキー、イラン・パッペや、アメリカ自由人権協会をお考えて頂いたい。パレスチナの土地や村を盗むことに反対している、勇敢なイスラエル団体のことを想起願いたい。政治上のご主人連中がおかした罪で、国民全員を断罪することはできない。もしそうであれば、クリントン、ジョージ・W・ブッシュやオバマ以降の、あらゆるアメリカ国民が断罪されてしまうことになる。

世界にとっての二大脅威は、アメリカとイスラエルの例外主義だ。現在、世界における暴力の根源である、例外主義という、このナチス教義による洗脳の成功だ。

アメリカ警察官による暴力の問題は、今や警官が、例外的で、責任を負わないものとして定義されていることにある。アメリカ政府が、アフガニスタン、イラク、シリア、リビア、ソマリア、イエメンやパキスタンで無数の人々を虐殺しているのと同様、連中は我々を殺害しても責任を問われない。例外的でない人々は、いなくても良いのだ。

テロリストに殺されるより、遥かに多くのアメリカ人が、警官に殺されているという実際の結果になっているのに、アメリカ人警察官を、イスラエル占領軍の暴力的手法で訓練することが、テロリストから、アメリカ人の生命を救うために必要だという主張で正当化されているのは異常なことだ。

明らかに、警官訓練は逆効果だ。

警官に殺害されたり、虐待されたりした人々の家族には、知事、市議会、郡政委員、市長、州議員を、警察監督上での過失のかどで告訴する正当な根拠があるように思える。証拠はある。警官は、命を救うのではなく、命を奪っている。訓練は完全な失敗だ。それなのに、訓練は存続している。これは各当局による高次の過失・怠慢だ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/07/11/police-murder-because-they-are-trained-to-murder-paul-craig-roberts/
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国会前のデモに対する、想像を越える警察の弾圧も、同じ方針によるものだろう。

道路を勝手に半分に区切って、並ばせる。

前進するのは、警察の許可による。

しかも、「前進させない」という方針で、行列は延々続き、デモ参加者の意思を挫く。

同じ方針が、参院選でも、次の衆院選でも、憲法破壊の国民投票でも貫徹される。

こぞことし貫く竹のようなもの

『政府はもう嘘をつけない』によれば、全有権者の0.000042%が、選挙結果を握る!とある。
47ページ。

宗主国であれ、最大の属国であれ、同じ手法が適用されていることは確実。

宗主国の選挙結果が想像を絶するほど悲惨であるのに、属国の選挙結果が想像を超えた素晴らしい結果になるはずがないのだ。すべて、政府、大企業、広報会社、マスコミによって、ずっと前から決められているシナリオを臨機応変に実施しているだけのこと。

「去年今年貫く棒の如きもの」

確固とした民衆の意思、というより、総資本の意思の貫徹を描写した名句と解釈したい。

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コメント

やはり残念な事に、バーニー・サンダースは支配層側に取り込まれたみたいですね。
サンダースはヒラリー支持に回ってしまいました。
様々な要求を条件として飲ませてはいますが、肝心なTPP撤退が欠けてしまっては意味がありません。
やはり、全ては支配層の描いたシナリオ通りに遂行されてしまう現実には抗えないという事の様です。

一方、こちら都知事選では、鳥越氏が電撃的に立候補し、先に立候補を表明していた宇都宮健児氏との調整について物議を醸し出しています。
しかも鳥越氏の場合、自ら立候補し、そのまま4野党の支援を仰ぐという動きの早さで、宇都宮氏が蔑ろにされてしまった感が拭えません。
都政に最も適しているのは宇都宮氏であると思いますし、鳥越氏も良識のある人物ですから、どちらが知事になっても良い都政を敷くとは思う訳ですが、一本化しなければ前回都知事選の二の舞です。
ここは一つ、鳥越氏と4野党は宇都宮氏とその支持層に向け納得のいく説明を発信し、理解を求める事で分裂を避ける配慮を見せるべきではないかと私は思います。
そしてもし宇都宮氏が降りて鳥越氏で一本化という事になったならば、最低でも鳥越氏は宇都宮氏を副知事にするなどの配慮で礼を尽くすべきだと思います。
東京都は日本政府に対しても様々な面で影響力がありますから、何としても国民側に立つ候補者に勝っていただかねばなりません。
民主主義を守ろうとする者同士での蟠り、後々の憂いを払った上で、敵が少々姑息な手を使ってきても(既に後出しで立候補が続々と出てますね)、それに打ち勝つだけの圧倒的な力で一致団結し、今度こそ勝利したいものです。

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