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2016年7月15日 (金)

ゲシュタポ・アメリカ

Paul Craig ROBERTS
2016年7月13日

ジェームズ・コミーFBI長官は、ヒラリーを罰から逃れさせたが、国民には罰を与えようしている。人々のあらゆるインターネット活動に対する、令状無しでのアクセスを得ようと、彼はごり押ししている。

ヒトラーのゲシュタポに、実にうってつけの人物、コミー長官が、あらゆるアメリカ人が、何時オンライン活動をしているのか、誰に電子メールを送っているのか、誰から電子メールを受け取っているのか、あらゆるアメリカ国民が、どのウェブ・サイトを見ているのかを、FBIが知らない限り、アメリカ合州国は安全ではないと議会に語った。

言い換えれば、コミー長官は、アメリカ憲法修正条項第4条不合理な捜索・押収・抑留の禁止を無効にして、国民のプライバシーの権利を完全に破壊したがっているのだ。

アメリカ政府が、国民全員について、あらゆることを知りたがっている理由は、アメリカ憲法や法の支配を擁護して立ち上がる愛国者や、アメリカ政府の違法な戦争、無謀な外交政策や、アメリカ国民に対する弾圧を批判する反体制派を、アメリカ政府が、いやがらせ、脅し、重罪をでっちあげられるようにするためだ。

アメリカ政府の権限要求は、国民の安全とは全く無関係だ。アメリカ憲法が我々に与えてくれている安全を破壊するのが狙いだ。

コミーが守りたがっている安全なるものは、我々の安全でもなければ、アメリカ合州国の安全保障でもない。コミー長官の狙いは、アメリカ政府が、法律やアメリカ憲法に違反しても平気にすることだ。コミー長官が、これを実現しようとしている手口は、アメリカ政府を批判する人々への威嚇、いやがらせ、逮捕だ。

コミー長官は、電話やインターネット・サービスのプロパイダーに、ユーザーのあらゆる記録と情報を要求する憲法に違反する権限が欲しいのだ。こうした要求は、裁判所による監視下に置かれることはなく、人々が利用している通信会社は、ユーザーのあらゆる情報が、FBIに手渡されているのを伝えることを禁じられる。

アメリカ上院議員が、修正条項第4条問題に押っ取り刀で駆けつけた。ジョン・コーニン議員が、FBIが書いた2015年の電気通信におけるプライバシー保護法修正法を手ひどく非難した。これで、アメリカ自由人権協会とアムネスティー・インターナショナルが修正法案支持を撤回し、法案は取り下げられることになった。

ジョン・マケイン上院議員が、FBI支援に馳せ参じた。この憲法嫌いの上院議員は、国民のプライバシーを完全に破壊する、無制限な責任を負わない権限をFBIに与えるため、違憲の愛国者法中の条項を利用する、刑事司法予算法案改訂を提案した。

マケインの改訂案は実現しなかったが、上院多数党院内総務ミッチ・マコネル(共和党-ケンタッキー州)が投票を変え、再審議投票で、上院の投票を無効にできるようにした。

FBIの手先の上院議員は、関連しようがしまいが、FBIが望んでいる権限を、FBIに与えられるまで、法律改訂を続けるだろう。

不幸なことに、現在大半のアメリカ人は、先祖たちと違い、余りに無知無学で、建国の始祖がアメリカ憲法に盛り込んだプライバシーの権利の価値がわからない。低能連中は、こういう戯言を言う。“私は何一つ悪いことをしていない。私には恐れるものはない”。神よ、低能連中を助けたまえ。

もしアメリカ国民が十分に見識があれば、一体なぜそれほど多数のアメリカ上院議員連中が、ワシントンの警察権力ではなく、州の住民を代表するよう、彼らを選出した有権者たち、アメリカ国民ではなく、FBIを代表しているのかと疑っているはずだ。

一体なぜ、これほど多くのアメリカ上院議員が、アメリカ憲法に包含されている市民的自由に対するより、ゲシュタポ警察権力を求めるFBIの願望に、敏感に反応するのだろう?

Bill of Rights Defense Committee and the Defending Dissent Foundationが言う通り、オーランド銃撃事件やダラス乱射事件や、でっちあげであれ本物であれ、どの乱射事件も、次に起きるだろう事件も、アメリカ国民のあらゆるプライバシーの権利を完全に破壊するというFBIの要求とは何の関係もない。

ところがどうだろう? 皆様は、こうしたことは何も知らないとおっしゃるだろうか? 何も不思議なことはない。マスコミというのは、たんまり金をもらって国民を騙し、警察国家へ追いやろうとしている連中の集団だ。国民から、あらゆる憲法上の保護をはぎ取り、無防備の国民を警察国家に送り込むのが、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、フォックス“ニュース”、CNNやその他の売女新聞や売女TVや、多くのインターネット・サイトの仕事だ。

アドルフ・ヒトラーは、アメリカでは健在で、しっかりと権力の座にのぼりつつある。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/07/13/gestapo-america-paul-craig-roberts/
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Information Clearing Houseにも、この記事の原文が掲載されている。コメント欄に、現時点で71の意見が書き込まれている。全部読んだわけではないが、大半が絶賛のよう。彼氏の記事にも、同意する方々の投稿にも、元気を頂けるような気がする。

子は親に習う。
上院でのことの次第、素人ゆえさっぱり意味がわからないが、戦争法案時の与党愚劣発言のようなものだろうか。宗主国における盗聴強化であれ何であれ、時間をおいて、100%属国にも適用される。

参議院選挙結果、何も不思議なことはない。マスコミというのは、たんまり金をもらって国民を騙し、金と血を搾り取る永久属国へ追いやろうとしている連中の集団だ。国民から、あらゆる憲法上の保護をはぎ取り、無防備の国民を警察国家に送り込むのが、〇〇新聞、××新聞、△△“放送”、XXXや、その他の売女新聞や売女TVや、多くのインターネット・サイトの仕事だ。

傀儡ファシストは日本でも健在で、権力を更に強化し、緊急事態条項をもりこむ途上にある。

都知事選挙にも触れた「一読者」様からのコメントがある。サンダースについては、ともあれ、小生、都知事選挙については、決して同じ見方はしていない。

植草一秀の『知られざる真実』 東京都知事選・宇都宮健児氏の一本勝ち

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コメント

大変お疲れ様です。
いつも良い記事を、解り易い翻訳でどうもありがとうございます!

さて、
FBI長官は、このような事態をうまく利用し、自分の地位を最もうまく利用し、アメリカを支配できる最高の機会を手に入れているようですね。
政府やアメリカ支配層に情報が渡る前に、FBI長官にあつまります。
彼は、「標的」を、どのような層にし、どのような「秘密」を握りたい、と思っているのでしょうか?

議会の者も、そのくらいはわかっているから反対しているのでしょう。
でも賛成派は、もう致命的な弱みを握られているでしょうね。

FBIをゲシュタポと見なすのは大日本帝国をナチスドイツと見なすようなもので、非常に違和感を感じます。FBIはゲシュタポが創設される以前から、初代長官として半世紀にわたって君臨し続けた独裁者フーヴァーの下一貫して、反憲法・反人権・反自由・反民主主義的組織でした。第二次大戦中ソ連と同盟してナチスドイツと戦っている最中、FBIの主要な監視対象は反ナチや親ソの個人・団体でした。戦後の冷戦期は言うまでもありません。電話は秘密裡に盗聴し郵便や出版物は検閲され、多数の身上調査書が作成されました。それによってノーベル賞受賞者やハリウッド・スターを含む多くの人々がスパイ・「アメリカの敵」としてでっち上げられたのです。現在のFBIはきっと先祖返りをしているのでしょう。

ところで都知事選ですが、どうも「ネーダーでは勝てないからオバマに投票する」、「オバマの票を喰うからネーダーは立候補するな」と言われた08年のアメリカ大統領選挙を思い出します。私はそれでもネーダーに投票したいのです。

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