連中は、こうして我々を守ってくれている!
2016年7月3日
Paul Craig Roberts
最近の運輸保安局惨事
“連中は自分を神と思っている。自分がやりたいことを何でもできると思っている。”
脳腫瘍治療から帰宅する途中の、視力と聴力が不完全な若い女性が、運輸保安局TSA“警備員”の暴漢に、乱暴にも床に叩き伏せられ、看護婦役の母親は突き飛ばされた。
暴漢連中は、殺意を抱いて攻撃したかどで、凶悪犯罪者用の刑務所で、少なくとも30年間の刑を受けるべきなのだ。だが連中には何事もおきない。連中の給料を支払うことを強いられている我々に対し、責任を負わずに蛮行をふるう、実に多数の“警備”や警察の職を占める精神病質者連中を、腐敗した上司どもが常に隠ぺいする。
これが今のアメリカだ。“我々を守る”はずの“警備業”に逃げ込んでいる犯罪人どもに虐待されるために、我々は税金を支払わされている。我々は、テロリストより、我々を守っているとされている警備隊の危険にさらされている。実際、警備隊はテロリストだ。
8年間のイラク戦争の間に、アメリカの警官は、アメリカが戦闘で失った兵士の人数より多くのアメリカ人を殺害したのは覚えておられるだろうか。はるばる現地で、我々のことなど、全く気にしていないイラク人から我々を“守る”のではなしに、我々を警官から守るためにこそ、アメリカ国内に兵士が必要なのだ。
“警備業者”による絶えることのないアメリカ国民殺人と虐待を止める唯一の方法は、警官の大きな割合を占めている精神病質者連中に、その背後に隠れるバッジがない犯罪人連中に与えられるのと同じ実刑判決をすることだ。そうなるまでは、誰も、母親と一緒に病院から帰る途中の身体障害者の若い女性でさえも、安全ではない。
ウソと詐欺を基に侵略戦争を始めた行政府幹部にも同じ実刑判決がなされるべきだ。こうした幹部連中は、犯罪人であって、“世界指導者”などではない。
ガーディアン記事を読んで、国を失った我々は、ジョージ王からよりも、“自国”政府から、ずっと安全でなくなっていることを嘆いていただきたい。実際、15年間に7か国を破壊したアメリカ政府の実績からすれば、“自由の国”の政府から安全な人など世界には誰もいない。
アメリカは、今や、正義から自由だ。“警備業”が、我々を徹底的に反正義洗脳してしまったので、アメリカでは正義は行われない。民事訴訟で勝って、納税者のお金を多少得ることが正義ではない。正義とは、バッジをつけた暴漢犯罪人を投獄することだ。
https://www.theguardian.com/us-news/2016/jul/02/disabled-cancer-patient-tsa-lawsuit-memphis-airport
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/07/03/this-is-how-they-protect-us/
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次の記事『破壊されたアメリカ』と一対になっている。
8年間のイラク戦争の間に、アメリカの警官は、アメリカが戦闘で失った兵士の人数より多くのアメリカ人を殺害したのは覚えておられるだろうか。はるばる現
地で、我々のことなど、全く気にしていないイラク人から我々を“守る”のではなしに、我々を警官から守るためにこそ、アメリカ国内に兵士が必要なのだ。
と、元アメリカ政府高官が言っておられる。それなのに、宗主国の侵略戦争に、集団自衛権といって、侵略の手伝いをさせられる。
そうではなく、ワシントンなり、サンノゼなりに、自衛隊基地を作って、宗主国の皆様を守ったほうが喜ばれそう。費用、宗主国にお支払いいただけばよいと夢想する。というより、今日本におられる方々、全員にお帰りいただくのが最も合理的。
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