絶望的なトルコ・クーデター未遂の背後にCIA
2016年7月18日
F. William Engdahl
7月15日夜、トルコ軍将校の集団が、軍事クーデターを行い、トルコを掌握したは発表した。彼らはエルドアンは生きるべく必死で飛行していると主張し、彼らは現在、秩序を回復する過程にあると述べた。これら軍将校と、遥かに離れたバージニア州ラングレーと、トルコの政治工作員フェトフッラー・ギュレンが、CIAの保護のもと亡命して暮らしているペンシルバニア州セイラーズバーグのスポンサーにとって唯一の問題は、彼らが成功しなかったことです。ギュレンに忠実な連中が捨て鉢な、今や明らかに失敗したクーデターの企てを行う中、クーデター策謀の背後には、政治的にしたたかに生き延びる気まぐれな人物で(今も)大統領のレジェップ・エルドアンによる、大規模な地政学的転換という遥かに劇的な物語がある。以下は、地政学的秩序にとって極めて重要な地域で展開している劇的な出来事の背景に対する一連のQ&Aである。
Q: 軍がクーデターを行った金曜日から、土曜日夜にかけての出来事についての、あなたのご意見は? こうした出来事は、予想可能だったのでしょうか?
WE: クーデターは、エルドアンによる最近の劇的な地政学的転換に対する反応でした。これはCIAに忠実なトルコ国内ネットワークがひき起こしたものです。これは明らかに捨て身の動きで、準備不足でした。
Q: 軍のこのような動きの本当の理由は何だと思われますか?
WE: 軍内のフェトフッラー・ギュレン運動に忠実な将校のネットワークです。ギュレンは、100%CIAに管理されている工作員です。彼は、ペンシルバニア州のセイラーズバーグで、長年亡命生活を送っており、グラハム・フラーのような元CIA幹部や元駐アンカラ・アメリカ大使らから、安全な通行と、永住ビザも得ている。
ギュレンは、政治的イスラム教徒を、政権転覆の道具として利用するという、何十年もの歴史をもったCIAの狂った計画の核でした。2013年に、イスタンブールや到るところで、反エルドアンの大規模抗議行動がおこなわれたのを想起してください。あの時、以前はエルドアンのAK党と結んでいたギュレンが袂を分かち、ザマンなど、ギュレンが支配するマスコミで、エルドアンを暴君と批判したのです。それ以来、エルドアンは、ザマン紙や、ギュレンが支配する他のマスコミへの襲撃を含め、国内の最も危険な敵、ギュレンとその友人連中の根絶に向けて動いています。これは、善の救済者対悪のニーベルの戦いではありません。トルコ政治における権力闘争です。ギュレンCIAプロジェクトの詳細に興味がおありなら私の著書、The Lost Hegemon (ドイツ語版: Amerikas Heilige Krieg)をお勧めします。
Q: 一部の評論家たちが言うような、トルコでの、こうした出来事で、内戦に到る可能性については、どうお考えですか?
WE: 同意しません。過去二年間、ギュレン運動は、エルドアンや、彼による諜報機関トップの粛清によって、影響力が酷く低下しています。伝統的ないわゆる国の守護者としてのアタチュルクの軍などというものは、1980年代以来、とっくの昔に終わっています。
今、興味深いのはエルドアンの外交政策です。ロシアとの和解、ギリシャ国境までの、ロシア・トルコ・ストリーム・ガス・パイプライン交渉再開。同時に、エルドアンは、ネタニヤフとも和解しました。そして、最も重要なのは、エルドアンが、関係再開のためのプーチンの要求に応じて、トルコは、シリア国内での、ダーイシュや他のテロリストへの秘密支援や、トルコ国内での彼らの訓練、連中の石油の闇市場における販売などによる、アサド打倒の取り組みをやめることに同意したことです。(彼が、ジョージ・W・ブッシュやクリントンと、このタイトルを巡って激しい競争を展開しているとは言え)おそらく、アメリカ史上最も無能な大統領オバマにとって、これは大きな地政学的敗北です。
Q: このようなやり方で、エルドアンが実際に打倒されると思われますか?
WE: 今はそうは見えません。エルドアンが、マスコミに、これはギュレンによるクーデターの企みだったと語った早い時期に、ギュレンは負けると確信しました。今日、7月16日、失敗したように見えます。CIAは面目丸潰れで、オバマと、NATOは“民主的に選ばれたエルドアンを温かく抱擁して(原文通り!)”それを誤魔化そうとしています。連中は、ウ2014年2月に、クライナで、CIAがマイダン広場クーデターを実行した際、ヴィクトル・ヤヌーコヴィッチは“民主的に選ばれたウクライナ大統領”であることを気にかけませんでした。アメリカ政府が、ロシアとEUとの間に対立をもたらそうとする連中の取り組みで、ウクライナにもたらした混乱をご覧ください。
Q: エルドアンはドイツに亡命を求めたとされる情報をどう解釈すべきでしょうか、またドイツは受け入れなかっただろうと思われますか?
WE: とんでもないウワサが多数あります。私は情報を持ち合わせていません。
Q: 最近の出来事に関して、アメリカとロシアの立場をどうお考えですか?
WE: 彼がダウトール首相を首にして、忠実なビナリ・ユルドゥルムを首相に指名した6月以来のエルドアンによる大きな地政学的転換に対する、無力な対応策としてのクーデターの背後に、アメリカ政府がいたと私が申しあげたことで、明らかでしょう。あの時点で、エルドアンは、同時に、アメリカ政府のシリアにおける反アサド戦略に背を向け、イスラエル(近頃アメリカ政府とは厳しい地政学的対立状態にある)志向、ロシア志向、更には、シリアのアサド志向にまで舵を切ったのです。
Q: トルコがNATO加盟国だという事実は、この進展にどのような影響がありますか?
WE: 評価は困難です。アメリカ政府は、その世界戦略上、特に、中東での石油、そして今では天然ガスの流れを支配する上で、NATOにトルコがどうしても必要です。これが、クーデターが失敗することが明白になった瞬間、オバマとお仲間が 彼らの“友人”エルドアンを“抱擁した”理由です。これは、諜報業界用語で、ダメージコントロールと呼ばれているものです。
Q: エルドアンと現在の政権が、選挙ではなく、こういう形で排除される方が、トルコにとって好ましいと思われますか?
WE: 私がこれを書いている時点では、彼は依然しっかり権力の座にあり、おそらく、これまで以上に強力になっていると思います。
Q: トルコでの出来事は、欧州連合にどのような影響があると思われますか?
WE: EUは、プロジェクトとしては解体過程にあります。これは、アメリカがヨーロッパを支配しやすくするため、1950年代に、チャーチル、初期のCIAや、ジャン・モネなどのヨーロッパのお仲間連中が推進した、怪物のようなアイデアでした。これは、オバマ大統領が、イギリス政治に露骨に介入し、イギリスに、EUを離脱するなと言った際も明らかでした。欧州連合というのは、ブリュッセルで、NATO本部の隣に居すわっている、選挙で選ばれたわけでもなく、国民に対して責任をとらない、怪物のような、トップダウンの顔の見えない官僚制度です。
Brexitが解体の引き金になりました。むしろ加速しているように思えます。もし、CIAが、10月のハンガリー国民投票“Huexit”前に、オルバンに対するカラー革命を実現できなければ、たぶん次はハンガリーです。フランス? マリー・ルペンの支持者や、何百万人ものフランス国民は、ブリュッセルからの命令にはうんざりしています。 EUで広く使用されている除草剤グリフォセートは発癌性があるという膨大な科学的な証拠にもかかわらず、あらゆる健康上、安全上の証拠、EU政府自身のものさえ無視して、恣意的に、更に18カ月、食べ物や人々を汚染するのを再承認した最近の犯罪的な決定を考えてください。ヨーロッパでもどこの国の人々も、公務員に、こういう目に会わされる筋合いはありません。
Q: トルコでの出来事が、難民危機にどのように影響すると思われますか、難民のいわゆるバルカン・ルートが再開されると思われますか?
WE: まだわかりません。プーチンとロシアの仲介と、おそらくはイスラエルの協力も得て、もしエルドアンとアサドが、シリアで本当の平和を生み出せれば、戦争からの難民の流れは止められます。人々は、家に帰って、自分の国で生活を再建したいのです。
F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書。本記事はオンライン誌“New Eastern Outlook”独占。
記事原文のurl:http://journal-neo.org/2016/07/18/behind-the-cia-desperate-turkey-coup-attempt/
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原文では、質問と答えを、太字で区別しているが、勝手ながら、段落で分割した。
駐日大使が、日本にいるギュレン関係者の摘発を要求したという。
今回もまた日刊IWJガイドの冒頭部分を引用させていただこう。大本営広報部が、沖縄高江の緊迫した状況を無視する中、現地にIWJ記者がいっておられる。
本日、週刊文春が都知事選候補・鳥越俊太郎氏について、「鳥越俊太郎『女子大生淫行』疑惑」と題する記事を掲載。鳥越氏が、過去に教え子だった女子大生を別荘へ連れて行き、そこで強引にキスをした、という内容を、当時女子大生の恋人で現夫の男性が証言する、という構成になっています。
実は、この鳥越氏の「疑惑」とされるものは、数日前からテレビや週刊誌関係者のあいだで話題となっており、様々な噂や伝聞が飛び交っていました。IWJも独自に取材を進め、岩上さんもこの「疑惑」について鳥越氏に直撃していました。しかし、この「疑惑」には不可解な点が多くあります。昨晩、岩上さんはその不可解な点や、この「疑惑」が文春に掲載されるに至った経緯、IWJが独自に取材で得た事実などを、ツイッターで連投しました。
この連投を急ぎまとめ、記事化しましたので、詳細はぜひ、以下の記事で確かめていただければと思います!
・週刊文春の鳥越俊太郎氏スキャンダル報道に様々な疑問点!週刊新潮が見送ったネタをなぜ文春が拾ったのか!?鳥越陣営は「事実無根」だと名誉毀損と選挙妨害で東京地検に刑事告訴!岩上安身の直撃取材に鳥越氏本人が答えていた「疑惑」の真相とは?
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/319457…とまあ、一気にワイドショー選挙の様相を呈してきた都知事選、与党側からの「的外れ」な批判も、増える一方です。その批判の数々や、自民党・小池ゆりこ候補の問題点などは以下の2本の記事にまとめているので、ぜひご覧いただければと思います!
・【東京都知事選】「ドタキャン」「病み上がり」「築地は?」…小池百合子候補が繰り出す「的外れ」な鳥越批判の数々!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/319088・【東京都知事選】序盤情勢調査では「一歩リード」の小池百合子候補、「改革派」の裏の顔は典型的なタカ派議員!日本会議、そしてヘイト団体とのつながりも
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/319071そしてテレビが都知事選一色のなか、沖縄県・高江のヘリパッド建設現場では、機動隊が大挙して押し寄せ、工事強行を進めようとしており、抗議の現地住民とのにらみ合いが続いています。IWJからは原佑介記者と中継市民が現地へ急行。昨日より、その緊迫した状況をお伝えしています。
まずは、原記者からの【取材報告】と、原記者が現地でインタビューした様子をまとめた【新着記事】のお知らせを、ご覧いただければと思います!【ニュースフラッシュ】の後に続けてトントンと掲載しましたので、ぜひぜひ、本日は本ガイドを真ん中あたりまでは読み進めていただければと思います。
さらに、そんな高江と都知事選をつなぐ【新着記事】もアップ。生活の党・玉城デニー議員が小池ゆりこ氏本人から受けた、あまりに差別的なヤジについて、そして通底する沖縄差別、高江で行わえれている凶行について、ぎぎまき記者が玉城議員にインタビューしています。こちらも、本ガイドで紹介していますので、本日は本ガイドを下の方まで読み進めてみていただければと思います。
そこまで読み進めていただけたら、本日は思い切って最後まで読んでいただければ幸いです!
…ということで、本日の日刊IWJガイドは以下の内容でお届けします!
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コメント
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その高江で警察車両がひき逃げをしたようです。
IWJと田中龍作ジャーナルで詳細が出ています。
いよいよディストピアになってきましたね…
https://mobile.twitter.com/IWJ_AreaCh1/status/756101812634083328
投稿: Kubo | 2016年7月21日 (木) 22時18分
トルコはCIAにクーデターを仕掛けられて助かった感じですね。
此の記事を引用させて頂きました。ご了承下さい。
悪運強いエルドアン 一方の安倍晋三は?
http://blog.livedoor.jp/dendrodium/archives/63838814.html
投稿: 和久希世 | 2016年7月21日 (木) 14時04分