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2016年6月14日 (火)

トルコは無償でロシアとの関係を正常化したがっているのだろうか?

2016年6月8日
Ulson Gunnar
New Eastern Outlook

小学生なら誰でも、仲直りをするには、最初に心から謝らなければならないのを知っている。犯した罪が何であれ、心から反省している様子や、そのような罪を繰り返さないつもりだというのがわかるように必要があり、さもなくば、同様な反社会的振る舞いをして更にこじらせてしまうことになる。そうした考え方が、小学生でも簡単に理解できるなら、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、一体なぜそれがわかっていないように見えるのだろう?

この疑問に答えるには、ワシントン-ロンドン支配体制による説明を読む必要がある。BBCの“ロシアとトルコは、対立を解決できるだろうか?”のような記事が、良い手掛かりになる。

記事にはこうある。

[トルコのエルドアン大統領]も、ロシアとの関係を良くしたいと思っているが、どのような“第一歩”をモスクワが期待しているのかわからないと語っている。

この点、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は明快だ。モスクワは、トルコによる、ジェット戦闘機事件に対する正式な公式謝罪と賠償を期待している。

そういうことを、アンカラがしそうには思えない。

一体なぜこれほど単純なことが、アンカラがしそうなことではないのかを説明するため、アンカラにそうさせる“国際的”圧力が皆無なのだと、BBCは詳しく書いている。BBCのような報道機関を長年見てきた人であれば、“国際的”という単語が実際は、もっぱら、アメリカ、イギリスと、EUのことを指しているのを知っているはずだ。

ワシントン、ロンドンと、ブリュッセルから、トルコに何の圧力もかからないのは、シリア上空でのロシア戦闘機撃墜は、こうした権力中枢が、シリアで、ダマスカスと、究極的には、モスクワに対してしかけている、より広範な代理戦争の一環であるためだ。

BBCは、こうも言っている。

トルコ国境寄りの北シリアで、ロシアが事実上の飛行禁止空域を維持しているので、トルコは、シリアの反政府派に支援をしたり、国境を「イスラム国」 (IS) 戦士の砲撃から守ったりする能力を奪われている。

ところが、これは見え透いたウソだ。安全な避難所と、シリアへの出撃拠点として、ISが、トルコ領を利用していると長年疑われてきた。最近は、これが、ひどい程明白となり、アンカラにとって屈辱的論議の的になっている。アンカラは、ISを支援する共謀を含め、シリアに対するアメリカ代理戦争の最も汚い部分を担っているのは明らかだ。

ISのトルコ領内“砲撃”は、トルコの安全保障に対する本当の脅威とは到底思われず、むしろ、International Business Tribune (IBT)が暴露した陰謀、トルコ軍による国境を越えたシリア国内への軍事攻撃の正当化を推進するため、自らの領土を、シリアから攻撃するというアンカラ計画の最新版のように見える。

トルコ YouTube禁止:エルドアン幹部間のシリア‘戦争’漏洩会話の全文書き起こし”という2014年の記事で、IBTはこう報じていた。

漏洩した電話会話は、シリアの攻撃は“我々[トルコ]にとっての好機と見なすべき”というエルドアンの考えを詳しく説明している。

諜報機関のトップ、フィダンは、会話の中で“戦争の原因を作るために”4人送り込み、シリアからトルコを攻撃させるつもりだと語っている。

ロシアが、シリア-トルコ国境沿いで空爆を行っている理由は、まさに国境沿いで活動しているテロ組織を粉砕し、破壊するためだ。最も重要なのは、国境沿いの空爆は、特に、トルコからシリアへの戦士や兵器の補給の流れを粉砕することを狙ったものであることだ。この事実を考えれば、ISを止める取り組みを支援することはできなくとも、彼ら自身が ISを支援し続けるのを妨げられているのだから、トルコや、アメリカやヨーロッパ内のパートナーが、腹をたてはいない可能性は極めて高い。

本当の和解はせずに、和解の恩恵だけ全て得たいのだろうか?

最近の外交騒動で、トルコが経済的、政治的に味わっている損失ゆえに、トルコが実際、ロシアとの関係を修復したいと願っている可能性はあり、BBCは 軍事的事態すらほのめかしている。だがトルコは、ロシアとの本当に和解するつもりもなければ、二国間関係において亀裂を益々広げつつある、ダマスカスにいるモスクワ同盟者に対してしかけられている代理戦争におけるトルコの現在の役割を変えるつもりもないのは明らかだ。

言い換えれば、シリアとロシア双方に対し、破壊的な振る舞いを続けながら、トルコは自分の行動に対する懲罰をなしにして欲しいと願っているのだ。これほどばかげた、法外な外交政策はありえず、現在アンカラに住んでいる政策立案者連中の未熟さと無責任さをこれ以上にはっきり示すものは他にない。

Ulson Gunnarは、ニューヨークを本拠とする地政学専門家、作家で、特にオンライン・マガジン“New Eastern Outlook”に寄稿している。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2016/06/08/turkey-wants-to-normalize-relations-with-russia-for-free/
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支持率の世論調査結果を見聞きするたびに絶望的な気分になる。
支持者、おさななじみ数人しか思い当たらないのだから、実感と全く逆。
「ユデガエルの楽園」

連日洗脳しておいて、効果を定期的に確認する作業だと思えば、意味がわかる。

Paul Craig Roberts氏が再三引き合いにだされる「マトリックス」世界。

孫崎享氏の新刊『21世紀の戦争と平和: きみが知るべき日米関係の真実』をふと開いたところ、マスコミの酷い状況を指摘する文章にあたった。

大本営広報部の洗脳痴呆製造番組、いい加減あきた。音声を消しても電気代はかかる。後で代わりに、有意義な番組を拝見しようと思う。

岩上安身による 参院選野党統一予定候補(沖縄選挙区)伊波洋一・元宜野湾市長インタビュー 2016.6.12

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