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2016年6月12日 (日)

事態は一体どういう状況にあるのか?

Paul Craig Roberts
2016年6月9日

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第二次世界大戦直前、アメリカ合州国は、依然、大恐慌から抜けだせず、日本とドイツという二つの戦線での戦争に直面していた。当時、先行きがどれほど見込みのないものであったにせよ、今の見込みの無さとは比較にならない。

アメリカ政府、売女欧米マスコミ、EU、あるいはNATOの誰かが、軍事とプロパガンダによる、絶えざるロシア挑発の結末を考えたことはあるのだろうか? 欧米世界のどこかの、責任ある立場の人間が誰か、こう問うだけの常識を持ち合わせていないのだろうか。“もしロシア人が、我々の言うことを信じたら、一体どういうことになるだろう? もし我々が、ロシアを攻撃するつもりであることを、ロシアに確信させることができたら、一体どういうことになるだろう?”

同じ疑問は中国についても言える。

ホワイト・ハウスの阿呆や淫売マスコミの無謀さは、単なる危険の域を遥かに超えている。民主党が、ヒラリー・クリントンを、アメリカ大統領に選ぶつもりであることを見たロシア人は一体どう思うだろう? ヒラリーは、ロシア大統領のことを“新たなヒトラー”と言い放ち、手下のネオコン怪物、ビクトリア・ヌーランドを通して、民主的に選ばれたウクライナ政権を打倒させた狂気の人物だ。ヌーランドは、約20年前まで、何世紀にもわたってロシアの一部だった旧ロシアの国にアメリカ政府の傀儡政権を据えたのだ。

これだけで、ロシア政府や国民の中のうぶな親欧米派でさえ、アメリカ合州国が、ロシアとの戦争を意図していることが十分わかるのは確実だと私は思う。

シリアを巡って、ロシアがオバマに立ち向かって以来、ロシアは、敵対的プロパガンダと、国境での軍事行動を味わわされている。こうした挑発を、アメリカ政府と傀儡NATO諸国は、“ロシアの侵略”への対応だといって正当化する。ロシアによる侵略なるものは、ロシアが、バルト三国、ポーランドと、ルーマニアを侵略し、旧ロシア地域のジョージアとウクライナとともに、今やアメリカ帝国に属する東ヨーロッパ地域に、ソ連帝国を復活させようとしているという、明らかに根拠のない主張以外の何ものでもない。

ロシア人は“ロシアによる侵略”に関するプロパガンダがウソであることを知っている。欧米諸国民に、ロシアとの戦争に備えさせる以外、このウソの狙いは何だろう?

他に説明はありえない。

オバマ、メルケル、オランドや、キャメロンなどの低能連中ですら 主要軍事大国に、これから攻撃するつもりだと確信させることが極めて危険なのは理解できるはずだ。同時に中国にも、そう確信させれば、危険は倍増する。

明らかに、欧米は、地球上の生命を保存できる指導者を生み出すことができないのだ。

欧米全てが、地球に対する死の願望を示している場合、一体何ができるだろう?

クリントン、ジョージ・W・ブッシュとオバマの犯罪的政権以前、ジョン・F・ケネディ以来のアメリカ大統領たちは、ソ連との緊張緩和のために働いてきた。ケネディは、トルコのアメリカ・ミサイルと、キューバのソ連ミサイルによってひき起こされた緊張を緩和するため、フルシチョフと協力した。ニクソン大統領は、SALT I(戦略兵器制限協定)と、弾道弾迎撃ミサイル協定交渉をした。カーター大統領は、SALT II交渉をし、これはアメリカ上院では決して批准されなかったが、行政府が順守した。レーガン大統領はソ連指導者のゴルバチョフと冷戦終結交渉をした。ジョージ・H.W. ブッシュ大統領は、ゴルバチョフのドイツ統一同意の見返りに、NATOは一インチたりとも東方拡張しないと約束した。

いずれの犯罪的政権もナチス・ドイツと比肩するネオコン化した、クリントン、ジョージ・W・ブッシュとオバマ政権によって、こうした実績全てが投げ捨てられてしまった。

現在地球上の生命は、冷戦最悪の時期より遥かにあやうい状態にある。地球温暖化の危機がどれほどの脅威であろうとも、核の冬の脅威と比べれば取るに足りない。もしアメリカ政府と、その属国諸国に群がる悪が、核戦争をしでかせば、ゴキブリが地球を受け継ぐことになる。

アメリカ政府が体現している、傲慢、不遜、無知と悪の結果としての核戦争の危険が増しつつあることを私は警告してきた。最近、見識あるロシア人とアメリカ人四人が、ロシアを戦争で脅し、服従させようとしていることの、ありうる結果について書いている。 http://www.paulcraigroberts.org/2016/06/03/41522/(英語原文)

下記も参照のこと。(該当翻訳記事)戦没者追悼記念日に、過去のアメリカの戦争が賛美される中、第三次世界大戦で、ロシアと中国との戦争の見通しについて考える
記事原文は
http://www.paulcraigroberts.org/2016/05/28/as-our-past-wars-are-glorified-this-memorial-day-weekend-give-some-thought-to-our-prospects-against-the-russians-and-chinese-in-world-war-iii/

核戦争を阻止する良心や胆力、いや自分たちの蒸発を防ぐ知性すら、洗脳されたアメリカ国民が持っているなどと期待してはならない。ウオール・ストリート・ジャーナルの最近の記事で、スコット・セーガンと、ベンジャミン・バレンティノが、イランが、アメリカ海軍艦船を一隻沈めたような場合、59%のアメリカ国民がイランへの核兵器攻撃を支持すると報じている。http://www.wsj.com/articles/would-the-u-s-drop-the-bomb-again-1463682867

民主党員では47%なのに対して、共和党員の81%が、核戦争を認めているのだから、民主党よりも共和党の方が、イランへの核兵器攻撃を承認する可能性が遥かに高い。しかし、民主党は、核兵器を最初にする可能性があるヒラリーが先導している。結局、女性は、マーガレット・サッチャーが“鉄の女”であったように、自分がどれほど勇ましいかを証明させられるのだ。

アメリカ国民と、全人類にとって手遅れになる前に、傲慢なアメリカ国民は“剣を取るものは剣にて滅ぶ”ことを想起する必要がある

経済面の見通しも、同様に悲惨で、見込みがない。最新の就業者数報告は、報道されている以上に酷い。ほとんど、新規雇用は生まれず、報告でほとんど注目されなかったのは、実際には、59,000件の常勤職雇用を失ったという事実だ。

アメリカ経済では、益々、自立した生活を支えられないパート仕事が増えている。そこで、益々多くの19歳から、34歳のアメリカ人が、配偶者やパートナーと、自立して暮らすのでなく、両親と自宅で暮らすようになっている。25歳のアメリカ人の半数が、両親の家で、自分の子供部屋で暮らしている。

製造業の仕事や専門職を外国人に渡したアメリカの労働人口にたいする報酬だと、汚らわしい、ウソつきネオリベラル経済学者が約束した“新経済”がこれだ。大企業幹部や、株主が、アメリカの労働人口の生活賃金を自分の懐に入れられるようにするためについたネオリベラル経済学者によるウソの醜悪さは、いかばかりか。ネオリベラル経済学者連中と、リバタリアン“自由市場”論者どもは、借金の山に埋もれて、将来の見通しもないほど、アメリカの労働人口を貧しくしたことの責任を問われぬままだ。

多少の認識を持っている僅かなアメリカ人は、1パーセントと、連中に仕える欧米諸国政府が、封建制を復興しつつあることに気づき始めている。素晴らしい、造詣の深い経済学者マイケル・ハドソンは、今の時代を、新封建主義時代と名付けた。

彼は正しい。大学を卒業する若いアメリカ人の大多数は膨大な借金を負っており、債務者刑務所に送られる寸前だ。25歳の人々の半数が、結婚して世帯を作ることができない時に、学資ローンさえ返済できない人々からの家賃収入を狙う、投機的な不動産投資の結果以外に、住宅販売や価格が上がるはずもない。

アメリカ合州国は世界で最も病んだ場所だ。あらゆる重要な問題や、アメリカがする複数の危機や、アメリカが世界にもたらしている危機に関する公的な議論も、政治論議も皆無だ。

アメリカ人は実に愚劣な余りに、ヒラリーのような犯罪人の戦争挑発者を、アメリカ大統領に選んでいることにも気づかず、それを誇りに思っている。

こうした“勇ましい”アメリカ人が、“イスラム教テロリスト”や“ロシアによる攻撃”のような作り話の危険を恐れる余り、進んで、乏しい家計を犠牲にして、アメリカ合州国憲法を、そして自らの自由を、守る責任は全く果たしそこね、国民に対するあらゆる力を持った遍在する警察国家にゆずりわたして、国民自身が反逆行為をしているのだ。

かつて誇り高かった、かつて偉大だったヨーロッパの人々が、建国の始祖たちが彼らに与えてくれた自由、安全、繁栄を浪費散財してしまった低能な、とるにたりない連中の国に、指導力を期待しているのは驚くべきことだ。

蒸発するのを避けたいと思っていて、それを避け、農奴でない生活をしたいと思っているアメリカ人は、目覚め、最も致命的な敵は、作り話の“ロシアによる攻撃”でなく、作り話の“イスラム教徒テロ”でなく、作り話の“国内過激派”でなく、作り話の「福祉がアメリカを破産させる」でなく、ウオール街と大企業がとっくに盗み取り、連中の懐にしまいこんでいるあなたの財産を、民主主義が捨ててしまうという作り話でもなく、「アメリカ政府」であることに気づくべきだ。

もし目覚めて、The Matrixから逃れることができなければ、アメリカ人は破滅し、世界に破滅をもたらすことになる。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/06/09/where-do-matters-stand-paul-craig-roberts/

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著者再三、映画『マトリックス』を題材に、書いておられる。下記はそうした記事翻訳の一例。

<日本人も、「電気白痴製造機」の前ではなく、銀座マリオン前にゆく必要があるだろう。『マトリックス』の騙しの世界から抜けるには。

6月12日の日曜日、午後2時から3時半の予定で、銀座マリオン前でTPP批准阻止を参院選一大争点に掲げることを提案するリレートークが実施される。


https://twitter.com/TPP_kantei/status/737201345581588481


スピーチが予定されている顔ぶれは以下のとおり。


・原中勝征(前日本医師会会長)
・山田正彦(元農林水産大臣)
・石田正昭(日本協同組合学会会長)

・山根香織(主婦連参与)
・醍醐總(東京大学名誉教授)
・安田節子(食政策センタービジョン21
・野々山理恵子(生活協同組合パルシステム東京)
・植草一秀(オールジャパン平和と共生)
・孫崎享(元外交官)
・ママデモ
・ママの会
ほか


「TPP協定を批准させない!
-TPPを参議院選挙の一大争点に-」
有楽町マリオン前でリレートーク
6月12日(日)14時~15時30分

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