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2016年6月 3日 (金)

ブラジルにおける新たな政治的地震: マスコミは“クーデター”と呼ぶべき頃合いか?

グレン・グリーンウォルド、アンドリュー・フィッシュマン、デービッド・ミランダ
2016年5月23日 11:31 p.m.

今朝ブラジルは、民主的に選ばれた大統領ジルマ・ルセフ弾劾を推進している本当の動機や、弾劾参加者に光をあてた、ブラジル新政権主要閣僚が関与している、実に衝撃的な会話という驚くべき秘密ニュースに出会った。会話の書き起こしを、ブラジル最大の新聞フォルハ・デ・ サンパウロが掲載して、下院での弾劾投票が行なわれるわずか数週間前、3月に行なわれた秘密会話を暴露している。いずれも“「洗車」”賄賂捜査の正式な対象である、新企画・予算管理相(当時上院議員)ロメロ・ジュカと、元石油会社重役のセルジオ・マシャドとの、ディルマ排除が、汚職捜査を終わらせる唯一の方法であることに同意する露骨な策謀を示している。会話には、ディルマ排除で、最も重要なのものとして、ブラジル軍幹部連中をも含む、最も強力な国家諸機関が演じた重要な役割に関する議論も含まれている。

書き起こしは、弾劾の本当の狙いと、背後に一体誰がいたのかに関する、有罪を証明する発言に満ちている。この策略の核心は、ミシェル・テメルを大統領の座に据え(彼が複数の賄賂スキャンダルに関与しているにもかかわらず)、ディルマが排除された後に、賄賂捜査を終わらせるため、ブラジルの最も強力な組織全てが関与している、ジュカが“国家的協定”と呼んでいるものだ。フォルハによれば、ジュカは、弾劾が“マスコミや他の分野からの「洗車」捜査を継続させる圧力を終わらせる”ことを明らかにしているが、ジュカは、指導者テメルのPMDB党リーダーで、“暫定大統領”の三人の側近の一人だ。

誰が録音をし、75分の会話を漏洩したのかは不明だが、フォルハは、ファイルは現在検事総長の手中にあると報じている。今後数時間なり、数日のうちに、この書き起こしの含意、意味に更なる光を当てる新たな事実があらわれる可能性が高い。

書き起こしには、すべてのマスコミが、ブラジルでおきたことを“クーデター”と呼ぶべきかどうか真剣に検討すべき二つの途方もない暴露がある。ディルマと彼女の支持者たちが何ヶ月も使ってきた言葉。「洗車」捜査を終わらせる手段として、ディルマをする策謀を議論しながら、ジュカは、ブラジル軍が、策謀を支持していると語っている。“将軍、軍司令官たちに話しをしている。彼らはこの件を支持しており、保証すると言っている” 彼はまた、軍が PTによる土地改革と不平等縮小への取り組みを支持し、弾劾反対抗議行動を率いている地方労働者の社会運動“土地なき労働者運動 (モビミエント・ドス・トラバハドーレス・ルライス・セン・テラ、略称MST)を監視している”とも発言している。

二つ目の衝撃的暴露、たぶん、より重要なのは、ディルマ排除がクーデターではないと否定するため、弾劾プロセスに正当性をあたえていると弾劾を擁護する連中が繰り返し挙げている組織、ブラジル最高裁の無数の裁判官と話し、支持も確保した、というジュカ発言だ。説得できなかったのは“ごく少数の”裁判官だけだとジュカは主張している(究極的に、彼が説得できなかった唯一の裁判官は、ディルマに任命されたTeori Zavasckiで、彼を、ジュカは、捜査を止めるための助力を得る上で、買収に応じない人物だとみている(弾劾の中心的皮肉は、ディルマが、彼女を弾劾したがっている連中による干渉から「洗車」捜査を保護してきたことだ))。書き起こしには、“マスコミは[ディルマ]を排除したがっている”や、“この騒動は決して止められない”つまり汚職捜査は、彼女が去るまでは止められない、という趣旨の彼の発言もある。

書き起こしは、ディルマを大統領の座から排除を画策している連中に関し、弾劾反対論者がずっと発言していた通りの、あらゆる疑惑と非難に対する、事実上の証明になっている。何ヶ月も、ブラジル民主主義を支持している人々は、民主的に選ばれたブラジル大統領排除のたくらみに関して、二つの主張をしている。(1)ディルマ弾劾の主目的は、賄賂を止めたり、法律違反を罰したりすこめのものではない。全くその逆だ。ディルマ排除で、本物の泥棒連中に権力を与え、「洗車」捜査をやめさせることができるようにし、彼らを守ること; そして(2) 弾劾主張者連中は(ブラジルのオリガルヒが所有するマスコミが率いる)政府清浄化に全く関心はなく、ブラジル国民が決して受け入れるはずのない、右翼的な、オリガルヒのための施策を押し付けるべく、民主的に得ることが全く不可能だった権力を掌握することしか興味がないのだ。

テメル新政権は最初の二週間で、この二つの主張に対する豊富な証拠を与えてくれた。彼は賄賂スキャンダルに直接関与していた複数の閣僚を任命した。彼の連合政権を率いる下院の主要なお仲間、アンドレ・モウラはブラジルで最も腐敗した政治家の一人で、賄賂のみならず、殺人未遂でも、複数の続行中の犯罪捜査対象だ。テメル自身賄賂に深く絡んでおり(彼は、8年間あらゆる選挙出馬禁止に直面している)、ガーディアンが詳細に報じている通り、ブラジル国民が決して民主的には許すはずのない“奴隷定義の緩和、先住民の土地境界の縮小、住宅建設計画縮小、空港、電気や水道などの公益事業や郵便局の国家資産売却”などの施策を含む一連の過激な右翼的変更を慌ただしく実施しようとしている

だが過去二週間の出来事と違い、この書き起こしは単なる手がかりや、兆しではない。証拠だ。大統領排除の背後にいた主要勢力が、彼女の排除が、自らを救い、自分たちの途方もない汚職の責任を逃れる唯一の方法であることを理解していた証拠だ。ブラジル軍、主要マスコミ、最高裁が、民主的に選ばれた大統領を確実に排除すべく、秘密裏に共謀していた証拠だ。弾劾の実行犯連中が、ディルマが保証人として、ブラジリアにい続ければ、「洗車」捜査が継続すると考えていた証拠だ。これが、ブラジル民主主義の維持とは全く無関係で、ブラジル民主主義をひたすら破壊するためのものである証拠だ。

ジュカはこの書き起こしが本物であることを認めているが、発言を文脈から切り離して、誤解を招いているだけだと主張し、これは“ありふれた”ことだと言っている。“あの会話は「洗車」に関する約束ではない。ブラジルを危機から救出するための経済の話だ”UOL政治ブロガー、フェルナンド・ロドリゲスとの今朝のインタビューで、彼はそう主張した。彼が実際に発言したことや、疑惑を招くのを避けるため、団体での会合でなく、一連の一対一の会合をジュカが主張している、会話の明確な陰謀的内容からして、この説明は全く信じがたい。政治指導者たちは既に政権からの彼の辞任を要求している。

テメルが大統領の座について以来、ブラジルでは、彼に対する強烈な抗議が盛り上がっている。彼を称賛しようと躍起になっているブラジル・マスコミは、疑わしいことに、世論調査データ公表を何週間も抑えてきたが、最新の世論調査では、彼を支持しているのは、わずか2パーセントで、60パーセントが彼は弾劾されて欲しいと考えている。つい最近公表された世論調査データは、66パーセントのブラジル国民が、この書き起こしが裏書きする考え方である、弾劾に賛成投票をした議員たちは、もっぱら私欲のためだったと考えており - わずか23パーセントが、彼らは国のためによかれとしてやったと考えているのを示している。昨夜サンパウロで、警察は、何千人もの抗議行動参加者が向かっていったため、テメルの住宅がある通りにバリケードを作ることを強いられた。警察は最終的に、消火ホースと催涙ガスを使用した。文化省閉鎖の声明で、芸術家や他の人々が、抗議行動で、国中の事務所を占拠するようになり、テメルは決定の取り消しを強いられた。

これまで、インターセプトは、(多くのマスコミとともに)ディルマ排除は、反民主的だとして大いに批判してきたが、大半の国際マスコミ同様、“クーデター”という言葉を使うことを避けてきた。ジュカの発言の最も妥当な意味、あるいは彼のレベルの知識に対して疑問を投げかけるような証拠が出てこない限り、この書き起こしは、編集判断の再検討を強いることになろう。新たに暴露されたこの策謀は、まさにクーデターは一体どのような姿をしていて、どのような音がし、どのような匂いがするのかを示している。国民が嫌悪するオリガルヒの為の施策を押し付けるべく、私欲の、腐敗した、無法の動機のため、民主的に選ばれた指導者を排除することへの、軍と最も強力な諸組織の協力の確保だ。

多くの人々が信じているように、もしディルマ弾劾が不可避のままであるなら、この書き起こしは、テメルが大統領の座に居残るのを大いに困難にするだろう。最近の世論調査データは、62パーセントのブラジル国民が、大統領を選ぶための新選挙を望んでいることを示している。この選択肢は- 民主的なものは - (もっともな理由があるが)ルーラや連中が嫌いな他の候補者(マリナ・シルヴァ)が勝利してしまう恐怖で動けなくなってしまうので、ブラジル支配エリート層が最も恐れているものだ、。だが、そこが重要だ。もしもブラジルで、避けられ、壊滅させられているのが、民主主義であるなら、これを表現する適切な言葉を使い始めるべき頃合いだ。この書き起こしは、マスコミが、そうするのを避けることを益々困難にしている。

記事原文のurl:https://theintercept.com/2016/05/23/new-political-earthquake-in-brazil-is-it-now-time-for-media-outlets-to-call-this-a-coup/
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大本営広報部、ホンジュラスの、セラヤ大統領拉致クーデターをほとんど報じなかった。米軍基地を、民間飛行場に変える計画を考えていた大統領だった。
どこかで、基地を県外にと主張した政治家、そして彼の辞任の予兆と言えるクーデターを。

ホンジュラス・クーデター関連記事をいくつか翻訳した。下記はその一例。

ホンジュラス・クーデターにおけるアメリカの役割、WikiLeaks、そして、なぜ彼は排除されたのかに関する、マヌエル・セラヤ独占インタビュー 2011年6月 4日

ブラジルの政変についても、ほとんど報じない。特に、電気洗脳機では。東京オリンピックの賄賂問題は延々論じても、ブラジル・オリンピックを前に大揺れする政情には一切触れない。

どうでもよい話題だけ大げさに報じ、マッカーサーが指摘した通り、12歳という精神年齢にとどめ、ガラパゴス国家にするのが仕事なのだろう。

意外なメディアが、この事件を多少報じているのに本当に驚いた。下記が見出し。

汚職捜査妨害疑惑で閣僚を停職、暫定政権に痛手「流血止めるには最高裁と協定」

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