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2016年5月16日 (月)

自由貿易協定の危険性: ヨーロッパの高齢者に対するTTIPの脅威

マイケル・ハドソン
2016年5月11日
Counterpunch

ヨーロッパの高齢者介護がどのように展開するかを知るための、もっとも当然な手法は、技術的傾向と、診断装置や薬物治療や他の医学が進歩し続ける中、より長生きする人々の経費とを予測することです。この種の予測は、退職した高齢者の比率が増加しているので、社会に対する年金と医療の経費が増大していることを示しています。経済は、一体どのようにその支払いをするのでしょう?

政治面で差し迫っているいくつかの特殊な問題を指摘したいと思います。皆様が私をアメリカから招待して下さった理由は、わが国が医療において、まさにありとあらゆる間違いをおかしているからだろうと思います。この経験は、ヨーロッパが避けるべきことの実物教育になるかも知れません(そして実際、これまでは避けてきたのです。)

まず第一に、民営化は、ヨーロッパ風の国民健康医療より遥かに高価です。独占価格も、より高いものです。そして、もちろん、不正行為は問題です。

アメリカのオバマケアと医療保険法は、特定利益集団の政治ロビイストがつくりました。TTIPもそうです。Transatlantische Handelsabwollenです。ジョージ・W・ブッシュ以来、アメリカ政府は、製薬会社と、大量購入価格を引き下げる交渉をすることを禁じられています。大半のアメリカ人が、健康維持機構(HMO)では、腐敗と請求の不正がはびこっていると考えています。保険業界は、高価な医療が必要そうに見える患者を拒否する官僚的テクニックに膨大な金を投入して、大儲けしています。医師は、書類事務をこなすため常勤で働く専門家を雇う必要があります。間違いは日常茶飯事で、あらゆる診療、単純な年次検診でさえもが、過剰請求を訂正させるため、多くの患者が保険会社と何時間も電話を強いられています。

アメリカ“自由市場”ロビイストの夢は、医療費用を、公的プログラムの負担ではなく、利用者の負担に変えることです。共和党と大半の民主党指導部双方が支持している現在の計画によれば、こうした利用者の経費は、一種の投資信託として、ウオール街銀行が管理する特別な“医療預金”口座(これには現在大半のアメリカ年金基金を見舞っているのと同じ類のあらゆる金融リスクが絡みます)で前もって蓄えられたものにより、支払われるのが理想的なのです。

アメリカの高齢者医療論議が、なぜヨーロッパ人に関係があるのかという理由は、バラク・オバマ大統領が二週間前、ドイツのアンゲラ・メルケル首相に押しつけた環大西洋貿易投資連携協定 (TTIP)です。それはヨーロッパ政策に対する広範囲に及ぶ脅威なのです。

協定は秘密裏に作成されており、議員たちは、特別な部屋で、読書専用コピーを読めるだけなのです。議会職員さえも、詳細を読むことが認められていません。理由は、TTIPの条件が余りに酷いので、投票すれば、法としては、到底承認されないためです。それが銀行、保険会社、製薬会社、石油やガス会社や、他の特定利益集団のために働いて、この法律を書いたロビイスト連中が、一体なぜ、民主的政府を迂回して、直接ブリュッセルと交渉し - アメリカ合州国では、政府の行政府と交渉している理由です。

TTIPの狙いは、国家の法律の適用を、特定利益集団に指名された仲裁人による特別仲裁廷に置き換えることです。この特定利益集団には医療組織も含まれます。先週イギリスの主要労働組合ユナイトが、TTIPで、国民健康保険は段階的に縮小させられ、民営化されると警告しました。[1] “オーストリア、ドイツ、ギリシャやイタリアは、確かに、医療に関する既存のルールを保護するため、TTIP文章に明確に留保をつけていますが”民営化ロビイストの戦略は、言いなりの政治家を支援して、条約を“暫定的に適用させ”物事を強制することです。“暫定的な法律が既成事実になれば、反対は脇に追いやられます。

私が皆様にお話しできる一番大事な視点は、様々な利益団体が医療の公的、私的役割に関する政治判断を形成する上で、一体どのように活動しているかを議論することだろうと思います。私は、この分野に、40年以上関わっています。1976年、コネティカット州グラストンベリーのフューチャーズ・グループによる、全米科学財団の為の二つの報告書、『寿命を延ばすテクノロジーの経済的、財政的影響の分析: 我々がより長生きする場合: アメリカの見通し』(Herb Gurjuoy他と、1977年)と、『寿命を延ばすテクノロジーの技術評価』(第5巻: 人口の統計的研究、経済的意味と、高齢化、1977年)で 、私は、経済の部分で貢献しました。この二つは、社会保障制度にとっての、高齢化する人々の影響と、その世代間の金銭的な緊張指摘した最初の報告だと思っています。

アメリカ政治家や経済の未来を論じる連中は、現在最長の寿命125年まで生き延びることができる国民の比率の増加(平均余命曲線の“直角化”と呼ばれる)による公的医療予算への影響を懸念しています。夢であるはずのものが実現された場合、国民の一番良い対応は何でしょう? 端的に言えば、そのようなブレークスルーで暴利をむさぼることだけを狙っていて - 約束を強奪的なやりかたで利用する特定利益集団に、政府はいかに対処するべきなのでしょう?

どの利益団体にも、独自の見方があります。アメリカ合州国の大半の政治家は、弁護士で、彼等は、社会保障と年金と医療契約は、こわしたり変えたりできない法的権利だと気をもんでいます。アイゼンハワー大統領は、社会保障を、アメリカ政治の“避けたい話題”と呼びました。つまり、公約を軽視しようとするあらゆる政治家や政党は、まもなく選挙で落選させられるというのです。

より長生きしている人々が、より多くの社会保障や年金支払いを受け、益々多くの国民所得が、そういう人々の医療に使われるだろうことは明らかです。私が話した政治家の一部は、かかる経費に関して、実に悲観的で、一人は、余りに多数の人々が腎臓障害を患っているので、このサービスを、医療上必要とする全員に提供するには、大変な費用がかかってしまうので、腎臓透析法が発明されたことを残念に思うとさえ言いました。

政治家の中には、もしそうした技術が開発されれば、国民全員に、最も高価な技術(特に、腎臓透析や臓器移植)を提供する義務を政府が負いかねないという理由で、高価な医療技術には資金提供しない方法を考えている連中もいました。そういうことをする費用は、ほとんど全ての経済成長を食いつぶすだろうというのです。

より高価な医療は、島々、例えば、カリブ海でしか受けられなくなるという未来構想もあります。結局、ヒポクラテスが医療を施していたのはコス島だったではありませんか?

数十年前の予測では、医療は、アメリカ合州国において、急騰している経費だ。我々の誰も、それを予想できるほど冷笑的でなかったものの一つは、医療の各要素を、プロフィット・センター、実際、独占収益を搾り取る好機として扱って、経費を最大化する上で特定利益集団が演じた腐敗した役割です。

オバマケアの下での医療保険民営化は、金融部門と保険業界にとっての、たなぼたでした。共和党が“自由市場”を当初提案しましたが、国民健康保険医療という形での“全員の為のメディケア”を要求する国民の圧力を潰すには、与党民主党の助力が必要でした。議会において、公的医療を支持する議論は許されませんでした。(私は民主党指導部によって、議会討論で、公的医療という選択肢を論じることすら阻止された、大統領候補デニス・クシニッチの経済顧問でした。)

製薬業界ロビイストの途方もない力が、政治家の忠誠心を買収して、製薬会社に反トラスト法が適用されるのを阻止したのです。先に申しあげた通り、こうしたロビイスト連中は、政府が製薬会社と価格を巡って直接交渉することさえ阻止するのに成功しています。

私がこうしたことをお話しするのは、アメリカの解決策が、ヨーロッパや他の国々が、高齢者介護を運営する上で避けるべき実例になるはずだと思うからです。金融部門を優遇する新自由主義政策というのは、緩慢な経済恐慌が家計や労働者の財政を圧迫することを意味しますから、ヨーロッパにとって特に重要です。以下の五つの懸念が最も重要です。

トリアージ: 最も高価な医療は金持ちだけに限定する

低所得者は、不健康、更には自殺の結果として、寿命が短くなります。経済が二極化し、成長が低下するにつれ、結婚と出生率も低下します。ロシアや、ウクライナや、ラトビアや他のソ連後の諸国がこれを示しており、これはヨーロッパが経験することの予兆かも知れません。この労働年齢人口対する高齢者人口比率の増加です。緩慢にしか増えない労働力人口が、益々多数の退職者を支えなければなりません。

ほとんど全ての国々での研究が、健康基準と寿命が、金持ちと貧乏人の間で両極化していることを示している。最近のアメリカの研究では“アメリカ合州国では、金持ちと貧乏人との平均余命の差異は実際、加速している。2001年以来、アメリカで最も裕福な5パーセントのアメリカ人男性の寿命は、2年以上伸びている。同じ階層のアメリカ人女性は、平均余命が、ほぼ3年伸びている。一方、最も貧しい5パーセントのアメリカ人の余命は全く伸びていない。”[2]

これは、最近の定年、社会保障を貰える年齢を引き上げる提案について重要な意味があります。ブルー・カラー労働者ではなく、金持ちだけが長生きするのです。定年を引き上げれば、ブルー・カラーは、健康な暮らしの結果として、より収入の多い人々が享受する退職後の人生が奪われてしまいます。

先に、未来学者たちが書いたあるシナリオに触れました。最良の医療は“医療諸島”だけで、あるいは、“キャデラック医療保険プラン”と呼ばれるアメリカ合州国での等価物でしか得られないというものです。

問題は彼らの“個人的責任”だとして、不健康な環境を、犠牲者のせいにする

ジョージ・W・ブッシュは、貧乏人は、病気になったら、病院の救急救命病棟に行けば良いと言いました。これは明らかに、最も高価なやりかたです。予防の方が遥かに経済的なのです。ところが、この方向への、公的な動きを、タバコや清涼飲料水業界や、不健康を広める他の業者連中が、あらゆる手段を尽くして、邪魔しているのです。

より良い健康や長寿は、高度な医療技術だけではなく、より良い公衆の健康基準や、節食や運動によって実現されるのです。健康と長寿にとって一番良くない行動は、喫煙、飲酒、ジャンク・フードと、食べ過ぎによる肥満です。アメリカ合州国では、小児糖尿病は急増しています、特に人種的、民族的少数派間、そして概して、貧困層の間で。

医療支出を低くしておくための明白な方法は、より健康な生活を送ることです。ニューヨーク市では、ブルームバーグ市長が、大型の砂糖飲料販売機の販売を禁止しようとしました。ファスト・フード・レストランや映画館に支援されたジャンク・フード産業の弁護士連中が、彼の構想を阻止しました。そして、大衆に、健康に良くないという警告を阻止する更により強力な法的手段が、環太平洋貿易連携協定にも、そのヨーロッパ版、環大西洋貿易投資連携協定にも盛り込まれているのです。これらの条約は、タバコ会社や、清涼飲料“砂糖水”企業や、ほとんど栄養のない食べ物風の物質を売っているファースト・フード・レストランにとって、多いに儲かる莫大な罰金を、国民に、喫煙や他の不健康な行為の危険を警告する政府に課する点で、先行する北米自由貿易協定 (NAFTA)に習っている。アメリカ・ロビイストによって、ブリュッセルの政治家連中に押しつけられている新自由主義協定の下では、喫煙の健康に対する害に対して警告をする政府は、こうした警告の結果、タバコの売り上げが減少しなければ得られたであろう収益に見合ったものを、そうした政府は、タバコ会社に支払わなければならなくなるのです! そのようなタバコ箱の警告を要求して、公衆の健康を向上させようとしているオーストラリアに対して、既に罰金が科されています。最近のオーストラリアの報告書はこう結論付けています。

過去に導入されたタバコ政策は、全体的な喫煙率を減らすのに効果的だったが、将来、全国民を変化させるには、新たな革新的な介入が必要だろう。

タバコ制限政策を実施する政府の能力を制限する可能性がある6つの章が判明しています。主要な章は、投資、特にISDSメカニズムです。知的所有権の商標に関連するルール、規制の調和、国際サービスと貿易に対する技術的障壁。… 複数の章は、相互に作用して、タバコ制限に対する効果を強化する可能性もあります。こうした部分のTPPの様々な条項は、政府が新たな政策を導入するのを阻止すると同時に、タバコ業界に対して、政策立案を巡るより大きな影響力と、タバコ制限施策と争うためのより多くの手段を与える可能性があります。[3]

先週、ヨ欧州連合司法裁判所は、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)社と、フィリップ・モリスの異議申し立てに対し、2014年タバコ製品指令を支持しました。これは、他の国々における同様の法律のように、喫煙者に、ニコチンで死ぬことがあると言うタバコの包装箱にある大衆への警告表示を決めたヨーロッパの法律です。しかし、タバコ会社は反撃を誓っており、今やTTIPが連中の大きな望みなのです。

TTIP下での健康保健法民営化の危険性

最近のイギリス記事が問題を明らかにしています。

    TTIPの主要な狙いは、国家の政策が彼らの商業権益を損なったという理由で、仲裁廷に訴える権利を企業に与える公的国際法の道具である、投資家国家紛争解決制度(ISDS)に人目が届かないようにすることだ。… 経済学者のマックス・オットは、ISDSを‘政治の完全な無力化’と呼んだ。仲裁では良くあることだが仲裁廷は秘密だ。TTIPの中のISDSを巡る交渉も秘密だが、内容が明らかになって、反対をひき起こしてしまう前に、協定を成立させてしまうのが目的だ。…

エコノミスト誌が書いているように、‘もし国民に、国際貿易協定は一般市民を犠牲にして、多国籍企業を儲けさせる方法だと確信させたいのであれば、そのやり方はこれだろう。’[4]

金融化の危険性

高齢者の介護と年金に、資金を調達する最も効率的な方法は、賦課方式のまま。これは経済成長の縮小や、その結果として、人口が収縮する中、新自由主義政治環境において困難となりつつあります。現代の、労働力世代が国から逃げ出し、大した福祉予算無しで、高齢者を養われるままに放置しているウクライナ風の状況悲惨な話。これが、東ドイツから、バルト三国に到るまで、ソ連後のモデルになりつつあります。

社会保障、メディケアや年金は、金融化され前倒しで、先立って、支払われるので、アメリカの状況は更に酷い状況です。貯蓄は、何十年も株や債券購入というかたちで蓄えられます。問題は、年金積立制度や、同様の積立制度に貢献する人数よりも多くの労働者が退職すると、価格が下がるのです。おかげで、年金積立制度は資金不足状態です。

2008年以来のアメリカ連邦準備金制度理事会による、そして今では、欧州中央銀行による、量的緩和のおかげで、金利がほとんどゼロに引き下げられて、年金基金や保険会社は、統計的に必要な目標を達成するのに必死になりました。連中は複雑な金融派生商品での博打に向かいましたが、連中の幹部は、ウオール街の抜け目ない連中には太刀打ちできませんから、大損をしました。

中央銀行に、財政赤字を貨幣化させ、それを経済成長させるために使わせようとしないユーロ圏の財政上の狂気に、ここで触れるのが適切かも知れません。イングランド銀行から、アメリカ連邦準備金制度理事会制度に到るまで、これは本当の中央銀行の適切な機能です。中央銀行ではなく、民間銀行だけが、金を印刷し、与信できるべきだと主張するジャンク経済学者に、ヨーロッパの有権者は、脅されているのです。現実には、経済をインフレさせずに、医療プログラムに資金を供給するため、中央銀行がお金を生み出すことが可能です。医療費用、とりわけ適切な高齢者介護をインフレさせれば、民営化して、暴利をむさぼる最適な立場にある大企業に、健康政策を投げ出すことになります。

医薬品の費用と、医療技術を上げかねない貿易協定の危険性

技術的な医療革命には、特に高齢者治療では、高額なレント・シーキングの機会があります。先に引用したオーストラリアの研究は、公的医療費、特に高齢者の医療経費に対し、TPP(そして、そのヨーロッパ版も)がもたらす危険に触れています。主として“知的所有権”を保護するよう設計された条約は、医薬分野による独占レント・シーキングの増大を狙っているのです。

TPPで提案されている条項で、オーストラリアにおける、新たな食品表示要求の実施を制限する可能性があるものには、ISDSメカニズムと、規制の調和の章と、貿易に対する技術的障壁の章があります。TPPのこうした章の条項は、政策立案者が、大衆の健康の為、最も効果的な栄養表示手段を使って規制をするのを制限する可能性があります。例えば食品業界は、包装前面の栄養表示義務導入は、貿易に対する技術的障害だと主張しかねません。健康に対する食品の良さを比較して、消費者の認識を向上させる強力な補完的介入無しには、肥満やメタボリック症候群や非伝染性疾病の現在の高い率は変わらない可能性が大なのです。特に病気にかかりやすい人々にとって、健康に悪影響を与えるでしょう。

まずこの貿易協定は、公的あるいはコミュニティーの薬局が薬品価格引き下げ交渉をする能力を制限します。また反独占法案のいかなる取り組みであれ、外国製造業者や投資家に、もし“市場での介入”(つまり独占価格への規制)が存在しなければ、彼等が得られたであろう金額の支払いを政府は要求されます。これは医療経費を大幅に上昇させますし、“交渉中提案された多くのTPP条項は健康にとって有害である可能性が高いのです。”

医薬品費用が上がれば、医薬品給付制度PBSで、患者の一部負担が増大し、患者の一部負担増が、処方薬の使用率低下をもたらすことを示す十分な証拠があります。処方薬代の変化は、特に自己負担費増大に対応する能力が劣る弱者、女性、高齢者、文化的、言語的少数派や、低所得者、慢性疾患のある人々、地理的に辺鄙な共同体、アボリジニやトレス諸島民に大きな影響を与えます。

TPPで提案されている多くの条項が、医薬品経費を上げる可能性があります。そうしたものは、漏洩した草稿中の、知的所有権の章、医療の透明性付属書類と、投資家国家紛争解決(ISDS)メカニズムを含む投資の章にあります。これらの条項が、もし採択されれば、医薬品給付制度PBSの運営経費を増加させ、ジェネリック薬品の入手を遅らせ、経費を抑える医薬品給付制度PBSの能力を制約しかねないことが予想されます。医薬品給付制度PBSの政府に対する経費増は、患者の一部負担の増加をもたらす可能性が高いでしょう。

要約

アメリカ風新自由主義を支持するヨーロッパ後援者連中は、ヨーロッパ政治や、その経済・社会の構造を変容させる脅威です。膨大な金額の金が、広報と、民主党政府と有権者の権力に対抗し、大企業独占権力の世話を進んでする政治家連中の支援に使われています。ヨーロッパ医療と、老人介護に対する最も深刻な脅威は、アメリカ企業や外交官による、TTIPを強硬成立させろという圧力なのです。

これは自由貿易協定を遥かに超えています。その“投資家紛争”メカニズムは、政府権限を剥奪する脅威です。過去一世紀の社会民主主義で進展した、ヨーロッパ経済や国民や基本的な社会哲学を、各国政府が守るのを阻止するのが狙いです。

これがアメリカ合州国でも非常に多くの人々が、この協定に反対して戦っている理由です。これは、今年の大統領選挙戦の重要な話題です。共和党候補者ドナルド・トランプは、公的医療という選択肢のほうが遥かに経済的だと断言しました。そして、民主党の競争相手、バーニー・サンダースは、ウオール街や医療の独占企業に対するヒラリー・クリントンの支持に反対しています。ヨーロッパでも同様な戦いが行われるよう願っています。

この文章は、2016年5月9日、オーストリア、フィラッハにおけるSANICADEMIA 第5回老人医学・老人学国際会議  = 第59回病院経営オーストリア会議“我々は長生きするようになっている。現在と未来における医療の課題”でのマイケル・ハドソン講演。

[1] ヘイゼル・シェフィールド“TTIPは、NHS売却をもたらしかねないが、イギリス議会は無力で、それを止められまいと、主要労組が語る”The Independent、2016年4月29日。 http://www.independent.co.uk/news/business/news/ttip-could-cause-an-nhs-sell-off-and-parliament-would-be-powerless-to-stop-it-says-leading-union-a7006471.html

[2] サム・ピズィガッティ、“不平等は人を殺す: 最上位の1%は、最下位より15年長生き”Naked Capitalism、2016年5月3日、Other Wordsに最初に掲載。http://www.nakedcapitalism.com/2016/05/inequality-kills-top-1-lives-15-years-longer-than-the-poorest.html

[3] キャサリン・ヒロノ、フィオナ・ヘーグH、デボラ・グリーソン、パトリック・ハリス、アン・マリー・ソー、および、シャロン・フリー、“貿易交渉という文脈で健康影響評価は有用か? 環太平洋戦略的経済連携協定のケーススタディー” 2016年4月4日。http://bmjopen.bmj.com/content/6/4/e010339.full. 報告書はこう書いている。“最終協定も、ISDSから、タバコ制限施策に異議申し立てをするためのISDS利用を、TPP加盟諸国が防ぐことを可能にする、オプションのタバコを切り離している。それでも、こうした明白な‘勝利’にも限界はある。タバコと違い、医療制度や食品やアルコールは、ISDSから切り離されてはおらず、こうした政策分野は、外国投資家による訴えの対象になりやすいままになっている。公衆の健康を保護するための様々な予防策が含まれているとは言え、専門家たちは、それで十分かどうかわからないと、疑念を呈している。”

[4] グレン・ニューイー、“投資家 対 国家” ロンドン・レビュー・オブ・ブックス・ブログ、2016年4月29日。http://www.lrb.co.uk/blog/2016/04/29/glen-newey/investors-v-states/

マイケル・ハドソンの新刊『Killing the Host』電子書籍は、CounterPunch Booksから、書籍はIsletから刊行されている。mh@michael-hudson.comで、彼に連絡できる。

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2016/05/11/the-dangers-of-free-trade-agreements-ttips-threat-to-europes-elderly/

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「安倍内閣の支持率53%に上昇」という記事をよんで絶望的になった。

この属国列島の皆様には、強烈な自殺願望があるのだろうか?

日本の医療に対するTPPの影響ということでは、下記記事もお読み願いたい。

「TPPと医療」について

シンポジウム「このまま進めて大丈夫なの?TPP交渉」9月14日の特別講演
日本医師会 中川俊男副会長「TPPと医療」について
の録音起こし。

是非、IWJ購読者となられて、たとえば下記の貴重なインタビューをご確認願いたい。こうしたお話を聞かれれば、TPPを推進する売国政治家と、その提灯持ち大本営広報部に小生が怒りを感じるのが、錯覚・誤解ではないこと、お分かりいただけるだろう。

日本の「食の安全」をモンサントが決める!?日本農業新聞を含むほぼすべての大手メディアが取り上げないTPPの衝撃の真実! 岩上安身による山田正彦・元農水大臣インタビュー(後編)  2016/05/07

【決定版TPP】 “貧困・格差・TPP” 「月刊日本」5月増刊号も発売になった。

下記もお読み願いたい。

TPP交渉差止・違憲訴訟の会

【IWJブログ】「TPPに署名しないか批准しないことが、民主的に選ばれた議会の責務」!!国連人権理事会の専門家アルフレッド・デ・サヤス氏が国際法および国際規約違反を示唆して警告!!

【IWJブログ・特別寄稿】「いのちの市場化」にNO!~TPPと国家戦略特区は「新自由主義」を実現する双子である (アジア太平洋資料センター〈PARC〉事務局長 内田聖子)

植草一秀の『知られざる真実』

TPPに関する、小生による関連海外記事翻訳リストは下記。

TPP関連主要記事リスト

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