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2016年5月20日 (金)

長崎に対する謝罪は?

2016年5月13日
Paul Street
counterpuch

最近のニューヨーク・デイリー・ニューズの見出しにはこうある。“オバマは広島に歴史的訪問をするが、アメリカによる日本の都市への原子爆弾投下は謝罪せず。”

では長崎についてはどうだろう? オバマは今月末の日本訪問時、長崎には謝罪するのだろうか?

誤解されぬようお願いする。広島への原爆投下は、それに続く、通常ほとんど無視されている長崎での犯罪無しでも、それだけで、人類に対する大規模な犯罪だ。1945年8月6日、アメリカ合州国は広島を原子爆弾攻撃したが、これは二カ月間で146,000人の日本人民間人の死を招いた行為だ。アメリカ軍最高幹部や諜報機関幹部が、日本は敗北し、第二次世界大戦末に降伏しようとしていたのを理解していたにもかかわらず、原爆は“命を救う”という名目で投下された。

この途方もない犯罪で、アメリカは、核兵器を一般市民に対して使用した唯一の国となった。原爆投下は、第二次世界大戦後の時代、難攻不落のアメリカの力を、世界に、そして特にソ連に対して誇示するべく行われたのだ。ガー・アルペロビッツや他の多数の歴史学者が豊富な一次資料調査を用いて明らかにした通り、狙いは明白だった。

敗北した日本(天皇も含め)は最初の原子爆弾が投下される前に、戦い続ける意欲を失っていたことを、アメリカ合州国のハリー・トルーマン大統領や顧問たちは良く知っていた。アルペロビッツや他の人々が実証している通り、アメリカ合州国は、アメリカによる、天皇の地位廃止を必要とする降伏の条件を修正するだけで、1945年初春あるいは夏に、日本を正式に降伏させることができていたはずなのだ。

そのような修正がなくとも、ホワイト・ハウスとアメリカ軍司令部は、確実に降伏を早めるであろう事態である、ソ連の日本への宣戦布告を待つだけで良かったのだ。実際には、広島から三日後、そしてロシアの宣戦布告後、二発目の原子爆弾が長崎に投下された。

アメリカの政策決定者が、原子爆弾を、ソ連が日本に対して参戦する前に戦争を終わらせる手段、そして初期のアメリカ冷戦“外交”を強化する手段と見なしていたことをアルペロビッツや他の人々が示している。アメリカ戦略爆撃調査によれば、広島と長崎は“産業活動と人口が集中していたため、標的に選ばれたのだ”。この二つの都市に暮らす一般市民に対する核攻撃は、“生命を救う”のが目的ではなかった。(2500万人のソ連国民を含む、5000万人から6000万人の命を奪った世界的大惨事で、比較的、被害を受けなかった)勝ち誇るアメリカが、国際行動のルールは自分が決め、アメリカによる世界支配を阻止しかねない可能性がある全ての国々(主にソ連)を従属的な立場におくと固く決意している、第二次世界大戦後の新世界秩序の中で、アメリカの威力を誇示し、強化するのが目的だった。

極めて重要なのは、原子爆弾投下の前、広島も長崎も、アメリカ空軍の通常爆撃標的リストから意図的に外されていたことだ。それは、勝ち誇るアメリカが所有する新たな大量破壊能力のデモンストレーション効果を、二つの都市で最大限に示せるようにするためだった。アメリカ政府は、愛すべき新たな大量破壊兵器の殺傷能力を、できる限り衝撃的な、畏怖の念をひき起こすような形で示したかったのだ。

長崎爆撃は、広島爆撃ほど頻繁に言及されたり、思い出されたりしない。二カ月の間に、80,000人の日本人民間人を殺害したのだ。

もし広島爆撃が犯罪的で、不必要だったのであれば、長崎爆撃はどれほど犯罪的で、不必要だったろう?

1945年夏の、多数の一般市民を原爆攻撃するという、アメリカ合州国の恐ろしい決断に疑問を抱くには、アメリカ帝国に対する左翼批判者である必要などない。第二次世界大戦時の連合国遠征軍最高司令官で、後の共和党アメリカ大統領となった、最も尊敬されているアメリカ軍指導者のドワイト・アイゼンハワーは、当時日本に原爆を投下するという決断に愕然とし、反対した。18年後、彼は、ニューズウイーク誌に“あの恐ろしいもので、彼らを攻撃する必要はなかった”と語った(実際は、二発の恐ろしいものだったが)。彼が反対したことも、この発言も、何世代もの国民や世論を形成する人々が、広島と、それほど頻繁には触れられない長崎とに対する犯罪は、必要なもので、“命を救った”情け深い行為だとまで見なすよう教えられているアメリカでは、あのオーウェルのメモリー・ホール行きになるばかり。

実にとんでもないことだ。

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2016/05/13/apologize-for-nagasaki/
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翁長知事がアメリカから帰国した日に米軍属の男逮捕。

原爆投下という戦争犯罪を詫びない宗主国。70年それを要求しない属国傀儡支配層。いや、要求するどころか、宗主国に指示されたことを、素直に、属国民に押しつけるとんでもない能力ゆえに、宗主国から買弁傀儡の地位を認可されているはずだ。

その延長が今回の事件。 まともなキャスター後釜の茶坊主「封じるべき」発言で馬脚を表した。発言する場面を見て驚いた。世界最大属国の呆導は、北朝鮮オバサマ放送以下。

日本の庶民にとって最大の脅威、宗主国軍隊(とTPPを押しつける宗主国多国籍企業)とその傀儡支配層と茶坊主。

数分話すだけの訪問、何がありがたいのか、まったくわからない。

原爆関係の記事を多数翻訳している。せめて下記記事はお読み頂きたいもの。

5/20の日刊IWJガイドに下記記事がある。

【Ch1】17:00~「岩上安身による『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』著者・矢部宏治氏インタビュー」
UST視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』(web立ち読みはここ)著者・矢部宏治氏へ岩上安身がインタビューします。

是非拝聴したいが、所要があるので、アーカイブになったら、みさせていただこう。

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コメント

謝罪は兎も角として、
核爆弾投下のお蔭で、
トルーマンは50万人のアメリカ兵が、
上陸作戦で、失われず済んだと言った、
トルーマンの此の論法は、
未来に於いて核の使用を再び此の論法で、
安易に使用される可能性が大きい。
だから、此の論法を二度と核の使用の
理由に使わないと、
「広島平和都市記念碑」の前で誓って欲しい

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